標準の Sun Cluster 管理の一環として、構成状態を監視することをお勧めします。監視方法の詳細は、第 2 章「Sun Cluster の管理ツール」を参照してください。監視処理で、多重ホストディスクの障害が発見される場合があります。この節では、この障害を解決する方法について説明します。
Sun Cluster は、いくつかのディスクタイプをサポートします。多重ホストディスク拡張装置のハードウェアサービスマニュアルで、ディスク格納装置の説明を参照してください。
対称構成では、ディスク格納装置が複数のディスクグループのディスクを搭載していることもあります。この場合、影響を受けるディスクグループをすべて単一のノードが所有する必要があります。
次に、Sun StorEdge MultiPack ディスクまたは Sun StorEdge D1000 ディスクを追加する手順の概略を示します。
新しいディスクのコントローラを確認し、ディスク格納装置内の空のスロットを見つける
新しいディスクを追加する
ディスクを Sun Cluster で使用するための管理作業を行う
/devices 特殊ファイル、/dev/dsk リンク、/dev/rdsk リンクを作成する
ディスクをディスクセットに加える
必要に応じて、ディスクのフォーマットとパーティション分割を行う
ボリューム管理関連の管理作業を行う
次に、Sun StorEdge MultiPack ディスクまたは Sun StorEdge D1000 ディスクを追加する詳しい手順を示します。
ディスクの追加先であるディスク格納装置のコントローラ番号を確認します。
mount(1M) または format(1M) コマンドを使用して、コントローラ番号を確認してください。
ディスクを追加する、ディスク格納装置の空のディスクスロットを見つけます。
空のスロットは、ディスク格納装置の前面にあるディスクドライブ LED または装置の左側のカバーを外して確認できます。スロットに対応するターゲットアドレス ID が、ドライブベイの中央部分に示されています。
これ以降の手順では、トレー 2 が例として使用されています。新しいディスク用に選択されるスロットは、トレー 2 のスロット 7 です。新しいディスクは、c2t3d1 として認識されます。
新しいディスクを追加します。
ディスク格納装置のサービスマニュアルに示された方法で、ディスクを追加するためのハードウェア上の作業を行なってください。
drvconfig(1M) と disks(1M) コマンドを実行し、すべての新しいディスクの /devices、/dev/dsk、/dev/rdsk に新しいエントリを作成します。
phys-hahost1# drvconfig phys-hahost1# disks |
論理ホストの所有権を、このディスクの接続先であるほかのクラスタノードに切り替えます。
phys-hahost1# haswitch phys-hahost2 hahost1 hahost2 |
このディスクの追加先であるディスクグループを現在所有しているノードで、drvconfig(1M) と disks(1M) コマンドを実行します。
phys-hahost2# drvconfig phys-hahost2# disks |
ボリューム管理ソフトウェアを使用して、ディスクグループにディスクを追加します。
Solstice DiskSuite のコマンド構文は次のとおりです。diskset には、障害が発生したディスクを含むディスクセットの名前を指定します。drive には、ディスクの DID 名を dN (Sun Cluster を新たにインストールする場合) または cNtYdZ (HA 1.3 からアップグレードする場合) の形式で指定します。
# metaset -s diskset -a drive |
VxVM では、コマンド行インタフェースまたはグラフィカルユーザーインタフェースを使用してディスクグループにディスクを追加できます。
Solstice DiskSuite を使用している場合は、metaset(1M) コマンドによりディスクが自動的に再分割される場合があります。詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
(Solstice DiskSuite 構成のみ) metaset(1M) コマンドを使用してディスクセットにディスクを追加した後、scadmin(1M) コマンドを使用して指定したディスクに対してフェイルファストの予約と有効化を行います。
phys-hahost1# scadmin reserve drivename |
新しいディスクに対し、通常の管理作業を行います。
新しいドライブをサービスに加える場合に行う通常の管理手順を実行できます。これらの作業の詳細は、ボリューム管理ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
必要に応じて、論理ホストをそのデフォルトマスターにスイッチバックします。
この節では、ボリュームマネージャによって次のような問題が報告された場合に、Sun Cluster サービスを中断することなく多重ホストディスクを交換する方法 (オンライン交換) について説明します。
保守状態 (Needs Maintenance のコンポーネント
ホットスペアの交換
断続的なディスクエラー
オフライン交換の方法については、ボリューム管理ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
ディスクに 保守状態 (Needs Maintenance) のコンポーネントが存在する、ホットスペアがコンポーネントを交換した、あるいはディスクが断続的なエラーを生成していると判断した場合は、次の作業を行なってください。
次に、Solstice DiskSuite 環境で Sun StorEdge MultiPack ディスクまたは Sun StorEdge D1000 ディスクを交換する手順の概略を示します。
交換する必要のあるディスクを確認する
交換するディスクがどのディスク拡張装置に入っているか確認する
ディスクセットから障害のあるディスクを削除する
ディスクを停止し、ディスク格納装置を解放する
ディスクドライブを交換する
scdidadm -R コマンドを実行する
ディスクセットに新しいディスクを追加する
ディスクに対してフェイルファストの予約と有効化を行う
新しいディスクをパーティションに分割する
metastat(1M) コマンドを実行して、障害が修復されたことを確認する
次に、Solstice DiskSuite 環境で Sun StorEdge MultiPack ディスクまたは Sun StorEdge D1000 ディスクを交換する詳しい手順を示します。
この作業は、障害のあるディスクが含まれているディスクセットを制御するホストで行なってください。必要に応じて、haswitch(1M) コマンドを使用してディスクセットをスイッチオーバーしてください。
交換するディスクを確認します。
metastat(1M) コマンドと /var/adm/messages の出力を使用してください。
デバイスが保守状態にあるか、コンポーネントの一部がホットスペアに置き換わっていることを metastat(1M) が報告する場合は、そのデバイスを見つけ、交換する必要があります。次に、metastat(1M) の出力例を示します。この例では、デバイス c3t3d4s0 が保守状態 (Needs Maintenance) です。
phys-hahost1# metastat -s hahost1 ... d50:Submirror of hahost1/d40 State: Needs Maintenance Stripe 0: Device Start Block Dbase State Hot Spare c3t3d4s0 0 No Okay c3t5d4s0 ... |
/var/adm/messages を検査し、どのような問題が検出されたかを確認してください。
... Jun 1 16:15:26 host1 unix: WARNING: /io- unit@f,e1200000/sbi@0.0/SUNW,pln@a0000000,741022/ssd@3,4(ssd49): Jun 1 16:15:26 host1 unix: Error for command `write(I))' Err Jun 1 16:15:27 host1 unix: or Level: Fatal Jun 1 16:15:27 host1 unix: Requested Block 144004, Error Block: 715559 Jun 1 16:15:27 host1 unix: Sense Key: Media Error Jun 1 16:15:27 host1 unix: Vendor `CONNER': Jun 1 16:15:27 host1 unix: ASC=0x10(ID CRC or ECC error),ASCQ=0x0,FRU=0x15 ... |
障害のあるディスクを特定します。
mount(1M) コマンドまたは format(1M) コマンドを実行して、コントローラ番号を確認してください。
障害のあるディスクに複製が含まれる場合は、スライスと複製の数を記録してから複製を削除します。
metadb(1M) コマンドを実行して、複製を削除します。
交換するディスク上のコンポーネントを含んでいるサブミラーを切り離します。
障害が発生したコンポーネントを含むサブミラーを切り離す場合、metadetach -f コマンドを使用してください。次のコマンド例は、メタミラー d40 から サブミラー d50 を切り離します。
phys-hahost1# metadetach -s hahost1 -f d40 d50 |
metaclear(1M) コマンドを実行して、手順 5 で切り離されたサブミラーを消去します。
phys-hahost1# metaclear -s hahost1 -f d50 |
障害のあるディスクにホットスペアが含まれている場合は、デバイスの名前とホットスペアプールが入ったデバイスの一覧を記録し、その後ホットスペアを削除します。
metahs(1M) コマンドを実行してホットスペアを削除してください。
この情報は、オブジェクトを削除する前に記録してください。これは、ディスクを交換した後で逆の作業を行えるようにするためです。
metaset(1M) コマンドを使用して、ディスクセットから障害が発生したディスクを削除します。
このコマンドの構文を次に示します。diskset には、障害が発生したディスクを含むディスクセットの名前を指定します。drive には、ディスクの DID 名を dN (Sun Cluster を新たにインストールする場合) または cNtYdZ (HA 1.3 からアップグレードする場合) の形式で指定します。
phys-hahost1# metaset -s diskset -d drive |
この処理は、構成のサイズとディスクの数に応じて 15 分以上かかります。
障害のあるディスクを交換します。
この手順の詳細は、ディスク格納装置のハードウェアサービスマニュアルを参照してください。
新しいディスクが起動していることを確認します。
ディスクは、自動的に起動します。
新しいデバイス ID を使用して、DID ドライバのデータベースを更新します。
HA 1.3 からアップグレードした場合は、インストールは DID ドライバを使用しません。この場合、この手順を省略してください。
-l フラグを指定して scdidadm(1M) を実行し、交換されるドライブの低レベルデバイス名の DID 名を確認してください。続いて、-R フラグを指定して scdidadm(1M) を実行し、DID ドライブデータベースを更新してください。DID 疑似ドライバの詳細は、『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
phys-hahost1# scdidadm -o name -l /dev/rdsk/c3t3d4 6 phys-hahost1:/dev/rdsk/c3t3d4 /dev/did/rdsk/d6 phys-hahost1# scdidadm -R d6 |
metaset(1M) コマンドを使用して、ディスクセットに新しいディスクを追加し直します。
この手順により、障害が発生したディスクから削除された正確な数の複製が自動的に追加し直されます。コマンド構文は次のとおりです。diskset には、障害が発生したディスクを含むディスクセットの名前を指定します。drive には、ディスクの DID 名を dN (Sun Cluster を新たにインストールする場合) または cNtYdZ (HA 1.3 からアップグレードする場合) の形式で指定します。
phys-hahost1# metaset -s diskset -a drive |
この処理は、構成のサイズとディスクの数に応じて 15 分以上かかります。
scadmin(1M) コマンドを使用して、ディスクセットに追加したディスクに対してフェイルファストの予約と有効化を行います。
phys-hahost1# scadmin reserve c3t3d4 |
format(1M) または fmthard(1M) コマンドを実行して、新しいディスクの再分割を行います。
新しいディスクが、交換されたディスクとまったく同じになるように分割してください (第 1 章「Sun Cluster の管理の準備」でディスクのフォーマット情報を保存するように推奨しています)。
metainit(1M) コマンドを使用して、手順 6 で消去したディスクの初期化を再度行います。
phys-hahost1# metainit -s hahost1 d50 |
手順 5で切り離したサブミラーを接続します。
この手順を行うには、metattach(1M) コマンドを使用してください。詳細は、metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。
phys-hahost1# metattach -s hahost1 d40 d50 |
手順 7で削除したホットスペアをすべて復元します。
metahs(1M) コマンドを実行して、ホットスペアを追加し直してください。詳細は、metahs(1M) のマニュアルページを参照してください。
phys-hahost1# metahs -s hahost1 -a hsp000 c3t2d5s0 |
交換によって問題が解決されたことを確認します。
phys-hahost1# metastat -s hahost1 |
次に、VxVM 環境で Sun StorEdge MultiPack ディスクまたは Sun StorEdge D1000 ディスクを交換する手順の概略を示します。
vxdiskadm コマンドを使用して、ディスク格納装置内の障害ディスクを削除する
障害ディスクを交換する
vxdiskadm コマンドを使用して、先に削除したディスクを置き換える
共有ディスクグループを使用していないシステムでは、マスターノードはディスクグループをインポートしたノードを意味します。
共有ディスクグループを使用している場合は、クラスタ内のすべてのノードで次のコマンドを入力し、マスターノードとスレーブノードを確認します。
# vxdctl -c mode |
以下の手順は、マスターノードから実行してください。
そのディスクに障害が発生し、NODEVICE 状態かどうかを確認します。
ディスクが NODEVICE 状態ではない場合は、手順 8に進んでください。
vxdiskadm ユーティリティを実行し、4 (交換を行うディスクを削除する) を入力します。
このオプションは、ディスク名を保持したまま物理ディスクを削除します。この後、交換するデバイスを尋ねられます。
ディスク名または list を入力します。
次に、ディスク c2t8d0 の削除例を示します。
Enter disk name [<disk>,list,q,?] list Disk group: rootdg DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE ... Disk group: demo DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE dm c1t2d0 c2t2d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t3d0 c2t3d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t4d0 c2t4d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t5d0 c2t5d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t8d0 c2t8d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t9d0 c2t9d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t2d0 c1t2d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t3d0 c1t3d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t4d0 c1t4d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t5d0 c1t5d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t8d0 c1t8d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t9d0 c1t9d0s2 sliced 1519 4152640 - Enter disk name [<disk>,list,q,?] c2t8d0 The requested operation is to remove disk c2t8d0 from disk group demo. The disk name will be kept, along with any volumes using the disk, allowing replacement of the disk. Select "Replace a failed or removed disk" from the main menu when you wish to replace the disk. |
y を入力するか、Return キーを押して継続します。
Continue with operation? [y,n,q,?] (default: y) y Removal of disk c2t8d0 completed successfully. |
q を入力してユーティリティを終了します。
Remove another disk? [y,n,q,?] (default: n) q |
vxdisk list と vxprint を入力して、変更を表示します。
ディスク c2t8d0 が削除されていることがわかります。
# vxdisk list . c2t3d0s2 sliced c1t3d0 demo online shared c2t4d0s2 sliced c1t4d0 demo online shared c2t5d0s2 sliced c1t5d0 demo online shared c2t8d0s2 sliced c1t8d0 demo online shared c2t9d0s2 sliced c1t9d0 demo online shared - - c2t8d0 demo removed # vxprint . dm c2t3d0 c1t3d0s2 - 4152640 - - - - dm c2t4d0 c1t4d0s2 - 4152640 - - - - dm c2t5d0 c1t5d0s2 - 4152640 - - - - dm c2t8d0 - - - - REMOVED - - dm c2t9d0 c1t9d0s2 - 4152640 - - - - pl demo05-02 - DISABLED 51200 - REMOVED - - sd c2t8d0-1 demo05-02 DISABLED 51200 0 REMOVED - - . . . |
どのコンポーネントの電源も落とさずに、物理ドライブを交換します。
詳細は、ディスク格納装置装置に付属のマニュアルを参照してください。
ドライブを交換する間、システムコンソールに次のようなメッセージが表示される場合があります。このメッセージは障害を示さない場合があるため、無視してください。以下に示す交換作業に進んでください。
Nov 3 17:44:00 updb10a unix: WARNING: /sbus@1f,0/SUNW,fas@0,8800000/sd@2,0 (sd17): Nov 3 17:44:00 updb10a unix: SCSI transport failed: reason "incomplete": ¥ retrying command Nov 3 17:44:03 updb10a unix: WARNING: /sbus@1f,0/SUNW,fas@0,8800000/sd@2,0 (sd17): Nov 3 17:44:03 updb10a unix: disk not responding to selection |
vxdiskadm ユーティリティを実行し、5 (障害が発生したディスクまたは削除されたディスクを交換する) を入力します。
ディスク名を入力します。
list を入力して、REMOVED 状態のディスクの一覧を表示できます。
ディスクに障害が発生していると、ディスクは NODEVICE 状態で示される場合があります。
Select a removed or failed disk [<disk>,list,q,?] list Disk group: rootdg DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE ... Disk group: demo DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE dm c2t8d0 - - - - REMOVED Select a removed or failed disk [<disk>,list,q,?] c2t8d0 |
vxdiskadm ユーティリティによって、新しいデバイスが検出され、削除したデバイスを新しいデバイスに置き換えるかどうかが尋ねられます。
システムに接続されたディスクの中に未使用のものがある場合は、vxdiskadm はそれらも選択肢として示します。
デバイス名を入力するか、ユーティリティによってそのデバイスがデフォルトとして示されている場合は Return キーを押します。
The following devices are available as replacements: c1t8d0s2 You can choose one of these disks to replace c2t8d0. Choose "none" to initialize another disk to replace c2t8d0. Choose a device, or select "none" [<device>,none,q,?] (default: c1t8d0s2) <Return> The requested operation is to use the initialized device c1t8d0s2 to replace the removed or failed disk c2t8d0 in disk group demo. |
y を入力するか、Return キーを押して、そのデバイス (この例では c1t8d0s2) を交換ディスクとすることを確定します。
Continue with operation? [y,n,q,?] (default: y) <Return> Replacement of disk c2t8d0 in group demo with disk device c1t8d0s2 completed successfully. |
n を入力するか、Return キーを押して、ユーティリティを終了します。
Replace another disk? [y,n,q,?] (default: n) <Return> |
vxdisk list と vxprint を入力して、変更を確認します。
この例では、ディスク c2t8d0 は REMOVED 状態ではなくなっています。
この節では、VxVM を使用する、Sun StorEdge MultiPack 格納装置または Sun StorEdge D1000 格納装置全体を交換する方法について説明します。
VxVM 構成で、障害が発生した Sun StorEdge MultiPack または Sun StorEdge D1000 全体を交換する手順の概略を示します。
vxdiskadm コマンドを使用して、障害のあるディスク格納装置内のディスクをすべて削除する
障害が発生したディスク格納装置を交換する
vxdiskadm コマンドを使用して、先に削除したディスクをすべて新しいディスク格納装置に置き換える
共有ディスクグループを使用していないシステムでは、マスターノードはディスクグループをインポートしたノードを意味します。
共有ディスクグループを使用している場合は、クラスタ内のすべてのノードで次のコマンドを入力し、マスターノードとスレーブノードを確認します。
# vxdctl -c mode |
以下の手順は、マスターノードから実行してください。
vxdiskadm ユーティリティを実行して 4 (交換を行うディスクを削除する) を入力することにより、障害が発生したディスク格納装置上のすべてのディスクを削除します。
このオプションでは、一度に 1 つのディスクしか削除できません。ディスクごとにこの作業を繰り返してください。
list コマンドを入力します。
次の例で、コントローラ c2 上のディスク格納装置を交換する必要があると想定します。この list 出力から、これらのディスクの VxVM 名は c2t2d0、c2t3d0、c2t4d0、c2t5d0、c2t8d0、c2t9d0 であることがわかります。
Remove a disk for replacement Menu: VolumeManager/Disk/RemoveForReplace Use this menu operation to remove a physical disk from a disk group, while retaining the disk name. This changes the state for the disk name to a "removed" disk. If there are any initialized disks that are not part of a disk group, you will be given the option of using one of these disks as a replacement. Enter disk name [<disk>,list,q,?] list Disk group: rootdg DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE ... Disk group: demo DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE dm c1t2d0 c2t2d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t3d0 c2t3d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t4d0 c2t4d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t5d0 c2t5d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t8d0 c2t8d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c1t9d0 c2t9d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t2d0 c1t2d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t3d0 c1t3d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t4d0 c1t4d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t5d0 c1t5d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t8d0 c1t8d0s2 sliced 1519 4152640 - dm c2t9d0 c1t9d0s2 sliced 1519 4152640 - |
ディスク名を入力します (この例では c2t2d0)。
Enter disk name [<disk>,list,q,?] c2t2d0 The following volumes will lose mirrors as a result of this operation: demo-1 No data on these volumes will be lost. The requested operation is to remove disk c2t2d0 from disk group demo. The disk name will be kept, along with any volumes using the disk, allowing replacement of the disk. Select "Replace a failed or removed disk" from the main menu when you wish to replace the disk. |
y を入力するか、Return キーを押して、そのディスクを交換することを確定します。
Continue with operation? [y,n,q,?] (default: y) <Return> Removal of disk c2t2d0 completed successfully. |
y を入力して継続します。
Remove another disk? [y,n,q,?] (default: n) y Remove a disk for replacement Menu: VolumeManager/Disk/RemoveForReplace Use this menu operation to remove a physical disk from a disk group, while retaining the disk name. This changes the state for the disk name to a "removed" disk. If there are any initialized disks that are not part of a disk group, you will be given the option of using one of these disks as a replacement. |
次のサンプルディスク名 c2t3d0 を入力します。
Enter disk name [<disk>,list,q,?] c2t3d0 The following volumes will lose mirrors as a result of this operation: demo-2 No data on these volumes will be lost. The following devices are available as replacements: c1t2d0 You can choose one of these disks now, to replace c2t3d0. Select "none" if you do not wish to select a replacement disk. |
必要に応じて、none を入力します。
この質問は、ユーティリティがシステム内に欠陥のないディスクを発見するたびに表示されます。欠陥のないディスクが存在しない場合、この質問は表示されません。
Choose a device, or select "none" [<device>,none,q,?] (default: c1t2d0) none |
y を入力するか、Return キーを押して、そのディスクを削除することを確定します。
The requested operation is to remove disk c2t3d0 from disk group demo. The disk name will be kept, along with any volumes using the disk, allowing replacement of the disk. Select "Replace a failed or removed disk" from the main menu when you wish to replace the disk. Continue with operation? [y,n,q,?] (default: y) <Return> Removal of disk c2t3d0 completed successfully. |
ディスク格納装置の電源を切り、交換します。
詳細は、ディスク格納装置のマニュアルを参照してください。
ディスク格納装置を交換する間、システムコンソールに次のようなメッセージが表示される場合があります。このメッセージは障害を示さない場合があるため、無視してください。以下に示す交換作業に進んでください。
Nov 3 17:44:00 updb10a unix: WARNING: /sbus@1f,0/SUNW,fas@0,8800000/sd@2,0 (sd17): Nov 3 17:44:00 updb10a unix: SCSI transport failed: reason "incomplete": ¥ retrying command Nov 3 17:44:03 updb10a unix: WARNING: /sbus@1f,0/SUNW,fas@0,8800000/sd@2,0 (sd17): Nov 3 17:44:03 updb10a unix: disk not responding to selection |
ディスク格納装置に電源を入れます。
詳細は、ディスク格納装置のサービスマニュアルを参照してください。
vxdiskadm ユーティリティを実行し、5 (障害が発生したディスクまたは削除されたディスクを交換する) を入力して、先に削除されているディスクをすべて接続します。
このオプションでは、一度に 1 つのディスクしか交換できません。ディスクごとにこの作業を繰り返してください。
list コマンドを入力して、各ディスク名が現在 REMOVED 状態であることを確認します。
Replace a failed or removed disk Menu: VolumeManager/Disk/ReplaceDisk Use this menu operation to specify a replacement disk for a disk that you removed with the "Remove a disk for replacement" menu operation, or that failed during use. You will be prompted for a disk name to replace and a disk device to use as a replacement. You can choose an uninitialized disk, in which case the disk will be initialized, or you can choose a disk that you have already initialized using the Add or initialize a disk menu operation. Select a removed or failed disk [<disk>,list,q,?] list Disk group: rootdg DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE ... Disk group: demo DM NAME DEVICE TYPE PRIVLEN PUBLEN STATE dm c2t2d0 - - - - REMOVED dm c2t3d0 - - - - REMOVED dm c2t4d0 - - - - REMOVED dm c2t5d0 - - - - REMOVED dm c2t8d0 - - - - REMOVED dm c2t9d0 - - - - REMOVED |
ディスク名を入力します (この例では c2t2d0)。
Select a removed or failed disk [<disk>,list,q,?] c2t2d0 The following devices are available as replacements: c1t2d0s2 c1t3d0s2 c1t4d0s2 c1t5d0s2 c1t8d0s2 c1t9d0s2 |
vxdiskadm ユーティリティによって、新しいデバイスが検出され、削除したデバイスを新しいデバイスに置き換えるかどうかが尋ねられます。
デバイス名を入力するか、ユーティリティがそのデバイスをデフォルトとして示す場合は Return キーを押します。
You can choose one of these disks to replace c2t2d0. Choose "none" to initialize another disk to replace c2t2d0. Choose a device, or select "none" [<device>,none,q,?] (default: c1t2d0s2) <Return> |
y を入力するか、あるいは Return キーを押して、そのデバイス (この例では c1t2d0s2) を交換ディスクとすることを確定します。
The requested operation is to use the initialized device c1t2d0s2 to replace the removed or failed disk c2t2d0 in disk group demo. Continue with operation? [y,n,q,?] (default: y) <Return> Replacement of disk c2t2d0 in group demo with disk device c1t2d0s2 completed successfully. |
y を入力して継続します。
Replace another disk? [y,n,q,?] (default: n) y |