7


PGX64 グラフィックスアクセラレータ

Sun PGX64 グラフィックスアクセラレータは、24 ビット高解像度の PCI スロット用画像フレームバッファーです。Sun PGX64 グラフィックスアクセラレータは、PCI スロットを備えたサンのすべてのプラットフォームに対応しています。

この章では、PGX64 グラフィックスアクセラレータがサポートする Solaris の各リリースを対象として、PGX64 グラフィックスアクセラレータの画面解像度、ソフトウェアのインストール方法、およびパッチの適用方法について説明します。

PGX64 のデバイス名は m64 です。m64 デバイスのマニュアルページは、SUNWman に含まれています。Solaris 2.5.1 オペレーティング環境が動作しているシステムでは、m64 デバイスのマニュアルページは SUNWm64mn になります。


マニュアルページ

Sun PGX64 グラフィックスアクセラレータのマニュアルページでは、画面解像度、画像設定などのフレームバッファー属性の調査方法と設定方法について説明しています。マニュアルページは、Solaris オペレーティング環境に付属の Solaris SUNWman パッケージに含まれています。

サンのグラフィックスアクセラレータの全般的な設定については、m64config(1M) のマニュアルページを参照してください。


Sun PGX64 をデフォルトコンソールディスプレイとして設定する方法

Sun PGX64 グラフィックスカードをデフォルトのモニターコンソールディスプレイとして設定する手順は次のとおりです。

1. ok プロンプトで以下のように入力します。

ok show-displays

次のようなコンソールデバイスの設定方法が表示されます。

a) /pci@1f,0/pci@5/TSI,gfxp@2
b) /pci@1f,0/pci@5/SUNW,m64B@1
c) /pci@1f,0/pci@5/SUNW,Expert3D-Lite@0
q) NO SELECTION 

2. デフォルトのコンソールディスプレイとして設定するグラフィックスカードを選択します。

この例では、Sun PGX64 カードを示す b を選択します。

Enter Selection, q to quit: b
 
/pci@1f,0/pci@5/SUNW,m64B@1 has been selected.
Type ^Y ( Control-Y ) to insert it in the command line.
e.g. ok nvalias mydev ^Y
	 for creating devalias mydev for /pci@1f,0/pci@5/SUNW,m64B@1

3. Sun PGX64 デバイスのエイリアスを作成します。

たとえば、エイリアスとして mydev を作成するには、以下のように入力します。

ok nvalias mydev <Control-Y> <ENTER>

4. 選択したデバイスをコンソールデバイスに設定します。

ok setenv output-device mydev

5. 作成したエイリアスを保存します。

ok setenv use-nvramrc? true

6. 以下のように入力して出力デバイス環境をリセットします。

ok reset

7. システムの背面パネルに装着している Sun PGX64 カードにモニターケーブルを接続します。

 


Sun PGX64 の画面解像度

表 7-1 は、Sun PGX64 グラフィックスボードがサポートする画面解像度とビデオ形式を示しています。

表 7-1 Sun PGX64 の画面解像度

画面解像度

垂直リフレッシュレート

同期規格

アスペクト比

画面の深さ

1920 x 1200

70 Hz

Sun

16:10

8 ビット

1920 x 1080

72 Hz

Sun

16:9

8 ビット

1600 x 1280

76 Hz

Sun

5:4

8 ビット

1600 x 1200

75 Hz

VESA

4:3

24 ビット

1600 x 1000

66/76 Hz

Sun

16:10

24 ビット

1440 x 900

76 Hz

Sun

16:10

24 ビット

1280 x 1024

60/75/85 Hz

VESA

5:4

24 ビット

1280 x 1024

67/76 Hz

Sun

5:4

24 ビット

1280 x 800

76 Hz

Sun

16:10

24 ビット

1152 x 900

66/76 Hz

Sun

5:4

24 ビット

1152 x 864

75 Hz

VESA

4:3

24 ビット

1024 x 768

60/70/75/85 Hz

VESA

4:3

24 ビット

800 x 600

56/60/72/75/85 Hz

VESA

4:3

24 ビット

720 x 400

85 Hz

VESA

9:5

24 ビット

640 x 480

60/72/75/85 Hz

VESA

4:3

24 ビット




注 - http://www.sun.com/service/online/ の SunServiceSM では、本書に記載されていない Sun PGX64 カードの関連情報やサポートを得ることができます。




Sun PGX64 ソフトウェアのパッチ

表 7-2 は、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8 の各オペレーティング環境に必要な Sun PGX64 ソフトウェアのパッチを示しています。

表 7-2 Solaris 版 Sun PGX64 ソフトウェアのパッチ

Solaris オペレーティング環境

パッチ

格納ディレクトリ

Solaris 2.5.1

103792-29

/cdrom/cdrom0/Solaris_2.5.1/Patches

Solaris 2.6

105362-31

/cdrom/cdrom0/Solaris_2.6/Patches

Solaris 7

106146-17

/cdrom/cdrom0/Solaris_7/Patches

Solaris 8

108606-08

/cdrom/cdrom0/Solaris_8/Patches


ネットワークインストールイメージへのパッチの適用



注 - 以下の説明は、十分な経験を持つシステム管理者のみを対象としています。詳細は、http://www.sun.com/service/online/ の SunService を参照してください。



Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8 の各オペレーティング環境のネットワークインストールイメージに、PGX64 パッチを適用する手順は次のとおりです。

1. Sun PGX64 カードをシステムに装着した後、ok プロンプトで以下のように入力し、システムを再起動します。

ok boot -r

2. スーパーユーザーでログインします。

3. PGX64 CD-ROM をドライブにセットします。

4. パッチを適用するネットワークインストールイメージに対応する、適切な Solaris オペレーティング環境を選択します。

5. PGX64 ソフトウェアパッチをネットワークインストールイメージに適用するには、PGX64 の Tools ディレクトリに移動し、ネットワークイメージを格納しているディレクトリを指定します。

# cd /cdrom/cdrom0/Tools
# ./pgx64_patch_netimage -r x.x -d ネットワークイメージディレクトリへのパス

x.x にはパッチを適用する Solaris オペレーティング環境のバージョン番号 (Solaris 2.6 の場合は 2.6)、ネットワークイメージディレクトリへのパスにはネットワークインストール用イメージを格納しているディレクトリのパスをそれぞれ指定します。

6. 必要に応じて、通常のネットワークインストール手順を実行します。