Sun ONE Portal Server 6.2 管理者ガイド |
第 6 章
NetMail サービスの管理この章では、NetMail サービスを管理する方法について説明します。この章で説明する内容は次のとおりです。
NetMail サービスの概要NetMail サービスは、電子メールクライアントの NetMail (JavaTM) および NetMail Lite を実装しています。これらのクライアントは、標準の IMAP および SMTP サーバー環境で動作します。NetMail によって、ユーザーは 1 つまたは複数のメールサーバーにアクセスし、電子メールの読み取り、作成、削除、およびフォルダの作成、アクセス、削除を行うことができます。
SunONE Portal Server 6.2 では、Sun ONE Identity Server の管理コンソールを利用して、NetMail サービスの定義および管理を行います。NetMail サービスは、NetMail クライアントが電子メールメッセージとその設定を管理するために、サービス属性とデフォルト値を定義します。組織とそのユーザーが NetMail クライアントの動作を制御できるように、サービス属性の値の定義およびカスタマイズを行います。
NetMail サービスの管理Sun ONE Identity Server のポリシーサービスにより、規則を定義したり、リソースにアクセスしたりすることができます。ポリシーは、ロールまたは組織に基づき、アクセス権を与えたり、制約を定義したりすることができます。
デフォルトでは、ポリシー設定サービスは自動的に最上位の組織に登録されます。サブ組織は、親組織とは別にポリシーサービスを登録する必要があります。作成したポリシーサービスは、すべての組織に登録する必要があります。ポリシーを使用するための手順の概要は、次のとおりです。
- 組織のポリシーサービスを登録します
- サブ組織の参照ポリシーを作成します。組織のポリシーに関する定義と決定を別の組織に委託することができます (リソースのポリシー定義を別のポリシー製品に委託することもできます)。この、ポリシーの作成と評価に関するポリシー委任は、参照ポリシーによって制御されます。これは、規則と参照自体から構成されます。リソースを必要としないアクションがポリシーサービスに含まれる場合、サブ組織の参照ポリシーを作成することはできません。詳細は、「サブ組織の参照ポリシーを作成するには」を参照してください。
- ピアまたはサブ組織の通常のポリシーを作成します。アクセス権の定義には通常のポリシーを使用します。通常のポリシーは、複数の規則、サブジェクト、条件から構成されます。詳細は、「サブ組織の通常のポリシーを作成するには」を参照してください。
ピアまたはサブ組織のポリシーサービスを登録するには
サブ組織は、親サービスを継承しないため、サブ組織のポリシーサービスを登録する必要があります。
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールに管理者としてログインします。
デフォルトでは、ロケーションパネルでは「アイデンティティ管理」が選択され、ナビゲーションパネルでは「組織」が選択されています。
- 参照ポリシーを作成する組織またはサブ組織に移動します。
作成したすべての組織がナビゲーションパネルに表示されます。
- ナビゲーションパネルの「表示」メニューから「組織」を選択し、「名前」メニューから適切な組織を選択します。
- 「表示」メニューから「サービス」を選択します。
- 「登録」をクリックします。
「サービスを登録」ページがデータパネルに表示されます。NetMail サービスのチェックボックスにチェックマークを付けて、「登録」をクリックします。
新規登録されたサービスがナビゲーションパネルに表示されます。
- プロパティの矢印をクリックして NetMail サービスを設定します。
- データパネルに、次のメッセージが表示されます。
「現在このサービスにはテンプレートが存在しません。新規に作成しますか ?」
- メッセージボックス内の「作成」をクリックし、テンプレートを作成します。
NetMail の属性が表示されます。
- NetMail の属性を変更します。
NetMail の属性については、付録 D 「NetMail の属性」を参照してください。
- 「保存」をクリックして、変更後の値をサービステンプレートに保存します。
サブ組織の参照ポリシーを作成するには
組織のポリシーに関する定義と決定を別の組織に委託することができます。この、ポリシーの作成と評価に関するポリシー委任は、参照ポリシーによって制御されます。これは、規則と参照自体から構成されます。参照は、規則内のリソースとして親組織を定義する必要があり、参照内の値として SubOrgReferral に組織名が含まれている必要があります。
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールに管理者としてログインします。
デフォルトでは、ロケーションパネルでは「アイデンティティ管理」が選択され、ナビゲーションパネルでは「組織」が選択されています。
- 参照ポリシーを作成するサブ組織を含む組織に移動します。
作成したすべての組織がナビゲーションパネルに表示されます。
- 「表示」メニューから「ポリシー」を選択します。
- 「新規」をクリックし、新しいポリシーを作成します。
ポリシーの作成ページがデータパネルに表示されます。
- 「名前」には、SubOrgReferral_NetMail を入力します。「ポリシータイプ」で「参照」が選択されていることを確認します。「作成」をクリックします。
- データパネルの「表示」メニューから「ルール」を選択し、「追加」をクリックします。「NetMail」が選択されていることを確認し、「次へ」をクリックします。
「ルールを追加」テンプレートがデータパネルに表示されます。
- 「サービス」から NetMail を選択し、「次へ」をクリックします。
- 「ルール名」に NetMailRule と入力し、「作成」をクリックします。
- データパネルの「表示」メニューから「参照」を選択し、「追加」をクリックします。
「参照を追加」テンプレートがデータパネルに表示されます。
- 「名前」に SubOrgReferral_suborg_name と入力します。
データパネルで「値」にサブ組織の名前が選択されていることを確認し、「作成」をクリックしてポリシーの設定を完了します。
- データパネルで「保存」をクリックします。
データが保存されると、「ポリシープロパティが保存されました。」というメッセージが表示されます。
サブ組織の通常のポリシーを作成するには
アクセス権の定義には通常のポリシーを使用します。通常のポリシーは、複数の規則、サブジェクト、条件から構成されます。
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールに管理者としてログインします。
デフォルトでは、ロケーションパネルでは「アイデンティティ管理」が選択され、ナビゲーションパネルでは「組織」が選択されています。
- ポリシーを作成する組織またはサブ組織に移動します。
作成したすべての組織がナビゲーションパネルに表示されます。
- 「表示」メニューから「ポリシー」を選択します。
その組織のポリシーが表示されます。
- ナビゲーションパネルで「新規」を選択します。「新規ポリシー」ページがデータパネルに表示されます。
- 「名前」に SubOrgNormal_NetMail と入力します。「ポリシータイプ」で「標準」が選択されていることを確認します。「作成」をクリックします。
- データパネルの「表示」メニューから「ルール」を選択し、「追加」をクリックします。「ルールを追加」テンプレートがデータパネルに表示されます。
- 「サービス」メニューから「NetMail」を選択し、「次へ」をクリックします。「ルール名」に NetMailRule と入力します。「NetMail 実行権限」にチェックマークが付けられていることを確認します。
- 「サービス」メニューから「NetMail」を選択し、「次へ」をクリックします。「NetMail 実行権限」にチェックマークが付けられていることを確認します。
- 「タイプ」メニューからサブジェクトのタイプを選択し、「次へ」をクリックしてサブジェクトの設定を完了します。
- データパネルの「表示」メニューから「サブジェクト」を選択し、「追加」をクリックします。「サブジェクトを追加」ページがデータパネルに表示されます。
- 「作成」をクリックして、ポリシーの設定を完了します。
データが保存されると、「ポリシープロパティが保存されました。」というメッセージが表示されます。
NetMail のサービス属性の変更 (特定の組織)
NetMail のサービスをカスタマイズするには、サービスの属性を変更します。
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールに管理者としてログインします。
デフォルトでは、ロケーションパネルでは「アイデンティティ管理」が選択され、ナビゲーションパネルでは「組織」が選択されています。
- 組織を選択します。
- 「表示」メニューから「サービス」を選びます。
- ナビゲーションパネルの「NetMail」の隣にあるプロパティの矢印をクリックします。
Netmail のサービス属性のリストが、データパネルに表示されます。
- サービス属性の値を変更し、「保存」をクリックして変更を保存します。
この変更は、選択された組織内のユーザーだけに反映されます。
詳細については、付録 D 「NetMail の属性」を参照してください。
NetMail のサービス属性の変更 (すべての組織)
NetMail サービスを登録するすべての組織に影響する、NetMail サービスのグローバル属性の変更が、将来必要になる場合もあります。
新しいウィンドウを開くように NetMail Lite を設定するには
デフォルト設定では、NetMail Lite が実行されている状態で、ユーザーがデスクトップにある NetMail Lite のリンクを選択してメッセージを作成している場合、NetMail Lite の現在のウィンドウは NetMail Lite の新しいインスタンスに置き換えられるため、メッセージのテキストは消滅します。この問題を避けるためには、NetMail Lite の設定を変更し、デスクトップにある NetMail Lite のリンクをユーザーがクリックするたびに、新しいウィンドウが開くようにします。
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールに管理者としてログインします。
デフォルトでは、ロケーションパネルでは「アイデンティティ管理」が選択され、ナビゲーションパネルでは「組織」が選択されています。
- 組織を選択します。
- ナビゲーションパネルの「デスクトップ」の隣にあるプロパティの矢印を選択します。
デスクトップのサービス属性のリストが、データパネルに表示されます。
- データパネルで、「チャネルおよびコンテナの管理」のリンクをクリックします。
- 「チャネル」の下にある、App チャネルの「編集」リンクをクリックします。
- 組織を選択し、「表示」メニューから「サービス」を選択します。
- targets プロパティの、「編集」リンクを選択します。
- NetMail Lite のプロパティを、次のように書き換えます。
NetMail Lite| ^javascript:var nmServerURL = document.URL; nmDestURL =nmServerURL.split('dt')[0];nmAdjustedURL = nmDestURL +'NetMailServlet?nsid=newHTMLSession'; openAppURL(nmAdjustedURL,'_blank');return false;
- 「保存」をクリックします。
- 変更を確認します。
組織内のテストユーザーとしてログインします。NetMail Lite にアクセスし、メッセージの作成を開始します。NetMail Lite のリンクをクリックします。NetMail Lite を表示したウィンドウが新しく開かれます。
リモートアドレス帳の使用 (LDAP)
NetMail のリモートアドレス帳の機能を有効にするには、NetMail サービスの LDAP サーバーリストの属性を変更します。
注
検索エンジンが「含む文字列」、「一致」、「始めの文字列」、「終りの文字 列」、および「類似」の検索条件をサポートしている場合、アドレス帳の 検索機能は、ユーザーが指定したテキストを基に比較して名前を検索する ことができます。
個人のアドレス帳は、「含む文字列」の検索だけをサポートしています。 LDAP アドレス帳を追加した場合は、そのほかのオプションが有効になり ます。
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールに管理者としてログインします。
デフォルトでは、ロケーションパネルでは「アイデンティティ管理」が選択され、ナビゲーションパネルでは「組織」が選択されています。
- 組織を選択します。
- 「表示」メニューから「サービス」を選びます。
- ナビゲーションパネルの「NetMail」の隣にあるプロパティの矢印をクリックします。
NetMail のサービス属性のリストが、データパネルに表示されます。
- 「アドレス帳検索で使用する LDAP サーバーの詳細」の値を変更します。各エントリは、カンマで区切られた name="value" のペアのリストです。有効な名前は次のとおりです。
- name : NetMail の「アドレス」ページに表示される名前 (デフォルトは、なし)
- server : LDAP サーバーの完全修飾ドメイン名 (デフォルトは、なし)
- base : 検索を開始するために使用する識別名 (DN) (デフォルトは "")
- searchin : 検索の対象となる属性をカンマで区切ったリスト (デフォルトは "cn,gn,sn")
- result : 電子メールアドレスを含む属性 (デフォルトは "mail")
- filter : 検索に適用する追加の LDAP フィルタ (デフォルトは "")。フィルタの構文には、LDAP フィルタ構文が使用される
- referral : LDAP を実行するかどうかを定義する値。デフォルトは "follow" 。参照を実行しないように定義するには "" を指定する
たとえば、Sesta LDAP のディレクトリを検索するには、次のエントリを使用します。
name="Sesta LDAP",server="ldap-server.sesta.com",base="dc=sesta,dc=com"
- 「保存」をクリックします。