2


コマンド行インタフェース

この章では、次の手順について説明します。



注 - Sun Fire ミッドレンジシステムでは動的再構成 (DR) はデフォルトで有効になっているため、明示的に DR を有効にする必要はありません。ただし、Solaris 8 ソフトウェアを実行しているシステムで DR の全機能を使用するには、新しいカーネルアップデートと特定のパッチを適用する必要があります。詳細は、以下のサンの Web サイトをご覧ください。

http://www.sun.com/sunsolve

http://www.sun.com/servers/midrange/dr_sunfire




cfgadm コマンド

cfgadm(1M) コマンドは、動的再構成が可能なハードウェア資源において構成管理操作を実行するコマンドです。次の表に、DR ボードの状態を一覧で示します。

表 2-1 システムコントローラ (SC) からの DR ボードの状態

ボードの状態

説明

使用可能 (Available)

スロットは、特定のドメインに割り当てられていない。

割り当て済み (Assigned)

ボードはドメインに属しているが、そのボードを使用するようにハードウェアが構成されていない。このボードは、シャーシのポートによって再割り当てが行われたり、割り当て先のドメインによってリリースされる場合がある。

動作中 (Active)

ボードは、割り当て先のドメインによって使用中である。動作中のボードを再割り当てすることはできない。


基本的なボードステータスの表示

cfgadm プログラムは、ボードとスロットに関する情報を表示します。このコマンドのオプションについては、cfgadm(1) マニュアルページを参照してください。

多くの操作で、システムボード名を指定する必要があります。システム名を取得するには、オプションを付けずに cfgadm と入力します。ボードスロット、SCSI バス、および cPCI スロットを含む、すべての既知の接続点に関する情報が表示されます。次の表示は、通常の出力結果を示しています。

 

コード例 2-1 基本的な cfgadm コマンドの出力


Ap_Id         Type         Receptacle   Occupant     Condition
N0.IB6        PCI_I/O_Boa  connected    configured   ok
N0.IB7        PCI_I/O_Boa  connected    configured   ok
N0.IB8        PCI_I/O_Boa  connected    configured   ok
N0.IB9        PCI_I/O_Boa  disconnected unconfigured unknown
N0.SB0        CPU_Board    connected    configured   unknown
N0.SB1        CPU_Board    disconnected unconfigured failed
N0.SB2        CPU_Board    connected    configured   ok
N0.SB3        unknown      empty        unconfigured unknown
N0.SB4        unknown      empty        unconfigured unknown
N0.SB5        unknown      empty        unconfigured unknown
c0            scsi-bus     connected    configured   unknown
c1            scsi-bus     connected    unconfigured unknown
c2            scsi-bus     connected    unconfigured unknown
c3            scsi-bus     connected    configured   unknown

詳細なボードステータスの表示

より詳細なステータスレポートを表示するには、コマンド cfgadm -av を使用します。-a オプションによって接続点を表示し、-v オプションによって展開 (詳細) 説明をオンに設定します。

コード例 2-2 は、cfgadm -av コマンドによる表示の一部です。この表示では行が折り返しているために、出力結果がわかりにくいかもしれません。(このステータスレポートは、コード例と同じシステムのもので各表示項目の詳細について説明します。)

 

コード例 2-2 cfgadm -av コマンドの出力結果
# cfgadm -av
Ap_Id            Receptacle    Occupant       Condition  Information
When          Type          Busy       Phys_Id
N0.IB6           connected     configured     ok        powered-on, assigned
Apr  3 18:04  PCI_I/O_Boa   n          /devices/ssm@0,0:N0.IB6
N0.IB6::pci0     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@19,70000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB6::pci0
N0.IB6::pci1     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@19,600000
Apr  3 18:04 io             n          /devices /ssm@0,0:N0.IB6::pci1
N0.IB6::pci2     connected    configured      ok        device /ssm@0,0/pci@18,700000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB6::pci2
N0.IB6::pci3     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@18,600000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB6::pci3
N0.IB7           connected     configured     ok        powered-on, assigned
Apr  3 18:04 PCI_I/O_Boa    n          /devices/ssm@0,0:N0.IB7
N0.IB7::pci0     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1b,700000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB7::pci0
N0.IB7::pci1     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1b,600000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB7::pci1
N0.IB7::pci2     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1a,700000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB7::pci2
N0.IB7::pci3     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1a,600000
Apr  3 18:04 io             n          /devices/ssm@0,0:N0.IB7::pci3
N0.IB8           connected     configured     ok        powered-on, assigned
Apr  3 18:04 PCI_I/O_Boa    n          /devices/ssm@0,0:N0.IB8
N0.IB8::pci0     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1d,700000
Apr  3 18:04 io             n         /devices/ssm@0,0:N0.IB8::pci0
N0.IB8::pci1     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1d,600000
Apr  3 18:04 io             n         /devices/ssm@0,0:N0.IB8::pci1
N0.IB8::pci2     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1c,700000, referenced
Apr  3 18:04 io             n        /devices/ssm@0,0:N0.IB8::pci2
N0.IB8::pci3     connected     configured     ok        device /ssm@0,0/pci@1c,600000, referenced
Apr  3 18:04 io             n        /devices/ssm@0,0:N0.IB8::pci3
N0.IB9           disconnected  unconfigured   unknown  powered-on, assigned
Apr  3 18:04 PCI_I/O_Boa    n        /devices/ssm@0,0:N0.IB9
N0.SB0           connected     configured     unknown  powered-on, assigned
Apr  3 18:04 CPU_Board      n        /devices/ssm@0,0:N0.SB0
N0.SB0::cpu0     connected     configured     ok        cpuid 0, speed 750 MHz, ecache 8 MBytes
Apr  3 18:04 cpu            n       /devices/ssm@0,0:N0.SB0::cpu0
N0.SB0::cpu1     connected     configured     ok        cpuid 1, speed 750 MHz, ecache 8 MBytes
Apr  3 18:04 cpu            n       /devices/ssm@0,0:N0.SB0::cpu1
N0.SB0::cpu2     connected     configured     ok        cpuid 2, speed 750 MHz, ecache 8 MBytes
Apr  3 18:04 cpu            n       /devices/ssm@0,0:N0.SB0::cpu2

以下で、前述の表示の一部を詳しく説明します。

図 2-1 cfgadm -av コマンドによる表示の詳細


コマンドのオプション

-c フラグが付いた cfgadm(1M) コマンドのオプションを以下に示します。

表 2-2 cfgadm -c コマンドのオプション

cfgadm -c の
オプション

機能

connect

スロットはボードに電力を供給するとともに、ボードの監視を開始する。スロットが割り当てられていなかった場合は、割り当てる。

disconnect

ボードの監視は停止されてスロットの電源は切断される。

configure

オペレーティングシステムはボードに機能上の役割を割り当てて、そのボードのデバイスドライバと接続デバイスのデバイスドライバをそれぞれ読み込む。

unconfigure

オペレーティングシステムからボードが論理的に切り離されて、関連するデバイスドライバがオフラインになる。環境の監視は続けられるが、ボード上のデバイスをシステムで使用することはできない。


cfgadm -x コマンドのオプションを次の表に示します。

表 2-3 cfgadm -x コマンドのオプション

cfgadm -x の
オプション

機能

assign

ドメインにボードを追加する (割り当てる)。

unassign

ドメインからボードを削除する (割り当て解除する)。

poweron

システムボードの電源を投入する。

poweroff

システムボードの電源を切断する。


cfgadm_sbd(1M) マニュアルページには、cfgadm -ccfgadm -x のオプションに関する補足情報が記載されています。sbd ライブラリには、cfgadm 利用時における、クラス sbd のホットプラグ対応システムボードの機能について記載されています。


ボードとアセンブリのテスト


procedure icon  CPU/メモリーボードをテストする

CPU/メモリーボードをテストするには、まず CPU/メモリーボードにドメインを割り当て、電源を投入し、切り離しておく必要があります。これらすべての条件を満たしていない場合、ボードテストは失敗します。

Solaris の cfgadm コマンドを使用して、CPU/メモリーボードをテストすることができます。スーパーユーザーとして、次のコマンドを入力します。

# cfgadm -t ap-id

cfgadm で実行する診断レベルを変更するには、cfgadm コマンドに次のように診断レベルを指定します。

# cfgadm -o platform=diag=<level> -t ap-id

ここで、level は診断レベル、ap-id は接続点識別子です。

level を指定しない場合、setupdomain コマンドによってデフォルトの診断レベルが設定されます。これについては、『Sun Fire ミッドレンジシステムプラットフォーム管理ガイド』と『Sun Fire ミッドレンジシステムコントローラコマンドリファレンスマニュアル』の両方に記載されています。診断レベルには、次のレベルがあります。

表 2-4 診断レベル

診断レベル

説明

init

システムボードの初期設定コードのみを実行する。テストは実行しない。このレベルは、POST を高速で実行する。

quick

システムボードコンポーネント全部を、いくつかのテストとテストパターンでテストする。

default

メモリーと Ecache モジュールを除き、システムボードコンポーネント全部を、すべてのテストとテストパターンでテストする。max と default の診断レベルは同じ。

max

メモリーと Ecache モジュールを除き、システムボードコンポーネント全部を、すべてのテストとテストパターンでテストする。max と default の診断レベルは同じ。

mem1

default レベルのすべてのテストを実行し、さらに DRAM と SRAM のテストアルゴリズムも徹底的に実行する。メモリーと Ecache モジュールについては、複数パターンを使ってすべての位置をテストする。このレベルでは、上記以上の時間のかかるアルゴリズムは実行されない。

mem2

mem1 と同じテストの他に、DRAM データを明示的に比較する DRAM テストも実行する。



procedure icon  I/O アセンブリをテストする

I/O アセンブリは、ドメインに追加する前にテストする必要があります。テストには、1 枚以上の CPU/メモリーボードを備えた、オペレーティングシステムを実行していない予備のドメインが必要です。

1. 予備のドメイン (A 〜 D) のドメインシェルを入力します。

2. Ctrl キーを押しながら ] キーを押すと、telnet> プロンプトが表示されます。send break と入力して、システムコントローラのドメインシェルを表示します。



注 - この例では、ドメイン A が現在のアクティブなドメインで、ドメイン B が予備のドメインです。



3. 予備のドメイン (B) シェルで、addboard コマンドを使ってドメインに I/O アセンブリを追加します。

schostname:B> addboard IBx

ここで、x は 6、7、8、または 9 です。

4. 予備のドメインの仮想キースイッチをオンに設定します。

schostname:B> setkeyswitch on
.
.
{x} ok

ここで、x は CPU を表します。仮想キースイッチをオンにすると、POST がドメインで実行されます。ok プロンプトが表示されたら、I/O アセンブリは正常に機能しています。

5. 次のコマンドを入力します。

schostname:B> setkeyswitch standby

6. 次のコマンドを入力してボードを削除します。

schostname:B> deleteboard ibx

7. 次のコマンドを使って、アクティブなドメイン (A) でボードを追加します。

# cfgadm -c configure N0.IBx


ボードの取り付けと交換


procedure icon  ドメインに新しいボードを取り付ける



caution icon

注意 - 物理的なボードの取り外しと交換についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。規定の手順に従わない場合、システムボードやその他のコンポーネントが損傷する可能性があります。また、ボードとコンポーネントの取り外しと交換に関連するソフトウェア上の手順についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムプラットフォーム管理ガイド』を参照してください。





注 - ボードを交換する場合、フィラーパネルが必要なこともあります。フル構成の Sun Fire ミッドレンジシステムには、システムボード、CompactPCI、L2 リピータボードのフィラーパネルが 1 つずつ、合計 3 つのフィラーパネルが同梱されています。



ボードをシステムに挿入する方法がよくわからない場合は、実行する前に、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。

1. スーパーユーザーとして次のコマンドを入力し、ドメインで使用可能な空のスロットを指定します。

# cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

2. アース用ストラップによって正しく接地されていることを確認します。

3. 空のスロットの位置を確認したら、そのスロットからシステムボードフィラーパネルを取り外します。

4. システムが過熱しないように、1 分以内にボードをそのスロットに挿入します。

ボードの詳細な挿入手順は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。

5. cfgadm -c configure コマンドを使って、ボードの電源を投入し、テストを行い、構成します。

# cfgadm -c configure ap_id

ここで、ap_id は、次のコマンドを実行したときに返される接続点 ID です。
cfgadm -l -s "select=class(sbd)"


procedure icon  CPU/メモリーボードをホットスワップする



caution icon

注意 - 物理的なボードの取り外しと交換についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。規定の手順に従わない場合、システムボードやその他のコンポーネントが損傷する可能性があります。CompactPCI に固有の制限事項も参照してください。





注 - カードを挿入しているときにカードのラッチ金具レバーをいっぱいに押すか、カードを取り外す前にラッチ金具レバーを少し離すと、ホットスワップが開始します。ホットスワップを実行するときは、コマンドを実行する必要はありません。一方、ホットプラグを実行するときは cfgadm コマンドを実行します。



1. ボードがオペレーティングシステムで使用されている場合は、スーパーユーザーの状態で取り外すボードを指定します。

スロット番号 (接続点 ID) を調べておく必要があります。

# cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

2. アース用ストラップの装着によって正しく接地されていることを確認します。

3. cfgadm コマンドを使って、ドメインからボードを切り離し、ボードの電源を切断します。

# cfgadm -c disconnect ap_id

ここで、ap_id は、接続点 ID です。

このコマンドは、オペレーティングシステムと OpenBoot PROM から資源を削除し、ドメインからボードを切り離して、ボードの電源を切断します。

4. 電源およびホットプラグ可能の LED の状態を確認します。

CPU/メモリーボードが冷却中であるときは、緑色の電源 LED がすぐに点滅します。システムから安全にボードを取り外すためには、緑色の電源 LED が消えて、オレンジ色のホットプラグ可能 LED が点灯している必要があります。 

5. ボードの交換を行います。詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。

6. ボードの交換が終わったら、cfgadm コマンドを実行して、オペレーティングシステムがそのボードを使用できる状態に戻します。

# cfgadm -c configure ap_id

ここで、ap_id は、接続点 ID です。

このコマンドは、ボードをドメインに割り当て、電源を投入し、テストを行い、接続し、ボードのすべての資源をオペレーティングシステムに戻します。

7. 緑色の電源 LED が点灯していることを確認します。

procedure icon  I/O アセンブリをホットスワップする

I/O アセンブリには、CompactPCI (cPCI) と標準 PCI の 2 種類があります。この作業手順は両方のタイプに適用されます。ただし、cPCI カードをホットスワップ、ホットプラグ、および動的再構成している間は、PCI カードと標準 I/O アセンブリをホットスワップ、ホットプラグ、動的再構成することはできません。

カードを挿入しているときにカードのラッチ金具レバーをいっぱいに押すか、カードを取り外す前にラッチ金具レバーを少し離すと、ホットスワップが開始します。ホットスワップを実行するときは、コマンドを実行する必要はありません。一方、ホットプラグを実行するときは cfgadm コマンドを実行します。



caution icon

注意 - 物理的なボードの取り外しと交換についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。規定の手順に従わない場合、システムボードやその他のコンポーネントが損傷する可能性があります。



1. I/O アセンブリがオペレーティングシステムで使用されている場合は、ドメインのスーパーユーザーの状態で、取り外す I/O アセンブリを指定します。

スロット番号 (接続点 ID) を調べておく必要があります。

# cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

2. cfgadm コマンドを使って、ドメインからボードを切り離し、ボードの電源を切断します。

# cfgadm -c disconnect ap_id

ここで、ap_id は、接続点 ID です。

このコマンドは、オペレーティングシステムと OpenBoot PROM から資源を削除し、ドメインからボードを切り離して、I/O アセンブリの電源を切断します。

3. cfgadm コマンドを使って、ドメインからボードを取り外します。

# cfgadm -x unassign ap_id

4. I/O アセンブリのステータス LED の状態を確認します。

システムから安全に I/O アセンブリを取り外すためには、I/O アセンブリの緑色の電源 LED が非アクティブ状態で (消えて)、オレンジのホットプラグ可能 LED が点灯している必要があります。 

5. I/O アセンブリの交換を行います。詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。



注 - I/O アセンブリの交換を開始する前に、正しく接地されていることを確認します。



ボードをオペレーティングシステムに戻す前に、I/O アセンブリをテストするには、オペレーティングシステムを実行しておらず、かつ少なくとも 1 つのCPU/メモリーボードを備えた予備のドメインを入力する必要があります。

オペレーティングシステムを実行していない、少なくとも 1 つの CPU/メモリーボードを備えた予備のドメイン (A 〜 D) のドメインシェルを入力します。

6. Ctrl キーを押しながら ] キーを押すと、telnet> プロンプトが表示されます。send break と入力して、システムコントローラのドメインシェルを表示します。



注 - この例では、ドメイン A が現在のアクティブなドメインで、ドメイン B が予備のドメインとして使用されます。



7. 予備のドメインシェルで、addboard コマンドを使ってドメインに I/O アセンブリを追加します。

schostname:B> addboard ibx

ここで、x は 6、7、8、または 9 です。

8. 予備のドメインの仮想キースイッチをオンに設定します。

仮想キースイッチをオンにすると、POST がドメインで実行されます。

schostname:B> setkeyswitch on
.
.
{x} ok

ここで、x は CPU を表します。ok プロンプトが表示されたら、I/O アセンブリは正常に機能しています。

9. Ctrl キーを押しながら ] キーを押すと、telnet> プロンプトが表示されます。send break と入力して、システムコントローラのドメインシェルに接続します。

telnet 接続の種類によっては、send esc の後に send break と入力して、システムコントローラのドメインシェルを接続する必要がある場合もあります。

10. 次のコマンドを入力します。

schostname:B> setk standby

11. 次のコマンドを入力してボードを削除します。

schostname:B> deleteboard ibx

12. ドメイン A のプロンプトで、I/O アセンブリを構成します。

# cfgadm -c configure N0.IBx

CompactPCI カードのホットスワップ

カードを挿入しているときにカードのラッチ金具レバーをいっぱいに押すか、カードを取り外す前にラッチ金具レバーを少し離すと、ホットスワップが開始します。ホットスワップを実行するときは、コマンドを実行する必要はありません。それに対して、ホットプラグを実行するときは cfgadm コマンドを使用します。

CompactPCI (cPCI) カードをホットスワップするには、cPCI カード I/O アセンブリが存在するドメインでオペレーティングシステムを起動する必要があります。オペレーティングシステムをそのドメインで起動すると、cPCI カードがすべて自動構成モードになり、cfgadm コマンドを使用することなく、すべての構成処理と構成解除処理を実行できます。

ホットスワップで cPCI カードを挿入すると、カードは自動的に電源が投入されて構成されます。ホットスワップで cPCI カードを取り外すと、カードは自動的に構成解除されて電源が切断されます。



caution icon

注意 - 物理的なボードの取り外しと交換についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。規定の手順に従わない場合、システムボードやその他のコンポーネントが損傷する可能性があります。




procedure icon  CompactPCI カードを挿入する

1. スーパーユーザーの状態でカードを挿入するスロットを指定します。

2. カードを挿入し、ラッチ金具レバーを完全に押し下げて、確実にはめ込みます。カードは自動的に電源が投入されて構成されます。カードの青色のホットスワップ可能 LED は消え、I/O アセンブリの緑色の電源 LED は点灯し、オレンジ色のホットプラグ可能 LED は消えているはずです。ホットスワップによるカードの挿入は、次のコマンドを入力することと同じです。cfgadm -c configure ap_id


procedure icon  CompactPCI カードを取り外す



注 - CompactPCI (cPCI) カードをホットスワップする前に、そのカードで入出力処理が実行されていないことを確認してください。



1. ラッチ金具レバーを少し離して、カードを非アクティブにします。

2. カードの青色のホットスワップ可能 LED と、I/O アセンブリのオレンジ色のホットプラグ可能 LED は点灯し、緑色の電源 LED は消えていることを確認します。

3. カードを取り外します。

ドメインのコンソールが使用可能であれば、カードが構成解除されたというメッセージが表示されます。


procedure icon  CompactPCI カードをホットプラグする

ホットプラグは、cfgadm コマンドを使って実行します。一方、ホットスワップは、カードを挿入しているときにカードのラッチ金具レバーをいっぱいに押すか、カードを取り外す前にラッチ金具レバーを少し離して実行します。ホットスワップを実行するときは、コマンドを実行する必要はありません。

1. スーパーユーザーの状態で削除する cPCI カードを指定します。

スロット番号 (接続点 ID) を調べておく必要があります。

# cfgadm -s "select=class(pci)"

2. 取り外す cPCI カードを切り離し (設定解除し) ます。

# cfgadm -c unconfigure ap_id

ここで、ap_id は、接続点 ID です。カードは自動的に構成解除されて電源が切断されます。

3. カードが切り離されていることを確認します。

# cfgadm -s "select=class(pci)" ap_id

4. I/O アセンブリの緑色の電源 LED とオレンジ色のホットプラグ可能 LED 、cPCI カードの青色のホットスワップ可能 LED を調べます。

I/O アセンブリの緑色の電源 LED が消え、I/O アセンブリのオレンジ色のホットプラグ可能 LED と、cPCI カードの青色のホットスワップ可能 LED が点灯している場合は、安全に cPCI カードを取り外せます。

5. アース用ストラップの装着によって正しく接地されていることを確認してから、cPCI カードを取り外して交換します。



caution icon

注意 - 物理的なボードの取り外しと交換についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。規定の手順に従わない場合、システムボードやその他のコンポーネントが損傷する可能性があります。



6. カードを取り付けたら、カードを接続 (構成) します。

# cfgadm -c configure ap_id

オペレーティングシステムをドメインで起動すると、そのドメインの cPCI スロットがすべてデフォルトで自動構成モードになります。自動構成モードでは、すべてのスロットにおいてホットスワップが使用可能です。



注 - 自動構成機能を無効にするときは、cfgadm -x disable_autoconfig ap_id コマンドを使用します。自動構成機能を再び有効にするときは、cfgadm -x enable_autoconfig ap_id コマンドを使用します



7. 緑色の電源 LED を調べます。

I/O アセンブリの緑色の電源 LED が点灯し、cPCI カードの青色のホットスワップ可能 LED が消えているはずです。

8. カードが接続されていることを確認します。

# cfgadm -s "select=class(pci)" ap_id


procedure icon  システムからボードを取り外す



注 - 作業を開始する前に、システムから取り外すシステムボードと交換するシステムボードフィラーパネルの準備をしておきます。システムボードフィラーパネルは、冷却空気を循環させるスロットが付いた金属ボードです。



1. 取り外すボードを指定します。

スロット番号を調べておく必要があります。

# cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

2. cfgadm -c disconnect コマンドを使って、ドメインからボードを切り離して電源を切断します。

# cfgadm -c disconnect ap_id

ここで、ap_id は、次のコマンドを実行したときに返される接続点 ID です。
cfgadm -al -s "select=class(sbd)"



caution icon

注意 - 物理的なボードの取り外しと交換についての詳細は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。規定の手順に従わない場合、システムボードやその他のコンポーネントが損傷する可能性があります。



3. システムからボードを取り外します。

ボードの詳細な取り外し手順は、『Sun Fire ミッドレンジシステムサービスマニュアル』を参照してください。

4. システムが過熱しないように、ボードを取り外してから 1 分以内にそのスロットにシステムボードフィラーパネルを挿入します。


procedure icon  ドメイン間でボードを移動する

1. 削除するボードのスロット番号を指定します。

# cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

2. ボードを構成解除します。ただし、テストステータスを保持するために電源は投入したままにします。

# cfgadm -o unassign,nopoweroff -c disconnect ap_id

ここで、ap_id は、次のコマンドを実行したときに返される接続点 ID です。
cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

この時点では、スロットはどのドメインにも割り当てられていないので、すべてのドメインから認識可能です。

3. ボードの移動先となるドメインで、そのボードが切り離された状態として認識されるかどうかをチェックします。

# cfgadm -al -s select=class(sbd)

4. cfgadm -c configure コマンドを使って、新しいドメインでボードを構成します。これは、割り当て操作になります。

# cfgadm -c configure ap_id


procedure icon  一時的にボードを切り離す

DR を使用すると、電源を切断した状態でボードをプレーンに置いておくことができます。たとえば、ボードに障害が発生し、交換用ボードやシステムボードフィラーパネルが使用できないときに、この操作を実行してください。

1. 取り外すボードを指定します。

スロット番号を調べておく必要があります。

# cfgadm -l -s "select=class(sbd)"

2. cfgadm -c disconnect コマンドを使って、ドメインからボードを切り離して電源を切断します。

# cfgadm -c disconnect ap_id

ここで、ap_id は、次のコマンドを実行したときに返される接続点 ID です。
cfgadm -l -s "select=class(sbd)"