Sun Cluster ノードに Oracle ソフトウェアをインストールする準備をして、実際に Oracle ソフトウェアをインストールするための主な作業は、次のとおりです。
$ORACLE_HOME ディレクトリの作成場所を選択する
ユーザー oracle 用の /etc/group および /etc/passwd エントリを作成し、pwconv(1M) コマンドにより /etc/shadow ファイルに対するエントリを作成する
Oracle ソフトウェアをインストールする
/var/opt/oracle/oratab ファイルを作成する (Oracle バージョン 7.xx から 8.xx のみ。Oracle8i の場合は、この手順は必要ありません。)
インストールを確認する
すべての Sun Cluster ノードに対して、この節で説明しているすべての手順を実行してください。
Sun Cluster ノードの準備をして、Oracle ソフトウェアをインストールする詳細な手順は、次のとおりです。
Oracle ソフトウェアをインストールする準備をします。
ローカルまたは多重ホストディスクから $ORACLE_HOME ディレクトリの作成場所を選択します。
各物理ホストのローカルディスクに Oracle のバイナリをインストールする場合は、できるかぎり、専用のディスク上に 1 つのファイルシステムとして Oracle ソフトウェアをマウントします。そうすることにより、オペレーティング環境を再インストールした場合でも、Oracle のバイナリが上書きされなくなります。
すべてのノードの /etc/group ファイルにデータベース管理者グループ用のエントリを作成し、グループにエントリを追加します。
通常、このグループの名前は dba です。root および oracle がこの dba グループのメンバーになっていることを確認し、必要に応じて、他の dba ユーザー用のエントリを追加してください。Sun Cluster HA for Oracle を実行するすべてのノードで、グループ ID が同じであることを確認してください。次のようになります。
dba:*:520:root,oracle |
NIS あるいは NIS+ などのネットワークネームサービス内にネームサービスのエントリを作成して、Sun Cluster HA for Oracle クライアントからその情報を利用できるようにすることができますが、ローカルの /etc ファイルにもエントリを作成して、ネットワークネームサービスに依存しないようにしてください。
すべてのノードで、この情報の複製を作成する必要があります。
すべてのノードの /etc/passwd ファイルに Oracle ユーザー ID (oracle_id) 用のエントリを作成してから、pwconv(1M) コマンドを実行して、/etc/shadow ファイルにエントリを作成します。 または、次のコマンドを実行します。
通常、この oracle_id は oracle です。
# useradd -u 120 -g dba -d $ORACLE_HOME oracle_id |
Sun Cluster HA for Oracle を実行するすべてのノードで、ユーザーID が同じであることを確認してください。
$ORACLE_HOME ディレクトリが oracle_id によって所有され、dba グループに含まれていることを確認します。
$ORACLE_HOME ディレクトリに対するアクセス権は 755 に設定すべきです。
# chown oracle $ORACLE_HOME # chgrp dba $ORACLE_HOME |
$ORACLE_HOME が Oracle のホームディレクトリへのシンボリックリンクの場合は、次のコマンドを使用します。
# chown oracle $ORACLE_HOME # chgrp dba $ORACLE_HOME # chown -h oracle $ORACLE_HOME # chgrp -h dba $ORACLE_HOME |
Oracle のインストール条件を確認します。
Oracle のバイナリは、物理ホストのローカルディスクにインストールすることも、あるいは多重ホストディスクにインストールすることもできます。詳細は、「Sun Cluster HA for Oracle のインストール場所の選択」を参照してください。
多重ホストディスクに Oracle ソフトウェアをインストールする場合は、まず、Sun Cluster を起動して、論理ホストの所有権を取得する必要があります。詳細は、「Oracle データベースの作成と Sun Cluster HA for Oracle の構成」を参照してください。
初めて Oracle のバージョン 7.x.x 〜 8.x.x をインストールする場合は、「Install/Upgrade/Patch Software Only」オプションを選択してください。これは、データベースの格納場所として論理ホストがデータベース初期化ファイルと構成ファイルに反映されるようにするためです。
Oracle ソフトウェアをインストールします。
標準の Oracle インストール手順に従って、すべてのノードの /etc/system ファイルを編集します。また、すべてのノードにユーザー oracle と dba グループ用の /var/opt/oracle ディレクトリを作成します。
この手順を行う前に oracle でログインして、/var/opt/oracle ディレクトリ全体の所有権を確保してください。Oracle ソフトウェアのインストール方法に関する詳細は、Oracle のマニュアルを参照してください。
(Oracle バージョン 7.x.x 〜 8.x.x のみ) /var/opt/oracle/oratab ファイルを作成します。
スーパーユーザーで、$ORACLE_HOME/orainst/oratab.sh スクリプトを実行し、適切なアクセス権を設定した /var/opt/oracle/oratab ファイルを作成します。
Oracle バージョン 8i 以降を使用する場合には、この手順は必要ありません。これらのバージョンでは、oratab ファイルの作成は Oracle インストーラが自動的に行います。
Oracle のインストール内容を確認します。
Oracle カーネルの $ORACLE_HOME/bin/oracle が oracle によって所有され、dba グループに含まれていることを確認します。
$ORACLE_HOME/bin/oracle に対するアクセス権が次のように設定されていることを確認します。
-rwsr-x--x |
$ORACLE_HOME/bin にリスナーのバイナリが存在することを確認します。
Oracle バージョン 7.x.x 〜 8.x.x に $ORACLE_HOME/orainst/RELVER ファイルが存在することを確認します。
ノードに Oracle Unix Installer をインストールすると、$ORACLE_HOME/orainst/RELVER が作成されます。$ORACLE_HOME/orainst/RELVER ファイルが存在しない場合は、手動で作成してください。ノードにインストールした Oracle ソフトウェアの正しいバージョン番号を記入してください。次に例を示します。
# cat $ORACLE_HOME/orainst/RELVER RELEASE_VERSION=8.0.4.0.0 |