Sun Cluster 2.2 のシステム管理

クラスタコンソール

「クラスタコンソール」(CC) GUI を使用すると、複数のノードで同時にコマンドを実行し、クラスタ管理を簡潔化できます。クラスタコンソールは、クラスタノードごとに 1 つの端末ウィンドウと、すべてのウィンドウを同時に制御できる共通ウィンドウを表示します。

さまざまな遠隔セッションにより、ホストのコンソールに接続したり、rlogin または telnet を使用して遠隔でログインしたりできます。ホストは、コマンド行で指定でき、プログラムを実行した後で「ホストを選択」ダイアログボックスで追加または削除が行えます。セッションタイプは、コマンド行でしか指定できません。いったん開始すると、セッションタイプは変更できません。

共通ウィンドウでは複数のホストに対してコマンドを発行でき、端末ウィンドウでは単一のホストに対してコマンドを発行できます。端末ウィンドウは、VT100 端末エミュレーションを使用します。

アクセスするホスト以外のすべてのホストを「ホスト」メニューで切断し、その後共通ウィンドウのテキストフィールドでコマンドを発行することもできます。

クラスタコンソールを起動するには

クラスタコンソールは、CCP (「クラスタコントロールパネル (CCP) 」)、またはシェルウィンドウのコマンド行から起動できます。オプションパラメータを指定すると、クラスタ内のホストまたは指定されたホストごとに端末ウィンドウが作成されます。

  1. cconsole と入力して、遠隔コンソールアクセスを開始します。


    % cconsole [clustername | hostname...]

  1. ctelnet と入力して、コンソールからの telnet(1) 接続を確立します。


    % ctelnet [clustername | hostname...]

  1. 自分のユーザー名を使用して crlogin を起動し、コンソールからの rlogin(1) 接続を確立します。


    % crlogin -l user name [clustername | hostname...]

上記の 3 つのコマンドはすべて、標準の X/Motif コマンド行引数も受け付けます。クラスタコンソールが起動すると、「クラスタコンソール」ウィンドウが表示されます。

ラスタコンソールの詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

共通ウィンドウのメニューバー

共通ウィンドウ (次の図を参照) は、入力をすべてのノードに送信するために使用される主要なウィンドウです。共通ウィンドウは、クラスタコンソールの起動時に常に表示されます。

図 2-4 クラスタコンソールの共通ウィンドウのメニューバー

Graphic

ウィンドウには、3 つのメニューがあるメニューバーと、コマンドを入力するためのテキストフィールドがあります。「ホスト」メニューでは、「ホストを選択」ダイアログボックスを使用して次の作業が行えます。

「オプション」メニューでは、共通ウィンドウと端末ウィンドウのグループ化とグループ化の解除が行えます。

クラスタコンソールが使用する構成ファイル

クラスタコンソールは、2 つの構成ファイル、clustersserialports を使用します。これらは、/etc ファイルか NIS/NIS+ データベースのどちらかです。NIS+ 環境を使用する利点は、クラスタコンソールを複数の管理ワークステーションで実行できることです。詳細は、NIS/NIS+ のシステム管理マニュアルを参照してください。

clusters ファイル

clusters ファイルは、クラスタ名を、そのクラスタを構成するホスト名に対応付けたものです。次の例に示すように、このファイルの各行はクラスタを 1 つ指定します。


planets      mercury venus earth mars
wine         zinfandel merlot chardonnay riesling

clusters ファイルは、クラスタコンソールの 3 つのセッションタイプすべて (cconsolectelnetcrlogin) に使用されます。これらのセッションは、このファイルを使用して、コマンド行または「ホストを選択」ダイアログボックスでクラスタ名をホスト名に対応付けます。詳細は、clusters ファイルの変更」を参照してください。

serialports ファイル

serialports ファイルは、ホスト名を、端末集配信装置とホストが接続される端末集配信装置シリアルポートに対応付けたものです。このデータベースの各行は、ホストのシリアルポートを 1 つ示します。

次に、Sun Enterprise 10000 の serialports ファイルデータベース例を示します。


mercury    systemserviceprocessorname    23
venus      systemserviceprocessorname    23
earth      systemserviceprocessorname    23
mars       systemserviceprocessorname    23

次に、ほかのノードの serialports ファイルデータベースの例を示します。


mercury        planets-tc   5002
venus          planets-tc   5003
earth          planets-tc   5004
mars           planets-tc   5005

serialports ファイルは、クラスタコンソールの cconsole セッションだけに使用されます。cconsole セッションは、このファイルを使用して、コマンド行または「ホストを選択」ダイアログボックスに指定されたホストまたはクラスタのために、どの端末集配信装置とポートを接続するかを決定します。

前述の例では、ノード mercuryplanets-tc ポート 2 に接続されており、ノード venusplanets-tc ポート 3 に接続されています。ポート 1 は、端末集配信装置の管理用として予約されています。

詳細は、serialports ファイルの変更」を参照してください。