停電が起きると、ディスクドライブが切り離されると同時に、プレックスが切り離されて使用できなくなります。ミラー化されていると、ボリューム内のほかのプレックスはそのまま使用できるため、ボリュームはアクティブに保たれます。クラスタ内のノードを停止せずにディスクドライブを再接続してこの状況を回復させることができます。
次に、VxVM 構成でディスク格納装置を電力損失から回復させる手順の概略を示します。
vxprint と vxdisk コマンドを使用して、エラーが発生したプレックスを確認する
電力損失の原因となった障害を修復する
drvconfig と disks コマンドを実行して、/devices と /dev エントリを作成する
現在のディスク構成を走査する
一時的な障害が発生したディスクを再接続する
障害がほかにないことを確認する
(省略可能) 共有ディスクグループでは、停電したディスクごとに vxdg コマンドを実行する
ボリュームの回復を開始する
次に、VxVM 構成でディスク格納装置を電力損失から回復させる詳しい手順を示します。
vxprint コマンドを実行して、エラーが発生したプレックスを表示します。
必要に応じて、-g diskgroup オプションを使用してディスクグループを指定してください。
vxdisk コマンドを実行して、エラーが発生したディスクを確認します。
# vxdisk list DEVICE TYPE DISK GROUP STATUS .. - - c1t5d0 toi failed was:c1t5d0s2 ... |
障害が発生したすべてのディスクに電力が戻るように、障害の原因を修復します。
修復を行う前に、ディスクが起動していることを確認してください。
クラスタ内のすべてのノードで、次のコマンドを入力します。
場合によっては、ノード別にドライブを確認し直す必要があります。
# drvconfig # disks |
クラスタ内のすべてのノードで、次のコマンドを入力します。
VxVM によって、現在のディスク構成の走査が再度行われます。
# vxdctl enable # vxdisk -a online |
クラスタ内のすべてのノードで、次のコマンドを入力します。
VxVM クラスタ機能 (Oracle Parallel Server で使用される) の場合は、このコマンドを最初にマスターノードで実行してから、他の各ノードで実行してください。
このコマンドにより、一時的な障害が発生していたディスクが接続し直されます。
# vxreattach -r |
vxdisk コマンドの出力を検証し、ほかにエラーがないかどうかを確認します。
# vxdisk list |
メディアを交換した場合は、切り離されたディスクごとにマスターノードから次のコマンドを入力します。
このコマンドにより、物理ディスクとそのディスクのボリュームマネージャのアクセス名が再結合されます。
# vxdg -g diskgroup -k adddisk medianame=accessname |
medianame と accessname の値が、vxdisk list コマンド出力の最後に表示されます。
次に例を示します。
# vxdg -g toi -k adddisk c1t5d0=c1t5d0s2 # vxdg -g toi -k adddisk c1t5d1=c1t5d1s2 # vxdg -g toi -k adddisk c1t5d2=c1t5d2s2 # vxdg -g toi -k adddisk c1t5d3=c1t5d3s2 # vxdg -g toi -k adddisk c1t5d4=c1t5d4s2 |
ディスクの再接続には、vxdiskadm コマンドまたは GUI も使用できます。
ノードからボリュームの回復を開始します。
# vxrecover -bv [-g diskgroup] |
共有ディスクグループがある場合は、vxrecover -svc を使用します。
(省略可能) vxprint -g コマンドを実行して、変更を表示します。