ネットワーク障害の検証とデータサービス固有の障害検証では、各ノードは別のノードの応答を検証する必要があります。テイクオーバーを行う前に、検証側ノードは自身の基本的な妥当性検査を多数行います。これらの検査は、障害の原因が実際に検証側ノードにないことを確認するとともに、障害があると思われるサーバーからのテイクオーバーによって状況が実際に改善されるかどうかを確認します。これらの妥当性検査が行われないと、誤ったテイクオーバーが発生する可能性があります。つまり、欠陥のあるノードに、ほかのノードが応答しないことによって、その欠陥のあるノードが誤って問題のないそのサーバーをテイクオーバーすることがあります。
検証側ノードは、別のノードをテイクオーバーする前に、自身に対して次の妥当性検査を行います。
検証側ノードは、「パブリックネットワークモニター (PNM)」で説明しているように、パブリックネットワークを使用する自身の能力を検査します。
検証側ノードは、自身の HA データサービスが応答しているかも検査します。この場合、検証側ノードがすでに実行している HA データサービスはすべて検査されます。応答しないものがある場合、「検証側ノードが自身のサービスを実行できなければ、ほかのノードのサービスを実行してもよい結果は得られない」という前提によって、テイクオーバーは防止されます。また、検証側ノード自体の HA データサービスが応答に失敗した場合、検証側ノードに根本的な問題があるためにほかのノードの検証が失敗している可能性もあります。この現象を示す重要な例を挙げると、Sun Cluster HA for NFS では、ほかのノード上のファイルをロックするためには、検証側ノード自体の lockd と statd デーモンが動作していなければなりません。lockd と statd デーモンの応答検査により、検証側ノードはそれ自体のデーモンの応答失敗がほかのノードを応答していないように見せることを防止します。