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Sun ONE Portal Server 6.0 インストールガイド |
第 1 章インストールの計画
SunTM ONE Portal Server ソフトウェアのインストールを始める前に、慎重にインストール計画を立てる必要があります。 インストールを正常に完了するには、インストールソフトウェアの構成、システム要件、および必要な情報をあらかじめよく理解しておいてください。
インストールの概要
Sun ONE Portal Server のインストールプログラムは、コンポーネントをインストールし、システムの初期設定を行います。 Sun ONE Portal Server および SunTM ONE Directory Server は、同時にインストールすることも、別々にインストールすることも可能です。 パフォーマンスを向上させるため、Sun ONE Portal Server および Sun ONE Directory Server を異なるマシンにインストールする場合もあります。 アップグレード版のインストールの場合は、インストールプログラムの移行ツールを使用できます。
Sun ONE Portal Server は Sun ONE Directory Server と同じマシン、または別のマシンにインストールすることができる。 Sun ONE Directory Server は、既存のインストールを使用することもできる
Sun ONE Portal Server と Sun ONE Directory Server を別々にインストールする場合は、Sun ONE Directory Server を最初にインストールすること Sun ONE Portal Server を稼動するマシンが、Sun ONE Directory Server を稼動するマシンへのアクセス権を持っていること。 システム間のファイアウォールが Sun ONE Directory Server ポートへの接続をブロックしていないこと
Sun ONE Portal Server は iPlanetTM Directory Server Access Management Edition と同じマシンにインストールすること。 また、iPlanet Directory Server Access Management Edition がすでにインストールされているマシンにもインストールできる Sun ONE Portal Server は、SunTM ONE Web Server がすでにインストールされているマシンにはインストールできない。 インストールプログラムによって、Sun ONE Portal Server に必要な Sun ONE Web Server がインストールされる。 Web サーバがすでにインストールされている場合は、 Sun ONE Portal Server に含まれる Sun ONE Web Server は別のポートにインストールされる 図 1-1 は、Sun ONE Portal Server、iPlanet Directory Server Access Management Edition、Sun ONE Web Server、および Sun ONE Directory Server の単一マシンへのインストール例を示しています。
図 1-1    単一マシンへのインストール
図 1-2 は、他のマシンで Sun ONE Directory Server を使用していて、Sun ONE Portal Server、iPlanet Directory Server Access Management Edition、および Sun ONE Web Server の複数のマシンへのインストール例を示しています。
図 1-2    複数のマシンへのインストール
Sun ONE Portal Server ソフトウェアには、Sun ONE Portal Server の以前のバージョンからアップグレードするサイト用のデータ移行ツールも含まれています。
iPlanetTM Portal Server 3.0 Service Pack 3aまたは Service Pack 4 からこのバージョンのソフトウェアにアップグレードする場合は、次のガイドラインに従います。
Sun ONE Portal Server Data Migration Tool Suite をシステムにインストールします。
iPlanetTM Portal Server 3.0 (Service Pack 3a または 4 ) システムから別の Sun ONE Portal Server 6.0 システムに移行する場合は、2 つの Sun ONE Portal Server 6.0 Data Migration Tool Suite が必要であり、システムごとにインストールする必要がある 単一システムの移行については、 iPlanet Portal Server 3.0 (Service Pack 3a または 4 ) システムに Sun ONE Portal Server 6.0 をインストールできる
システム要件
Sun ONE Portal Server ソフトウェアをインストールする前に、システムが次の要件を満たしていることを確認してください。
ハードウェア要件 ソフトウェア要件 オペレーティングシステム要件 (パッチを含む)
ハードウェア要件
新しいソフトウェアをインストールする場合は、システムは少なくとも次のハードウェア要件を満たしている必要があります。
ソフトウェア要件
ここで説明するソフトウェアは、 Sun ONE Portal Server ソフトウェアを正常にインストールするのに必要です。 これらのソフトウェア製品の以前のバージョンについてはサポートしていません。
オペレーティングシステム要件
Sun ONE Portal Server ソフトウェアには、オペレーティングシステムとして少なくともユーザ版の Solaris 8 または Solaris 9 ソフトウェアが必要です。 Solaris 8 の場合には、製品を正常にインストールするために、次のオペレーティングシステムのパッチも必要です。
これらは必要最小限のパッチです。 パッチ番号の最後の 2 桁は、マイナー改訂番号です。 パッチの改訂がリリースされている場合は、パッチの最新改訂版 (改訂番号が最も大きい版) をインストールします。 通常、これらのパッチは、新しいパッチがリリースされると旧版になり、SunSolve サイトからは最新パッチしか入手できなくなります。 各パッチの readme を参照して、必要な付属製品およびパッチを確認してください。
最新のパッチがインストールされている場合は、インストーラを使用してインストールを続行できます。
推奨ブラウザ
次のブラウザは Sun ONE Portal Server Desktop の管理およびアクセスに使用できます。
設定情報
Sun ONE Portal Server ソフトウェアのインストール中に、いくつかの設定情報を指定する必要があります。 この節のチェックリストを完成してから、ソフトウェアをインストールしてください。
Java Development Kit のチェックリスト
Java Development Kit (JDK ソフトウェア) がシステム上にすでにインストールされている場合は、 Sun ONE Portal Server はそれを使用します。
次の項目を確認してから、 Sun ONE Portal Server をインストールします。
サポートされているバージョンの JDK ソフトウェアが、システムにインストールされているか。 インストール済みであれば、インストールされているディレクトリを指定する
JDK ソフトウェアをインストールするか
Sun ONE Directory Server のチェックリスト
インストール中に、ディレクトリにアクセスする URL が設定されるように、Sun ONE Directory Server のインストール先のサーバに関する情報を入力する必要があります。
既存のディレクトリサーバを使用するか、新しいディレクトリサーバをインストールするかに関わらず、次の情報を指定する必要があります。
Sun ONE Directory Server がシステムにすでにインストールされているか。 または、別のシステムで稼動中の Sun ONE Directory Server を使用するか
Sun ONE Directory Server は、Sun ONE Portal Server より先にインストールする必要があります。 Sun ONE Directory Server が pssetup を使用してインストールされていない場合は、Sun ONE Directory Server が稼動中のシステムにパッチ 113177-01 をインストールしてください。 既存の Sun ONE Directory Server がインストールされているマシンに Sun ONE Portal Server をインストールする場合は、pssetup はディレクトリサーバのパッチ 113177-01 をインストールします。pssetup は、リモートホストの既存の Sun ONE Directory Server には、ディレクトリサーバのパッチをインストールしません。 既存の Sun ONE Directory Server がリモートホストにある場合は、マニュアルの説明に従って Sun ONE Directory Server パッチを追加します。
このシステムに Sun ONE Directory Server をインストールするか。 または、別のシステムに Sun ONE Directory Server をインストールするか
Sun ONE Directory Server は、Sun ONE Portal Server より先にインストールする必要があります。 pssetup を使用して Sun ONE Directory Server をインストールする場合は、インストールプログラムが必要な Sun ONE Directory Server パッチをインストールします。
ディレクトリサーバが稼動中のシステムのホスト名 ディレクトリサーバが稼動中のシステムのサブドメイン名
ディレクトリサーバが稼動中のシステムのドメイン名
/etc/hosts ファイルをチェックして、システムの完全指定のドメイン名を指定します。
Sun ONE Directory Server のベースディレクトリ
新しい Sun ONE Directory Server のデフォルトのベースディレクトリは、/usr/ldap です。 ベースディレクトリは、ローカルディスクドライブのディレクトリにする必要があります。つまり、ネットワークドライブをインストールのために使用することはできません。 AFS、NFS、および SMB などのファイル共有プロトコルは、Sun ONE Directory Server による使用に適したファイルロックおよびパフォーマンスを提供しません。 これらのプロトコルがローカルファイルシステムで保持されないと、サーバデータベースのインデックスファイルが損傷を受ける場合があります。
Sun ONE Directory Server へのアクセスにはどのポートを使用するか
ポート番号は、 1 から 65535 までの任意の番号です。
デフォルトの LDAP ポート番号は、389 です。LDAP over SSL のデフォルトのポート番号は 636 です。このため、ポート番号 636 が未使用の場合でも、これを標準の LDAP インストールに使用しないでください。 標準の LDAP ポートでは LDAP over TLS を使用することもできます。
UNIX プラットフォームで、ポート 389 またはポート 636 のいずれかで待機する場合は、Sun ONE Directory Server を root または nobody ユーザとして稼動する必要があります。
選択するポートが未使用であることを確認してください。 ポートが未使用であるかを確認するには、次のように入力します。
netstat -an | grep port-number
また、LDAP および LDAPS 通信の両方を使用している場合は、これらの 2 種類のアクセス用に選択したポート番号が同一でないことを確認します。
Sun ONE Directory Server の管理ポート番号
デフォルトのポート番号は 8900 です。ポート 8900 をすでに他のアプリケーションで使用している場合、Sun ONE Directory Server 管理には別のポートを選択します。 選択するポートを他のプロセスで使用していないことを確認します。
組織名
ディレクトリツリーのルートサフィックス
これは、ディレクトリツリーの最初のエントリを表すディレクトリエントリです。 企業のデータを含むツリーには、少なくとも 1 つのディレクトリサフィックスが必要です。
ルートサフィックスが 1 つの組織の場合は、ルートサフィックスとデフォルトの組織が同じになるように選択できます。
デフォルトのディレクトリルートサフィックスは、 o=isp です。
ディレクトリマネージャ識別名 (DN)
アクセス制御は、このディレクトリエントリには適用されません。 デフォルトの DN は、cn=Directory Manager です。
この DN は、Sun ONE Directory Server に設定された任意のサフィックスに一致する必要はありません。 ディレクトリマネージャ DN と同じ DN を持つ実際のディレクトリサーバのエントリは、手動で作成しないでください。
ディレクトリマネージャのパスワード
パスワードは、 8 文字以上にする必要があります。これは、ASCII 文字、数字、および記号に限定されます。
Sun ONE Web Server のチェックリスト
Sun ONE Web Server をインストールする際には、次の基本設定情報を指定します。
システムに Sun ONE Web Server がインストールされているか
Sun ONE Web Server 管理ポート番号
管理インスタンスで、 Sun ONE Web Server を管理できます。 管理インスタンスに無作為の番号を選択して、他者によるサーバの侵害を困難にします。 サーバを設定する際は、管理サーバのポート番号を使用します。 たとえば、サーバ siroe.com の場合、サーバの URL は http://www.siroe.com:2634/ になります。
選択するポートが未使用であることを確認します。 UNIX システムでは、サーバマシンでファイル /etc/services をチェックして、別のサービス用に確保されているポート番号を割り当てていないことを確認することができます。別のサービスで使用されているポートを選択した場合は、インストールプログラムが別のポートの指定を求めるプロンプトを表示します。
UNIX を使用していて 1024 より小さいポート番号を選択する場合は、root でログインしてサーバを開始する必要があります。 サーバがポートにバインドすると、サーバは root ユーザアカウントから指定のユーザアカウントに変わります。 1024 より小さいポート番号のサービスは、ユーザ nobody として実行する場合に使用できます。root 以外のその他すべてのユーザは、1024 より大きいポート番号を使用する必要があります。ユーザ nobody は、解決可能なパスワードを持たないため、root となり実行するプロセスを nobody として開始する必要があります。 1024 より大きいポート番号を選択する場合は、root ユーザとしてサーバを開始する必要はありません。
デフォルトでは、ソフトウェアは Sun ONE Web Server 管理ポートとしてポート 8088 を割り当てます。
Sun ONE Web Server 管理者名
このサーバの管理者のパスワード
パスワードは 8 文字以上にする必要があります。
iPlanet Directory Server Access Management Edition のチェックリスト
iPlanet Directory Server Access Management Edition をインストールする際に、次の基本設定情報を指定して Sun ONE Portal Server に iPlanet Directory Server Access Management Edition をインストールおよび設定します。
システムに iPlanet Directory Server Access Management Edition をインストールするか。 または、このシステムにすでに iPlanet Directory Server Access Management Edition がインストールされているか
Sun ONE Portal Server は、iPlanet Directory Server Access Management Edition が稼動中のシステムにインストールする必要があります。また、iPlanet Directory Server Access Management Edition は Sun ONE Portal Server より先にインストールする必要があります。 バージョンに互換性がある場合は、すでにインストール済みの iPlanet Directory Server Access Management Edition を使用できます。詳細はソフトウェア要件を参照してください。 ただし、ユーザ nobody として実行する既存の iPlanet Directory Server Access Management Edition への Sun ONE Portal Server のインストールはサポートされていません。 root として実行するように iPlanet Directory Server Access Management Edition を変更してから Sun ONE Portal Server をインストールしてください。 root として実行するように iPlanet Directory Server Access Management Edition を変更する方法については、第 2 章 「Sun ONE Portal Server の インストール」を参照してください。
iPlanet Directory Server Access Management Edition ソフトウェアのベースディレクトリ
ベースディレクトリは、ローカルディスクドライブのディレクトリにする必要があります。つまり、ネットワークのドライブをインストールのために使用することはできません。 ベースディレクトリは、新規に作成するか、空になっている必要があります。
iPlanet Directory Server Access Management Edition のデフォルトのベースディレクトリは、/opt です。
システムのホスト名 システムのサブドメイン名
システムのドメイン名
このシステムの IP アドレス
複数のネットワークインタフェースカード (すなわち NIC) がある場合、複数の IP アドレスは複数の NIC に対応するため、正しい IP アドレスを指定していることを確認します。
インストールプログラムでシステムの IP アドレスを検出できないことが通知される場合は、システムの完全指定のドメイン名を正しく指定しているか確認してください。
このサーバで SSL を実行するか
Sun ONE Portal Server へのアクセスにどのポートを使用するか
ブラウザがサーバとの通信に使用するポートを指定します。 Sun ONE Portal Server ソフトウェアのサーバコンポーネントに提供されるデフォルトのポート番号は、SSL 通信以外の場合は 80、SSL 通信の場合は 443 です。
ユーザ nobody として Sun ONE Portal Server を稼動する場合は、1024 までの予約済みのポートを含めて、利用可能なすべてのポートを使用できます。正規 (または root 以外) のユーザとして稼動する場合は、Sun ONE Portal Server のインストールの際に 1024 より大きいポートを使用してください。
選択するポートが未使用であることを確認してください。 ポートが未使用かどうかを確認するには、次のように入力します。
netstat -an | grep port-number
Sun ONE Portal Server のチェックリスト
Sun ONE Portal Server のデフォルトのベースディレクトリは、/opt です。 または、iPlanet Directory Server Access Management Edition ソフトウェアのベースディレクトリと同じベースディレクトリに配備されています。詳細は iPlanet Directory Server Access Management Edition のチェックリストを参照してください。
Sun ONE Portal Server 3.0 Service Pack 3aまたは 4 がすでにシステムにインストールされているか
インストールされている場合は、ソフトウェアまたは移行ユーティリティ、あるいはその両方をインストールする前に、インストールの概要で説明したこのソフトウェアのバージョンのアップグレードに関する情報を参照してください。
配備の URI
デフォルトでは、コンテンツは BaseDir/ SUNWps/web-apps /ServerInstance/URI に配備され、URI はデフォルトでは /portal です。配備の URI の値の前にはスラッシュが 1 つだけ必要です。 コンテンツは、Sun ONE Web Server でインストールされます。
このシステムにサンプルポータルをインストールするか
ディレクトリのレイアウト
この節では、 Sun ONE Portal Server ソフトウェアのデフォルトのディレクトリのレイアウトおよび対応するコンポーネントについて簡単に説明します。
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最終更新日 2002 年 8 月 29 日