Sun ONE Application Server 7, Update 1 管理者ガイド |
この章では、Sun ONE Application Server のインスタンスを作成、削除、設定、起動、および停止する方法について説明します。
この章では次のトピックについて説明します。
- アプリケーションサーバーインスタンスについて
- アプリケーションサーバーインスタンスの起動と停止
- アプリケーションサーバーインスタンスのデバッグモードでの起動
- 終了タイムアウトの設定
- アプリケーションサーバーインスタンスの自動再起動 (UNIX)
- アプリケーションサーバーインスタンスの手動再起動 (UNIX)
- ウォッチドッグについて
- アプリケーションサーバーインスタンスの追加
- アプリケーションサーバーインスタンスの削除
- アプリケーションサーバーインスタンスの変更の適用
- アプリケーションサーバーインスタンスの状態の表示
- JVM 設定
- ログ設定と監視設定
- アプリケーションサーバーインスタンスの詳細設定の変更
アプリケーションサーバーインスタンスについて
アンバンドル版の Sun ONE Application Server をインストールすると、server1 というアプリケーションサーバーインスタンスが 1 つ作成されます。server1 インスタンスを削除して、任意の名前のインスタンスを新しく作成することもできます。
Solaris 9 のバンドル版を使う場合は、サーバーインスタンスを作成する必要があります。詳細については、「Solaris バンドル版の設定」を参照してください。
個々のアプリケーションサーバーインスタンスの J2EE 設定、J2EE リソース、アプリケーション配備領域、サーバー構成設定は独立しています。あるインスタンスに変更を加えても、ほかのインスタンスに影響はありません。1 つの管理ドメインに複数のアプリケーションサーバーインスタンスを持たせることができます。1 つのドメインでは、すべてのサーバーインスタンスの管理サーバーは同じです。ドメインの詳細については、「管理ドメインの設定」を参照してください。
多くのユーザーのニーズは、アプリケーションサーバーインスタンスが 1 つあれば満たされます。しかし、ユーザーの環境によっては、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを作成したい場合もあります。たとえば、開発環境では、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを使って、何種類かの Sun ONE Application Server 設定をテストしたり、アプリケーションの配備の方法を比較検討することがあります。この場合、追加および削除の簡単なアプリケーションサーバーインスタンスの特性を活かして、「サンドボックス」という一時領域を作成し、さまざまなテストを実施できます。
さらに、アプリケーションサーバーインスタンスごとに仮想サーバーを作成することもできます。インストール済みの単一のアプリケーションサーバーインスタンス内で、企業または個人のドメイン名、IP アドレス、その他の管理機能を提供できます。このとき、ユーザーは、あたかも独自の Web サーバーであるかのように仮想サーバーを使用できます。ハードウェアや基本的なサーバーメンテナンスは必要ありません。ただし、ある仮想サーバーを複数のアプリケーションサーバーインスタンスで使用することはできません。仮想サーバーの詳細については、「仮想サーバーの使用」を参照してください。
実際の配備作業では、目的に合わせて、複数のアプリケーションサーバーインスタンスの代わりに仮想サーバーを使用できます。仮想サーバーがユーザーのニーズに合わない場合は、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを使用することもできます。
アプリケーションサーバーインスタンスの起動と停止
Sun ONE Application Server は、自動的には起動しません。しかし、いったんユーザーの手で起動すると、インスタンスは停止するまで継続して実行されます。アプリケーションサーバーインスタンスを停止すると、新しい接続を受け付けなくなり、処理中のすべての接続が完了するまで待機します。ユーザーのマシンがクラッシュしたり、オフラインになったりした場合、サーバーは停止します。
この場合、それまで処理中だったすべての要求は失われます。アプリケーションサーバーインスタンスは、次のいずれかの方法で起動および停止できます。
- 管理インタフェースの「起動」ボタンと「停止」ボタンの使用
- start-instance コマンドと stop-instance コマンドの使用
- Windows サービスの使用 (Windows の場合)
- startserv スクリプトと stopserv スクリプトの使用
注 サーバーにセキュリティモジュールをインストールしている場合は、起動または停止の前に適切なパスワードの入力を求められます。
サーバー証明書をインストールしている環境では、管理者は、Sun ONE Application Server の起動時にキーデータベースのパスワードを入力する必要があります。Sun ONE Application Server をユーザーの介入なしで再起動できるようにするには、password.conf ファイルにパスワードを保存する必要があります。このファイルとキーデータベースが危険にさらされないようにするためには、システムが充分にセキュリティ保護されている場合だけに行なってください。password.conf の詳しい作成方法および使用方法については、『Sun ONE Application Server 管理者用設定ファイルリファレンス』を参照してください。
管理インタフェースの「起動」ボタンと「停止」ボタンの使用
管理インタフェースを使ってサーバーを起動または停止するには、次の手順に従います。
- 左側のペインの「アプリケーションサーバーインスタンス」の下に表示されているインスタンス名をクリックします。
- 右側のペインの「起動」または「停止」をクリックするか、「一般」タブで「起動」または「停止」をクリックします。
- アプリケーションサーバーインスタンスが正常に起動または停止すると、メッセージが表示されます。
start-instance コマンドと stop-instance コマンドの使用
コマンド行インタフェースユーティリティ asadmin を使うと、コマンドプロンプトまたはスクリプトからアプリケーションサーバーインスタンスを起動および停止できます。start-instance コマンドおよび stop-instance コマンドを使います。
これらのコマンドの構文は次のとおりです。
start-instance [--user admin_user] [--password admin_password] [--host admin_host] [--port admin_port] [--local=true/false] [--domain domain_name] [--debug=true/false] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] instance_name
stop-instance [--user admin_user] [--password admin_password] [--host admin_host] [--port admin_port] [--local=true/false] [--domain domain_name] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] instance_name
コマンドの実行時に local オプションを指定すると、管理サーバーを介することなくサーバーを起動または停止できます。local オプションを指定するときは、host、port、user、および password (または passwordfile) オプションを指定する必要はありません。
これらのコマンドの構文については、asadmin のヘルプを参照してください。asadmin の使用方法については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
Windows サービスの使用 (Windows の場合)
Windows の「サービス」コントロールパネルからサーバーを起動できます。
次の手順に従います。
- コントロールパネルの「管理ツール」をクリックします。
- 「サービス」をクリックします。
- サービスのリストをスクロールし、使用しているサーバーのサービスをダブルクリックします。
サービス名は「Sun Application Server (domain_name:instance_name)」の形式になります。たとえば、Sun Application Server (domain1:server1) のようになります。
- 「起動」または「停止」をクリックします。
- 「了解」をクリックします。
startserv スクリプトと stopserv スクリプトの使用
startserv スクリプトおよび stopserv スクリプトを使うには、コマンド行プロンプトから次のディレクトリに移動します。
instance_dir/bin
install_dir はサーバーのインストール先ディレクトリ、domain_dir はドメインディレクトリ、instance_dir は起動するインスタンスの名前です。
UNIX 環境では、次のように入力します。
./startserv
サーバーが 1024 より小さい番号のポートで実行されている場合は root として、それ以外の場合は root またはそのサーバーのユーザーアカウントでログインします。
末尾にオプションパラメータ -i を指定することもできます。-i オプションを指定すると、サーバーが inittab モードで実行され、サーバーの強制終了時やクラッシュ時に inittab がサーバーを再起動します。このオプションを指定すると、サーバーがバックグラウンド処理に切り替わることはありません。
注 startserv コマンドは、サーバーの実行中は失敗します。startserv コマンドを実行する前に、サーバーを停止してください。サーバーの起動に失敗する場合は、再起動する前にプロセスを強制終了してください。
Windows 環境では、次のように入力します。
startserv
手動でサーバーを停止する場合は、コマンド行プロンプトを使って次のディレクトリに移動します。
instance_dir/bin
install_dir はサーバーのインストール先ディレクトリ、instance_dir は起動するインスタンスの名前です。
UNIX 環境では、次のように入力します。
./stopserv
サーバー起動時に、 /etc/inittab ファイルを使用した場合は、サーバーを停止する前に /etc/inittab ファイルからサーバーを起動するための行を削除し、 kill -1 1 を実行します。それ以外の場合は、停止したサーバーは自動的に再起動します。
Windows 環境では、次のように入力します。
stopserv
アプリケーションサーバーインスタンスのデバッグモードでの起動
J2EE アプリケーションをデバッグする場合は、アプリケーションサーバーインスタンスをデバッグモードで実行できます。
デバッグモードでサーバーを起動するには、次の手順に従います。
- 管理インタフェースにアクセスし、デバッグモードで起動するアプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 「一般」タブをクリックします。
- 「デバッグモードで起動または再起動」の横のチェックボックスをクリックします。
- アプリケーションサーバーインスタンスを再起動します。
デバッグモードにすると、JVM 設定が変更されます。「デバッグを有効」がオンになり、「デバッグオプション」が変更されます。JVM デバッグオプションの詳細については、『Java Platform Debugger Options』 (http://java.sun.com/products/jpda/doc/conninv.html) を参照してください。
コマンド行インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスをデバッグモードで起動する場合は、debug オプションを true に設定し asadmin ユーティリティの start-instance コマンドを実行します。コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのオンラインヘルプを参照してください。
終了タイムアウトの設定
アプリケーションサーバーインスタンスを停止すると、新しい接続の受け入れが停止します。その後、アプリケーションサーバーインスタンスは、未処理の接続がすべて完了するまで待機します。タイムアウトになるまでサーバーが待機する時間は、init.conf ファイルで設定できます。このファイルは instance_dir/config/ にあります。デフォルトでは 30 秒に設定されています。この値を変更するには、init.conf に次の行を追加します。
TerminateTimeout seconds
seconds は、タイムアウトになるまでサーバーが待機する秒数を表します。
この値を変更する利点は、接続の処理が完了するまでサーバーが待機する時間が、長くなることです。ただし、サーバーは応答していないクライアントに接続されていることがあるため、終了タイムアウト値を大きくすると、サーバーのシャットダウンにかかる時間が長くなる可能性があります。
アプリケーションサーバーインスタンスの自動再起動 (UNIX)
次のいずれかの方法で、アプリケーションサーバーインスタンスを再起動できます。
- /etc/inittab ファイルからの自動再起動
使用中の UNIX/Linux が System V から派生したものではない場合、/etc/inittab ファイルは使用できません。
- マシンの再起動時に、/etc/rc2.d 内のデーモンによる自動再起動
- 手動での再起動。「アプリケーションサーバーインスタンスの起動と停止」および「アプリケーションサーバーインスタンスの削除」を参照
この節には次の項目があります。
自動再起動について
/etc/rc.local ファイルや /etc/inittab ファイルは、インストールスクリプトでは編集できません。テキストエディタで編集してください。編集方法がわからない場合は、システム管理者に問い合わせるか、使用システムのマニュアルを参照してください。
通常、SSL が有効なサーバーは起動の前にパスワードを要求するため、これらのファイルでは起動できません。パスワードをプレーンテキストでファイルに保存すれば、SSL が有効なサーバーを自動的に起動できますが、この方法はお勧めしません。
警告
SSL が有効なサーバーの startserv スクリプトにプレーンテキストでパスワードを保存すると、セキュリティ上きわめて危険です。ファイルにアクセスできるユーザーなら誰でも、SSL が有効なサーバーのパスワードにアクセスできます。SSL が有効なサーバーのパスワードをプレーンテキストで保存する前に、セキュリティ上の危険性を考慮しておく必要があります。
通常、サーバーの startserv スクリプト、キーペアファイル、キーパスワードの所有者は root ユーザーです。root 以外のユーザーがサーバーをインストールした場合は、そのユーザーが所有者になります。これらのスクリプト、ファイル、パスワードへの読み取りおよび書き込み権を持つのは、その所有者だけです。
/etc/inittab による再起動 (UNIX)
inittab を使ってサーバーを再起動するには、 /etc/inittab ファイルに次のテキストを 1 行で追加します。
http:2:respawn:install_dir/path_to_domain_dir/instance_dir/bin/startserv -start -i
install_dir はサーバーのインストール先ディレクトリ、path_to_domain_dir はドメインディレクトリのパス、instance_dir はサーバーのディレクトリです。
-i オプションを指定すると、サーバーがバックグラウンド処理に切り替わることはありません。
この行は、サーバーを停止する前に削除する必要があります。削除しないと、サーバーが自動的に再起動してしまいます。
システムの RC スクリプトによる自動再起動 (UNIX)
/etc/rc.local、または使用システムでこれに相当するスクリプトを使用する場合は、/etc/rc.local ファイルに次の行を追加します。
install_dir/path_to_domain_dir/instance_dir/bin/startserv
install_dir はサーバーのインストール先ディレクトリ、path_to_domain_dir はドメインディレクトリのパス、instance_dir はアプリケーションサーバーインスタンスの名前です。
アプリケーションサーバーインスタンスの手動再起動 (UNIX)
UNIX 環境では、インスタンスを手動で再起動するオプションも利用できます。サーバーインスタンスの停止後の起動とは異なり、再起動時はウォッチドッグプログラムは停止されません。ウォッチドッグの詳細については、「ウォッチドッグについて」を参照してください。
注 設定ファイルを編集して手動で変更を加えたときは、管理インタフェースの「変更を適用」ボタンをクリックする、または asadmin reconfig コマンドの keepmanualchanges オプションを true に設定して、サーバーを再起動する前に変更を適用する必要があります。変更の適用については、「アプリケーションサーバーインスタンスの変更の適用」を参照してください。
次の項目では、サーバーインスタンスを再起動する 3 種類の方法について説明します。
- 「再起動」ボタンによるサーバーインスタンスの再起動 (UNIX)
- restart-instance コマンドによるサーバーインスタンスの再起動 (UNIX)
- restartserv スクリプトによるサーバーインスタンスの再起動 (UNIX)
「再起動」ボタンによるサーバーインスタンスの再起動 (UNIX)
管理インタフェースを使ってサーバーインスタンスを再起動するには、次の手順を実行します。
- 左側のペインの「アプリケーションサーバーインスタンス」の下で、再起動するインスタンスの名前をクリックします。
- 右側のペインの「再起動」をクリックします。
- アプリケーションサーバーインスタンスが正常に再起動すると、メッセージが表示されます。
restart-instance コマンドによるサーバーインスタンスの再起動 (UNIX)
コマンド行インタフェースユーティリティ asadmin を使うことで、コマンド行またはスクリプトからアプリケーションサーバーインスタンスを起動および停止できます。この場合は restart-instance コマンドを使います。このコマンドの構文は次のとおりです。
restart-instance [--user admin_user] [--password admin_password] [--host admin_host] [--port admin_port] [--local=true/false] [--domain domain_name] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] instance_name
コマンドの実行時に local オプションを指定すると、管理サーバーを介することなくサーバーを再起動できます。
これらのコマンドの構文については、asadmin のヘルプを参照してください。asadmin の使用方法については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
restartserv スクリプトによるサーバーインスタンスの再起動 (UNIX)
restartserv スクリプトを使うには、コマンド行プロンプトから次のディレクトリに移動します。
instance_dir/bin
install_dir はサーバーのインストール先ディレクトリ、domain_dir はドメインディレクトリ、instance_dir は起動するインスタンスの名前です。
次のように入力します。
./restartserv
サーバーが 1024 より小さい番号のポートで実行されている場合は root として、それ以外の場合は root またはそのサーバーのユーザーアカウントでログインします。
ウォッチドッグについて
ウォッチドッグ (UNIX では appserv-wdog、Windows では appservd-wdog.exe) は、Sun ONE Application Server に付属するプログラムです。このプログラムは次のタスクを実行します。
- サーバーを起動する
- サーバーを停止する
- SSL/TLS が有効な場合に、サーバーの起動時に信頼データベースのパスワードを管理者に要求する
- サーバーが停止した場合に再起動する
ウォッチドッグはバックグラウンドで実行され、ユーザーによる操作を必要としません。このため、設定や設定の変更は必要ありません。管理サーバーを含め、アプリケーションサーバーインスタンスごとに 1 つのウォッチドッグが実行されます。
UNIX 環境では、各ウォッチドッグがアプリケーションサーバー (appservd) の基本プロセス用にプロセスを生成し、そのプロセスが要求を受け付ける appservd プロセスを生成します。ウォッチドッグはサーバーを起動するため、ウォッチドッグのプロセス ID が instance_dir/logs の下の pid ログファイルに記録されます。
アプリケーションサーバーインスタンスの追加
管理インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスを追加するには、次の手順に従います。
- 管理インタフェースにアクセスし、左側のペインの「アプリケーションサーバーインスタンス」をクリックします。
- 「一般」タブをクリックします。
- 「アプリケーションサーバーインスタンス」ページの「新規」をクリックします。
- 「新規のインスタンス作成」ページにインスタンス名とポート番号を指定します。
この管理サーバーおよびドメインに固有のインスタンス名を指定してください。また、マシン上のその他のプロセスによって使用されていないポート番号を指定してください。
UNIX 環境では、インスタンスを実行する UNIX ユーザーも指定できます。
- 「了解」をクリックします。
詳細については、オンラインヘルプを参照してください。
コマンド行インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスを追加する場合は、asadmin ユーティリティの create-instance コマンドを使用します。構文は次のとおりです。
asadmin create-instance [--user admin_user] [--password admin_password] [--host host] [--port port] [--sysuser sys_user] [--domain domain_name] [--local=true/false] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] --instanceport instance_port instance_name
コマンドの実行時に local オプションを指定すると、管理サーバーを介することなくサーバーを再起動できます。sysuser オプションは、UNIX 環境だけで利用できます。
コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
アプリケーションサーバーインスタンスの削除
管理ドメインからアプリケーションサーバーインスタンスを削除できます。削除する前に、そのアプリケーションサーバーインスタンスが不要であることを確認してください。いったん削除したインスタンスを元に戻すことはできません。
管理インタフェースを使ってマシンからアプリケーションサーバーインスタンスを削除するには、次の手順に従います。
- 管理インタフェースにアクセスし、削除するアプリケーションサーバーインスタンスの名前をクリックします。
- 「一般」タブをクリックします。
- 「削除」をクリックします。
詳細については、オンラインヘルプを参照してください。
コマンド行インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスを削除する場合は、asadmin ユーティリティの delete-instance コマンドを使用します。構文は次のとおりです。
asadmin delete-instance [--user admin_user] [--password admin_password] [--host admin_host] [--port admin_port] [--domain domain_name] [--local=true/false] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] instance_name
コマンドの実行時に local オプションを指定すると、管理サーバーを介することなくサーバーを削除できます。
コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
アプリケーションサーバーインスタンスの変更の適用
管理インタフェースまたはコマンド行インタフェースを使って設定情報を変更しても、server_instance/config/backup に保存されている特別なファイルに変更内容が記録されるだけで、自動的には適用されません。管理インタフェースおよびコマンド行インタフェースは、上記ディレクトリに保存されているファイルに記録された設定値を表示します。変更内容は、適用するまで反映されません。変更の適用は「サーバーの再設定」とも呼ばれます。変更を適用すると、最後に変更を適用したときから現在までの変更内容がすべて有効になります。インスタンスを再起動しても、変更内容は自動的に適用されません。
変更の適用が必要なサーバーインスタンスの設定に変更を加えたときは、左側のペインのツリーに表示されるアプリケーションサーバーインスタンスの横、サーバーインスタンスへのアクセス時に表示されるバナー、およびサーバーインスタンスのメインページに黄色のアイコンが表示されます。
   警告アイコン
管理インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスに変更を適用するには、次の手順に従います。
- 管理インタフェースにアクセスして、再設定するアプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 「一般」タブをクリックします。
- 「変更の適用」をクリックします。
変更が適用されると、画面にメッセージが表示されます。
コマンド行インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスを再設定する場合は、asadmin ユーティリティの reconfig コマンドを使用します。構文は次のとおりです。
asadmin reconfig --user admin_user [--password admin_password] [--host admin_host] [--port admin_port] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] [--discardmanualchanges=true/false | --keepmanualchanges=true/false] instance_name
設定ファイルを編集して手作業で変更を加えた際、再設定時に編集内容を維持するときは、keepmanualchanges=true オプションを使う必要があります (デフォルトは false)。discardmanualchanges=true に設定すると、手作業で加えた変更はすべて破棄されます。discardmanulchanges=false (デフォルト) と keepmanualchanges=true は同じ意味ではありません。keepmanualchanges=false に設定した場合は、discardmanualchanges オプションを指定しない場合と同じ意味となります。
コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
変更を適用したあと、サーバーを再起動しないと変更内容が有効にならないプロパティもあります。設定ファイル init.conf および obj.conf のすべてのプロパティ、server.xml ファイルの一部のプロパティがこれに該当します。これらのファイルの詳細については、『Sun ONE Application Server 管理者用設定ファイルリファレンス』を参照してください。
変更を適用する上でサーバーの再起動が必要となるときは、左側のペインのツリーに表示されるアプリケーションサーバーインスタンスの横、サーバーインスタンスへのアクセス時に表示されるバナー、およびサーバーインスタンスのメインページに黄色の警告アイコンが表示されます。ページのバナーとメインページには、サーバーの再起動が必要なことを示すメッセージが表示されます。サーバーインスタンスを再起動すると、黄色の警告アイコンは表示されなくなります。
次の server.xml の設定の変更は、再起動を必要としません。
- J2EE アプリケーション (EAR ファイル)、EJB モジュール (JAR ファイル)、Web モジュール (WAR ファイル)、およびコネクタ (RAR ファイル) の配備、配備取消し、再配備。これらの設定には、変更の適用は必要ない
- J2EE アプリケーション (EAR ファイル)、EJB モジュール (JAR ファイル)、Web モジュール (WAR ファイル)、およびコネクタ (RAR ファイル) の有効化と無効化
- リソースの作成、更新、削除
- EJB コンテナまたは MDB コンテナの監視設定 (true または false)
- HTTP および Web コンテナ機能の変更 (server.xml 内の http-service、web-container、およびこれらのサブ要素の変更)
アプリケーションサーバーインスタンスの状態の表示
管理インタフェースでは、アプリケーションサーバーインスタンスの基本的な設定のほか、サーバーが動作しているかどうかを確認できます。
アプリケーションサーバーインスタンスの状態を確認するには、次の手順に従います。
- 左側のペインで、アプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 右側のペインの「一般」タブをクリックします。
サーバーのホスト名、ポート番号、インストールディレクトリ、Sun ONE Application Server ソフトウェアのバージョンとともに、サーバーが実行中であるかどうかが表示されます。
コマンド行インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスの状態を確認する場合は、asadmin ユーティリティの show-instance-status コマンドを使用します。状態は、起動中、実行中、停止中、停止のいずれかです。このコマンドの構文は次のとおりです。
asadmin show-instance-status --user admin_user [--password admin_password] [--host admin_host] [--port admin_port] [--passwordfile file_name] [--secure | -s] instance_name
コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
JVM 設定
アプリケーションサーバーインスタンスの JVM (Java Virtual Machine) を設定できます。この設定には、Java ホームの場所、コンパイラオプション、デバッグオプション、プロファイラ情報が含まれます。設定を変更する理由の 1 つに、パフォーマンスの向上があります。パフォーマンスの詳細については、『Sun ONE Application Server パフォーマンスおよびチューニングガイド』を参照してください。
この節では、次の項目について説明します。
一般設定
管理インタフェースを使って JVM の一般設定を行うには、次の手順を実行します。
- 左側のペインで、アプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 右側のペインの「JVM」タブをクリックします。
- 「一般」をクリックします。
- 「Java ホーム」を設定します。
Java ホームは、JDK (Java Developer's Kit) がインストールされているディレクトリを示すパスです。Sun ONE Application Server は、Sun JDK 1.4.0_02 以降をサポートしています。
- デバッグを有効化するかどうかを選択し、デバッグオプションを設定します。
デバッグオプションは、http://java.sun.com/products/jpda/doc/conninv.html#Invocation で参照できます。
- 「rmic オプション」を選択します。
「rmic オプション」フィールドには、アプリケーションの配備時に RMI コンパイラに渡される rmic オプションが表示されます。-keepgenerated オプションを指定すると、スタブとタイ用に生成されるソースが保存されます。rmic コマンドの詳細は、『Sun ONE Application Server Enterprise Java Beans 開発者ガイド』を参照してください。
- 「保存」をクリックします。
パス設定
管理インタフェースを使って JVM のパス設定を行うには、次の手順を実行します。
- 左側のペインで、アプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 右側のペインの「JVM」タブをクリックします。
- 「パス設定」をクリックします。
- システムのクラスパスのサフィックスを選択します。
- 環境クラスパスを無視するかどうかを選択します。
クラスパスを無視しない場合、CLASSPATH 環境変数が読み込まれ、Sun ONE Application Server のクラスパスに適用されます。CLASSPATH 環境変数は、クラスパスサフィックスの後に適用され、末尾に追加されます。
開発環境では、クラスパスを使用する必要があります。本稼働環境では、環境変数による影響を避けるために、このクラスパスを無視する必要があります。
- ネイティブライブラリパスのプレフィックスとサフィックスを設定します。
ネイティブライブラリパスは、Application Server インストールディレクトリに基づくネイティブ共有ライブラリの相対パス、標準の JRE ネイティブライブラリパス、シェル環境設定 (UNIX では LD_LIBRARY_PATH)、およびプロファイラ要素に指定したパスの連結によって自動的に作成されます。これは組み合わせによって作成されるため、サーバーの設定には明示的に表示されません。
- 「保存」をクリックします。
JVM オプションの設定
管理インタフェースを使って JVM コマンド行オプションを設定するには、次の手順を実行します。
- 左側のペインで、アプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 右側のペインの「JVM」タブをクリックします。
- 「JVM」オプションをクリックします。
- JVM オプションを追加するときは、画面上部のテキストフィールドに入力し、「追加」をクリックします。
- JVM オプションを削除するときは、削除するオプションのとなりのチェックボックスをクリックし、「削除」をクリックします。
- JVM オプションを編集するときは、「JVM オプション」フィールドのテキストを編集し、「保存」をクリックします。
JVM オプションの詳細は、http://java.sun.com/docs/hotspot/VMOptions.html で参照できます。
JVM プロファイラの設定
管理インタフェースを使って JVM プロファイラを設定するには、次の手順を実行します。
- 左側のペインで、アプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- 右側のペインの「JVM」タブをクリックします。
- 「プロファイラ」をクリックします。
- プロファイラの名前、クラスパスとネイティブライブラリパス、有効にするかどうかを指定します。
- プロファイラの JVM オプションを追加するときは、画面上部のテキストフィールドに入力し、「追加」をクリックします。
- プロファイラの JVM オプションを削除するときは、削除するオプションのとなりのチェックボックスをクリックし、「削除」をクリックします。
- プロファイラの JVM オプションを編集するときは、「JVM オプション」フィールドのテキストを編集し、「保存」をクリックします。
プロファイラの詳細は、『Sun ONE Application Server 開発者ガイド』を参照してください。
コマンド行インタフェースによる JVM の設定
コマンド行インタフェースの asadmin ユーティリティを使って JVM を設定するには、次のコマンドを使います。
インスタンスのすべての属性を確認するには、次のコマンドを使います。
asadmin> get server_instance.java-config.*
server1 の classpathprefix という属性を確認するには、次のコマンドを使います。
asadmin> get server1.java-config.classpathprefix
server1 の classpathprefix という属性を設定するには、次のコマンドを使います。
asadmin> set server1.java-config.classpathprefix=com.sun
上記すべての例は、環境変数にユーザー、パスワード、ホスト、ポートが設定されていることを前提としています。すべての属性のリストは、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
コマンド行インタフェースの asadmin ユーティリティを使って JVM オプションを設定するには、次のコマンドを使います。
asadmin> create-jvm-options --user admin_user [--password admin_password] [--host host] [--port port] [--secure | -s] [--instance instance_name] [--profiler=true/false] (jvm_option_name=jvm_option_value)[:jvm_option_name=jvm_option_name]*
asadmin> delete-jvm-options --user admin_user [--password admin_password] [--host host] [--port port] [--secure | -s] [--instance instance_name] [--profiler=true/false] (jvm_option_name=jvm_option_value)[:jvm_option_name=jvm_option_name]*
注 : コロンで区切ることで、複数の JVM オプションを入力できます。プロファイラに適用するオプションでは、--profiler を true に設定します。
コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
ログ設定と監視設定
「ログ」タブと「監視」タブで行うログと監視の設定については、それぞれ別の章で説明します。ログについては、「ログの使用」を参照してください。監視および SNMP の設定については、「Sun ONE Application Server の監視」を参照してください。
アプリケーションサーバーインスタンスの詳細設定の変更
アプリケーションサーバーインスタンスの詳細設定には、インスタンスのロケール (文字セットや言語の設定を決定する)、サーバーのログファイルのパス、アプリケーションが配備されているディレクトリのパス、および非活性化された Beans や持続的な HTTP セッションが格納されるセッションストアディレクトリのパスなどがあります。
さらに、アプリケーションの再読み込みや、再読み込みのポーリング間隔を有効にすることもできます。アプリケーションを動的に再読み込みすると、自動的に変更内容のチェックが行われ、変更があった場合は自動的にバージョンが更新されます。通常、動的再読み込みは、本稼働環境ではなく開発環境で行います。ポーリング間隔は、Application Server がアプリケーションの更新をチェックする時間間隔です。
管理インタフェースを使ってアプリケーションサーバーインスタンスの設定を変更するには、次の手順に従います。
- 左側のペインで、アプリケーションサーバーインスタンス名をクリックします。
- アプリケーションサーバーインスタンスのページの「詳細」タブをクリックします。
- フィールドに適切な値を入力します。
- 「保存」をクリックします。
コマンド行インタフェースの asadmin ユーティリティを使ってサーバーインスタンスの詳細設定を変更するには、get コマンドと set コマンドを使います。
インスタンスのすべての属性を確認するときは、次のコマンドを使います。
asadmin get instance_name.*
次に例を示します。
asadmin get "server1.*"
server1 の logRoot という属性を確認するには、次のコマンドを使います。
asadmin get server1.logRoot
server1 の logRoot という属性を設定するには、次のコマンドを使います。
asadmin set server1.logRoot=/space/log
上記すべての例は、環境変数にユーザー、パスワード、ホスト、ポートが設定されていることを前提としています。コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。