Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル

第 3 章 バックアップと復元

この章では、管理サーバーのデータベースおよび構成ファイルのバックアップと復元の手順について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

データベースおよび構成ファイルのバックアップ

ここでは、N1 System Manager のデータベースおよび構成ファイルのバックアップを作成する方法について説明しています。ここに示す手順を正常に完了すると、N1 System Manager のデータベースおよび構成ファイルを保持したまま管理サーバー、および管理サーバーに関連するハードウェアを交換できます。


注 –

ここに示すように N1 System Manager ソフトウェアに付属するバックアップスクリプトを使用しても、OS プロファイルのバックアップは作成できません。


Procedureデータベースおよび構成ファイルのバックアップを作成する

ここでは、稼働中の管理サーバーから、データベースおよび構成ファイルをバックアップする手順を説明します。このプロセスでは、N1 System Manager サービスを数回再起動します。したがって、これらの手順は、N1 System Manager で稼働中のジョブが存在しないときにのみ行なってください。

バックアップを作成してから、復元を行うまでの間に管理対象サーバーの構成や使用 OS を変更しないでください。

始める前に

元の管理サーバーに類似したハードウェア構成とネットワーク構成を持つサーバーを、交換用の新しい管理サーバーとして用意します。

  1. スーパーユーザー (root) として管理サーバーにログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. n1smbackup.sh スクリプトを実行します。

    次に例を示します。


    # /opt/sun/n1gc/bin/n1smbackup.sh
    This program will back up Sun N1SM on this Linux/SunOS machine.
    
    The N1SM services will be restarted and N1SM will be interrupted during 
    the process.
    
    All files related to N1SM, including network interface 
    configuration, will be backed up. Therefore, it is recommended 
    that these files are restored to an identical hardware setup. 
    
    Verify that N1SM does not have outstanding jobs before proceeding.
    
    The backup process will take about 8 minutes.
    
    Would you like to continue? [y/N] y
    
    Backing up configuration files (done)
    Backing up SCS database (done)
    Backing up SPS database (done)
    N1SM restarted.
    N1SM backup completed. Backup saved to file 
    /var/tmp/n1smbackup/n1smbackup.tgz.

    バックアップファイルと /var/tmp/n1smbackup ディレクトリが作成されます。

  3. /var/tmp/n1smbackup/n1smbackup.tgz ファイルを、CD メディア、FTP 転送、NFS などを使い、安全な場所に保存します。

次の手順

「データベースおよび構成ファイルを復元する」

N1 System Manager のデータベースおよび構成ファイルの復元

ここでは、N1 System Manager のデータベースと構成ファイルを復元する方法について説明しています。ここに示す手順を正常に完了すると、データベースおよび構成ファイルを N1 System Manager の 1 つのインストールから別のインストールに複製できます。

Procedureデータベースおよび構成ファイルを復元する

ここでは、新たにインストールした管理サーバーに、N1 System Manager のデータベースおよび構成ファイルを復元する手順を示します。

このプロセスでは、N1 System Manager サービスを数回再起動します。したがって、これらの手順は、N1 System Manager で稼働中のジョブが存在しないときにのみ行なってください。

これらの手順で復元を行う前に、復元する管理サーバーに対し、N1 System Manager をインストールしてください。また、復元を行う管理サーバーに Linux または Solaris OS のいずれかが新規インストールされていることが望まれます。

n1smbackup.sh スクリプトは、N1SM データベースおよび構成ファイルのみをバックアップします。実際の OS ファイルはバックアップされません。 n1smrestore.sh の実行後は、データベース内に存在する OS ディストリビューションおよび OS プロファイルを削除してから再作成する必要があります。

始める前に
  1. スーパーユーザー (root) として管理サーバーにログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. n1smconfig ユーティリティーを実行します。


    # /usr/bin/n1smconfig
    

    現在のシステム構成が表示され、ネットワークインタフェースが一覧表示されます。プロビジョニングネットワークへのインタフェースを入力するよう要求されます。

  3. プロビジョニングネットワークインタフェースのポートを指定します。

    プロンプトに使用可能なインタフェースが一覧表示されます。プロビジョニングインタフェースに使用するインタフェース名を入力します。たとえば、eth0 hme0bge0 などで、これはマシンのアーキテクチャーおよびインストールされている OS によって異なります。

  4. n1smconfig ユーティリティーの残りのプロンプトに回答します。

    n1smconfig で提供される残りのプロンプトへの回答は、次の手順で上書きされることに注意してください。復元プロセスを完了させるためには、このプロンプトを使って新しい設定を適用することが重要です。

  5. 管理サーバーで /var/tmp/n1smbackup ディレクトリを作成します。


    # mkdir /var/tmp/n1smbackup
    
  6. /var/tmp/n1smbackup ディレクトリに、n1smbackup.tgz バックアップファイルをコピーします。

  7. 次のように入力し、N1 System Manager データベースおよび構成ファイルを復元します。


    # /opt/sun/n1gc/bin/n1smrestore.sh -f /var/tmp/n1smbackup/n1smbackup.tgz
    
    This program will restore Sun N1SM from backup files.
    
    The N1SM services will be restarted and N1SM will be interrupted during 
    the process.
    
    All files related to N1SM, including network interface 
    configuration, will be restored. Therefore, it is recommended 
    that these files are restored to an identical hardware setup. 
    
    The restore process will take about 8 minutes.
    
    Would you like to continue? [y/N] y
    
    Restoring configuration files (done)
    Restoring SCS database (done)
    Restoring SCS database (done)
    N1SM restarted.
    N1SM restore completed.
    Run n1smconfig and verify that N1SM settings are correct.
  8. N1 System Manager 構成の設定が今でも有効であるか確認し、必要に応じて変更します。


    # /usr/bin/n1smconfig
    
  9. ブラウザインタフェースか n1sh コマンド行で、N1 System Manager が正常に機能していることを確認します。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  10. (省略可能) 新しい OS ディストリビューションおよび OS プロファイルを作成する前に、管理サーバーに存在するすべての OS ディストリビューションまたは OS プロファイルを削除します。


    N1-ok> show os all
    ID     名前                  種類            バージョン
    2      s10                 solaris       solaris10x86
    
    N1-ok> show osprofile
    ID     名前                  ディストリビューション
    2      s10                 s10
    
    N1-ok> delete osprofile s10
    N1-ok> delete os s10
    N1-ok> show os
    No items found.
    N1-ok> show osprofile
    No items found.
次の手順

新しい OS ディストリビューションをコピーし、新しい OS プロファイルを作成する必要があります。『Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド』「OS ディストリビューションおよびフラッシュアーカイブのコピー」および『Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド』「OS プロファイルを作成する」を参照してください。Microsoft Windows オペレーティングシステムの OS ディストリビューションとプロファイルについては、『Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド』の第 3 章「Windows オペレーティングシステムのプロビジョニング」を参照してください。

または、「OS ディストリビューションのバックアップを作成および復元する」の手順に従って以前の OS ディストリビューションを復元します。

ProcedureOS ディストリビューションのバックアップを作成および復元する

  1. 任意のファイルレベルのバックアップと復元のプログラムを使用して、次のディレクトリのバックアップを作成します。

    Linux の場合は、/var/opt/sun/scs/share/allstart ディレクトリのバックアップを作成します。

    Solaris OS の場合は、/var/opt/SUNWscs/share/allstart ディレクトリのバックアップを作成します。

  2. Linux と Solaris OS の両方で /tftpboot ディレクトリのバックアップを作成します。

  3. 「データベースおよび構成ファイルを復元する」の手順に従って、N1 System Manager を復元します。

  4. 手順 1 と 2 のディレクトリを復元します。