Wnn6 ユーザーズガイド

第 2 章 辞書操作

この章では、Wnn6 辞書ユーティリティを使って辞書を操作する方法を説明します。

Wnn6 辞書ユーティリティには次の機能があります。

Wnn6 辞書ユーティリティの起動方法

Wnn6 辞書ユーティリティは次の方法で起動することができます。

Wnn6 辞書ユーティリティの各機能は、メニューから選択できます。

図 2–1 Wnn6 辞書ユーティリティメニュー

Wnn6 辞書ユーティリティメニューを表示しています。ファイル、辞書の編集、ヘルプメニューがあります。各機能については次の表で説明しています。

表 2–1 Wnn6 辞書ユーティリティメニューの画面説明

(1) 

辞書の保存、辞書の復元、辞書ユーティリティの終了 

(2) 

単語登録、単語一括登録、単語削除・編集、単語一括削除、辞書の併合 

(3) 

辞書ユーティリティの説明 

単語登録

辞書に単語を登録します。

  1. Wnn6 辞書ユーティリティの「辞書の編集」メニューから「単語登録」を選択し、単語登録ウィンドウを開きます。

    図 2–2 Wnn6 辞書ユーティリティの「辞書の編集」メニュー

    「辞書の編集」メニューを表示しています。単語登録、単語一括登録、単語削除・編集、単語一括削除、辞書の併合メニューがあります。

    Wnn6/Htt のメインウィンドウの「単語登録...」ボタンをクリックしても、同じウィンドウが開きます。

    図 2–3 「単語登録」ウィンドウ

    「単語登録」ウィンドウを表示しています。単語、読み入力フィールド、品詞、辞書プルダウンメニューがあります。このウィンドウについては、次の表で説明しています。

    (1) 〜 (8) の説明については、表 2–2 を参照してください。

    表 2–2 単語登録ウィンドウの画面説明

    (1) 

    登録する単語を入力する 

    (2) 

    登録する単語の読みを入力する 

    (3) 

    登録する単語の品詞をプルダウンメニューから選択する (初期値 : 名詞) 

    (4) 

    単語を登録する辞書ファイルをプルダウンメニューから選択する 

    (5) 

    単語を登録し、ウィンドウを閉じる 

    (6) 

    単語を登録する (ウィンドウは閉じない) 

    (7) 

    登録を中断して、ウィンドウを閉じる 

    (8) 

    単語登録操作のヘルプを表示する 

  2. 登録する単語、読みを入力し、品詞、辞書を選択します。

  3. 「登録」ボタンをクリックします。

    選択した辞書に単語が登録されます。

登録する単語の品詞メニューは図 2–4 に示すように表示されます。

図 2–4 単語品詞メニュー

「単語品詞」メニューを表示しています。普通名詞、固有名詞、動詞などの選択項目があります。

単語一括登録

テキスト形式の単語ファイルで指定される単語を、一括して辞書に登録します。単語ファイルの書式については『Wnn6 上級ユーザーおよびシステム管理者ガイド』を参照してください。

  1. Wnn6 辞書ユーティリティの「辞書の編集」メニューから「単語一括登録」を選択します。

    図 2–5 単語一括登録ウィンドウ

    「単語一括登録」ウィンドウを表示しています。単語ファイル、記録ファイル入力フィールド、辞書プルダウンメニューなどがあります。

    (1) 〜 (7) の説明については表 2–3 を参照してください。

    表 2–3 単語一括登録ウィンドウの画面説明

    (1) 

    登録する単語を指定する単語ファイルを入力する。「選択」ボタンをクリックすると、図 2–6 のダイアログボックスが開き、ファイル名を選択できる

    (2) 

    単語一括登録を行う辞書をプルダウンメニューから選択する。標準の状態で辞書は 1 つだけ存在する 

    (3) 

    「する」を選択した場合、登録に失敗した単語情報を記録する 

    (4) 

    登録に失敗した単語情報を記録するファイル 

    (5) 

    単語一括登録を実行する 

    (6) 

    単語一括登録を中断して、単語一括登録ウィンドウを閉じる 

    (7) 

    単語一括登録操作のヘルプを表示する 

    図 2–6 「単語ファイル選択」ウィンドウ

    「単語ファイル選択」ウィンドウを表示しています。

  2. 「単語ファイル」の入力領域に単語ファイル名を入力します。

  3. 「了解」をクリックします。

    指定された単語がすべて辞書に登録されます。

単語削除・編集

単語を削除、編集します。

まず、単語を検索し、該当する単語を選択してから、削除または編集を行います。「単語検索」を読んでから、「単語削除」または 「単語編集」の節に進んでください。

図 2–7 「単語削除・編集」ウィンドウ

「単語削除・編集」ウィンドウを表示しています。このウィンドウについては、次の表で説明しています。

(1) 〜 (10) の説明については、表 2–4 を参照してください。

表 2–4 単語削除・編集ウィンドウの画面説明

(1) 

削除・編集する単語の読みを入力する 

(2) 

削除・編集する単語の読みを入力する (単一読み指定のときは入力できない) 

(3) 

削除・検索する単語の指定方法を切り替える (範囲指定、単一読み指定) 

(4) 

単語の検索を実行する 

(5) 

削除する単語が登録されている辞書ファイルを指定する。 

反転表示されている辞書ファイルが検索対象になる 

(6) 

単語一覧の表示方法を切り替える (標準表示、拡張表示) 

(7) 

単語一覧から選択した単語の削除を実行する 

(8) 

単語一覧で選択された単語を編集する 

(9) 

ウィンドウを閉じる 

(10) 

単語削除・編集操作のヘルプを表示する 

単語検索

単語を検索します。

  1. 読みを入力します。

    • 読みの範囲で単語を検索する場合

      「範囲指定」を選択し、「読み (最初)」と「読み (最後)」に単語の読みを入力します。

      読みを入力しない場合は、登録されているすべての単語が検索されます。

      「範囲指定」を選択した場合、ユーザー辞書だけが検索の対象となります。

    • 単一の読みで単語を検索する場合

      「単一読み指定」を選択し、「読み (最初)」に単語の読みを入力します。

      図 2–8 単語検索条件指定

      「単語削除・編集」ウィンドウで、「あ」から「そ」で始まる単語の検索条件を指定しました。

  2. 検索する辞書を指定します。

    検索の対象となる辞書は反転表示されます。クリックすることで、検索の対象からはずしたり、検索の対象に戻したりできます。

    • 読みの入力で「範囲指定」を選択している場合、ユーザー辞書のみ選択できます。

    • 読みの入力で「単一読み指定」を選択している場合、ユーザー辞書とシステム辞書を検索の対象として指定することができます。

      「すべての辞書」をクリックすると、ユーザー辞書とシステム辞書の両方が選択されます。

      「システム辞書」をクリックすると、システム辞書だけが選択されます。

      「ユーザー辞書」をクリックすると、ユーザー辞書だけが選択されます。

      個々の辞書をクリックして、検索の対象にしたり、はずしたりできます。

  3. 「検索」ボタンをクリックします。

    検索された単語が「単語一覧」に表示されます。

    「標準表示」から「拡張表示」に変更すると、詳しい単語情報 (品詞、辞書、辞書頻度など) が表示されます。

    図 2–9 単語検索実行後

    「単語削除・編集」ウィンドウで、単語検索を実行しました。

次に例を示します。

  1. 「範囲指定」を選択します。

  2. 「読み (最初)」に「あ」、「読み (最後)」に「そ」と入力します。

  3. 辞書を選択して「検索」ボタンをクリックすると、図 2–10 に示すように検索結果が表示されます。

    図 2–10 単語検索「範囲指定」

    単語検索の「範囲指定」で「あ」から「そ」で始まる単語を検索しました。

  1. 「単一読み指定」を選択します。

  2. 「読み (最初)」に「しすてむ」と入力します。

  3. 辞書を選択して「検索」ボタンをクリックすると、図 2–11 に示すように検索結果が表示されます。

    図 2–11 単語検索「単一読み指定」

    単語検索の「単一読み指定」で「しすてむ」という単語を検索しました。

単語削除

辞書から単語を削除します。


注 –

削除できるのは、検索結果の表示欄で「削除」が「可能」と表示されている単語だけです (拡張表示に切り替えると表示されます)。


  1. 削除する単語を検索します。

  2. 検索結果の表示エリアから、削除する単語をクリックして選択します。

    反転表示されている単語が削除対象になります (もう一度クリックすると、削除対象からはずれます)。削除する単語は、1 度に複数個指定することができます。

    図 2–12 削除単語の指定

    「単語削除・編集」ウィンドウで削除単語の指定を行いました。指定された単語は反転表示されています。

  3. 「削除」ボタンをクリックします。

    図 2–13 に示す確認のためのウィンドウが開きます。

    図 2–13 単語削除の実行確認ウィンドウ

    単語削除の実行確認ウィンドウを表示しています。削除する単語、読み、品詞、辞書が表示されています。

    (1) 〜 (5) の説明については、表 2–5 を参照してください。

    表 2–5 単語削除確認ウィンドウの画面説明

    (1) 

    現在表示中の単語を辞書から削除する 

    (2) 

    現在表示中の単語の削除を行わずに、次の単語を表示する。 

    単語を 1 つしか選択していない場合はクリックできない 

    (3) 

    選択したすべての単語を削除する。単語を 1 つしか選択していない場合はクリックできない 

    (4) 

    単語の削除を中断してウィンドウを閉じる 

    (5) 

    単語削除操作のヘルプを表示する 

  4. 「削除」ボタンをクリックすると、表示されている単語が削除されます。


    注意 – 注意 –

    「すべて削除」を選択すると、以降の単語に対する削除実行の確認は行われません。


単語編集

単語の頻度値を変更したり、コメントを編集したりすることができます。

頻度値を変更することによって、変換候補表示の優先度を操作することができます。


注 –

頻度編集やコメントの追加が行えるのは、検索結果の表示欄で「頻度編集」が「可能」と表示されている単語だけです (拡張表示に切り替えると表示されます)。


  1. 検索結果の表示ウィンドウで「編集」ボタンをクリックします。

    図 2–14 に示すウィンドウが開きます。

    図 2–14 「編集」ウィンドウ

    「編集」ウィンドウが表示されています。編集する単語、読み、かな漢字変換に使用する / 使用しない、頻度、コメントが表示されています。

    (1) 〜 (7) の説明については表 2–6 を参照してください。

    表 2–6 「編集」ウィンドウの画面説明

    (1) 

    「かな漢字変換に使用しない」を選択すると、変換時の候補として表示されなくなる。初期設定は「かな漢字変換に使用する」  

    (2) 

    頻度値を入力する。あらかじめ現在の頻度値が表示されている。なお (1) で「かな漢字変換に使用しない」を指定している場合は入力することができない 

    (3) 

    コメントを記述する 

    (4) 

    頻度値、コメントを辞書に登録する 

    (5) 

    表示中の単語の頻度値、コメントを辞書に登録せずに、次の単語の編集に移る。単語を 1 つしか選択していない場合はクリックできない 

    (6) 

    編集を中断して編集ウィンドウを閉じる 

    (7) 

    編集操作のヘルプを表示する 

  2. 表示されている単語に対して、頻度値の設定、コメントの編集を行います。

単語一括削除

テキスト形式の単語ファイルで指定される単語を、一括して辞書から削除します。「読み」、「単語」、および「品詞」が一致する単語が削除の対象となります。


注意 – 注意 –

一括削除実行に際して確認は行われませんので、注意して行なってください。


  1. Wnn6 辞書ユーティリティの「辞書の編集」メニューから「単語一括削除」を選択します。

    図 2–15 「単語一括削除」ウィンドウ

    「単語一括削除」ウィンドウを表示しています。このウィンドウについては、次の表で説明しています。

    (1) 〜 (7) の説明については表 2–7 を参照してください。

    表 2–7 「単語一括削除」ウィンドウの画面説明

    (1) 

    削除する単語を指定する単語ファイルを入力する。「選択」ボタンをクリックすると、図 2–16 のダイアログボックスが開き、ファイル名を選択することができる

    (2) 

    単語一括削除を行う辞書をプルダウンメニューから選択する。標準の状態で辞書は 1 つだけ存在する 

    (3) 

    「する」を指定した場合、削除した単語情報を記録ファイルに記録する 

    (4) 

    削除した単語を保存するファイル名を入力する 

    (5) 

    指定した削除条件で単語一括削除を実行する 

    (6) 

    単語一括削除を中断して、単語一括登録ウィンドウを閉じる 

    (7) 

    単語一括削除操作のヘルプを表示する 

    図 2–16 「ファイル選択」ウィンドウ

    「単語ファイル選択」ウィンドウを表示しています。

  2. 単語ファイルの入力領域に、削除の対象となる単語を指定する単語ファイルを入力します。

  3. 「了解」をクリックします。

    指定された単語が辞書から削除されます。

辞書の併合

ユーザー辞書に登録されている単語情報を、別のユーザー辞書に登録します。

「単語を読み出す辞書」自体がこの操作によって影響を受けることはありません。

  1. Wnn6 辞書ユーティリティの「辞書の編集」メニューから「辞書の併合」を選択します。

    図 2–17 「辞書の併合」ウィンドウ

    「辞書の併合」ウィンドウを表示しています。このウィンドウについては、次の表で説明しています。

    (1) 〜 (6) の説明については表 2–8 を参照してください。

    表 2–8 辞書の併合ウィンドウの画面説明

    (1) 

    単語を読み出す辞書をプルダウンメニューから選択する 

    (2) 

    単語を登録する辞書をプルダウンメニューから選択する 

    (3) 

    辞書の併合を実行する 

    (4) 

    辞書の併合を中止する 

    (5) 

    ウィンドウを閉じる 

    (6) 

    辞書の併合操作のヘルプを表示する 

  2. 「単語を読み出す辞書」と「単語を登録する辞書」を指定します。

  3. 「了解」ボタンをクリックします。

    「単語を読み出す辞書」に登録されている単語情報が「単語を登録する辞書」に登録されます。

    辞書の併合が終了すると、図 2–18 に示すメッセージウィンドウが表示されます。

    図 2–18 辞書の併合終了

    「辞書の併合が終了しました」というメッセージが表示されています。

  4. 「了解」ボタンをクリックすると、辞書併合のウィンドウが閉じます。

辞書の保存

使用中のユーザー辞書と学習情報を保存します。

  1. Wnn6 辞書ユーティリティの「ファイル」メニューから「辞書の保存」を選択します。

    図 2–19 Wnn6 辞書ユーティリティの「ファイル」メニュー

    Wnn6 辞書ユーティリティの「ファイル」メニューを表示しています。辞書の保存、辞書の復元、終了メニューがあります。

    自動的に保存が開始され、図 2–20 に示すメッセージウィンドウが表示されます。

    図 2–20 辞書保存中

    「辞書を保存しています」というメッセージが表示されています。

    保存が終了すると、図 2–21 に示すメッセージウィンドウが表示されます。

    図 2–21 辞書の保存完了

    「辞書の保存を完了しました」というメッセージが表示されています。

  2. 「了解」ボタンをクリックすると、メッセージウィンドウが閉じます。

辞書の復元

「辞書の保存」で保存した辞書を復元します。

辞書を保存していない場合は、復元することはできません。


注意 – 注意 –

復元を実行すると、保存後に登録した単語や、保存後に学習した情報はすべて失われます。


  1. Wnn6/Htt を終了します。

    Wnn6/Htt の実行中は、辞書を復元できません。

    詳細は 「終了の方法」を参照してください。

  2. Wnn6 辞書ユーティリティの「ファイル」メニューから「辞書の復元」を選択します。

    自動的に復元が始まり、図 2–22 に示すメッセージウィンドウが表示されます。

    図 2–22 辞書復元中

    「辞書を復元しています」というメッセージを表示しています。

    復元が終了すると、図 2–23 に示すメッセージウィンドウが表示されます。

    図 2–23 辞書の復元完了

    「辞書の復元を完了しました」というメッセージが表示されています。

  3. 「了解」ボタンをクリックすると、メッセージウィンドウが閉じます。

  4. Wnn6/Htt を起動します。

    詳細は 「起動の方法」を参照してください。