Sun Cluster 2.2 のシステム管理

Sun StorEdge MultiPack と Sun StorEdge D1000 の管理

この節では、Sun StorEdge MultiPack と Sun StorEdge D1000 のコンポーネントを管理する方法について説明します。障害が発生したコンポーネントを確認するには、サーバーのサービスのマニュアルを参照してください。

Sun StorEdge MultiPack または Sun StorEdge D1000 の切断の修復

ディスク格納装置からクラスタノードの 1 つに対する接続が失敗した場合は、通常、SCSI-2 ケーブルまたは SBus カードに欠陥があります。

どのようなイベントにおいても、障害が発生したノードは、障害が発見された時点でエラーを生成し始めます。ディスク格納装置に対してその後アクセスがあると、さらにエラーが生成されます。ノードは、ディスク格納装置が停電したかのように動作します。

この種の障害は、クラスタ内のほかのノードからの I/O 操作には影響を与えません。

障害を診断するには、Sun Cluster ノードのサービスマニュアルに示されたカードモジュールのテスト作業を行い、障害が発生したコンポーネントを確認してください。ハードウェアの障害追跡を行うには、ノードの 1 つとダウンしていると思われるディスク格納装置を解放してください。

Sun StorEdge MultiPack または Sun StorEdge D1000 の切断を修復するには

  1. コンポーネントの交換ができるように Sun Cluster システムの準備を行います。

    切断の原因にもとづいて、次に示す作業の 1 つを行なって Sun Cluster ノードの準備を行います。

    • 障害が発生したコンポーネントが SBus カードの場合、第 7 章「サーバーコンポーネントの管理」を参照して Sun Cluster ノードの電源が落とせるように準備します。

    • 問題が SCSI-2 ケーブルの欠陥にある場合は、ボリューム管理ソフトウェアによってすでにその問題をが検出され、ケーブルが交換できるようにシステムが準備されています。

  2. 障害が発生したコンポーネントを交換します。

    SCSI-2 ケーブルまたは SBus カードに障害が発生した場合は、Sun Cluster ノードのサービスマニュアルで詳しい交換方法を確認してください。

  3. ボリューム管理ソフトウェアをエラーから回復させます。

    「電力損失からの回復」に示された作業を行なってください。

Sun StorEdge MultiPack または Sun StorEdge D1000 の追加

Sun StorEdge MultiPack と Sun StorEdge D1000 は、任意の時点で Sun Cluster 構成に追加できます。

ディスク格納装置を追加するには、あらかじめ Sun Cluster 構成内のディスクグループ構成を確認する必要があります。ディスク格納装置がディスクグループ構成に与える影響を調べるには、『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』の第 2 章の説明と、このマニュアルの付録 A 「ボリュームマネージャの管理」の説明を参照してください。

Sun StorEdge MultiPack または Sun StorEdge D1000 を追加するには

  1. クラスタノードの 1 つを停止します。

    「クラスタとクラスタノードの停止」の作業を行なって、ノードを停止してください。

  2. 必要に応じ、ノードに別の SBus カードを取り付けます。

    Sun Cluster ノードのハードウェアサービスマニュアルに示された作業方法に従って、SBus カードを取り付けてください。


    注 -

    SBus カードは、ノード内のほかのカードに続くように、SBus スロットの最初の空きスロットに差し込んでください。これにより、Solaris オペレーティング環境が再インストールされる場合に、コントローラの番号付けがそのまま保たれます。詳細は、「インスタンス名と番号付け」を参照してください。


  3. SCSI-2 ケーブルを、ディスク格納装置に接続します。

    Sun Cluster ノードのハードウェアサービスマニュアルに示された作業方法に従ってください。

  4. SCSI イニシエータ ID を適宜設定します。

    Sun Cluster ノードのハードウェアサービスマニュアルに示された作業方法に従ってください。

  5. ノードの再構成リブートを行います。

    ok boot -r
    
  6. haswitch(1M) コマンドを実行して、制御可能なすべての論理ホストの所有権をリブートしたノードに切り替えます。

    phys-hahost1# haswitch phys-hahost2 hahost1 hahost2
    
  7. このディスク格納装置に接続されているほかのノードで、手順 1 から 手順 5までを繰り返します。

  8. 必要に応じ、論理ホストの所有権を該当するデフォルトマスターにスイッチバックします。

    次に例を示します。

    phys-hahost1# haswitch phys-hahost2 hahost2
    
  9. ディスク格納装置内のディスクを、選択されたディスクグループに追加します。

    ボリュームマネージャのマニュアルに示された作業方法に従って、ディスクを選択されたディスクグループに追加してください。『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』の Solstice DiskSuite、VxVM についての説明も参照してください。