Sun Cluster Manager (SCM) は Sun Cluser 2.2 のクラスタ管理ツールです。SCM は、Sun Cluster の多くのコマンド行監視機能に対する共通インタフェースになります。SCM では、次の情報が表示されます。
SCM で探知されたアラーム
各クラスタノードについての syslog メッセージ
クラスタリソース (パラレルデータサービス、論理ホスト、登録されている HA サービス、クラスタノード、ボリュームマネージャの種類など)
SCM は、SCM サーバーソフトウェアと SCM グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) から構成されます。SCM サーバーは、クラスタ内の各ノードで動作します。SCM GUI は、アプリケーションかアプレットとして動作します。アプレットとして動作する場合は、HotJava や Netscape など、Java Development Kit (JDK) 対応のブラウザから SCM を表示できます。ブラウザは、クラスタノードを含めどのマシンでも実行できます。サポートされる JDK バージョンの最新情報については、サービスプロバイダに問い合わせるか、『Sun Cluster 2.2 ご使用にあたって』の最新版を参照してください。
次の各項の説明に従って SCM を構成し、実行してください。
SCM をアプリケーションとして実行するには、次の手順に従います。
管理ワークステーションに、Sun Cluster 2.2 CD-ROM から SCM パッケージ (SUNWscmgr) をインストールします。
SCM パッチの最新バージョンをすべてのクラスタノードと管理ワークステーションにインストールします。
パッチやパッチ番号の最新情報については、『Sun Cluster 2.2 ご使用にあたって』や SunSolve の Web サイト (http://sunsolve.sun.com) を参照するか、ご購入先にお問い合わせください。
SCM アプリケーションを実行します。
アプリケーションを起動するには、任意のクラスタノードから次のコマンドを実行します。cluster_node は、そのクラスタの現在のメンバーです。
# /opt/SUNWcluster/bin/scmgr cluster_node |
SCM アプリケーションを起動したら、オンラインヘルプを使ってメニューのナビゲーション、作業、照会に関する情報を表示できます。SCM アプリケーションからヘルプウィンドウを表示するには、「Help」メニューから「Help Contents」を選択します。あるいは、フォルダアイコンの上にあるツールバーのヘルプアイコンをクリックします。
SCM の実行についての詳細は、scmgr(1M) のマニュアルページを参照してください。
SCM をアプレットとして実行するには、次のようにします。各作業の詳細は、この後の各手順で説明します。
SunSolve から入手した最新バージョンの SCM パッチをすべてのクラスタノードにインストールします。パッチやパッチ番号の最新情報については、『Sun Cluster 2.2 ご使用にあたって』や SunSolve の Web サイト (http://sunsolve.sun.com) を参照するか、ご購入先にお問い合わせください。
管理ワークステーションにブラウザをインストールします。Sun Cluster 2.2 4/00 リリースでサポートされるブラウザは、HotJava (バージョン 1.1.4 以降) と Netscape (バージョン 4.5 以降) です。
ブラウザとして HotJava をインストールした場合は、JDK を管理ワークステーションにインストールします。
すべてのクラスタノードに Web サーバーをインストールし、構成します。
ブラウザに適切な URL を入力して SCM アプレットを起動します。URL に入力するホストは、クラスタの現在のメンバーでなければなりません。
Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティングシステムに付属する HotJava ブラウザを使用する場合は、メニューの使用時にに問題が発生することがあります。たとえば、メニューを選択した後で、その選択項目がブラウザに表示されたままになることがあります。SCM の未解決の問題については、『Sun Cluster 2.2 ご使用にあたって』を参照してください。Solaris 8 ソフトウェアでは HotJava ブラウザがサポートされないため、Solaris 8 ソフトウェアで SCM を実行する場合は、Netscape など他のブラウザを使用する必要があります。「クラスタノードから Netscape ブラウザの SCM アプレットを実行するには 」を参照してください。
SCM に HotJava ブラウザを使用する場合は、空きスワップ容量として 40M バイト以上が必要です。スワップ容量が少なくなった場合は、HotJava ブラウザを再起動すると、容量が回復することがあります。
SCM を実行するには、HotJava の適切なバージョンがインストールされているだけでなく、JDK パッケージ (SUNWjvrt および SUNWjvjit) の適切なバージョンが HotJava ブラウザを含むシステムにインストールされていなければなりません。使用するバージョン番号を次の表で確認してください。さらに、この情報は更新されている可能性があるため、『Sun Cluster 2.2 ご使用にあたって』の最新版も参照してください。
表 2-5 SCM の要件: JDK と HotJava
オペレーティング環境 |
Java Developer Kit (JDK) バージョン |
HotJava バージョン |
Netscape バージョン |
---|---|---|---|
Solaris 2.6 |
1.1.6 以降 |
1.1.4 以降 |
4.5 以降 |
Solaris 7 |
1.1.6 以降 |
1.1.4 以降 |
4.5 以降 |
Solaris 8 |
1.2 以降 |
サポートなし |
4.5 以降 |
次のようにすることができます。
クラスタノードで HotJava ブラウザを実行する。このオプションを選択した場合は、HotJava を実行しているノードで障害が発生した場合に、別のノードで HotJava を再起動する必要があります。
Web サーバーを、クラスタノードごとにインストールする。このオプションを選択した場合は、HotJava ブラウザで「Lost Connection」ダイアログが表示された場合に、別のノードに対応した URL を入力する必要があります。
必要に応じて次の各手順を使用し、望ましい構成を設定します。
クラスタサーバーのコンソールプロンプトに次のように入力して、現在の Java バージョンを確認します。
# java -version |
必要に応じて、JDK の新しいバージョンをダウンロードします。
Java のバージョンとして 1.1.6 より前のバージョンが表示された場合は、指示に従って次の URL から JDK バージョン 1.1.6 (またはそれ以降) をダウンロードします。
HotJava ブラウザが動作するマシンの「ヘルプ」メニューから「About HotJava」を選択します。
HotJava ブラウザのバージョンが 1.1.4 より古いか、HotJava ブラウザが動作していない場合は、指示に従って次の URL から HotJava バージョン 1.1.4 (またはそれ以降) をダウンロードします。
クラスタ内のノードで、HotJava ブラウザを実行します。
HotJava ブラウザは /usr/dt/bin にあります。.
X Window ワークステーションで、HotJava ブラウザを遠隔表示します。
HotJava ブラウザにアプレットのセキュリティを設定します。
SCM によるクラスタ監視を開始する用意ができた時点で、該当する URL を入力します。たとえば、
file:/opt/SUNWcluster/scmgr/index.html |
ファイル、ポートなどにアクセスする権限を求めるダイアログボックスが表示されますが、すべてにおいて「OK」をクリックします。
HotJava によるアプレットのダウンロードと実行は時間がかかることがあります。この間、状態情報は表示されません。
メニュー間のナビゲーション、およびメニューによる作業と照会の詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
クラスタ内のノードで HotJava ブラウザを実行します。
HotJava ブラウザは /usr/dt/bin にあります。.
すべてのクラスタノードに Web サーバーを設定し、起動します。
詳細は、「SCM で動作するように Web サーバーを設定するには」を参照してください。.
HotJava ブラウザにアプレットのセキュリティを設定します。
SCM によるクラスタ監視を開始する用意ができた時点で、該当する URL を入力します。
http://cluster_node/link_to_scm/index.html |
遠隔のディスプレイワークステーションからブラウザが起動されているクラスタノードに対し、一定のファイル、ポートなどへのアクセス権を求めるダイアログボックスが表示されますので、「OK」をクリックします。
HotJava によるアプレットのダウンロードと実行にはある程度の時間がかかりますが、この間、状態情報は表示されません。
メニューのナビゲーション、作業、照会については、オンラインヘルプを参照してください。
クラスタノードに Netscape ブラウザをインストールします。
SCM とクラスタノード上で必要な SCM パッチをインストールします。
SCM をインストールするには、scinstall(1M) を使用します。scinstall(1M) は、サーバーのパッケージセットの一部として SCM パッケージ (SUNWscmgr) をインストールします。SCM パッチを取得する場合は、次の SunSolve の Web サイトを参照するか、ご購入先にお問い合わせください。
必要に応じて、次の行を preferences.js ファイルに追加します。
このファイルは $HOME/.netscape ディレクトリにあります。次の行がファイルに追加されていない場合は、これを追加します。
user_pref("security.lower_java_network_security_by_trusting_proxies", true); user_pref("signed.applets.codebase_principal_support", true); |
クラスタノードで DISPLAY 環境変数を設定します (これによって、Netscape ブラウザは遠隔の X Windows ワークステーションに表示されます)。次に、同じクラスタノードで Netscape ブラウザを実行します。
SCM によるクラスタ監視を開始する用意ができたら、該当する URL を入力します。
file:/opt/SUNWcluster/scmgr/index.html |
遠隔のディスプレイワークステーションから一定のファイル、ポートなどへのアクセス権を求める「Java Security」ダイアログボックスが表示されますので、「Grant」をクリックします。
メニューのナビゲーション、作業、照会については、オンラインヘルプを参照してください。
必要に応じて、クラスタノード上に Web サーバーをインストールして、SCM で動作させることができます。
SCM に対し Sun Cluster HA for Netscape HTTP サービスと HTTP サーバーが動作する場合は、HTTP サーバーが個別のポートで待機する (listen) ように各 HTTP サーバーを構成する必要があります。これは、複数の HTTP サーバーが同じポートを使用するのを防ぐためです。
Web サーバーをクラスタ内のすべてのノードにインストールします。
Web サーバーの構成作業に従って、SCM の index.html ファイルがクライアントからアクセス可能であることを確認します。
SCM のクライアントアプレットは、/opt/SUNWcluster/scmgr ディレクトリの index.html ファイルに入っています。たとえば、HTTP サーバーの document_root に移動し、/opt/SUNWcluster/scmgr ディレクトリに対するリンクを作成します。
管理ワークステーションから HotJava ブラウザを実行します。
HotJava ブラウザで、アプレットのセキュリティについて設定します。
SCM によるクラスタ監視を開始する用意ができた時点で、該当する URL を入力します。
たとえば、Web サーバーの document_root ディレクトリから /opt/SUNWcluster/scmgr ディレクトリへのリンクがすでにある場合は、次の URL を入力できます。
http://cluster_node/scmgr/index.html |
ブラウザが起動されているクラスタノードのファイル、ポートなどに遠隔のディスプレイワークステーションからアクセスする権限を求めるダイアログボックスが表示されますが、すべてにおいて「OK」をクリックします。
HotJava によるアプレットのダウンロードと実行は時間がかかることがあります。この間、状態情報は表示されません。
メニュー間のナビゲーション、およびメニューによる作業と照会の詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
SCM には、メニューのナビゲーション、作業、照会に関する情報を提供するオンラインヘルプがあります。このヘルプは、SCM をアプリケーションとして実行する場合でも、アプレットとして実行する場合でも使用できます。
SCM からヘルプウィンドウを表示するには、「Help」メニューから「Help Contents」を選択します。あるいは、フォルダの上にあるツールバーのヘルプアイコン (疑問符) をクリックします。
次の URL を入力することにより、オンラインヘルプを別のブラウザで起動することもできます。
file:/opt/SUNWcluster/scmgr/help/locale/en/main.howtotopics.html |
たとえば、Web サーバーの document_root ディレクトリから /opt/SUNWcluster/scmgr ディレクトリへのリンクがすでにある場合は、次の URL を入力できます。
http://clusternode/scmgr/help/locale/en/main.howtotopics.html |
オンラインヘルプを閉じるには、HotJava ブラウザを終了します。オンラインヘルプを再び選択すると、新しいブラウザが起動されてヘルプが表示されます。