OS プロビジョニングとは、特定のオペレーティングシステムを複数のホストにインストールすることです。Sun N1TM System Manager 製品を使用すると、OS のバージョンやディストリビューションの管理、保守、および追跡が容易になります。
この章では、オペレーティングシステム (OS) のプロビジョニングプロセスの概要とサポートされている OS の種類を示します。この章の内容は、次のとおりです。
N1 System Manager では、1 つのインタフェースを使って、数百台の異機種サーバーにプロビジョニングをすることができます。
全体的な OS のプロビジョニングプロセスは、オペレーティングシステムとクライアントの種類によって少し異なります。
大きく分けて、OS のプロビジョニングプロセスは複数の作業で構成されます。次の図に、OS のプロビジョニングプロセスの主な作業を示します。
N1–ok シェルには、サーバーへのプロビジョニングや再プロビジョニングを行うための簡単なコマンドセットが用意されています。 次の手順を参考にして、プロビジョニング作業の計画を立ててください。
OS プロビジョニングをサポートするようにハードウェアを構成する。推奨される構成と要件については、『Sun N1 System Manager 1.3 サイト計画の手引き』を参照してください。
適切な権限を持つユーザーロールになります。手順については、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「ユーザーセキュリティーの概要」を参照してください。
既存の OS ディストリビューションへのアクセスを可能にします。具体的な手順は、OS と、ディスクレスクライアントをプロビジョニングするかどうかによって異なります。
OS イメージへのアクセスを可能にするには、create os コマンドを使用します。
Solaris と Linux の各システムについては、OS ディストリビューションを管理サーバーにコピーします。詳細は、「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」、「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」、および 「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」を参照してください。
Solaris と Linux のディスクレスクライアントについては、ディスクレスクライアントのイメージへのリンクを構成します。詳細は、「Solaris のディスクレスクライアントのイメージへのリンクを設定する」を参照してください。
Windows システムについては、適切に構成された RIS サーバーにアクセスできることを確認します。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 サイト計画の手引き』の「Windows Remote Installation Service サーバーの設定」を参照してください。
次に、RIS サーバーに OS ディストリビューションを作成し、それを管理サーバーにリンクさせます。詳細は、「Windows OS ディストリビューションを作成する」を参照してください。
OS プロファイルで、OS ディストリビューションのインストールに使用するパラメータをカスタマイズします。OS ディストリビューションがコピーまたはリンクされたときに、「デフォルト OS プロファイル」が自動的に作成されます。ただし、このプロファイルは、通常はプロビジョニングのニーズに合わせて変更します。Solaris と Linux の各システムについては、デフォルトのプロファイルは Sun Fire V20z システム用に最適化されています。OS プロファイルの変更については、「OS プロファイルを変更する」を参照してください。
「OS ディストリビューションの作成」ジョブが正常に完了すると、イメージ、すなわち「ディストリビューション」が指定した名前で表示されます。デフォルトの OS プロファイルには、同じ名前が使用されます。使用可能な OS プロファイルを表示するには、show osprofile コマンドに all 属性を付けて使用します。次に例を示します。
N1–ok> show osprofile all |
サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをインストールします。
個々のサーバーとサーバーグループをプロビジョニングするには、osprofile パラメータと必須の値を指定して load server コマンドまたは load group コマンドを使用します。次に例を示します。
N1–ok> load server server osprofile osprofile networktype networktype |
N1 System Manager ブラウザインタフェースには、OS のプロビジョニングを簡単にするため、「オペレーティングシステムプロファイルの作成」ウィザードと、ドラッグ & ドロップでサーバーグループに OS をインストールする機能が用意されています。このウィザードは、構文を学ぶのに役立つようコマンドを構成し、デフォルトの設定を提供することによって、一般的なパラメータを効率良く設定できるようにします。ログイン手順については、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「N1 System Manager のブラウザインタフェースにアクセスする」を参照してください。ウィザードの使用法については、N1 System Manager のオンラインヘルプを参照してください。
サーバーまたはサーバーグループに新しい OS プロファイルを再プロビジョニングするには、以前にプロビジョニングしたサーバーまたはサーバーグループで load コマンドを実行します。
インストールの出力と「OS のロード」ジョブの進行状況を追跡します。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「管理対象サーバーのシリアルコンソールへの接続」および『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「ジョブの管理」を参照してください。
「OS のロード」ジョブが完了したら、インストールされた OS を監視します 。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「OS の健全性の監視」および『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「OS 監視機能を追加する」を参照してください。
ロード処理時に基本管理機能または OS 監視機能のサポートを指定しなかった場合は、あとで基本管理と OS 監視のサポートを追加できます。手順については、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「OS 監視機能を追加する」を参照してください。
この節では、プロビジョニングするシステムの要件を示します。特定のハードウェアシステムへのプロビジョニングがサポートされているオペレーティングシステムのバージョンに注意してください。
ディスク容量の具体的な要件は、オペレーティングシステムと、プロビジョニングするディストリビューションによって異なりますが、管理対象サーバーには最小で次の RAM とディスク容量が必要です。
ディスク容量 – すべての管理対象サーバーで 12G バイト以上
RAM – 512M バイト以上、1G バイトを推奨
以下の表に、N1 System Manager でプロビジョニング可能なサーバーにインストールでき、かつサポートされている全オペレーティングシステムの一覧を示します。
管理サーバーに Linux がインストールされている場合、Solaris 9 OS x86 プラットフォーム版ディストリビューションに対して、独立したパッチサーバーからアップデートを 2 つ適用する必要があります。有効な Solaris 9 OS x86 プラットフォーム版ディストリビューションの作成方法については、『Sun N1 System Manager 1.3 Troubleshooting Guide』の「To Patch a Solaris 9 OS Distribution by Using a Solaris 9 OS on an x86 Patch Server」を参照してください。これらのパッチは、N1 System Manager で Solaris OS 9 アップデート 7 以前をプロビジョニングできるようにするために必要です。Solaris OS 9 アップデート 8 以降では、この手順が必要ありません。
次の表に、N1 System Manager でプロビジョニングできる管理対象サーバーのハードウェアとオペレーティングシステムの要件を示します。
表 1–1 SPARC によるプロビジョニング可能なサーバーのハードウェアおよびオペレーティングシステム要件
ハードウェア名 |
管理ポートの種類 |
サポートされているプロビジョニング可能なオペレーティングシステム |
---|---|---|
Sun Netra 240 および 440 |
ALOM |
Solaris 10 GA 以降 Solaris 9 Update 7 および Update 8 |
Sun Fire V210、V240、および V440 |
ALOM |
Solaris 10 および Solaris 10 Update 1 Solaris 9 Update 7 および Update 8 |
Sun Fire T1000 および T2000 |
ALOM |
Solaris 10 HW2 以降 |
Sun Fire V490 および V890 |
RSC |
Solaris 9 Update 7 および Update 8 Solaris 10 および Solaris 10 Update 1 |
表 1–2 x86 によるプロビジョニング可能なサーバーのハードウェアおよびオペレーティングシステム要件
ハードウェア名 |
管理ポートの種類 |
サポートされているプロビジョニング可能なオペレーティングシステム |
---|---|---|
Sun Fire X2100 および 8081A IPMI 1.5 Remote Management Card: (Part No: 371-0743 |
SP |
Solaris x86 version 10 HW1 以降 Red Hat Enterprise Linux 3.0 WS、ES、および AS Update 5 と 6、32 ビットおよび 64 ビット Red Hat Enterprise Linux 4.0 WS、ES、および AS Update 1 と 2、32 ビットおよび 64 ビット SUSE Linux Professional 9.2 および 9.3、64 ビットのみ Windows 2003SE/2003EE (64 ビット) Windows 2003SE/2003EE SP1 (32 ビット) |
Sun Fire X4100 および X4200 |
ILOM |
Solaris x86 version 10 HW1 以降 Red Hat Enterprise Linux 3.0 WS、ES、および AS Update 5 と 6、32 ビットおよび 64 ビット Red Hat Enterprise Linux 4.0 WS、ES、および AS Update 1 と 2、64 ビットのみ SUSE Linux Enterprise Server 9 Service Pack (SP) 1、SP2、および SP3、64 ビットのみ Windows 2003SE/2003EE SP1 (32 ビット) Windows 2003SE/2003EE (64 ビット) |
Sun Fire V20z および V40z |
SP |
Solaris x86 version 10 以降 Solaris x86 version 9 Update 7 および Update 8 Red Hat Enterprise Linux 3.0 WS、ES、および AS、Update 1 〜 6、32 ビットのみ Red Hat Enterprise Linux 3.0 WS、ES、および AS、Update 3 〜 6、64 ビットのみ Red Hat Enterprise Linux 4.0 WS、ES、および AS、64 ビットのみ Red Hat Enterprise Linux 4.0 WS、ES、および AS Update 1 と 2、32 ビットおよび 64 ビット SUSE Linux Enterprise Server 9、32 ビットおよび 64 ビット SUSE Linux Enterprise Server 9 SP1 および SP2、32 ビットおよび 64 ビット SUSE Linux Professional 9.2 および 9.3、32 ビットおよび 64 ビット SUSE Linux Professional 9.3、32 ビットおよび 64 ビット Windows 2003SE/2003EE/2003WE (32 ビット) Windows 2003SE/2003EE (64 ビット) Windows 2000S/2000AS (32 ビット) |