Wnn6 ユーザーズガイド

付録  A 端末での日本語入力

uum の概要

uum は、日本語入力機能がなく、日本語表示が可能な端末や端末エミュレータ上で、日本語を入力するためのソフトウェアです。端末の画面最下行を使用して、かな漢字変換などを行います。

uum はエディタやシェル上での日本語入力を可能にします。候補の選択などは、すべてキー操作で行います。

uum の構成

uum の構成を図 A–1 に示します。

図 A–1 uum 構成図

uum 構成図を表示しています。

uum はシェルを起動します。このシェルから vi などのエディタを実行し、日本語を入力します。


注 –

仮想端末インタフェースを使用できない場合、uum は起動できません。


起動方法

uum は次のように起動します。

sun% /usr/bin/uum -k /usr/lib/locale/ja/wnn/ja/uumkey.wnn6 \
                       -r /usr/lib/locale/ja/wnn/ja/rk/mode.eitango

標準の設定ファイルは Wnn6/Htt 用に ATOK8 風入力スタイルで設定されています。しかし、uum は ATOK8 風入力スタイルに対応していないため、前述のようにオプションを指定するか、ユーザーごとの設定ファイルを作成する必要があります。

頻度ファイルが存在しない場合、それらは uum を起動した時に作成されます。

すでにユーザー辞書と頻度ファイルが存在する場合は、そのまま使用されます。

図 A–2 uum が起動したところ

端末エミュレータで、uum が起動しています。

終了方法

uum 上で動作しているシェルを終了すると、uum は終了します。

sun% exit

図 A–3 uum の終了

端末エミュレータで、uum が終了しました。

読み入力

読みをローマ字または直接かな文字で入力します。入力した文字は入力変換領域に表示されます。

図 A–4 uum での読み入力

uum で「かんきょうせってい」と読みの入力をしています。

かな漢字変換

Ctrl-W」を入力すると、入力した読みが漢字かな交じり文に変換されます。

図 A–5 かな漢字変換

「環境設定」と変換されています。「環境」の部分が反転表示されています。

続けて「↓」キー、または 「Ctrl-N」を入力すると、次候補が表示されます。

図 A–6 次候補呼び出し

「かんきょう」の次候補が表示されています。

候補表示では、次のキー操作ができます。

表 A–1 候補表示でのキー操作

キー 

動作 

↓、Ctrl-N

次の候補を表示 

↑、Ctrl-P

前の候補を表示 

->、Ctrl-F

次の文節を選択 

<-、Ctrl-B

前の文節を選択 

辞書操作

F4」キーを入力すると、「辞書操作」メニューが表示されます。

図 A–7 uum の辞書操作メニュー

uum の辞書操作メニューが表示されています。辞書追加、辞書一覧、登録、検索、パラメータ変換メニューがあります。

Return」キー、または各メニューの先頭にある数字をキー入力してメニューを選択します。

「辞書操作」メニューでは、次のキー操作ができます。

表 A–2 辞書操作モードでのキー操作

キー 

動作 

->、Ctrl-F

カーソルを 1 つ後方のメニューへ移動 

<-、Ctrl-B

カーソルを 1 つ前方のメニューへ移動 

Ctrl-E

カーソルをメニューの最後へ移動 

Ctrl-A

カーソルをメニューの先頭へ移動 

↓、Ctrl-N

メニューの次グループを表示 

↑、Ctrl-P

メニューの前グループを表示 

Return

カーソル位置のメニューを選択 

「辞書操作」メニューを終了して読み入力モードに戻るには、「Ctrl-G」を入力するか、「8. 終了」を選択します。

辞書追加

新しく辞書ファイルを作成します。

  1. 「辞書操作」メニューから「0. 辞書追加」を選択します。

    図 A–8 辞書追加

    「0. 辞書追加」を選択しました。

  2. ファイル名を入力して「Return」キーを入力します。

    図 A–9 辞書ファイル名の指定

    追加する辞書のファイル名を入力しています。

  3. 頻度ファイル名を指定して、「Return」キーを入力します。

    デフォルトでは、手順 2 で入力した辞書名に対応した名前の頻度ファイルを使用するようになっていますが、これは自由に変更することができます。

    図 A–10 頻度ファイル名の指定

    頻度ファイル名を入力しています。

  4. 辞書の優先度を 0 から 20 までの数字で指定します。

    数字が大きいほど優先度が高くなります。基本辞書の標準設定の優先度は 5 です。

    図 A–11 辞書の優先度指定

    辞書の優先度を入力しています。

  5. 辞書を更新するモード (登録可能形式)、更新しないモード (固定形式) のどちらに設定するかを決めます。

    図 A–12 辞書の新形式の指定

    辞書の形式を選択します。「辞書を更新するモードで使いますか?」というメッセージが表示されています。

  6. 頻度の更新について指定します。

    図 A–13 頻度の更新形式の指定

    頻度の更新形式を選択します。「頻度を更新するモードで使いますか?」というメッセージが表示されています。

頻度更新についての設定が終了すると、辞書ファイル、頻度ファイルが作成されます。

辞書一覧

サーバーに読み込まれている辞書が一覧表示されます。

「辞書操作」メニューから「1. 辞書一覧」を選択すると、辞書一覧表示画面に移ります。

図 A–14 辞書一覧

「辞書一覧」画面を表示しています。

辞書一覧表示では、次のキー操作ができます。

表 A–3 辞書一覧表示時のキー入力操作

キー 

動作 

↓、Ctrl-N

次の辞書を表示 

↑、Ctrl-P

前の辞書を表示 

Ctrl-D

表示されている辞書の使用を、uum を再起動するまで中止する 

Ctrl-U

辞書の使用を一時的に中断、またはその状態からの回復 

単語登録

現在変換中の文字列をユーザー辞書に登録します。

  1. 「辞書操作」メニューから「2. 登録」を選択すると、単語登録の画面に移ります。変換中の文字列が「:」の後に表示されます。

    図 A–15 単語登録

    「単語登録」画面を表示しています。「インターネット」という単語を登録しています。

  2. 「登録始め」で登録する単語の最初の文字を、「登録終り」で登録する単語の最後の文字を、それぞれ「Return」キーで指定します。

    図 A–16 登録する単語の指定

    「インターネット」という単語が、反転表示されています。

  3. 読みを入力して「Return」キーを入力します。

    図 A–17 登録する単語の読みの指定

    登録する単語の読みを入力しています。

    登録単語を指定するキー操作を表 A–4 に示します。

    表 A–4 登録単語を指定するキー操作

    キー 

    動作 

    ↓、Ctrl-NCtrl-E

    カーソルを文字列の最後へ移動 

    ↑、Ctrl-PCtrl-A

    カーソルを文字列の先頭へ移動 

    ->、Ctrl-F

    カーソルを 1 つ後の文字へ移動 

    <-、Ctrl-B

    カーソルを 1 つ前の文字へ移動 

    Return

    カーソル位置の文字で確定 

  4. 品詞を指定します。

    図 A–18 品詞の指定

    品詞を指定します。画面には、「0. 普通名詞」、「1. 固有名詞」、「2. 動詞」、「3. 特殊な動詞」と表示されています。

    品詞を指定するキー操作を表 A–5 に示します。

    表 A–5 品詞を指定するキー操作

    キーコード 

    動作 

    ↓、Ctrl-N

    次の品詞グループ、辞書グループを表示 

    ↑、Ctrl-P

    前の品詞グループ、辞書グループを表示 

    ->、Ctrl-F

    カーソルを 1 つ後方の文字、品詞、辞書へ移動 

    <-、Ctrl-B

    カーソルを 1 つ前方の文字、品詞、辞書へ移動 

    Ctrl-E

    カーソルを登録候補文字列、品詞一覧、辞書一覧の最後へ移動 

    Ctrl-A

    カーソルを登録候補文字列、品詞一覧、辞書一覧の先頭へ移動 

    Return

    登録する単語の最初と最後の文字の指定。 

    カーソル位置の品詞、辞書を選択 

  5. 単語を登録する辞書を指定します。単語を登録できる辞書が複数ある場合は、どちらに登録するか指定します。

    図 A–19 単語の登録先辞書の指定

    単語の登録先辞書を指定します。

    単語の登録先の辞書を指定するキー操作を表 A–6 に示します。

    表 A–6 登録先辞書を指定するキー操作

    キー 

    動作 

    ->、Ctrl-F

    カーソルを次の辞書へ移動 

    <-、Ctrl-B

    カーソルを前の辞書へ移動 

単語削除・編集

単語の読みを入力して、検索を行います。

  1. 「辞書操作」メニューから「3. 検索」を選択します。

    図 A–20 検索

    「検索」画面に、「しすてむ」と読みを入力しています。

  2. 読みを入力して「Return」キーを入力すると、該当する単語が順次表示されます。

    図 A–21 検索結果表示

    読みに該当する単語の検索結果が表示されています。

単語削除・編集では、次のキー操作ができます。

表 A–7 単語削除・編集時のキー操作

キー 

動作 

↓、Ctrl-N

次の単語を表示 

↑、Ctrl-P

前の単語を表示 

Ctrl-D

現在表示されている単語をユーザー辞書から削除 

Ctrl-U

辞書の使用を一時的に中断、またはその状態からの回復 

パラメタ変更

かな漢字変換時の、文節の解析と評価値計算のパラメタ値を変更します。

「辞書操作」メニューから「4. パラメータ変更」を選択すると、パラメタを変更するためのメニューが表示されます。

図 A–22 パラメタ変更

「パラメタ変更」画面が表示されています。「0. 解析文節数」、「1. 小文節の最大数」、「2. 頻度重み」と表示されています。

変更するパラメタを英数字キー、または「Return」キーで選択すると、各パラメタ変更画面に移ります。

「3/17」は、パラメタ設定の種類が 17 あり、先頭から数えて 3 つ目を画面最右端に表示していることを示します。 [ ] 内の数字がパラメタ値です。

パラメタ変更では、次のキー操作ができます。

表 A–8 パラメタ変更時のキー操作

キー 

動作 

↓、Ctrl-N

次のパラメタグループを表示 

↑、Ctrl-P

前のパラメタグループを表示 

->、Ctrl-F

カーソルを 1 つ後方のパラメタへ移動 

<-、Ctrl-B

カーソルを 1 つ前方のパラメタへ移動 

Ctrl-E

カーソルをパラメタ一覧の最後へ移動 

Ctrl-A

カーソルをパラメタ一覧の先頭へ移動 

Return

カーソル位置のパラメタを選択 

頻度情報保存

システム辞書の頻度と、ユーザー辞書に登録された単語とその頻度が保存されます。

これらは、uum を終了した時に自動的に保存されますが、uum の終了前に保存しておく場合は、「辞書操作」メニューから「5. 頻度情報保存」を選択します。図 A–23 のメッセージが表示され、自動的に頻度情報が保存されます。

図 A–23 頻度情報保存

「頻度情報とユーザ辞書を保存しています。」というメッセージが表示されています。

辞書情報

システム辞書とユーザー辞書の辞書情報を表示します。

「辞書操作」メニューから「6. 辞書情報」を選択します。

図 A–24 辞書情報

「辞書情報」の項目を表示しています。「No」、「Type」、「コメント」、「ファイル名」、「頻度ファイル」があります。

最初の画面で辞書情報の項目が表示されます。

「↓」キーまたは「Ctrl-N」で辞書情報を参照できます。

図 A–25 辞書情報表示

選択した辞書情報を表示しています。

「$」は、画面に表示しきれない辞書情報が存在することを示しています。右にスクロールして残りの情報を見ることができます。

辞書情報表示では、次のキー操作ができます。

表 A–9 辞書情報表示時のキー操作

キー 

動作 

↓、Ctrl-N

次の辞書情報を表示 

↑、Ctrl-P

前の辞書情報を表示 

->、Ctrl-F

右スクロール 

<-、Ctrl-B

左スクロール 

Ctrl-E

辞書情報の末尾を表示 

Ctrl-A

辞書情報の先頭を表示 

Ctrl-D

辞書の使用を uum を再起動するまで中止する 

Ctrl-U

辞書の使用を一時的に中断、またはその状態からの回復 

付属語変更

付属語情報を変更します。

「辞書操作」メニューから「7. 付属語変更」を選択すると、次の画面に移ります。

図 A–26 付属語変更

「付属語変更」画面を表示しています。付属語ファイル名を入力します。

付属語情報ファイル名を入力して、「Return」キーを押すと、付属語情報が変更されます。