Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド

管理対象サーバーへの UNIX OS のインストール

この節では、次のタスクについて説明します。

OS プロファイルの配備

OS プロファイルのインストールは、プロビジョニングやネットワークの条件に応じてカスタマイズできます。

デフォルトまたはカスタム OS プロファイルを配備するには、load コマンドに server または group キーワードと osprofile サブコマンドを付けて使用します。

アップデートとパッチ適用をサポートした基本管理機能および OS 監視機能を追加するには、load コマンドを実行するときに feature 属性に osmonitor 値を指定します。load コマンドに feature 属性を指定すると、OS プロファイルのロード時に自動的に監視を設定できます。

構文とパラメータについては、N1–ok のコマンド行で、 help load serverhelp load group、および help add server と入力してください。


注 –

ほとんどの管理対象サーバーは、ロード処理の最後の手順として、デフォルトのネットワーク起動インタフェースから自動的に起動します。ただし、OS または手動の検出プロセスで検出された管理対象サーバーは手動で起動する必要があります。N1 System Manager は、ネットワークからこれらのシステムを自動的に起動することはできません。手順については、「ネットワーク起動を手動で開始する」を参照してください。


次の表は、load group および load server コマンドで使用できる全パラメータの一覧です。


注 –

N1 System Manager を使用して x86 プラットフォーム上に Solaris OS を配備をする場合は、nameserver および search の値が、管理サーバーのオペレーティングシステムレベルで正しく構成されているか確認する必要があります。正しく構成されていない場合、インストールは失敗します。

詳細は、resolv.conf(5) のマニュアルページを参照してください。これらの設定を変更するには、管理サーバー に root ユーザーでアクセスする必要があります。


表 2–2 OS プロファイルのインストール時のパラメータ

パラメータ 

Red Hat または SUSE OS 

Solaris OS 

複数サーバー 

単一サーバー 

注 

bootip

√(R) 

 

√ 

√ 

プロビジョニング可能な IP ともいう。 

ip

√ 

√(R) 

√ 

√ 

networktypestatic の設定の場合に必須。

networktype

√(R) 

√(R) 

√ 

√ 

Solaris インストールの場合は必ず static に設定。

bootgateway

√ 

 

√ 

√ 

 

boothostname

√ 

   

√ 

 

bootnameserver

√ 

 

√ 

√ 

 

bootnetmask

√ 

 

√ 

√ 

デフォルトは n1smconfig ユーティリティーを使用して指定されたプロビジョニングネットワークインタフェースに設定される。

bootnetworkdevice

√ 

√ 

√ 

√ 

 

bootpath

 

√ 

 

√ 

 

console

√ 

√ 

 

√ 

 

consolebaud

√ 

√ 

 

√ 

 

kernelparameter

√ 

 

√ 

√ 

 

domainname

 

√ 

√ 

√ 

domainname が省略された場合は、デフォルトが設定される。

gateway

√ 

√ 

√ 

√ 

 

hostname

√ 

√ 

 

√ 

 

nameserver

√ 

√ 

√ 

√ 

 

netmask

√ 

√ 

√ 

√ 

デフォルトは n1smconfig ユーティリティーを使用して指定されたプロビジョニングネットワークインタフェースに設定される。

networkdevice

√ 

 

√ 

√ 

Linux のデフォルトは eth0。Solaris のインストールの場合は、一次ネットワークインタフェースがデフォルト。

(R) = 必須 

√= 構成可能 

Procedureサーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする

ここでは、ブラウザインタフェースを使用してサーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする手順を説明します。コマンド行インタフェースから OS プロファイルをロードすることもできますが、ブラウザインタフェースからロードするほうが簡単です。この説明のあとに、同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。


注意 – 注意 –

OS プロファイルをアンインストールすることはできません。ただし、すでにプロビジョニングされているサーバーに別の OS プロファイルをロードすることによって、再プロビジョニングすることができます。


始める前に
  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のブラウザインタフェースにアクセスする」を参照してください。

  2. (省略可能) OS プロファイルを変更し、フラッシュアーカイブおよびインストール後処理スクリプトを使用するようにします。


    N1-ok> set osprofile osprofile-name flar flar
    

    flar 属性値は、フラッシュアーカイブファイルのフルパスとファイル名です。例: /jumpstart/Flash/archive1.flar


    N1-ok> add osprofile osprofile-name script script type type
    

    script 属性値は、スクリプトファイルのフルパスとファイル名です。例: /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1

    type 属性は、インストール時にカスタムスクリプトを実行するタイミングを指定します。type 属性の有効な値は次のとおりです。

    • pre – インストールの前にスクリプトを実行します (例: ドライバ)。

    • post – インストール後にスクリプトを実行します。

    • postnochroot (Red Hat Linux のみ) – インストール後にスクリプトを実行します。ただし、スーパーユーザー (root) で実行する必要はありません。

    OS プロファイルは、指定されたインストール後処理スクリプトおよびフラッシュアーカイブファイルを使用するよう変更されます。

  3. 次のいずれかの操作を行い、「サーバー」表、または「サーバーグループ」表を表示します。

    • 「表示の選択」メニューから「すべてのサーバー」を選択します。

      「サーバー」表が表示されます。

    • 「表示の選択」メニューから「グループ別のサーバー」を選択します。

      「サーバーグループ」表が表示されます。

  4. 「タスクへのショートカット」区画からサーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルアイコンをドラッグ & ドロップします。

    「OS プロファイルのロード」ウィザードが表示されます。

  5. ウィザードの手順に従って操作を進めます。


    注 –

    ウィザードの左区画にある「ヘルプ」タブをクリックすると、入力フィールドに関する詳細な説明を見ることができます。

    OS または手動の検出プロセスで検出された管理対象サーバーに OS プロファイルをロードするときは、ウィザードの適切な手順で「手動ネットブートを有効化」オプションを選択します。N1 System Manager は、これらのシステムをネットワークから自動的に起動できません。起動を手動で開始できるように N1 System Manager で設定する必要があります。


  6. 選択したサーバーに対する OS プロファイルのロードを開始するには、ウィザードの「完了」ボタンをクリックします。

    ウィザードのウィンドウが閉じ、コマンド行区画にジョブ ID が表示されます。

  7. 「ジョブ」タブをクリックします。

    「ジョブ」表に、「OS のロード」ジョブに関する情報が表示されます。


    注 –

    「OS のロード」ジョブは、再起動するまで完了しません。


  8. 将来、サーバーを復元する必要がある場合に備えて、OS プロファイルのロードに使用したオプションの内容を保存しておいてください。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「管理対象サーバーとグループの情報の変更」 を参照してください。


例 2–11 コマンド行でのサーバーへの Solaris OS プロファイルのロード

次のコマンドは、サーバーに OS プロファイルをロードし、OS 監視機能をサポートする構文の例を示します。使用可能な属性とサポートされている値の一覧については、「OS プロファイルの配備」を参照してください。

次の例は、load コマンドを使用し、サーバーに Solaris OS プロファイルをインストールする方法を示しています。機能パラメータは、OS 監視機能がインストールされることを指定しています。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。


N1-ok> load server 192.168.8.9 osprofile S10profile \
networktype static ip 192.168.18.19 feature osmonitor agentssh root/rootpassword

Solaris プロファイルのインストールの場合、networktype 属性は static に設定する必要があります。 詳細は、表 2–2『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「load server」を参照してください。

OS をインストールする管理対象サーバーが手動または OS で検出された場合は、load コマンドに manualnetboot="true" を追加します。

show job コマンドを使用し、結果を表示します。


N1-ok> show job target=192.168.8.9


例 2–12 コマンド行でのサーバーグループへの Solaris OS プロファイルのロード

load コマンドのこの構文例では、OS プロファイルを、excludeserver 属性で指定したサーバーを除くサーバーグループにインストールしています。add server feature コマンドで使用される SSH ユーザーアカウントは、リモートマシン上で root 権限を持っている必要があります。

このコマンドは、基本管理機能または OS 監視機能のサポートを追加します。サポートされている管理機能については、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。

次の例は、load コマンドを使用し、サーバーグループに Solaris OS プロファイルをインストールする方法を示しています。


N1-ok> load group devgroup osprofile S10profile \
excludeserver=server1 networktype static ip 192.186.8.8-192.186.8.9
ジョブ 14 を開始しました。

Solaris プロファイルのインストールの場合、networktype 属性は static に設定する必要があります。 詳細は、表 2–2『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「load server」を参照してください。

excludeserver=server1 オプションは、OS プロファイルを、server1 を除く devgroup サーバーグループ内のすべての管理対象サーバーにインストールすることを指定しています。

OS をインストールする管理対象サーバーが手動または OS で検出された場合は、load コマンドに manualnetboot="true" を追加します。

次のコマンド例は、ジョブの結果を表示する方法を示しています。


N1-ok> show job 14


例 2–13 静的 IP アドレスを使用するサーバーへの Linux OS プロファイルのロード

次のコマンドは、サーバーに OS プロファイルをロードし、OS 監視機能をサポートする構文の例を示します。使用可能な属性とサポートされている値の一覧については、「OS プロファイルの配備」を参照してください。

次の例は、サーバーに Linux OS プロファイルをインストールする方法を示しています。機能パラメータは、OS 監視機能がインストールされることを指定しています。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。


N1-ok> load server 192.168.8.9 osprofile S10profile networktype static \
ip 192.168.18.19 bootip 192.168.28.19 feature osmonitor agentssh root/rootpassword

この例では、networktype 属性を static に設定しています。静的 IP アドレスではなく DHCP を使用する例については、例 2–15 を参照してください。

OS をインストールする管理対象サーバーが手動または OS で検出された場合は、load コマンドに manualnetboot="true" を追加します。

show job コマンドを使用し、結果を表示します。


N1-ok> show job target=192.168.8.9


例 2–14 サーバーグループへの Linux OS プロファイルのロード

次の例は、load コマンドを使用し、サーバーグループに Linux OS プロファイルをインストールする方法を示しています。


N1-ok> load group devgroup osprofile RH3profile 
ip 192.186.77.1-192.186.77-2 bootip 192.186.8.8-192.186.8.9 networktype static
ジョブ 15 を開始しました。

次のコマンド例は、ジョブの結果を表示する方法を示しています。


N1-ok> show job 15


例 2–15 DHCP を使用するサーバーへの Linux OS プロファイルのロード

次の例は、load コマンドを使用し、サーバーに Linux OS プロファイルをインストールする方法を示しています。


N1-ok> load server 192.168.8.9 osprofile RH3profile\ 
bootip 192.168.8.9 networktype dhcp

bootip 属性は、Linux プロファイルのインストールでのみ使用します。

networktype 属性を DHCP に設定すると、サーバーはプロビジョニングネットワークの IP アドレスの取得に DHCP を使用します。システムが再起動すると、追加されたすべての管理機能が無効になります。その場合は、set server agentip コマンドを使用して、サーバーのエージェント IP アドレスを変更します。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「サーバーのエージェント IP を変更する」を参照してください。

次のコマンド例は、ジョブの結果を表示する方法を示しています。


N1-ok> show job target=192.168.8.9


例 2–16 Sun Fire X2100 サーバーへの Red Hat Enterprise Linux 4 OS プロファイルのロード

この例は、静的 IP ネットワーク構成を使用し、Sun Fire X2100 サーバーに Red Hat Enterprise Linux 4 OS プロファイルをロードする方法を示しています。


N1-ok> load server server1 osprofile RHEL4profile bootip 192.168.8.8
networktype static ip 192.168.8.8 bootnetworkdevice eth1 networkdevice eth1

この例は、DHCP ネットワーク構成を使用し、Sun Fire X2100 サーバーに Red Hat Enterprise Linux 4 OS プロファイルをロードする方法を示しています。


N1-ok> load server server34 osprofile rh4u1es-64-min bootip=10.0.101.34
networktype=dhcp bootnetworkdevice=eth1 networkdevice=eth1

bootnetworkdevice および networkdevice は、Sun Fire X2100 上の Red Hat Linux 4 でのみ必要です。



例 2–17 Sun Fire X2100 への Solaris 10 x86 OS プロファイルのロード

Solaris 10 x86 を Sun Fire X2100 サーバーへロードする場合は、最初にスクリプトをプロファイルに追加する必要があります。このスクリプトは、/etc/system への bge ドライバのロードを無効にするものです。

管理サーバーで Linux を実行している場合は、次のコマンドを使用してスクリプトをプロファイルに追加します。


N1-ok> add osprofile profile_name script 
/opt/sun/scs/data/allstart/scripts/solaris_bge_disable.sh type=post

管理サーバーで Solaris OS を実行している場合は、次のコマンドを使用してスクリプトをプロファイルに追加します。


N1-ok> add osprofile profile_name script
/opt/SUNWscs/data/allstart/scripts/solaris_bge_disable.sh type=post

マシンのプロビジョニング中、サービスプロセッサにはアクセスできなくなります。


注意事項

ロード時に bootnetmask または netmask パラメータの値が指定されない場合、ネットマスクは、n1smconfig ユーティリティーで指定されたプロビジョニングネットワークインタフェースにデフォルトで設定されます。『Sun N1 System Manager 1.3 インストールおよび構成ガイド』「N1 System Manager を設定する」を参照してください。

配備に失敗した場合は、『Sun N1 System Manager 1.3 Troubleshooting Guide』「OS Distributions and Deployment」で解決方法を調べてください。

次の手順

リモート接続や OS リソースの監視、パッケージの配備、資産管理を行えるようにするには、各サーバーに OS 監視機能を追加する必要があります。『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「OS 監視機能を追加する」を参照してください。

Procedureネットワーク起動を手動で開始する

ほとんどの管理対象サーバーは、ロード処理の最後の手順として、デフォルトのネットワーク起動インタフェースから自動的に起動します。ただし、OS または手動の検出プロセスで検出された管理対象サーバーは手動で起動する必要があります。N1 System Manager は、これらのシステムをネットワークから自動的に起動できません。

ここでは、サーバーがロード処理後にデフォルトのネットワーク起動インタフェースから起動しないようにするために必要な手順を示します。この手順に従うと、ロード処理の完了時に管理対象サーバーを手動で起動する必要があります。

  1. 管理サーバーで N1 System Manager のコマンド行にアクセスします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 指定された OS プロファイルを管理対象サーバーにインストールし、そのサーバーが自動的に起動しないようにするには、manualnetboot オプションを true に設定します。

    1 つの管理対象サーバーの場合は、load server コマンドの次の形式で manualnetboot オプションを指定します。


    N1-ok> load server server-name osprofile osprofile-name ip ip-address networktype static manualnetboot="true"
    

    管理対象サーバーのグループの場合は、load group コマンドの次の形式を使用します。


    N1-ok> load group group-name osprofile osprofile-name ip ip-addresss networktype static manualnetboot="true"
    

    ヒント –

    ブラウザインタフェースから OS プロファイルをロードする場合は、ウィザードで「手動ネットブートを有効化」オプションを選択します。