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iPlanet Application Server 移行ガイド



第 2 章   アプリケーションの移行


この章では、iPlanetTM Application Server 6.0 SPx アプリケーションを iPlanet Application Server 6.5 に配置し直すために必要な手順を説明します。

iPlanet Application Server 6.5 プログラミングモデルは、Java アプリケーション専用です。C++ アプリケーションでは、引き続き、NAS 2.1 モデルが使われます。次の互換性に関する事項に注意してください。

  • iPlanet Application Server 6.5 をビルドするためにコンパイラを変更するには、Solaris® 上のアプリケーションをベースにした AppLogics が、iPlanet Application Server 6.5 で実行できるようにコンパイルし直す必要があります。

  • iPlanet Application Server 6.5 は、NAS 2.1 アプリケーションと後方互換性があります。NAS 2.1 アプリケーションは、コード変更しなくても iPlanet Application Server 6.5 上で実行できます。

  • iPlanet Application Server 6.5 は、J2EE 標準に変換することによって、NAS 4.0 アプリケーションとの互換性を維持します。また、NAS 4.0 アプリケーションを一部変換する必要があります。

この章では、次のトピックについて説明します。



6.0 SPx アプリケーションを 6.5 に移行する

この節では、iPlanet Application Server 6.0 SPx を iPlanet Application Server 6.5 に移行するために必要な手順を説明します。

この節には次のトピックがあります。


アップグレードを始める前に

移行プロセスを開始する前に、次のことを確認してください。

  • 『iPlanet Application Server 6.5 リリースノート』で説明するように、追加の OS/JDK/Compiler パッチをインストールします。

    『リリースノート』は http://docs.iplanet.com/docs/manuals/ias.html から入手可能です。

  • 『iPlanet Application Server インストールガイド』に示した、ソフトウェアおよびハードウェアの要件を満たしている必要があります。

  • 『iPlanet Application Server インストールガイド』に示した、iPlanet Application Server のインストールのすべての前提条件を満たしていることを確認します。

  • 配置したアプリケーション (.ear、.war、.jar、および.xml ファイルや Applogic) をバックアップします。配置したアプリケーションをテンポラリディレクトリにコピーしてください。

    通常、配置されたすべての .ear あるいは .war ファイルは iASInstallDir/ias/JAR ディレクトリの下に置かれます。

  • 6.0 SPx アプリケーションサーバのスクリプトファイルおよびバッチファイルに加えた変更を書きとめておいてください。

    この変更は 6.5 にもレプリケートする場合に必要です。6.0 SP1 と SP2 ユーザの場合、スクリプトファイル iasenv.ksh に環境パラメータの大部分が保存されていることを認識しておく必要があります。

    iasenv.ksh スクリプトは、iASInstallDir/ias/env ディレクトリにあります。kjs、kxs のようなほかのスクリプトに加えた変更は iasenv.ksh へレプリケートする必要があります。

  • 配置済みアプリケーションのユーザを作成するために、LDIF ファイルをバックアップします。

    LDIF ファイルが使用できない場合は、ディレクトリサーバで ldif ファイルから db ファイルにエクスポートします。これは、バンドルされているディレクトリサーバに設定とユーザデータの両方を保存する場合に必要です。


インストール時

アップグレードを始める前に」 の作業を行ってから、iPlanet Application Server の前バージョンをアンインストールし、マシンを再起動します (Windows のみ)。

iPlanet Application Server 6.5 のインストール時に、以前のインストールと同じ設定情報を指定する必要があります。たとえば、エンジン、ポート、データベースドライバ、クラスタ情報などを同数に指定します。これにより、以前のアプリケーションサーバの設定が維持されます。

インストール手順の詳細は、『iPlanet Application Server インストールガイド』を参照してください。


インストール後のタスク

インストールが終わったら、アプリケーションを配置するため次の手順を実行します。手順は J2EE アプリケーションと Applogic アプリケーションに共通です。

  • iPlanet Native (Type 2) ドライバのトランザクションサポートは使用不可能です。

    したがって、トランザクションサポートにはサードパーティドライバを使用しなければなりません。Applogic (Java/C++) には影響しません。

  • グローバルトランザクションの場合、データベースをアップグレードする必要があります。Oracle を使用している場合には、Oracle 8.1.7 以降が必要です。

    『iPlanet Application Server インストールガイド』を参照してください。

  • リッチクライアントサイドで JDK1.2 を使用する場合、JDK1.3 に移行する必要があります。

    以前の ORB への参照をすべて削除しなければなりません。それには、クラスパス、あるいは ext ディレクトリから、iioport.jarrmiorb.jar などを削除します。

    また、j2eeorb.jar を ext ディレクトリにコピーするか、またはクラスパス内にコピーする必要があります。以前の iasclient.jar や orb.properties は、 iPlanet Application Server 6.5 に対応したものに置き換えられます。

    詳細については、『iPlanet Application Server 開発者ガイド』を参照してください。

次の節では、各アプリケーション (J2EE と Applogic) での手順について説明します。


J2EE アプリケーションの展開

次の手順を実行して iPlanet Application 6.5 に J2EE アプリケーションを配置します。

  • コマンドラインオプション (deploycmd)、または配置ツールを使用して、 J2EE アプリケーションのスタブとスケルトンを再生成し、.ear.war、および.jar ファイルにパッケージ化し直します。

  • iPlanet Application Server 6.5 にアプリケーションを配置します。

  • 正しいデータベースドライバがインストールされていることを確認します。

    インストールされていない場合は、Administration Tool を使用してデータベースドライバを作成します。詳細は『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

  • iasdeploy -regdatasource オプションを使用して、XML のデータソースを登録します。

  • ディレクトリサーバに、配置されたアプリケーションのユーザを作成します。この手順は、バンドルされているディレクトリサーバを設定とユーザデータの管理に使用している場合に必要です。

  • Administration Tool を使用するか、またはレジストリを編集して、iPlanet Application Server 6.5 を再設定します。

    この手順は、以前のインストールの設定を変更していて、新しいインストールにその設定をレプリケートしたい場合に必要です (オプション)。

  • 必要に応じて iasenv.ksh (Solaris の場合) を変更するか、あるいは固有のバッチファイル (Windows の場合) を変更します (オプション)。


Applogic アプリケーションの展開

次の手順を実行して iPlanet Application 6.5 に Applogic アプリケーションを配置します。

  • Solaris 上の C++ アプリケーションをコンパイルし直します。

    コンパイルエラーが発生する場合は、C++ コードが ANSI/ISO C++ 標準に従うようにアプリケーションを作り直します。Windows では、コンパイラに変更がないためコンパイルし直す必要はありません。



NAS 4.0 アプリケーションから iPlanet Application Server 6.5 への移行

NAS 4.0 では Netscape および以前の Java 標準を使っています。これらは iPlanet Application Server 6.5 では J2EE 1.3 標準に置き換えられています。廃止されたメソッドを置き換え、新しい XML 記述子を使ってアプリケーションを再配置する必要があります。このプロセスについては、便利なツールが用意されています。詳細は、第 5 章「NAS 4.0 アプリケーションの実行」を参照してください。



NAS 2.1 アプリケーションから iPlanet Application Server 6.5 への移行



移行するには、NAS 2.1 プログラミングモデル用に記述されたアプリケーションを変更して、iPlanet Application Server 6.5 プログラミングモデルに適合させる必要があります。このプロセスには 3 つの方法があります。このマニュアルでは、それぞれの方法が説明されています。

  • 移行しない: この方法では、開発者は何も行う必要がなく、サーバが後方互換性をサポートしているかどうかに依存します。新しいプログラミングモデルの柔軟性および性能を利用しない場合は、この方法で間に合わせることができます。ただし、NAS 2.1 でサポートされていた API の多くは廃止されており、今後のリリースでもサポートされない可能性があります。

    後方互換性については、第 3 章「NAS 2.1 アプリケーションの実行」を参照してください。

  • 部分的移行: この方法では、アプリケーションの一部を新しいプログラミングモデルに適合させます。残りの部分は後方互換性に依存します。この方法では、開発者は、アプリケーションの判明している部分およびテスト済みの部分を維持する一方で、アプリケーションを一部分ずつ (たとえば、1 つのユーザ対話レベルまたは 1 プログラミング層ずつ) 移行できます。

    iPlanet Application Server 6.5 は、以前のコンポーネントと新しいコンポーネント間の「接着手段」を提供することによって、部分的移行をサポートしています。このサポートについては、第 4 章「NAS 2.1 アプリケーションの移行」「コンポーネントの部分的移行」を参照してください。

  • 新しいプログラミングモデルへの全面的移行: この方法では、多くの開発リソースと全体的な設計の見直しが必要になりますが、アプリケーションは新しいプログラミングモデルの機能をフルに活用できるようになります。

    この方法については、第 4 章「NAS 2.1 アプリケーションの移行」を参照してください。


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最新更新日 2002 年 3 月 6 日