Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

CCD の動作

CCD は、選出された整合性ドメインの全ノードで整合性のとれたデータベースの複製が存在するようにします。有効な CCD のコピーが検出されたノードだけが、クラスタへの結合を許可されます。整合性の検査は、局所的と広域的の 2 つのレベルで行われます。局所的には、それぞれのデータベースコピーは、データベースの検査合計と長さを保持した整合性レコードを内蔵しています。この整合性レコードは、データベースの更新または回復が行われたときのローカルのデータベースコピーの妥当性を検査します。整合性レコードは、データベースの最終更新日時を記録します。

CCD はまた、広域的な整合性検査を行なって、すべてのノードに存在するデータベースのコピーが同じであることを確認します。CCD デーモンは整合性レコードを交換して、その妥当性の検査をします。クラスタの再起動中、データベースの回復には定足数投票方式が使用されます。回復プロセスによって、CCD の有効なコピーが存在するノード数 (整合性レコードを使用して、局所的な整合性が検査される) と、同一内容 (検査合計と長さが同じ) のコピー数が求められます。

過半数のノードが動作しているときに、CCD コピーを最新にするには、デフォルトの整合性ドメイン内に定足数の過半数が検出される必要があります。


注 -

CCD を更新するには、定足数の過半数が必要です。


Q= [Na/2]+1 は、CCD を更新するために必要なノード数を規定します。Na は、クラスタ内に物理的に存在するノード数です。ノードは物理的に存在しますが、クラスタソフトウェアを実行していないこともあります。

VERITAS Volume Manager を使用した 2 ノードのクラスタの場合、定足数は、共有 CCD ボリュームを使用し、ノード数が 1 つだけ上回ることによって維持されることがあります。共有 CCD 構成では、CCD のコピーが各ノードのローカルディスクに保持され、別のコピーが、ノード間で共有可能な特殊なディスクグループに保持されます。通常の運用では、ローカルディスク上のコピーだけが利用されますが、ノードの 1 つで問題が発生した場合は、共有 CCD が使用されて、クラスタ内にノード 1 つだけで CCD 定足数が維持されます。障害ノードがクラスタに再結合した場合、そのノードは、共有 CCD の現在のコピーを使用して更新されます。2 ノードのクラスタにおける共有 CCD ボリュームの設定についての詳細は、第 3 章「Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成」を参照してください。

ノードの 1 つが動作し続けている場合は、そのノードの有効な CCD を新たに結合するノードに伝達できます。CCD 回復アルゴリズムは、有効なコピーが検出され、すべてのノード上に正しくその複製が作成されている場合にだけ CCD データベースが動作するようにします。回復に失敗した場合は、ユーザーが介入して、どの CCD コピーが有効であるかを決定する必要があります。こうして選出されたコピーを使用して、データベースを復元できます。このデータベースの復元には、ccdadm -r コマンドを使用します。CCD を管理する手順については、『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』を参照してください。


注 -

CCD には、データベースの現在の内容を記憶するバックアップ機能 (ccdadm(1M) を使用) があります。データベースの現在の内容を記憶することにより、バックアップコピーを使用して、データベースを復元することができます。詳細は、ccdadm(1M) のマニュアルページを参照してください。