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iPlanet Messaging Server 5.2 管理者ガイド |
第 1 章 はじめに
iPlanet Messaging Server は、企業とサービスプロバイダの両方で要求される大容量で信頼性の高いメッセージング処理のために設計された、強力な標準ベースのインターネットメッセージングサーバです。サーバはモジュール化された、個別に構成可能な複数のコンポーネントから成ります。これらのコンポーネントは、さまざまな標準ベースの電子メールプロトコルをサポートしています。Messaging Server は、ユーザ、グループ、およびドメインについての情報を格納するために一元化された LDAP データベースを使用します。サーバ構成の情報には、LDAP データベースに格納されるものと、設定ファイルのセットに格納されるものがあります。
Messaging Server 製品群には、ユーザのプロビジョニングやサーバの構成をサポートするツールが含まれています。
標準プロトコルのサポート
標準プロトコルのサポート
iPlanet Messaging Server は、電子メッセージングに関連するほとんどの国内規格、国際規格、および業界規格をサポートしています。完全なリストは、『iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアル 』の付録 A を参照してください。
ホストドメインのサポート
Messaging Server は、ISP にアウトソースされた電子メールドメインのようなホストドメインを完全にサポートしています。つまり、ISP は組織の電子メールサービスをリモートで操作および管理することにより組織をホスティングする電子メールドメインを提供します。ホストドメインは、ほかのホストドメインと同じ Messaging Server ホストを共有することができます。初期の LDAP ベースの電子メールシステムでは、1 つのドメインが 1 つまたは複数の電子メールサーバホストによってサポートされていました。Messaging Server では、複数のドメインを単一のサーバ上でホストできます。各ホストドメインには、そのドメインのユーザとグループのコンテナを指し、さまざまなドメイン固有のデフォルト設定を提供する LDAP エントリがあります。
ユーザのプロビジョニングのサポート
Messaging Server は、ユーザ、グループ、およびドメインについての情報を格納するために一元化された LDAP データベースを使用します。iPlanet Delegated Administrator for Messaging 製品には、組織内のユーザ、グループ、およびドメインを管理するために、Console グラフィカルユーザインタフェースとコマンドラインユーティリティが用意されています。ユーザ、グループ、およびドメインのメッセージングの詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』 - LDAP を使ってドメイン、ユーザ、グループ、または管理者のエントリを作成する方法を説明しています。
『iPlanet Messaging Server Schema Reference Manual』 - iPlanet Messaging Server のスキーマについて説明しています。
『iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアル』 - ユーザ、グループ、およびドメインを管理するための Delegated Administrator コマンドラインユーティリティについて説明しています。
iPlanet Messaging Server Delegated Administrator Console オンラインヘルプ
注 Console インタフェースを使用してユーザやグループを作成することもできますが、Delegated Administrator でこれらのエントリの表示や修正ができなくなるため、この方法はできるかぎり避けてください。
統一メッセージングのサポート
iPlanet Messaging Server では、電子メール、ボイスメール、FAX、およびその他の通信形態に関して単一のメッセージストアを使用するという、完全な統一メッセージングソリューションの基盤を提供します。
Web メールのサポート
iPlanet Messaging Server には、Messnger Express という Web で使用する電子メールプログラムが含まれており、エンドユーザは HTTP でインターネットに接続されているコンピュータシステム上で動作しているブラウザを使って自分のメールボックスにアクセスすることができます。Messenger Express クライアントは、iPlanet Messaging Server の一部である特殊な Web サーバにメールを送信します。HTTP サービスは、ルーティングまたは配信のために、そのメッセージをローカルの MTA またはリモートの MTA に送信します。
強力なセキュリティとアクセス制御
iPlanet Messaging Server には、次のセキュリティとアクセス制御の機能があります。
POP、IMAP、HTTP、または SMTP へのパスワードによるログインおよび証明書に基づくログインのサポート
標準セキュリティプロトコル、TLS (Transport Layer Security)、SSL (Secure Socket Layer)、および SASL (Simple Authentication and Security Layer) のサポート
ACI (Access Control Instruction) による委任管理
使いやすいユーザインタフェース
Messaging Server はモジュール化された、個別に構成可能な複数のコンポーネントから成ります。これらのコンポーネントは、電子メールの転送とアクセスプロトコルをサポートしています。MTA (Message Transfer Agent) を構成するために、Messaging Server には設定ファイルの完全なセットとコマンドラインユーティリティのセットが用意されています。設定ファイルのセットはサーバにローカルに格納されています。また、メッセージストアおよびメッセージアクセスサービスを構成するために、Console グラフィカルユーザインタフェースとコマンドラインユーティリティの完全なセットが用意されています。
MTA および MTA へのアクセスの構成方法については、このマニュアルの次の章を参照してください。
第 5 章「MTA の概念」
『iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアル』も参照してください。メッセージストアとストアへのアクセスの構成方法については、このマニュアルの次の章を参照してください。
第 3 章「POP、IMAP、および HTTP サービスの設定」
『iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアル』も参照してください。
第 2 章「一般的なメッセージング機能を設定する」。サービスの開始と停止、およびディレクトリアクセスの構成など、Messaging Server の全般的なタスクについて説明しています。
第 4 章「マルチプレクササービスを設定および管理する」。複数の Messaging Server の単一接続ポイントとして機能する特別な Messaging Server である iPlanet Messaging Multiplexor (MMP) について説明しています。
インストール後のディレクトリとファイルの編成
iPlanet Messaging Server をインストールすると、そのディレクトリとファイルは表 1-1 に示すように編成されます。この表はすべてを網羅したものではありません。典型的なサーバ管理タスクに関連の深いディレクトリとファイルのみを示しています。
表 1-1    インストール後のディレクトリとファイル
ディレクトリ
デフォルトの場所と説明
/usr/iplanet/server5/
(デフォルトの場所)指定したサーバグループのすべてのサーバ (指定した Administration Server で管理するすべてのサーバ) がインストールされているディレクトリ。この中には、Messaging Server 以外にほかの iPlanet サーバが含まれることもある
このディレクトリには、Administration Server の開始と停止 (start-admin、stop-admin)、Console の起動 (startconsole) などを行うためのバイナリ実行ファイルも含まれる
server_root/msg-instance_name/
(必要な場所)instance_name は、インストール時に指定した Messaging Server のこのインスタンスの名前(デフォルト = サーバマシンのホスト名)
このディレクトリには、Messaging Server の特定のインスタンスを定義する設定ファイルが含まれる。特定のホストマシンに、同じバイナリファイルを使用する Messaging Server インスタンスが複数存在する場合がある
このディレクトリには、configutil、start-msg、stop-msg など、インストールした Messaging Server の実行ファイルの一部が含まれることもある
local.conf、msg.conf、sslpassword.conf などの一般的な設定ファイルが含まれる
msg.conf ファイルの値はインストール時に設定される。Messaging Server はこのファイルを使って、LDAP ホスト名やポート番号など、起動時に必要な情報を取得する
MTA の構成に関連する次のディレクトリが含まれる。bin、config、db、dl、programs、queue、tmp
instance_root/imta/config/
(必要な場所)imta.cnf、dispatcher.cnf、job_controller.cnf、aliases、imta_tailor などの MTA 設定ファイルが含まれる
instance_root/imta/queue/
(必要な場所)メッセージキューサブディレクトリが含まれる。各チャネルキューのこのディレクトリの下には、次のようなサブディレクトリが 1 つある。ims-ms、tcp_intranet、tcp_local、autoreply
instance_root/imta/db/
(必要な場所)MTA が使用する次のデータベースが含まれる。aliasesdb.db、domaindb.db、profiledb.db、reversedb.db、ssrdb.db など
メッセージストアに関連する次のディレクトリが含まれる。mboxlist、partition、user
詳細は、「メッセージストアのディレクトリレイアウト」を参照してください。
サーバと一緒にインストールされたマニュアルがあるディレクトリ
manual/en/admin/ には Administration Server のマニュアルがある
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最新更新日 2002 年 2 月 27 日