付録 B   HTTP (HyperText Transfer Protocol)


この付録では、ハイパーテキスト転送プロトコル (HyperText Transfer Protocol、HTTP) の基本を簡単にご紹介します。HTTP の詳細は、次の「Internet Engineering Task Force (IETF)」ホームページを参照してください。

http://www.ietf.org/home.html

この付録は、次の節で構成されています。

• ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP) について

• 要求

• 応答

ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP) について

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ハイパーテキスト転送プロトコル (HyperText Transfer Protocol、HTTP) は、ネットワーク上での情報の交換方法を記述する一連のルールであるプロトコルの 1 つです。このプロトコルによって、Web ブラウザと Web サーバはヨーロッパ言語用に拡張した ASCII である ISO Latin1 アルファベットを使用して、互いに 「対話する」ことができます。

HTTP は、要求/応答モデルに基づいています。クライアントはサーバに接続し、サーバに要求を送信します。要求には、要求メソッド、URI、およびプロトコルバージョンが含まれています。次に、クライアントはヘッダ情報を送信します。サーバの応答では、プロトコルバージョン、ステータスコード、サーバ情報を含むヘッダー、要求されたデータの順に返信されます。このあと接続は終了します。

iPlanet Web Server 6.x は HTTP 1.1 をサポートします。4.0 よりも以前のバージョンでは、HTTP 1.0 をサポートしていました。サーバは、Internet Engineering Steering Group (IESG) および Internet Engineering Task Force (IETF) HTTP ワーキンググループが承認する標準 HTTP 1.1 に条件付きで準拠しています。条件付き準拠の基準の詳細は、次の Web サイトの「Hypertext Transfer Protocol--HTTP/1.1 仕様 (RFC 2068)」を参照してください。

http://www.ietf.org/

要求

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クライアントからサーバへの要求に、次の情報が含まれます。

• 要求メソッド

• 要求ヘッダー

• 要求データ

要求メソッド

クライアントは、多数のメソッドを使用して情報を要求することができます。次のメソッドが一般的に使用されています。

• GET : 指定されたドキュメントを要求する

• HEAD : ドキュメントのヘッダー情報だけを要求する

• POST : CGI プログラムのフォーム入力など、クライアントからのデータ受信をサーバに対して要求する

• PUT : サーバのドキュメントの内容をクライアントからのデータに置換する

要求ヘッダー

クライアントはヘッダーフィールドをサーバに送信することができます。ほとんどは省略可能です。一般的に使われる要求ヘッダーを表 B-1 に示します。

表 B-1    一般的な要求ヘッダー 

要求ヘッダー	説明
Accept	クライアントが受信できるファイルの種類
Authorization	クライアントがクライアント自身をサーバに認証させる場合に使用される、ユーザ名、パスワードなどの情報
User-agent	クライアントのソフトウェアの名前とバージョン
Referer	ユーザがリンク上でクリックしたドキュメントの URL
Host	要求されたインターネットホストとリソースのポート番号

要求データ

クライアントが POST または PUT を要求する場合、要求ヘッダーと空白行のあとにデータを送信することができます。クライアントが GET 要求または HEAD 要求を送信する場合、データは送信されず、クライアントはサーバからの応答を待ちます。

応答

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次のようなサーバの応答があります。

• ステータスコード

• 応答ヘッダー

• 応答データ

ステータスコード

クライアントが要求を送信したとき、サーバが返信する項目の 1 つにステータスコードがあります。これは 3 桁の数字コードです。ステータスコードには、次の 4 つのカテゴリがあります。

• 100 から 199 までのステータスコードは、一時的な応答を示す

• 200 から 299 までのステータスコードは、正常に行われたトランザクションを示す

• 300 から 399 までのステータスコードは、要求したドキュメントが移動されたために URL を取得できなかった場合に返す

• 400 から 499 までのステータスコードは、クライアントにエラーがあることを示す

• 500 以上のステータスコードは、サーバが要求を実行できないか、またはエラーが発生したことを示す

表 B-2に、一般的なステータスコードを示します。

表 B-2    一般的な HTTP ステータスコード

ステータスコード	意味
200	OK。送信は成功しました。エラーではありません。
302	見つかりました。新しい URL にリダイレクトします。元の URL は移動されました。これはエラーではなく、ほとんどのブラウザは新しいページを取得します。
304	ローカルコピーを使用します。ブラウザのキャッシュにページがあり、そのページが再び要求された場合、Netscape Navigator などの一部のブラウザは、キャッシュ内のコピーの「最後に変更された」タイムスタンプを Web サーバに中継します。サーバ上のコピーがブラウザのコピーから更新されていない場合は、不要なネットワークトラフィックを削減するため、サーバはページを返さず、コード 304 を送信します。これはエラーではありません。
401	認証不可。ユーザはドキュメントを要求しましたが、有効なユーザ名またはパスワードが入力されませんでした。
403	禁止。この URL へのアクセスは禁止されています。
404	見つかりません。要求されたドキュメントはサーバ上にありません。認証されていないユーザにドキュメントが存在しないことを告げることで、そのドキュメントを保護するようにサーバが指定されている場合にも、このコードが送信される可能性があります。
500	サーバエラー。サーバに関連するエラーが発生しました。サーバ管理者はサーバのエラーログを調べて、何が発生したかを確認する必要があります。

応答ヘッダー

応答ヘッダーには、サーバに関する情報と、その後にドキュメントに関する情報があります。一般的な応答ヘッダーを 表 B-3 に示します。

表 B-3    一般的な応答ヘッダー

応答ヘッダー	説明
Server	Web サーバの名前とバージョン
Date	現在の日付 (グリニッジ標準時間による)
Last-modified	ドキュメントが最後に変更された日付
Expires	ドキュメントの有効期限が切れる日付
Content-length	後に続くデータの長さ (バイト)
Content-type	後に続くデータの MIME タイプ
WWW-authenticate	認証に使用され、認証に必要な情報 (ユーザ名やパスワードなど) をクライアントのソフトウェアに伝える情報を含む

応答データ

サーバは最後のヘッダーフィールドの後に空白行を送信します。次に、ドキュメントデータを送信します。