「クラスタコンソール」(CC) GUI を使用すると、複数のノードで同時にコマンドを実行し、クラスタ管理を簡潔化できます。クラスタコンソールは、クラスタノードごとに 1 つの端末ウィンドウと、すべてのウィンドウを同時に制御できる共通ウィンドウを表示します。
さまざまな遠隔セッションにより、ホストのコンソールに接続したり、rlogin または telnet を使用して遠隔でログインしたりできます。ホストは、コマンド行で指定でき、プログラムを実行した後で「ホストを選択」ダイアログボックスで追加または削除が行えます。セッションタイプは、コマンド行でしか指定できません。いったん開始すると、セッションタイプは変更できません。
共通ウィンドウでは複数のホストに対してコマンドを発行でき、端末ウィンドウでは単一のホストに対してコマンドを発行できます。端末ウィンドウは、VT100 端末エミュレーションを使用します。
アクセスするホスト以外のすべてのホストを「ホスト」メニューで切断し、その後共通ウィンドウのテキストフィールドでコマンドを発行することもできます。
クラスタコンソールは、CCP (「クラスタコントロールパネル (CCP) 」)、またはシェルウィンドウのコマンド行から起動できます。オプションパラメータを指定すると、クラスタ内のホストまたは指定されたホストごとに端末ウィンドウが作成されます。
自分のユーザー名を使用して crlogin を起動し、コンソールからの rlogin(1) 接続を確立します。
% crlogin -l user name [clustername | hostname...] |
上記の 3 つのコマンドはすべて、標準の X/Motif コマンド行引数も受け付けます。クラスタコンソールが起動すると、「クラスタコンソール」ウィンドウが表示されます。
ラスタコンソールの詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
共通ウィンドウ (次の図を参照) は、入力をすべてのノードに送信するために使用される主要なウィンドウです。共通ウィンドウは、クラスタコンソールの起動時に常に表示されます。
ウィンドウには、3 つのメニューがあるメニューバーと、コマンドを入力するためのテキストフィールドがあります。「ホスト」メニューでは、「ホストを選択」ダイアログボックスを使用して次の作業が行えます。
ホストを追加する
クラスタ内のすべてのホストを追加する
ホストを削除する
「オプション」メニューでは、共通ウィンドウと端末ウィンドウのグループ化とグループ化の解除が行えます。
クラスタコンソールは、2 つの構成ファイル、clusters と serialports を使用します。これらは、/etc ファイルか NIS/NIS+ データベースのどちらかです。NIS+ 環境を使用する利点は、クラスタコンソールを複数の管理ワークステーションで実行できることです。詳細は、NIS/NIS+ のシステム管理マニュアルを参照してください。
clusters ファイルは、クラスタ名を、そのクラスタを構成するホスト名に対応付けたものです。次の例に示すように、このファイルの各行はクラスタを 1 つ指定します。
planets mercury venus earth mars wine zinfandel merlot chardonnay riesling |
clusters ファイルは、クラスタコンソールの 3 つのセッションタイプすべて (cconsole、ctelnet、crlogin) に使用されます。これらのセッションは、このファイルを使用して、コマンド行または「ホストを選択」ダイアログボックスでクラスタ名をホスト名に対応付けます。詳細は、「clusters ファイルの変更」を参照してください。
serialports ファイルは、ホスト名を、端末集配信装置とホストが接続される端末集配信装置シリアルポートに対応付けたものです。このデータベースの各行は、ホストのシリアルポートを 1 つ示します。
次に、Sun Enterprise 10000 の serialports ファイルデータベース例を示します。
mercury systemserviceprocessorname 23 venus systemserviceprocessorname 23 earth systemserviceprocessorname 23 mars systemserviceprocessorname 23 |
次に、ほかのノードの serialports ファイルデータベースの例を示します。
mercury planets-tc 5002 venus planets-tc 5003 earth planets-tc 5004 mars planets-tc 5005 |
serialports ファイルは、クラスタコンソールの cconsole セッションだけに使用されます。cconsole セッションは、このファイルを使用して、コマンド行または「ホストを選択」ダイアログボックスに指定されたホストまたはクラスタのために、どの端末集配信装置とポートを接続するかを決定します。
前述の例では、ノード mercury は planets-tc ポート 2 に接続されており、ノード venus は planets-tc ポート 3 に接続されています。ポート 1 は、端末集配信装置の管理用として予約されています。
詳細は、「serialports ファイルの変更」を参照してください。