前へ     目次     索引     DocHome     次へ     
iPlanet Web Server, Enterprise Edition 管理者ガイド



第 14 章   仮想サーバの作成と構成


仮想サーバのクラスには、仮想サーバ (クラスのメンバー) が関連付けられます。クラスレベルの設定の一部を、仮想サーバレベルで無効にすることができます。この章では、個々の仮想サーバを作成して構成する方法について説明します。仮想サーバクラスの構成については、第 16 章「コンテンツ管理」を参照してください。仮想サーバの概要については、第 13 章「仮想サーバの使用」を参照してください。

この章は、次の節で構成されます。



仮想サーバの作成

仮想サーバを使用すると、インストールされた 1 つのサーバで、複数の会社または個人に対して、ドメイン名、IP アドレス、およびサーバ監視機能を提供できます。仮想サーバの紹介および iPlanet Web Server での仮想サーバの設定方法については、第 13 章「仮想サーバの使用」を参照してください。

仮想サーバを作成するには、次の手順に従います。

  1. Class Manager から、「Virtual Servers」タブを選択します。

  2. 「Add Virtual Server」をクリックします。

  3. 仮想サーバの名前を選択します。

  4. 仮想サーバの接続グループを選択します。

  5. 仮想サーバの URL ホストを選択します。

    複数の URL ホストを、空白文字で区切って入力できます。

  6. 「OK」をクリックします。

仮想サーバの作成に必要な設定項目はこれだけです。ただし、このタブのほかのページを使用して、さらに詳細な仮想サーバの設定内容を構成できます。



仮想サーバの設定内容の変更



仮想サーバを設定したあと、設定内容を変更できます。仮想サーバの設定を変更する方法は 2 とおりあります。1 つは Class Manager を使用する方法で、もう 1 つは Virtual Server Manager を使用する方法です。

Class Manager では、ページは変更する設定の種類別に編成されています。たとえば、クラスの 1 つまたは複数の仮想サーバについてサービス品質の設定を変更する場合は、「Quality of Service」ページを使用します。

Virtual Server Manager では、ページは 1 つの仮想サーバだけに関係します。したがって、その仮想サーバのすべての設定を表示したり変更したりできます。



Virtual Server Manager を使用した変更



Virtual Server Manager には、「Preferences」、「Logs」、および「Web Applications」の 3 つのタブがあります。

「Preferences」タブには、次のページがあります。

  • 「Status」

  • 「Settings」

「Status」ページには、いくつかの設定項目と、仮想サーバのアクセスログとエラーログへのリンクが表示されます。

「Settings」ページには、仮想サーバに関する次の設定項目が表示されます。

  • 状態 (オンまたはオフ)

  • ドキュメントルート

  • アクセスログとエラーログのディレクトリ

  • ACL ファイル

  • MIME タイプファイル

  • CGI 設定

1 つの仮想サーバの設定を変更する場合は、Virtual Server Manager を使用して 1 つのページですべての設定を変更する方法が便利です。

「Logs」タブには、選択した仮想サーバのレポートを生成するためのページがあります。

「Web Applications」タブには、次のページがあります。

  • 「Java Web Applications Settings」

  • 「Deploy Web Application」

  • 「Edit Web Applications」

「Java Web Applications Settings」ページには、Web アプリケーションが設定されているファイルが表示されます。web-apps.xml がデフォルトのファイルとして設定されます。このページでは、Web アプリケーションの状態をオンまたはオフに設定することもできます。デフォルトではオンに設定されています。Web アプリケーションを導入または編集するには、この設定をオンにする必要があります。

「Deploy Web Application」ページでは、パス、URL、およびディレクトリを指定して、ローカルマシンまたはリモートサーバに WAR ファイルを導入できます。

「Edit Web Applications」ページでは、選択した仮想サーバの WAR ファイルを編集、削除、または無効にすることができます。

Web アプリケーションファイルの導入および編集の詳細は、第 15 章「プログラムによるサーバの拡張」「ユーザインタフェースでの Web アプリケーションの導入と編集」を参照してください。


仮想サーバのレポートの生成

Virtual Server Manager を使用して、1 つの仮想サーバに関するレポートを生成できます。そのためには、以下に示すように、まず、仮想サーバが使用する新しいアクセスログを作成し、作成したアクセスログを仮想サーバの設定に追加する必要があります。

仮想サーバのレポートを生成するには、次の手順に従います。

  1. サーバインスタンスの Server Manager の「Preferences」タブに移動して、「Magnus Editor」を選択します。

  2. 「Logging Settings」をドロップダウンリストから選択し、「Manage」をクリックします。

  3. ドロップダウンリストを使用して、LogVsId の値をオンに設定します。

    また、手動で LogVsId をオンに設定するには、magnus.conf ファイルに LogVsId on を追加します。

  4. 「OK」をクリックします。

  5. 「Apply」をクリックします。

  6. 変更を有効にするために、「Apply Changes」をクリックします。

  7. サーバインスタンスの Server Manager の「Logs」タブに移動して、「Log Preferences」を選択します。

  8. 「Log File」フィールドにパスとファイル名を入力して、新しいアクセスログを作成します。

    また、手動で新しいアクセスログを作成するには、magnus.conf ファイルを次のように変更します。

    Init fn=init access="$accesslog"Init fn=init access="newaccesslog" に変更する

  9. 「Format」の「only log」を選択して、「Vsid」にチェックマークを付けます。

    カスタムフォーマットの場合は、「custom format」を選択し、その行の最後に %vsid% を追加します。

    %vsid% は、複数の仮想サーバを使用する場合に役立ちます。このエントリは、アクセスログに vsid を記録します。

    また、magnus.conf ファイルの Init fn の後に手動で %vsid% を追加することもできます。

  10. 「OK」をクリックします。

  11. 「Apply」をクリックします。

  12. 変更を有効にするために、「Apply Changes」をクリックします。

  13. レポートを生成する仮想サーバを選択し、Virtual Server Manager に移動します。

  14. 「Preferences」タブに移動し、「Settings」を選択します。

    「Access Log」フィールドのアクセスログを、新しく作成したアクセスログに変更します。

  15. 「OK」をクリックします。

  16. 「Apply」をクリックします。

  17. 変更を有効にするために、「Apply Changes」をクリックします。

  18. 「Logs」タブを選択します。

    「Generate Reports」ページが表示されます。

    前述のとおり、仮想サーバが作成済みで、LogVsId がオンになっていなければ、このページは表示されません。

  19. (省略可能) 必要に応じて設定を変更します。

  20. 「OK」をクリックしてレポートを生成します。



Class Manager を使用した変更

次に示す Class Manager の各ページを使用して、仮想サーバの設定を変更します。


仮想サーバの設定内容の変更

仮想サーバの一般設定を変更する場合は、「Edit Virtual Servers」ページを使用します。このページにアクセスするには、次の手順に従います。

  1. Class Manager から、「Virtual Servers」タブをクリックします。

  2. 「Edit Virtual Servers」をクリックします。

  3. 目的の仮想サーバの横にあるプルダウンリストから、「Edit」または「Delete」を選択します。

    デフォルトの仮想サーバは、編集のみ可能で、削除はできません。

  4. 「State」を、「On」、「Off」、または「Disable」に設定します。

    管理者は仮想サーバの状態を「Disable」に設定しても再びオンに戻すことができますが、その仮想サーバのエンドユーザはオンにすることができません。

    これは仮想サーバの状態であり、サーバインスタンスのオンまたはオフとは関係ありません。このページで仮想サーバの状態がオンと表示されている場合、サーバインスタンスもオンのときだけ、その仮想サーバは要求を受け付けることができます。

    デフォルトのサーバインスタンスのデフォルトの仮想サーバについても同じことがいえます。サーバインスタンスをオフにすると、デフォルトの仮想サーバはオンのままですが、接続を受け付けることはできません。

    サーバインスタンスのデフォルトの仮想サーバをオフまたは無効にすることはできません。

  5. 「Connections」列のリストから接続グループを選択します。

  6. 「Urlhosts」列に表示されているものと異なる URL ホストを使用する場合は、その URL ホストを入力します。

    複数の URL ホストを、空白文字で区切って入力できます。

  7. 仮想サーバの変更作業が終了したら、「OK」をクリックします。


仮想サーバの MIME の設定

個々の仮想サーバに MIME タイプファイルを設定できます。MIME タイプファイルには、ファイル拡張子とファイルタイプのマッピング情報が格納されます。たとえば、MIME タイプファイルで、.cgi で終わるすべてのファイルを CGI ファイルとして扱うように指定できます。

仮想サーバまたは仮想サーバクラスごとに個別の MIME タイプファイルを作成する必要はありません。必要な数の MIME タイプファイルだけを作成し、それを仮想サーバに関連付けます。サーバには mime.types という MIME タイプファイルがデフォルトで 1 つ存在します。新しい MIME タイプファイルを作成する、または MIME タイプファイル内の定義を編集する場合は、「MIME タイプの選択」を参照してください。

特定の仮想サーバに MIME タイプファイルを設定するには、次の手順に従います。

  1. Class Manager から、「Virtual Servers」タブをクリックします。

  2. 「MIME Settings」をクリックします。

  3. 目的の仮想サーバの横にあるプルダウンメニューから、MIME タイプファイルを選択します。

  4. 「OK」をクリックします。


仮想サーバの ACL の設定

ACL を使用して、仮想サーバへのアクセスを制御できます。各仮想サーバは、LDAP データベースで個別のベース DN を持つことができます。このため、各仮想サーバは、iPlanet Web Server で使用する 1 つの LDAP データベースに独自のエントリを持つことができます。

詳細は、「仮想サーバへのアクセス制御」を参照してください。


仮想サーバのセキュリティの構成

仮想サーバの接続グループでセキュリティ保護された待機ソケットを使用する場合は、その仮想サーバのセキュリティを設定できます。

セキュリティの詳細は、第 5 章「Web サーバのセキュリティ」を参照してください。


仮想サーバのサービス品質の設定

サービス品質は、仮想サーバに対して設定するパフォーマンス制限です。たとえば、ISP では、仮想サーバで使用できる帯域幅の広さに応じて課金する必要がある場合があります。

サーバ全体または仮想サーバクラスに対してこの設定を有効にするには、Server Manager の「Monitor」タブを使用します。ただし、個々の仮想サーバでは、サーバ全体またはクラスレベルの設定を無効にすることができます。

仮想サーバに対してサービス品質を有効にする前に、まず、サーバ全体に対してサービス品質を有効にし、基本的な値をいくつか設定する必要があります。「サービス品質の使用法」を参照してください。

仮想サーバのサービス品質を設定するには、次の手順に従います。

  1. Class Manager から、「Virtual Servers」タブをクリックします。

  2. 「Quality of Service」をクリックします。

    クラスのすべての仮想サーバおよびそれらのサービス品質の設定項目のリストを示すページが表示されます。

  3. 仮想サーバのサービス品質を有効にするには、プルダウンリストから「Enable」を選択します。

    デフォルトでは、サービス品質は無効になっています。サービス品質を有効にすると、サーバのオーバーヘッドが少し増えます。

  4. その仮想サーバの最大帯域幅をバイト/秒単位で設定します。

  5. 最大帯域幅の設定を強制するかどうかを選択します。

    最大帯域幅を強制する場合、サーバがその帯域幅の制限値に達すると、それ以上の接続は拒否されます。

    最大帯域幅を強制しない場合は、最大帯域幅を超えると、サーバのエラーログにメッセージが記録されます。

  6. その仮想サーバに対して許可する最大接続数を選択します。

    この数は、同時に処理する要求の数です。

  7. 最大接続数の設定を強制するかどうかを選択します。

    最大接続数を強制する場合、サーバがその最大接続数に達すると、それ以上の接続は拒否されます。

    最大接続数を強制しない場合は、最大接続数を超えると、サーバのエラーログにメッセージが記録されます。

  8. 「OK」をクリックします。

サービス品質機能への制限に関する詳細は、「サービス品質の使用法」を参照してください。


仮想サーバのログの設定

仮想サーバのアクセスログおよびエラーログの場所をデフォルトの場所から変更するには、次の手順に従います。

  1. Class Manager から、「Virtual Servers」タブをクリックします。

  2. 「Logging Settings」をクリックします。

    クラスのすべての仮想サーバのリストおよびエラーログとアクセスログの場所を示すページが表示されます。

  3. エラーログとアクセスログの絶対パスを入力します。既存のパスを入力する必要があります。

    デフォルトでは、すべての仮想サーバに関するアクセスメッセージおよびエラーメッセージが、サーバインスタンスのアクセスログおよびエラーログに記録されます。仮想サーバごとの個別のログファイルを使用する場合は、ここでその設定を行います。

  4. デフォルトのパスに戻す場合は、「Default」をクリックします。

  5. 「OK」をクリックします。

特定の仮想サーバのログを表示するには、次の手順に従います。

  1. Virtual Server Manager から、「Status」ページを表示します。

  2. アクセスログまたはエラーログのリンクをクリックします。

  3. 表示するエントリ数および表示の条件を選択します。

    たとえば、すべての仮想サーバに関するエントリが記録されているログでは、特定の仮想サーバのエントリだけを表示できます。

  4. 「OK」をクリックします。


仮想サーバの Java Web アプリケーションの設定

Web アプリケーションは、Java サーブレット、JSP、HTML ページ、クラス、その他のリソースの集まりです。すべてのリソースは 1 つのディレクトリに格納され、そのディレクトリに対する要求はすべて、アプリケーションを実行させるものとなります。クラス内のすべての仮想サーバに対して Web アプリケーションを設定する場合は、Class Manager の「Java Web Applications Settings」ページを使用します。特定の仮想サーバに対して Web アプリケーションを導入または編集する場合は、Virtual Server Manager の「Web Applications」タブを使用します。

Web アプリケーションおよび web-apps.xml ファイルの詳細は、第 15 章「プログラムによるサーバの拡張」を参照してください。



仮想サーバの削除



仮想サーバを削除するには、次の手順に従います。

  1. Class Manager から、「Virtual Servers」タブをクリックします。

  2. 「Edit Virtual Servers」をクリックします。

  3. 目的の仮想サーバの横にあるプルダウンリストから、「Delete」を選択します。

    サーバのインストール時に作成されたデフォルトの仮想サーバは削除できません。また、接続グループのデフォルトの仮想サーバも削除できません。

  4. 「OK」をクリックします。仮想サーバが削除されます。


前へ     目次     索引     DocHome     次へ     
Copyright © 2001 Sun Microsystems, Inc. Some preexisting portions Copyright © 2001 Netscape Communications Corp. All rights reserved.

Last Updated October 17, 2001