Sun ONE Portal Server 6.2 管理者ガイド |
第 11 章
登録サービスの管理この章で説明する内容は次のとおりです。
概要登録サービスを利用することで、ユーザーは多くの情報を網羅する興味対象のプロファイルを作成できます。このリリースでサポートされる情報ソースには、カテゴリ、ディスカッション、検索可能ドキュメントが含まれます。ユーザーが登録チャネルにアクセスするたびに、プロファイルは最新の情報で更新されます。登録チャネルは、ユーザーが定義したカテゴリ別ドキュメントやディスカッションのプロファイルエントリと一致するヒット回数 (関連情報) を要約します。
検索サービスは、次のように使用されます。
結果は、一致情報の数を示すリンクとしてプロファイルエントリに表示されます。ユーザーがこのリンクをクリックすると、その一致自体の詳細が表示されます。
カテゴリ登録では、ユーザーがリンクをクリックすると検索チャネルが表示されます。ここには、興味対象の特定のドキュメントが標準のカテゴリ検索結果の形式で要約されます。登録チャネルは、より詳細な情報への入り口として機能します。
登録サービスの管理管理者は、登録サービスを有効化、または無効化することができます。登録サービスは、次のレベルで管理できます。
ルートレベル
登録サービスのルートレベルの管理では、システム全体を対象に、タイプ別 (カテゴリ、ディスカッション、保存される検索) の登録のデフォルト最大数を設定します。図 11-1 は、ルートレベルで登録サービスを管理するためのインタフェースを示しています。ルートレベルの登録サービスの定義については、「ルートレベルで登録サービスを定義するには」を参照してください。
図 11-1 ルートレベルの登録管理インタフェース
組織レベル
登録サービスの組織レベルの管理では、システム全体を対象にした、タイプ別 (カテゴリ、ディスカッション、保存される検索) の登録のデフォルト最大数を上書きします。図 11-2 は、組織レベルで登録サービスを管理するためのインタフェースを示しています。組織レベルの登録サービスの定義については、「組織レベルで登録サービスを定義するには」を参照してください。
図 11-2 組織レベルの登録管理インタフェース
組織ユーザーレベル
組織ユーザーレベルでの登録サービスの管理では、ユーザーの登録サービスの設定を編集します。管理者は、ユーザーのサービスデータを次のように管理できます。
図 11-3 は、ユーザーレベルで登録サービスを管理するためのインタフェースを示しています。ユーザーの登録サービスの管理については、「ユーザーの登録サービスを管理するには」を参照してください。
図 11-3 ユーザーレベルの登録管理インタフェース
ルートレベルで登録サービスを定義するには
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールにログインし、「サービス設定」タブを選択します。
- 左のパネルにある「Portal Service 設定」メニューから「登録サービス」を選択します。
- 次の項目のデフォルト値を変更します (図 11-1 を参照)
- 次のボタンを選択します。
組織レベルで登録サービスを定義するには
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールにログインし、組織の「表示」プルダウンメニューから「サービス」を選択します。
- 左のパネルにある「Portal Service 設定」メニューから「登録サービス」を選択します。
- 次の項目のデフォルト値を変更します (図 11-2 を参照)
- 次のボタンを選択します。
ユーザーの登録サービスを管理するには
- 管理コンソールにログインし、組織の「表示」プルダウンメニューから「ユーザー」を選択します。
- 「ユーザー」を選択します。
右のパネルにユーザー情報が表示されます。
- 「表示」プルダウンメニューから「登録」を選択します。
ユーザーの登録を編集するためのページが表示されます。
- 登録の定義を編集します (図 11-3 を参照)。
登録のタイプごとに、登録を追加または消去します。形式は次のとおりです。
登録チャネルの使用
登録チャネルには、カテゴリ登録、ディスカッション登録、保存される検索のタイプ別に登録が表示されます (図 11-4 を参照)。登録のタイプごとに、次の情報が表示されます。
エンドユーザーは、登録チャネルの「編集」ボタンを利用して、すべての登録の更新と登録解除を行えます (図 11-5 を参照)。登録の一致するエンドユーザーへの通知は、登録チャネルでグループ化されます。通知は、登録チャネルの更新時に生成されます。管理者は、チャネルの refreshTime プロパティを設定して、一定時間、コンテンツのキャッシュを実際に描画することができます。エンドユーザーが refreshTime パラメータより短い時間内に登録チャネルのコンテンツを複数回更新しようとしても、コンテンツは実際のデータからは生成されず、キャッシュから読み取られます。refreshTime チャネルのプロパティの値は、秒単位で設定できます。
ドキュメントが次の条件に一致すると、新規ドキュメントとしてエンドユーザーに通知されます。
カテゴリに登録するには
- サンプルデスクトップにログインします。
カテゴリには、次の方法で登録できます。
- カテゴリをブラウズする : これには「登録」リンクが含まれる
- カテゴリを示す検索結果 : これには「登録」リンクが含まれる
- カテゴリ内の検索結果 : これには「カテゴリに登録」リンクが含まれる (図 11-6 を参照)
- 登録するカテゴリの隣にある登録用リンクを選択します。
登録情報を指定するページが表示されます。
- 次の情報を指定します。
- 「完了」ボタンを選択します。
登録のリストにカテゴリが追加されます。
図 11-6 カテゴリへの登録ページの例
ディスカッションに登録するには
検索を保存するには
- サンプルデスクトップにログインします。
- 「検索」タブを開き、ドキュメントを検索します。
検索結果のページが表示されます。
- 結果リストの上に表示される登録のリンクをクリックします (図 11-7 を参照)。
登録情報を指定するページが表示されます。
- 次の情報を指定します。
- 「完了」ボタンを選択します。
これで、検索結果が保存されます。
図 11-7 検索結果への登録ページの例
ディスカッションここでは、次の内容について説明します。
ディスカッションの概要ディスカッションは、トピックと特定のドキュメントに関連付けられています。これは、既存のドキュメントを追加して、それについて話し合ったり、独自のトピックを作成する強力な手段です。特定のドキュメントや新しいトピックに関する情報を簡単に共有することができます。
Sun ONE Portal Server ソフトウェアのディスカッション機能には、ディスカッションスレッド、ドキュメントまたは新規トピックに基づくディスカッションの開始、ディスカッションの検索、ディスカッションの重要度設定が含まれます。デフォルトでは、匿名ユーザー用のサンプルポータルでも Discussions チャネルを利用できます。ただし、匿名ユーザーはディスカッションに登録したり、Discussions チャネルを編集したりすることはできません。
DiscussionLite チャネルと Discussions チャネルは DiscussionProvider に基づいています。検索チャネルの JSP と同様に、クエリの部分と表示の部分があり、デスクトップテーマを使用します。
DiscussionProvider
DiscussionProvider は、デスクトップテーマを使用する JSP プロバイダです。これは、検索タグライブラリと API を使用して、バックエンドの検索サービスからデータを取得します。ディスカッションとコメントは、異なるリソースディスクリプタ (RD) としてディスカッションデータベースに格納されます。DiscussionProvider がサポートする内容は次のとおりです。
- 次の機能を持つ完全ビュー (Discussions チャネル経由) と省略ビュー (DiscussionLite チャネル経由)
- 次の機能を持つディスカッションリスト
- ディスカッションの各サブツリーを表示するディスカッション表示。主要項目は詳細に表示され、サブツリーは主要項目の下に表示される。ここに表示される内容には、次の項目が含まれる
- ページ上の複数のフィルタ。ドキュメントの重要度 (「重要でない」、「普通」、「興味」、「重要」、「必読」) などのフィルタに基づいてドキュメントを表示できる
- スレッド表示とフラット表示の表示設定を選択できる
- 展開しきい値を使用すると、サブツリー内の表示を制御しやすくなる。ユーザーは、評価の高いドキュメントだけを展開したり、すべてのドキュメントを展開したり閉じたりすることを選択できる。デフォルト値は「すべて縮小」。「すべて展開」を選択した場合、フィルタ条件を満たすすべてのコメントが展開される。また、ディスカッションの説明およびディスカッション評価用メニューが表示されるほか、返信を投稿する仕組みも提供される
- ディスカッション内の検索に対応している
- ディスカッションに対してコメント追加し、重要度を設定する。たとえば、ユーザーは次の操作を行える
- ディスカッション内のすべてのディスカッションを検索する (図 11-8 を参照)。これらの機能は、検索プロバイダにルーティングされる。ユーザーは、詳細検索機能を使用して、重要度による検索も実行できる
図 11-8 すべてのディスカッションの検索に対応したデスクトップ上の検索ページ
- 登録。認証されたユーザーは、登録のリンクを選択することで、特定のディスカッションを選択的に登録できる。この要求は、SubscriptionProvider によって処理される。この機能が必要ない場合は、displaySubscription プロパティを無効に設定できる (コード例 11-1 を参照)。このプロパティのデフォルト値は true である
DiscussionProvider のディスプレイプロファイル XML コード
コード例 11-1 は、DiscussionProvider のディスプレイプロファイル XML コードを示しています。
DiscussionProvider の管理
DiscussionProvider の管理は、次のように分散されています。
DiscussionLite チャネル
DiscussionLite チャネルは、上位 20 のディスカッションタイトル (再設定可能) と日付を表示します (図 11-9 を参照)。ディスカッションは、作成日 (最終更新日) でソートされ、最も新しいディスカッションが先頭に表示されます。DiscussionLite チャネルの表示には、各ディスカッションを表示するリンク、Discussions チャネルをターゲットとするすべてのディスカッションを表示するリンク、ディスカッションを開始するリンクがあります。デフォルトでは、チャネルは単一のコンテナ内に表示され、すべてのリンクは JSPDynamicSingleContainer に持ち込まれます。
図 11-9 デスクトップ上の DiscussionLite チャネルの例
プロパティは、管理コンソールから設定できます (図 11-10 を参照)。デフォルトでは、このチャネルのプロパティをユーザーが編集することはできません。
図 11-10 Sun ONE Identity Server 管理コンソール上の DiscussionLite チャネル編集ページの例
ディスカッションは、ディスプレイプロファイルの dbname プロパティで指定されるディスカッションデータベースに格納されます。ディスプレイプロファイルでは、検索サーバーホスト (searchServer プロパティ)、データベース名 (dbname プロパティ)、表示するディスカッションの数 (viewHits プロパティ) を設定できます (コード例 11-2 を参照)。
コード例 11-2 DiscussionLiteProvider のディスプレイプロファイル XML コード
<Channel name="DiscussionLite" provider="DiscussionProvider">
<Properties>
<String name="title" value="Recent Discussions"/>
<String name="description" value="This is a DiscussionLite provider example"/>
<String name="contentPage" value="discussionLiteContent.jsp"/>
<String name="editPage" value=""/>
<String name="processPage" value=""/>
<String name="width" value="thin"/>
<String name="searchServer" value=""/>
<String name="db" value="discussion"/>
<Integer name="viewHits" value="20"/>
</Properties>
</Channel>
DiscussionLite チャネルでは、次の JSP が使用されます。
discussionLiteContent.jsp
JSP コンテンツページ
query.jsp
検索クエリを設定、実行する
display.jsp
結果を表示する
error.jsp
例外とエラーメッセージを表示する
Discussions チャネル
Discussions チャネルによる完全な表示には、次の機能が含まれます。
Discussions チャネルのプロパティは、Sun ONE 管理コンソールから設定できます。
図 11-12 Sun ONE Identity Server 管理コンソール上の Discussions チャネル編集ページの例
ディスカッションは、ディスプレイプロファイルの dbname プロパティで指定されるディスカッションデータベースに格納されます。ディスプレイプロファイルでは、検索サーバーホスト (searchServer プロパティ)、データベース名 (dbname プロパティ)、表示するディスカッションの数 (viewHits プロパティ) を設定できます (コード例 11-3 を参照)。
コード例 11-3 Discussions チャネルのディスプレイプロファイル XML コード
<Channel name="Discussions" provider="DiscussionProvider">
<Properties>
<String name="title" value="Discussions"/>
<String name="description" value="This is a Discussion provider example"/>
<String name="searchServer" value=""/>
<String name="dbname" value="discussions"/>
<Integer name="viewHits" value="8"/>
</Properties>
</Channel>
Discussions チャネルでは、次の JSP が使用されます。
discussionContent.jsp
JSP コンテンツページ
discussionEdit.jsp
編集ページ
discussionDoEdit.jsp
プロセス編集ページ
declare.jsp
portal.jsp
ディスプレイプロファイルデータを抽出する
fullDiscussion.jsp
完全な表示を処理する
fullDiscussionDisplay.jsp
すべてのディスカッションページのユーザーインタフェース
searchUI.jsp
すべてのディスカッションページに表示される検索フォーム
viewDiscussion.jsp
ディスカッションを表示する
viewDiscussionBar.jsp
ディスカッション表示ページ中央の水平バーで、すべてのフィルタが含まれる
viewDiscussionDisplay.jsp
ディスカッション表示ページのユーザーインタフェース
viewDiscussionHeader.jsp
ディスカッション表示ページに表示されるヘッダーコメント
viewDiscussionNavigation.j sp
ディスカッション表示ページのヘッダーの上下に表示されるナビゲーションバー
feedback.jsp
コメント、フィードバック、重要度の各機能を提供する
feedbackDisplay.jsp
フィードバックを表示する
feedbackForm.jsp
フィードバックフォームを提供する
feedbackProcess.jsp
フィードバックを処理する
error.jsp
例外とエラーメッセージを表示する
query.jsp
検索クエリを設定、実行する
pageFooter.jsp
ページ付けを行う
チャネルの管理と使用DiscussionProvider チャネルの管理
DiscussionProvider チャネルの管理は、デスクトップのディスプレイプロファイルと、Sun ONE Identity Server 管理コンソール上の検索サービスに分散されます。プロバイダに固有の情報は、ディスプレイプロファイルに格納されます。ディスカッションドキュメントとデータベースに関連する管理は、検索サービスで行う必要があります。
ディスカッションはディスカッションデータベースに格納されます。ディスカッションデータベースは、ディスカッションとコメントが特定のスキーマで構成されていることを前提としています。この機能のために、schema.rdm ファイルに新たにスキーマのフィールドが追加されました。データベースの管理とデバッグには、検索 CLI rdmgr を使用できます。たとえば、すべてのコメントをダンプするには、次のように入力します。
./run-cs-cli rdmgr -y discussion
DiscussionProvider チャネルのサンプルは、デフォルトの検索サーバーを使用するように設定されています。ディスカッションデータベースとチャネルにインポートされるいくつかのディスカッションは、すぐに使用できます。
次のサンプルが、S1PSBaseDir/SUNWps/samples/discussions/ ディレクトリに格納されています。
discussions.soif
ディスカッションデータベースにロードされるサンプル SOIF ファイル
dp-org.xml
ディスカッションチャネルのディスプレイプロファイル XML コードを含む
dp-providers.xml
ディスカッションプロバイダのディスプレイプロファイル XML コードを含む
dp-anon.xml
認証なしの匿名ユーザー用の XML コードを含む。サンプルポータルのインストール時にロードされる
管理者は、ディスカッションへのアクセスを制御できます (読み取り専用、または完全な非表示)。
DiscussionProvider からチャネルを作成するには
- Sun ONE Identity Server 管理コンソールにログインし、「表示」プルダウンメニューから「サービス」を選択します。
左のパネルにサービスのリストが表示されます。
- 「デスクトップ」、「チャネルおよびコンテナの管理」の順に選択します。
右のパネルに「チャネルおよびコンテナの管理」リンクが表示されます。
- 「チャネル」の下の「追加」ボタンを選択します。
追加するチャネルのタイプを指定するページが表示されます。
- 「チャネル名」テキストボックスにチャネルの名前を入力し、「プロバイダ」プルダウンメニューから「DiscussionProvider」を選択します。
- 「作成」を選択します。
これにより、指定したプロバイダに基づいてチャネルが作成されます。「キャンセル」ボタンをクリックすると、新しいチャネルを作成せずに「チャネルおよびコンテナの管理」ページに戻ります。
- チャネルテーブルで新たに作成したチャネルの隣にある「編集」リンクをクリックします。
チャネルのデフォルト値を設定するページが表示されます。
- プロパティを編集し、「保存」ボタンを選択して編集内容を保存します。
次のディスプレイプロファイルプロパティは、このプロバイダに固有のプロパティです。
searchServer
検索サーバーへのパス。デフォルト値は portal/portal/search
dbname
任意の有効なデータベース
viewHits
表示するディスカッションの数
defaultDiscussionDisplay
flat または threaded に設定し、コメントサブツリーの表示をフラットまたはスレッドに設定できる
defaultFilter
ディスカッションの検索と表示に適用されるフィルタ。サブツリーの表示を制御する。「重要でない」、「普通」、「興味」、「重要」、「必読」などの重要度に基づく設定が可能である。デフォルト値は「重要でない (irrelevant)」なので、「重要でない」以上の重要度が指定されたすべてのコメントが表示される。「必読」フィルタは、重要度が高く設定されたコメントを強調表示する
defaultExpansionThreshold
「expand all (すべて展開)」または「collapse all (すべて縮小)」に設定できる。デフォルト値は「collapse all」。「expand all」に設定すると、フィルタリングされたすべてのコメントが展開され、説明、重要度メニューが表示される。また、ユーザーはリンクをクリックして返信できる
anonymousAuthor
viewDiscussionWindow
displaySearch
showDescription
Discussions チャネル用にこのプロパティを設定できる
ratingText
ディスカッションのデフォルトの重要度として「重要でない」、「普通」、「興味」、「重要」、または「必読」を設定できる
DiscussionProvider サンプルチャネルの使用
新しいディスカッションを開始するには