GNOME 2.2 システム管理 (Linux 版)

CPU 使用率の低減

この節では、GNOME デスクトップの CPU 使用率を減らすための設定について説明します。

CPU リソースをあまり必要としないテーマオプションを使用する

一部のウィンドウフレームテーマオプションは、ウィンドウフレームを描くのにイメージファイルを読み込みます。 ほかのオプションは、より簡単な方法でウィンドウフレームを描きます。

Crux ウィンドウフレームオプションは画像ファイルをロードするので、CPU リソースが限られたシステムでは動作が遅くなる恐れがあります。 CPU 使用率を減らすには、以下のいずれかのウィンドウフレームオプションを使用します。

以下のウィンドウフレームオプションも、Crux よりは CPU リソースの使用率が少なくなります。


注 –

Metabox は、HighContrastInverse などの反転制御オプションとは正しく動作しません。 反転制御オプションを使用する場合は、Atlanta を使ってください。


ウィンドウフレームテーマのオプションを変更するには、以下のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type string --set /apps/metacity/general/theme option-name

Atlanta を使用する場合は、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type string --set /apps/metacity/general/theme Atlanta

または、テーマ設定ツールで適当なオプションを選択します。


ヒント –

Metacity テーマビューアを使用して、ウィンドウフレームオプションのパフォーマンスを測定したり、オプションをプレビューできます。 Metacity テーマビューアを起動するには、次のコマンドを使用します。

# metacity-theme-viewer option-name

たとえば、Atlanta のパフォーマンスを測定し、Atlanta をプレビューするには、次のコマンドを実行します。

# metacity-theme-viewer Atlanta


メニュー上のアイコンをオフにして CPU 使用率を減らす

メニュー上のいくつかの項目は、その項目の横にアイコンが表示されます。 この機能をオフにするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /desktop/gnome/interface/menus_have_icons false

または、Menus & Toolbars 設定ツールで「メニューにアイコンを表示」オプションの選択を解除します。

スプラッシュ画面をオフにして CPU 使用率を減らす

デフォルトでは、デスクトップ環境にログインすると、スプラッシュ画面が表示されます。 ログインしている間は、スプラッシュ画面にアイコンが表示されています。 スプラッシュ画面をオフにすると、ログインしている間の CPU 使用率を減らせます。

スプラッシュ画面をオフにするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /apps/gnome-session/options/show_splash_screen false

または、セッション 設定ツールで「ログイン時にスプラッシュ画面を表示する」オプションの選択を解除します。

パネルアニメーションをオフにして CPU 使用率を減らす

パネルを表示または非表示にするときに、動画形式でパネルを表示または非表示にすることができます。 パネルアニメーションをオフにするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /apps/panel/global/enable_animations false

または、パネル 設定ツールで「引出しとパネルのアニメーション」オプションの選択を解除します。

ファイルマネージャのパフォーマンスの改善

Nautilus ファイルマネージャの一部の機能を変更して、パフォーマンスを改善できます。

パフォーマンス設定を変更する

ファイルマネージャには、パフォーマンスに関連する設定があります。 各パフォーマンス設定は、3 つの値のうち 1 つを持ちます。 以下の表は、3 つの値を説明しています。

値 

説明 

always

ローカルファイルと、別のファイルシステム上のファイルの両方に対して、動作を実行する 

local_only

ローカルファイルに対してのみ動作を実行する パフォーマンス設定を local_only セットすると、CPU 使用率は減少します

never

動作を実行しない パフォーマンス設定を never にセットすると、CPU 使用率とネットワークトラフィックは減少します 

以下の表は、ファイルマネージャのパフォーマンス設定を説明しています。 パフォーマンスを上げるには、設定値を never に設定します。

設定 

説明 

show_icon_text

ファイルを表すアイコンで、テキストファイルの内容をいつプレビューするかを指定します。 テキストファイルの内容をプレビューしない場合は、次のコマンドを実行します 

# gconftool-2 --type string --set /apps/nautilus/preferences/ show_icon_text never

または、次の手順を実行します 

  1. ファイルマネージャウィンドウで「編集」->「設定」を選択して、「プレビュー」を選択します。

  2. 「アイコンにテキストを表示」設定のオプションを選択します

show_directory_item_counts

フォルダ内のアイテム数をいつ表示するかを指定します。 フォルダ内の項目数を表示しない場合は、次のコマンドを実行します。 

# gconftool-2 --type string --set /apps/nautilus/preferences/ show_directory_item_counts never

または、次の手順を実行します 

  1. ファイルマネージャウィンドウで「編集」->「設定」を選択して、「プレビュー」を選択します。

  2. 「アイテム数のカウント」設定のオプションを選択します。

show_image_thumbnails

イメージファイルのサムネイルをいつ表示するかを指定します。 サムネイルを表示しない場合は、次のコマンドを実行します 

# gconftool-2 --type string --set /apps/nautilus/preferences/ show_image_thumbnails never

または、次の手順を実行します 

  1. ファイルマネージャウィンドウで「編集」->「設定」を選択して、「プレビュー」を選択します。

  2. 「サムネイルの表示」設定のオプションを選択します

preview_sound

サウンドファイルの内容をいつプレビューするかを指定します。 サウンドファイルの内容をプレビューしない場合は、次のコマンドを実行します 

# gconftool-2 --type string --set /apps/nautilus/preferences/preview_sound never

または、次の手順を実行します 

  1. ファイルマネージャウィンドウで「編集」->「設定」を選択して、「プレビュー」を選択します。

  2. 「サウンドファイルをプレビュー」設定のオプションを選択します

サイド区画、ツールバー、ロケーションバーをオフにする

ファイルマネージャには、サイド区画とツールバーをオフにできる設定が含まれています。 サイド区画とツールバーをオフにすると、ファイルマネージャのパフォーマンスが改善します。

サイド区画をオフにするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/start_with_sidebar false

ツールバーをオフにするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/start_with_toolbar false

ロケーションバーもオフに設定できます。 Ctrl + L キーボードショートカットを使用して、ロケーションバーを必要に応じて表示できます。

ロケーションバーをオフにするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/start_with_location_bar false

デスクトップをオフにする

ファイルマネージャには、Nautilus を使用してデスクトップを管理できる設定が含まれています。 デスクトップを無効にすることで、パフォーマンスを改善できます。 デスクトップを無効にした場合、次の操作を行えません。

デスクトップを無効にするには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/show_desktop false