この節で説明する作業は、クラスタ構成内のパブリックネットワークインタフェースカードの追加または削除に使用できます。
論理ホストの制御にネットワークインタフェースを追加または削除するには、そのインタフェースを使用するように構成された各論理ホストを変更する必要があります。論理ホストの構成を変更するには、クラスタからその論理ホストを完全に削除した後、必要な変更を加えて追加し直します。論理ホストは、scconf(1M) または scinstall(1M) コマンドを使用して再構成できます。この節の例では、scconf(1M) コマンドを使用しています。scinstall(1M) コマンドによる論理ホストの構成手順については、「論理ホストの追加と削除」を参照してください。
ネットワークインタフェースを追加するには、そのインタフェースに対応する論理ホストの構成を解除し、再構成します。この作業は短時間ですみますが、その間すべてのデータサービスはアクセスできなくなることに注意してください。
新しいネットワークインタフェースを追加するノードごとに、次の手順を実行します。
クラスタソフトウェアを停止します。
phys-hahost# scadmin stopnode |
カードに付属している説明書の指示に従って、新しいインタフェースカードを追加します。
各ノードで、新しいネットワークインタフェースを構成します。
この手順は、新しいインタフェースが論理ホストの一部である場合だけ必要です。構成に論理ホストが含まれない場合、この手順は省略してください。
phys-hahost# pnmset |
Ethernet の場合、各ノードの新しいインタフェースごとに新しい /etc/hostname.if ファイルを作成し、非クラスタ環境で通常行うように ifconfig(1M) コマンドを実行します。
複数のネットワークインタフェースをクラスタ内の別々の論理ホストで使用するように構成する場合、それらのインタフェースをすべて同じサブネットに接続する必要があります。
クラスタソフトウェアを起動します。
すべてのノードが停止している場合は、ノード 0 で scadmin startcluster コマンドを実行し、続いてほかのすべてのノードで scadmin startnode コマンドを実行してください。クラスタソフトウェアを停止していないノードがある場合は、ほかのノードで scadmin startnode コマンドを実行してください。
phys-hahost# scadmin startnode |
新しいインタフェースが既存のバックアップグループに追加される場合は、作業は以上で終了します。
バックアップグループ構成を変更した場合は、クラスタを通常のオペレーションに戻し、新しいネットワークコントローラセットを使用する各論理ホストを再構成する必要があります。論理ホストごとに構成を解除して再構成するため、これらの手順を開始する前に scconf -p コマンドを実行して現在の構成を出力してください。scconf -p コマンドは、アクティブクラスタメンバーである任意のノードで実行できます。このコマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要はありません。
論理ホストの構成を解除して再構成するには、これらの例に示されているように scconf(1M) コマンドを使用するか、「論理ホストの追加と削除」に説明されているように scinstall(1M) コマンドを使用できます。
影響を受ける論理ホストのデータサービスがしばらく使用できなくなることをユーザーに知らせます。
元の構成に復元する場合に備えて、各ノードの /etc/opt/SUNWcluster/conf/ccd.database ファイルのコピーを保存します。
データサービスを無効にします。
phys-hahost# hareg -n dataservice |
データサービスの登録を解除します。
phys-hahost# hareg -u dataservice |
クラスタから論理ホストを削除します。
アクティブクラスタメンバーである任意のノードで、次のコマンドを実行してください。このコマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要はありません。
phys-hahost# scconf clustername -L logicalhost -r |
論理ホストを再構成して、新しいインタフェースを含めます。
アクティブクラスタメンバーである任意のノードで次のコマンドを実行してください。このコマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要はありません。
phys-hahost# scconf clustername -L logicalhost -n nodelist -g dglist -i logaddrinfo |
logaddrinfo フィールドには、新しいインタフェース名を指定します。各論理ホストを再構成するには、scconf -p コマンド出力で表示されるリストを参照してください。
データサービスを再登録します。
phys-hahost# hareg [-s] -r dataservice |
データサービスを有効にします。
phys-hahost# hareg -y dataservice |
データサービスに対するアクセスを確認します。
データサービスが元どおり使用できるようになったことをユーザーに知らせます。
以上で、ネットワークインタフェースの追加作業は終了です。
クラスタからパブリックネットワークインタフェースを削除するには、次の作業を行なってください。
OPS 構成では、ネットワークインタフェースを削除するためにクラスタ内の作業を行う必要はありません。ただし、クラスタノードからネットワークアダプタを削除する場合は、次の作業を行なってください。
HA 構成では、この作業を行なって、削除されるネットワークインタフェースを使用している論理ホストの構成解除と再構成を行う必要があります。作業中、すべてのデータサービスは、アクセスできなくなります。
すべてのノードがクラスタに属している間に、1 つのノードだけで次の手順を実行してください。
ネットワークインタフェースを削除するために、どの論理ホストの再構成が必要かを確認します。
これらの論理ホストはすべて、構成を解除した後で再構成する必要があります。scconf -p コマンドを実行して現在の構成の論理ホストの一覧を出力し、後で使用できるようにこの一覧を保存してください。scconf -p コマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要はありません。このコマンドは、アクティブクラスタメンバーである任意のノードで実行できます。
pnmset(1M) コマンドを実行し、現在の PNM 構成を表示します。
必要に応じて、バックアップグループからコントローラを削除します。
削除するコントローラがバックアップグループの一部である場合は、すべての論理ホストからコントローラを削除し、その後 pnmset(1M) コマンドを実行してバックアップグループからコントローラを削除します。
影響を受ける論理ホストのデータサービスがしばらく使用できなくなることをユーザーに知らせます。
データサービスを無効にします。
phys-hahost# hareg -n dataservice |
データサービスの登録を解除します。
phys-hahost# hareg -u dataservice |
クラスタから論理ホストを削除します。
論理ホストの構成を解除して再構成する (手順 7と 手順 8) には、これらの手順で示されているように scconf(1M) コマンドを実行することも、「論理ホストの追加と削除」で説明しているように scinstall(1M) コマンドを実行することもできます。
このコマンドは、アクティブクラスタメンバーである任意のノードで実行できます。このコマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要はありません。
phys-hahost# scconf clustername -L logicalhost -r |
論理ホストを再構成して、新しいインタフェースを含めます。
このコマンドは、アクティブクラスタメンバーである任意のノードで実行できます。このコマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要はありません。
phys-hahost# scconf clustername -L logicalhost -n nodelist -g dglist -i logaddrinfo |
logaddrinfo フィールドには、新しいインタフェース名を指定します。各論理ホストを再構成するには、scconf -p コマンド出力で表示される一覧を参照してください。
削除するコントローラがバックアップグループの一部である場合は、pnmset(1M) コマンドを再実行します。
pnmset(1M) コマンドを再実行し、コントローラを削除してください。
(省略可能) ノードからネットワークアダプタを削除する場合は、影響を受ける各ノードで次の手順を実行します。
クラスタソフトウェアを停止します。
phys-hahost# scadmin stopnode |
ノードを停止し、インタフェースカードを取り外します。
ノードを起動します。
通常行う Solaris システム管理作業 (hostname.if ファイルの削除、/etc/hosts の更新など) を実行して、ネットワークインタフェースを削除します。
クラスタソフトウェアを再起動します。すべてのノードが停止されている場合は、scadmin startcluster コマンドを使用して最初のノードを起動します。クラスタソフトウェアをまだ実行しているノードがある場合は、ほかのノードを再起動します。
phys-hahost# scadmin startnode |
データサービスを登録します。
phys-hahost# hareg -r dataservice |
データサービスを有効にします。
phys-hahost# hareg -y dataservice |
データサービスに対するアクセスを確認します。
データサービスが元どおり使用できるようになったことをユーザーに知らせます。