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Sun ONE Application Server 7, Update 1 開発者ガイド



J2EE アプリケーションの開発

moduleSun ONE Application Server 7 でのアプリケーション開発のガイドラインについて説明します。この章には次の節があります。

開発環境の設定

コードを作成、アセンブル、配備、およびデバッグするための環境の設定は、Sun ONE Application Server のメインストリームバージョン (評価用でないバージョン) をインストールして、開発ツールを利用して行います。これらの作業について、次の各項で説明します。

開発用サーバーのインストールと準備

Solaris 9 にバンドルの Sun ONE Application Server は、オペレーティングシステムのインストールの一環として同時にインストールされます。詳細については、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。

それ以外のプラットフォームでは、Sun ONE Application Server のメインストリームバージョン (評価用でないバージョン) をインストールすることをお勧めします。

Solaris 9 にバンドルの製品およびメインストリームバージョンの製品では、デフォルトで次のコンポーネントがインストールされます。

  • Sun ONE Application Server コア (次を含む)
    • Sun ONE Message Queue
    • 管理インタフェース (Administration interface)

  • JDK
  • Sun ONE Studio 4
  • サンプルアプリケーション

詳細は、『Sun ONE Application Server インストールガイド』を参照してください。

Sun ONE Application Serverをインストール後、サーバーを次の方法で開発用にさらに最適化することができます。

  • 適切なクラスローダーによってアクセスされるように、ユーティリティクラスおよびライブラリを配備する。詳細は、「クラスローダー」を参照してください。
  • 動的再読み込みを有効化する。詳細は、「動的再読み込み」を参照してください。
  • デバッグを設定する。詳細は、「J2EE アプリケーションのデバッグ」を参照
  • JVM を設定する。詳細については、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

開発ツール

次のような一般的なツールが Sun ONE Application Server に付属しています。

次のツールは Sun ONE Application Server に付属しているか、または Sun のサイトからダウンロードできます。

次のサードパーティのツールも使用することができます。

asadmin コマンド

asadmin コマンドを使用すると、ローカルサーバーまたはリモートサーバーの設定と、管理および開発タスクの両方をコマンド行で実行できます。asadmin を使用した配備の詳細は、「asadmin コマンド」を参照してください。asadmin についての詳細は、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

管理インタフェース

管理インタフェースを使用すると、サーバーの設定や、管理および開発タスクの両方を Web ブラウザで実行できます。管理インタフェースを使った配備の詳細は、「管理インタフェース」を参照してください。管理インタフェースについての詳細は、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

Sun ONE Studio

Sun ONE Studio 4 は、Sun ONE Application Server でのコードの作成、アセンブリ、配備およびデバッグを、単一の使いやすいインタフェースで行うことができる IDE (統合開発環境) です。Sun ONE Studio と Sun ONE Application Server は、プラグインにより統合されています。Sun ONE Studio に関する詳細は、『Sun ONE Studio 4, Enterprise Edition のチュートリアル』を参照してください。

Apache Ant

Ant の自動アセンブリ機能を使用することができます。Ant は、次の Apache Software Foundation のサイトから入手できる Java ベースのビルドツールです。

http://jakarta.apache.org/ant/

Ant は、Java クラスを使って拡張した Java ベースのビルドツールです。シェルコマンドを使う代わりに、XML ベースの設定ファイルによって、タスクを実行するターゲットツリーが呼び出されるようになっています。各タスクは、特定のタスクインタフェースを実装したオブジェクトによって実行されます。

Sun ONE Application Server (Solaris 9 にバンドルされている場合もバンドルされていない場合も) には Apache Ant 1.4.1 が付属しています。また、Sun ONE Application Server には、サンプルアプリケーションの配備および管理用に、サーバー固有の Ant タスクが複数用意されています。Sun ONE Application Server に付属の Ant の使用方法についての詳細は、「Apache Ant のアセンブリツールおよび配備ツール」を参照してください。

移行ツール

次の自動移行ツールは、Sun のサイトからダウンロードできます。

  • Sun ONE Migration Tool for Application Servers は、次のサーバー上で開発された J2EE アプリケーションおよびモジュールを再アセンブルします。
    • iPlanet Application Server 6.x
    • iPlanet Web Server 6.x
    • IBM の Websphere Application Server 4.0
    • BEA Systems の WebLogic Server 6.1

  • Sun ONE Migration Toolbox を使用すると、NetDynamics および Netscape Application Server 上で開発されたアプリケーションの移行を簡単に行うことができます。

詳細は、『Sun ONE Application Server サーバーアプリケーションの移行および再配備』を参照してください。

プロファイルツール

Sun ONE Application Server では、HPROF、OptimizeitTM、Wily Introscope/sup>、JProbeTM など、さまざまなプロファイラを使用できます。詳細については、「プロファイル」.を参照してください。

ソースコード制御ツール

Sun ONE Studio 4 では、次のソースコード制御ツールをサポートしています。

  • Concurrent Versioning System (CVS) - Community Edition の組み込みサポート
  • PVCS - 事前に定義されている構成
  • Visual Source Safe - 事前に定義されている構成
  • VCS - API を使って統合が可能
  • RCS - API を使って統合が可能
  • SCCS - API を使って統合が可能
  • Clearcase - API を使って統合が可能

詳細は、次のサイトを参照してください。

http://wwws.sun.com/software/sundev/jde/features/ce-features.html

Sun ONE Studio でサポートされるその他のツール

Sun ONE Studio 4 でサポートされるその他のツールのリストについては、次のサイトを参照してください。

http://forte.sun.com/ffj/partnerprograms/partnerlist.html

コンポーネントの作成手順

J2EE アプリケーションおよびコンポーネントを作成する前に、「J2EE アプリケーションの最適な設計方法」をご覧ください。

この節は、次の基本手順について説明します。

Web アプリケーションの作成

Web アプリケーションを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Web アプリケーションファイル全体用のディレクトリを作成します。これは、Web アプリケーションのドキュメントルートになります。
  2. 必要な HTML ファイル、イメージファイルおよびその他の静的コンテンツを作成します。これらのファイルをドキュメントルートディレクトリまたはサブディレクトリに置き、ほかのアプリケーション部分からアクセスできるようにします。
  3. 必要な JSP ファイルを作成します。
  4. 必要なサーブレットを作成します。
  5. サーブレットをコンパイルします。JSP を事前にコンパイルすることもできます。
  6. WEB-INF ディレクトリ、および Web アプリケーションに必要なその他のディレクトリを作成します。
  7. WEB-INF ディレクトリに配備記述子ファイル web.xml を作成し、オプションで、sun-web.xml ファイルを作成します。「配備記述子ベリファイア」で説明する方法でこれらのファイルの構造を確認することをお勧めします。
  8. WAR ファイルに Web アプリケーションをパッケージ化します。ディレクトリ配備を利用する場合は、この操作はオプションとなります。
  9. Web アプリケーションを単独で配備するか、または J2EE アプリケーション内に含めます。

これらの手順に関する詳細は、『Sun ONE Application Server Web アプリケーション開発者ガイド』を参照してください。

Enterprise JavaBeans の作成

EJB コンポーネントを作成するには

  1. EJB コンポーネントファイル全体用のディレクトリを作成します。
  2. 作成する EJB コンポーネントのタイプを決定します。
    • セッション
      • ステートフル
      • ステートレス

    • エンティティ
      • Bean 管理による持続性を使用
      • コンテナ管理による持続性を使用

    • メッセージ駆動型

  3. EJB 仕様に準拠して、次の EJB コンポーネントのコードを記述します。
    • ローカル、リモートのいずれか、または両方のホームインタフェース
    • ローカルインタフェース、リモートインタフェースのいずれか、または両方
    • 実装クラス (メッセージ駆動型 Bean 用のものだけ)

  4. インタフェースおよびクラスをコンパイルします。
  5. META-INF ディレクトリ、および EJB コンポーネントの構築に必要なその他のディレクトリを作成します。
  6. META-INF ディレクトリに配備記述子ファイル ejb-jar.xml および sun-ejb-jar.xml を作成します。EJB コンポーネントがコンテナ管理による持続性を使用するエンティティ Bean である場合、.dbschema ファイルおよび sun-cmp-mapping.xml ファイルも作成する必要があります。「配備記述子ベリファイア」で説明する方法でこれらのファイルの構造を確認することをお勧めします。
  7. JAR ファイルに EJB コンポーネントをパッケージ化します。ディレクトリ配備を利用する場合は、この操作はオプションとなります。
  8. EJB コンポーネントを単独で配備するか、または J2EE アプリケーション内に含めます。

これらの手順に関する詳細は、『Sun ONE Application Server Enterprise JavaBeans 開発者ガイド』を参照してください。

ACC クライアントの作成

ACC クライアントを作成するには、次の手順に従います。

  1. クライアントファイル全体用のディレクトリを作成します。
  2. Java 2 Platform Enterprise Edition 仕様に従って、クライアントクラス用のコードを作成します。
  3. クライアントのインタフェースおよびクラスをコンパイルします。
  4. META-INF ディレクトリ、および ACC クライアントの構築に必要なその他のディレクトリを作成します。
  5. META-INF ディレクトリに配備記述子ファイル application-client.xml および sun-application-client.xml を作成します。「配備記述子ベリファイア」で説明する方法でこれらのファイルの構造を確認することをお勧めします。
  6. JAR ファイルにクライアントをパッケージ化します。ディレクトリ配備を利用し、クライアントが 1 つまたは複数の EJB コンポーネントと通信する場合は、この操作は必要に応じて行います。
  7. クライアントが 1 つまたは複数の EJB コンポーネントと通信する場合は、クライアントと EJB コンポーネントをアプリケーションにパッケージ化し、そのアプリケーションを配備します。
  8. クライアントマシンを準備します。
    1. ACC パッケージ JAR ファイルを作成する
    2. ACC パッケージ JAR ファイルをクライアントマシンにコピーし、unjar を実行してファイルを展開する
    3. sun-acc.xml ファイルと asenv.conf ファイル (Windows 環境では asenv.bat ファイル) を設定する
    4. クライアント JAR ファイルをクライアントマシンにコピーする

  9. クライアントを実行します。

これらすべての手順に関する詳細は、『Sun ONE Application Server Developer's Guide to Clients』を参照してください。

コネクタの作成

コネクタを作成するには、次の手順に従います。

  1. コネクタファイル全体用のディレクトリを作成します。
  2. J2EE コネクタアーキテクチャ仕様に従って、リソースアダプタクラス (ConnectionFactoryConnection など) 用のコードを作成します。
  3. コネクタのインタフェースおよびクラスをコンパイルします。
  4. コネクタのすべてのクラスを含む 1 つまたは複数の JAR ファイルを作成します。
  5. コネクタに必要なネイティブライブラリをディレクトリ構造に追加します。
  6. META-INF ディレクトリ、およびコネクタに必要なその他のディレクトリを作成します。次に、ディレクトリ構造全体の例を示します。

  7. + MyConnector/
    |--- readme.html
    |--- ra.jar
    |--- client.jar
    |--- win.dll
    |--- solaris.so
    '--+ META-INF/
       |--- MANIFEST.MF
       |--- ra.xml
       '--- sun-ra.xml

    ra.jar ファイルと client.jar ファイルは 手順 4 で作成しました。win.dll ファイルと solaris.so ファイルは、手順 5 で追加したネイティブライブラリです。

  8. META-INF ディレクトリに配備記述子ファイル ra.xml および sun-ra.xml ファイルを作成します。これらのファイルは両方とも必要です。「配備記述子ベリファイア」で説明する方法でこれらのファイルの構造を確認することをお勧めします。
  9. 手順 6 で説明したディレクトリ構造から RAR ファイルを作成します。ディレクトリ配備を利用する場合は、この操作はオプションとなります。
  10. コネクタを単独で配備するか、または J2EE アプリケーション内に含めます。

これらすべての手順に関する詳細は、『Sun ONE Application Server J2EE CA Service Provider Implementation 管理者ガイド』を参照してください。



Sun ONE Connector Builder を使えば、コネクタを簡単に作成できます。詳細については、『Sun ONE Connector Builder 開発者ガイド』を参照してください。



アプリケーションの作成

完全な J2EE アプリケーションを作成するには、次の手順に従います。

  1. アプリケーションを構成するコンポーネント (Web アプリケーション、EJB コンポーネント、およびコネクタ) を決定します。
  2. アプリケーションファイル全体用のディレクトリを作成し、その下に META-INF ディレクトリを作成します。
  3. アプリケーションのコンポーネントを作成し、それらをアプリケーションディレクトリにコピーします。.jar.war、または .rar ファイルが、それぞれ _jar_war、または _rar という名前の空きサブディレクトリに置かれる必要があります。
  4. コンポーネントが互いに正しく呼び出し合うことを確認します。
  5. アプリケーションディレクトリの下の META-INF ディレクトリに、配備記述子ファイル application.xml を作成し、オプションで、sun-application.xml ファイルを作成します。「配備記述子ベリファイア」で説明する方法でこれらのファイルの構造を確認することをお勧めします。
  6. EAR ファイルにアプリケーションをパッケージ化します。ディレクトリ配備を利用する場合は、この操作はオプションとなります。
  7. アプリケーションを配備します。

これらすべての手順の詳細は、「J2EE アプリケーションのアセンブルと配備」を参照してください。


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