前へ     目次     索引     DocHome     次へ     
iPlanet Messaging Server Windows NT 用インストールガイド



第 2 章   インストール手順


この章では、setup プログラム、ディレクトリの setup プログラム、およびサイレント インストールの実行方法を説明します。さらに、一般的なインストールシナリオと、インストール後の構成手順の概要を示します。この章の内容は、第 1 章「インストールの準備」の各節を読み終えていることを前提としています。



インストールの前に

この時点で、setup プログラムを実行して Messaging Server のインストールを開始する準備はほぼ完了しています。作業を進める前に、次の質問に「はい」と答えられるようにしてください。

  1. 「システム要件」を読み、必要条件が満たされていることを確認しましたか。

  2. 「製品階層および相互の関連性」を読み、インストールするコンポーネントとインストール場所を決めましたか。

  3. 「インストールの種類」を読み、実行するインストールタイプを決め、必要な情報をすべて収集しましたか。

  4. 既存の Directory Server を使用するか、Messaging Server に付属する Directory Server をインストールするかを決めましたか。既存の Directory Server を使用する場合は、「iPlanet Messaging Server インストールチェックリスト」で詳細情報を確認する必要があります。

  5. 表 1-2のインストールチェックリストに、インストールと構成に関する値を記録する用意はできていますか。



Messaging Server のインストールファイルの転送

製品のアーカイブファイルを転送して解凍するには、以下の手順に従います。


Web からダウンロードする場合

圧縮されたインストールプログラムファイルを iPlanet の Web サイトから転送して解凍するには、Messaging Server のアーカイブファイルがある場所を探します。次のサイトから Messaging Server の圧縮アーカイブをダウンロードして解凍してください。

http://www.iplanet.com/downloads

  1. m51DIU.zip アーカイブを解凍します。

  2. Messaging Server を使用するマシン上にディレクトリ (c:\tmp\msg51 など) を作成し、そのディレクトリにアーカイブファイルをコピーします。


CD からコピーする場合

  1. Messaging Server アーカイブのある場所を探します。

    製品 CD を使用して、次の操作を行います。

    インストールマシンの CD-ROM ドライブに CD を挿入し、\ntx86 というアーカイブを探します。次に、インストールするサブディレクトリを探します。

    • ES - iPlanet Web Server

    • iDA - iPlanet Delegated Administrator for Messaging

    • iMS - iPlanet Messaging Server


        既存の Directory Server がない場合は、次の手順を飛ばして先に進んでください。Netscape Messaging System からユーザとグループを移行する場合は、Windows NT 用の Messaging Server に付属する新しい Configuration Directory Server をインストールすることをお勧めします。詳細は、『iPlanet Messaging Server 5.0 移行ガイド』を参照してください。

       



  2. CD の \ntx86\iMS\msg で、ims_dssetup というアーカイブを探し、Directory Server がインストールされている場所にそのアーカイブをコピーします。さらに、dssetup.zip にある config というサポート対象のディレクトリを、既存の Directory Server マシンにコピーする必要があります。


      既存の Directory Server が 2 つ (ユーザおよびグループ用と構成データ用に 1 つずつ) ある場合、両方の Directory Server で ims_dssetup.pl を実行する必要があります。

     





ims_dssetup スクリプトの実行

この節では、ims_dssetup.pl スクリプトを実行して、既存の Directory Server を Messaging Server 用に構成する手順を説明します。既存の Directory Server がない場合は、この節を読む必要はありません。ims_dssetup.pl スクリプトは、Web からアーカイブファイルをダウンロードしたディレクトリ内の msg ディレクトリにあります。また、CD-ROM 上でも、msg ディレクトリにあります。

  1. 次のコマンドを使用して、ims_dssetup スクリプトを実行します。

    perl5 ims_dssetup.pl


      ims_dssetup.pl ユーティリティは、Perl スクリプトです。
    Messaging Server をインストールすると、既存の Directory Server の c:\server-root\install ディレクトリに、Perl (バージョン 5.005) 実行可能プログラムが配置されます (server-root はサーバルートを示す) 。このバージョンの Perl スクリプトを使用することをお勧めします。

     



  2. y」と入力して作業を続けます。

    Welcome to the iMS Directory Server preparation tool.

    This tool will help you setup a Netscape Directory Server and make it ready to use for installing iPlanet Messaging Server.

    Do you want to continue [y]:

  3. 既存の Directory Server がある Directory Server ルートを指定します。

    Please enter the full path to the directory where Netscape Directory Server was installed.

    Directory server root [c:\iplanet\server5] :

  4. Messaging Server のインストールに使用する Directory Server インスタンスを選択します。

    Please select a directory server instance from the following list:

    [1] slapd-budgie

    Which instance do you want [1]:

  5. DC ツリーのベース接尾辞を指定するか、Return キーを押してデフォルト値を使用します。DC ツリーでは、ルートは o=internet に設定する決まりになっています。

    Please enter the base suffix for DC Tree [o=internet]:

  6. ユーザおよびグループデータを設定するベース接尾辞を指定します。デフォルト値を使用する場合は、Return キーを押します。

    Please enter the base suffix under which the Users/Groups data should be setup [o=siroe.com] :

  7. yes」と入力するか、Return キーを押して、スキーマファイルを更新します。

    Do you want to update the schema files [yes]:

  8. yes」と入力するか、Return キーを押して、新しいインデックスを構成します。

    Do you want to configure new indexes [yes]:

  9. スキーマディレクトリを指定します。これは、ims_dssetup.pl スクリプトが置かれているディレクトリの config サブディレクトリです。

    Please enter the schema directory
    [c:\iplanet\server5\msg\config]:

この時点で、設定内容の要約が表示されます。以下に例を示します。

Here is a summary of the settings that you chose:

Server Root: c:\iplanet\server5
Server Instance: slapd-budgie
Update Schema : yes
DC Root : o=internet
User/Group Root : o=siroe.com
Add New Indexes : yes
Schema Directory : c:\iplanet\server5\msg\config

Answer yes or press Return to continue, or answer no to start over.Do you want to continue [y]: At this point, the configuration of the specified Directory Server begins.



setup プログラムの実行



setup.exe プログラムは、 iPlanet Messaging Server のファイルが置かれているインストールディレクトリ (c:\temp\msg5install など) にあります。

setup コマンドを実行するには、次のように入力します。

setup [options]

options に指定できる setup コマンドのパラメータを、表 2-1 に示します。

表 2-1 setup コマンドのオプションパラメータ

パラメータ

説明

-s  

サイレントインストールモード。このパラメータは、-f file パラメータと一緒に使用する必要があります  

-f file  

ファイル (file) をサイレントインストールスクリプトとして指定する。このパラメータは、-s パラメータと一緒に使用する必要があります  

-k  

インストールキャッシュを保持する  

setup を実行するには、次の手順に従います。

  1. 管理者としてログインします。

    インストールプログラムを実行するには、スーパーユーザの権限を持っている (管理者としてログインする) 必要があります。

  2. バイナリディレクトリから setup コマンドを実行します。必要であれば、前述のパラメータを使用してください。



サイレントインストール

インストールプログラムでは、サイレントインストールキャッシュファイルを作成できます。このファイルを使用すると、その後に行う別の Messaging Server インスタンスのインストールが効率化されます。最初のインストールで -k オプションを使用すると、サイレントインストールキャッシュファイルが作成されます。インストールプロンプトで指定したすべての値が、そのファイルに記録されます。

サイレントインストールを実行すると、setup プログラムは、サイレントインストールキャッシュファイルを読み取ります。setup プログラムは、その後の Messaging Server のインストールでは同じ質問を繰り返さずに、このキャッシュファイルの値を使用します。したがって、新しいインストールでキャッシュファイルを使用すると、ユーザは一切質問を受けることがありません。その代わりに、新しいインストールパラメータとしてキャッシュファイルの値が自動的に適用されます。

サイレントインストールのキャッシュファイルは、c:\server-root\setup ディレクトリに保存されます。たとえば、Messaging Server を c:\iplanet\server5 にインストールした場合、そのインストールのキャッシュファイルは次のディレクトリに保存されます。

c:\iplanet\server5\setup\install.inf

キャッシュファイルを使用して別の Messaging Server インスタンスをすばやくインストールするには、次の手順に従います。

  1. 使用するサイレントインストールキャッシュファイルを、インストールディレクトリにコピーします。

  2. 必要であれば、サイレントインストールキャッシュファイルを見直して編集します。

    キャッシュファイルのパラメータおよび指定の一部を変更する必要が生じることがあります。たとえば、このインストールのホスト名が、キャッシュファイルに記録されているホスト名と異なる場合などです。キャッシュファイルに記録されたパラメータが、今度のインストールに自動的に適用されることを忘れないでください。

  3. -s -f file オプションを指定して setup を実行します。この場合、file は、サイレントインストールキャッシュファイルのフルパスとファイル名を表します (その他の setup オプションはsetup プログラムの実行」 を参照)。たとえば、次のように入力します。

    setup -s -f c:\home\foo\install.inf


      キャッシュファイルを使用する場合、サイレントインストールによって新しいキャッシュファイルは作成されません。

    同じサーバ構成を多数設定する場合は、各マシンに同じ構成ファイルとサーバのインストールパッケージを置きます。各マシンに配置した setup プログラムを実行すると、インストールの実行時に、その構成ファイルから必要な情報が抽出されます。

     





インストールシナリオ

この節では、一般的な 3 つのインストールシナリオについて説明します。


  これらのシナリオの手順は、Custom Installation を想定したものです。Express Installationまたは Typical Installation を実行する場合は、ここに挙げた質問のいくつかが表示されないことがあります。

 



質問によっては、用意された答えの中から選択する場合と、ユーザ独自の答えを入力する場合があります。各質問の詳細は、第 3 章「インストールに関する質問」を参照してください。


ヒント   各質問に対する回答を 表 1-2 に記録することを強くお勧めします。別の製品のインストールでこの回答が必要になることがあるためです。たとえば、iPlanet Delegated Administrator for Messaging では、Messaging Server のインストール時に行った回答のいくつかを必要とします。詳細は、「iPlanet Delegated Administrator for Messaging のインストールに必要な情報」を参照してください。

 




シナリオ 1: Messaging Server と Directory Server を同じマシンにインストールする

Messaging Server と Directory Server を同じマシンにインストールする場合は、次のインストール手順に従います。

  1. インストールファイルをダウンロードしたディレクトリに移動し、setup.exe プログラムをクリックします。

  2. setup プログラムを実行してインストールを開始します。詳細は、setup プログラムの実行」を参照してください。

  3. 第 3 章「インストールに関する質問」の説明に従って、以下の各質問に答えます。


シナリオ 2: 既存の Configuration Directory Server と Users and Groups Directory Server を使用して Messaging Server をインストールする

既存の Configuration Directory Server と Users and Groups Directory Server を使用して Messaging Server をインストールする場合は、次のインストール手順に従います。

  1. インストールファイルをダウンロードしたディレクトリに移動し、setup.exe プログラムをクリックします。

  2. setup プログラムを実行してインストールを開始します。 詳細は、setup プログラムの実行」を参照してください。

  3. 第 3 章「インストールに関する質問」の説明に従って、以下の各質問に答えます。


シナリオ 3: 既存の Users and Groups Directory Server と新規の Configuration Directory Server を使用して Messaging Server をインストールする

Users and Groups Directory Server のみ既存のものを使用して Messaging Server をインストールする場合は、次のインストール手順に従います。

  1. インストールファイルをダウンロードしたディレクトリに移動し、setup.exe プログラムをクリックします。

  2. setup プログラムを実行してインストールを開始します。詳細は、setup プログラムの実行」を参照してください。

  3. 第 3 章「インストールに関する質問」の説明に従って、以下の各質問に答えます。



インストール後の設定

この時点で、システムへの Messaging Server のインストールは完了しています。ただし、複数の Messaging Server インスタンスをインストールする場合は、インストール後の追加設定を行う必要があります。


共通のUser and Group Directory を使用する Messaging Server

共通の Users and Groups Directory Server を使用する複数の Messaging Server インスタンスをインストールする場合、インストールプログラムでは、Messaging End User Administrator グループに msg-admin-xxx アカウントが追加されません。

Messaging Server インスタンスの Users and Groups Directory には必ず、LDAP アカウントが作成されます。それぞれのインスタンスは、アカウント資格を使用して、LDAP ディレクトリからユーザおよびグループのデータにアクセスします。

このアカウントは、インストール時に作成され、必要なディレクトリデータの読み取りアクセスが許可されています。この読み取りアクセス権は、アクセス制御項目 (ACI) を介して付与されます。ACI は、Messaging End User Administrator グループのメンバーにアクセス権を付与します。このグループは、デフォルトドメインの構造サブツリー上の「ou=Groups」にあります。Messaging End User Administrator グループの DN は、「cn=Messaging End User Administrators Group, ou=Groups, o=siroe.com, o=ISP」です。その内容は次のとおりです。

  • デフォルトのドメインは、siroe.com である。

  • ユーザおよびグループの LDAP ディレクトリのベース接尾辞は、「o=ISP」である。

  • デフォルトの構造のサブツリー (「dc=siroe, dc=com, o=internet」が DN 参照を持つサブツリー) は、「o=siroe.com, o=ISP」である。

ディレクトリの ACI は、上記のグループのメンバーにディレクトリデータへのアクセスを許可しますが、最初の Messaging Server のサーバアカウントのみが、このグループのメンバーとして追加されます。インストーラは、ほかのサーバのアカウントを作成し、その資格を、local.ugldapbasednlocal.ugldabindcred の属性ペアに保存します。ただし、インストーラは、このアカウントを Messaging End User Administrator Group のメンバーとして追加しないので、Messaging Server は、Users and Groups Directory Server から必要なデータにアクセスできません。

LDAP ディレクトリを正しく構成するには、Messaging Server アカウントの DN を、Messaging End User Administrator Group のメンバーとして追加する必要があります。その手順を次に示します。

  1. Messaging End User Administrator Group の DN (例 : 「dn: cn=Messaging End User Administrators Group, o=siroe.com, o=ISP」) を決めます。

  2. Messaging Server アカウントの DN を決めます。この DN は、Messaging Server 構成の local.ugldapbinddn 属性に保存されます。DN (例 : 「uid=msg-admin-2, ou=People, o=siroe.com, o=ISP」) を取り出す場合は、$INSTANCEROOT/getconf local.ugldapbinddn コマンドを使用します。

  3. 上記のDN を、Messaging End User Administrator Group の uniquemember 属性の値として追加します。以下は、この例で使用しているグループにアカウント DN を追加する LDPF ファイルの例です。

    dn: cn=Messaging End User Administrators Group, ou=Groups,    o=siroe.com,o=ISP
    changetype: modify
    add: uniquemember
    uniquemember: uid=msg-admin-2, ou=People, o=siroe.com, o=ISP

  4. ldapmodify の引数として LDIF ファイルを使用して、Messaging Server に必要なアクセス権限を Messaging End User Administrator Group に付与します。


2 番目の Messaging Server にサービス管理者グループを追加する

サービス管理者グループがすでに存在する場合、2 番目の Messaging Server を追加すると、そのサーバのサービス管理者がサービス管理者グループに追加されません。この問題を解決するには、2 番目のサービス管理者ユーザをサービス管理者グループに手動で追加します。


前へ     目次     索引     DocHome     次へ     
Copyright © 2000 Sun Microsystems, Inc. Some preexisting portions Copyright © 2000 Netscape Communications Corp. All rights reserved.

Last Updated July 03, 2001