Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド

OS プロファイルの管理

この節では、次のタスクについて説明します。

OS プロファイルの作成、一覧表示、変更

OS プロファイルには、次の情報を指定します。

OS ディストリビューションをコピーすると、N1 System Manager によって自動的に、同じ名前の OS プロファイルが管理サーバー上に作成されます。OS プロファイルは「デフォルト OS プロファイル」とも呼ばれます。パラメータの設定および OS プロファイルのカスタマイズの最適な方法については、 「デフォルト OS プロファイル」を参照してください。

デフォルト OS プロファイルの詳細を表示するには、show コマンドに、osprofile キーワードを付けて使用します。

新しい OS プロファイルを作成するには、create osprofile add osprofile、および set osprofile の各コマンドを使用します。例 2–6例 2–7 を参照してください。

デフォルト OS プロファイル

OS ディストリビューションをコピーすると、その OS ディストリビューション用のデフォルトの OS プロファイルが自動的に作成されます。デフォルトプロファイルは、標準の Sun Fire V20z サーバー用に作成され、主に例として提供されます。デフォルト OS プロファイルの設定は、次の表のとおりです。

表 2–1 デフォルト OS プロファイルのパラメータ設定

パラメータ 

Solaris OS 

Red Hat OS 

SUSE OS 

root パスワード 

admin

admin

admin

言語 

U.S. English 

U.S. English 

U.S. English 

時間帯 

グリニッジ標準時 (GMT) 

グリニッジ標準時 (GMT) 

グリニッジ標準時 (GMT) 

パーティション 

  • c1t1d0s0 スライス上にルートマウントポイントとして、ファイルシステムサイズがフリーの ufs

  • c1t1d0s1 スライス上に swap マウントポイントとして 2048M バイトの swap

  • sda 上にルートマウントポイントとして、ファイルシステムサイズがフリーの ext3

  • sda スライス上に swap マウントポイントとして 2048M バイトの swap

  • /dev/sda スライス上にルートマウントポイントとして、ファイルシステムサイズがフリーの ext3

  • /dev/sda スライス上に swap マウントポイントとして 2048M バイトの swap

ディストリビューショングループ 

Entire Distribution plus OEM support

Everything

Default Installation

ネットワークインタフェース 

プロビジョニングインタフェース構成済み 

データインタフェース未構成 

プロビジョニングインタフェース構成済み 

データインタフェース未構成 

プロビジョニングインタフェース構成済み 

データインタフェース未構成 

デフォルト OS プロファイルの最適な変更方法

Sun Fire V20z サーバー以外のサーバーをプロビジョニングするには、デフォルトのプロファイルを変更するか、新しい OS プロファイルを作成するか、あるいは既存の OS プロファイルのクローンを作成してパラメータの設定をカスタマイズする必要があります。ハードウェア要件やプロビジョニング要件が各サーバーによって異なる場合、OS プロファイルをカスタマイズして作成する必要があります。

ブラウザインタフェースでは、OS プロファイルの新規作成用ウィザードが使用できるため、操作が比較的簡単です。手順については、「OS プロファイルを作成する」を参照してください。

デフォルト OS プロファイルの変更に適した方法としては、次のようなものがあります。

Procedure使用可能な OS プロファイルを一覧表示する

ここでは、ブラウザインタフェースを使用して使用可能な OS プロファイルを表示する手順を示します。この説明のあとに、同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 「システムダッシュボード」タブをクリックします。

    ページの右側に「タスクへのショートカット」区画が表示されます。

  3. OS プロファイル一覧の下にある、「一覧の編集」ボタンをクリックします。

    使用可能な OS プロファイルの一覧が表示されます。


例 2–5 コマンド行での使用可能な OS プロファイルの一覧表示

次の例は、システム内のすべての OS プロファイルを一覧表示する方法を示しています。


N1-ok> show osprofile all

使用可能なすべての OS プロファイルが表示されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「show osprofile」を参照してください。


ProcedureOS プロファイルを作成する

ここでは、ブラウザインタフェースの「OS プロファイル」ウィザードの使用方法を説明します。この説明のあとに、Solaris、Red Hat、SUSE 用に OS プロファイルを作成してカスタマイズする同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。

始める前に

OS プロファイルを作成するには、OS ディストリビューションをコピーしておく必要があります。 「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」 または 「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 「システムダッシュボード」タブをクリックします。

    ページの右側に「タスクへのショートカット」区画が表示されます。

  3. OS プロファイル一覧の下にある、「新規」ボタンをクリックします。

    「オペレーティングシステムプロファイルの作成」ウィザードが表示されます。

  4. ウィザードの手順に従って操作を進めます。

    ウィザードの左区画にある「ヘルプ」タブをクリックすると、入力フィールドに関する詳細な説明を見ることができます。

  5. OS プロファイルの作成を完了するには、ウィザードの「完了」ボタンをクリックします。

    ウィザードのウィンドウが閉じます。

  6. OS プロファイルの「タスクへのショートカット」区画に表示されるプロファイルの一覧にプロファイルを追加するには、対応する「一覧の編集」ボタンをクリックします。

    ダイアログボックスが表示されます。

    1. 表示したい OS プロファイルのチェックボックスを選択し、「了解」ボタンをクリックします。

      OS プロファイルの「タスクへのショートカット」区画にドラッグ & ドロップアイコンが表示されます。


例 2–6 コマンド行での Solaris OS プロファイルの作成

次の例は、Solaris OS ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。最初のコマンドは、S10profile という名前の Solaris 10 プロファイルを作成し、root パスワードに admin を設定しています。


N1-ok> create osprofile S10profile rootpassword admin 
description "S10 for host123" os solaris10

次のコマンド例は、 2048M バイトの swap パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile s10profile partition swap size 2048 device c1t1d0s1 
type swap

次のコマンド例は、フリーの ufs パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile s10profile partition / sizeoption free device c1t1ds0\ 
type ufs

次のコマンド例は、デフォルトの Solaris ディストリビューショングループを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile s10profile distributiongroup "Entire Distribution 
plus OEM support"

コアシステムサポートディストリビューショングループのみをインストールする OS プロファイルは、OS 監視機能を使用して監視することはできません。



例 2–7 コマンド行での Red Hat OS プロファイルの作成

以下の例は、Red Hat ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。


N1-ok> create osprofile RH30profile rootpassword admin\ 
os RedHat30

次のコマンド例は、ルートパーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile RH30profile partition / device sda type ext3\ 
sizeoption free

次のコマンド例は、swap パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile RH30profile partition swap device sda type swap\ 
size 2048 sizeoption fixed

次のコマンド例は、ディストリビューショングループを指定する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile RH30profile distributiongroup "Everything"


例 2–8 コマンド行での SUSE OS プロファイルの作成

以下の例は、SUSE ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。


N1-ok> create osprofile default os suse rootpassword admin

次のコマンド例は、ルートパーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile default partition / device /dev/sda type ext3 
sizeoption free

次のコマンド例は、swap パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile default partition swap device /dev/sda type swap\ 
size 2048 sizeoption fixed

次のコマンド例は、ディストリビューショングループを指定する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile default distributiongroup "Default Installation"

注意事項
参照

OS プロファイルをロードする方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

Procedure既存の OS プロファイルのクローンを作成する

ここでは、既存の OS プロファイルの「クローン」(すなわち、コピー) を作成する手順を説明します。プロファイルのクローンを作成する理由は主に 2 つあります。

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> create osprofile osprofile-name clone oldprofile
    

    新しい OS プロファイルが作成されます。『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「create osprofile」を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> show osprofile osprofile-name
    

    新しい OS プロファイルが表示されます。

参照

OS プロファイルをロードする方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

ProcedureOS プロファイルを変更する

ここでは、OS プロファイルに設定されているスクリプトやパーティション、アップデート、ディストリビューショングループを変更する手順を説明します。


注 –

現在配備中の OS プロファイルは変更できません。


  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のいずれかの行うことによって OS プロファイルを変更します。

  3. 新しい OS プロファイルの詳細を表示します。


    N1-ok> show osprofile osprofile-name
    

    変更した OS プロファイル情報が表示されます。


例 2–9 コマンド行での Solaris 10 OS プロファイルの変更

この例は、solaris_ver10 OS というプロファイルを変更することによって、フラッシュアーカイブおよびインストール後処理スクリプトを使用する方法を示しています。

この例では、管理サーバー ディレクトリの /scripts という名前のディレクトリに次のスクリプトが作成されていることが前提になっています。

このスクリプト例の名前は add_host.sh で、このスクリプトは管理対象サーバーの /etc/hosts ファイルにホストを追加します。


echo "129.10.12.101 myhost" >>/a/etc/hosts

インストール後処理時の、プロビジョニング対象サーバーのルートファイルシステムが /a であることに注意してください。

また、この例では、archive1.flar という名前のフラッシュアーカイブファイルを作成し、「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」の手順が完了していると仮定します。

次の例は、OS プロファイルにスクリプトを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile solaris_ver10 script 
/scripts/add_host.sh type post

次の例は、フラッシュアーカイブを使用するよう OS プロファイルを設定する方法を示しています。


N1-ok> set osprofile solaris_ver10 flar /jumpstart/Flash/archive1.flar

参照

変更した OS プロファイルのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

ProcedureSun Fire V40z または SPARC V440 サーバー用にデフォルトの Solaris OS プロファイルを変更する

ここでは、デフォルトで作成されている Solaris OS プロファイルを変更する手順を説明しています。Sun Fire V40z または SPARC V440 サーバーにデフォルトの Solaris OS プロファイルを正しくインストールするには、次の変更が必要です。

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. デフォルトプロファイルのコピーを作成します。


    N1-ok> create osprofile sol10v40z clone sol10
    
  3. ルートパーティションを削除します。


    N1-ok> remove osprofile sol10v40z partition /
    
  4. スワップパーティションを削除します。


    N1-ok> remove osprofile sol10v40z partition swap
    
  5. 新しいルートパーティションを追加します。


    N1-ok> add osprofile sol10v40z partition / device c1t0d0s0 sizeoption free\
     type ufs
    
  6. 新しいスワップパーティションを追加します。


    N1-ok> add osprofile sol10v40z partition swap device c1t0d0s1 size 2000\
     type swap sizeoption fixed
    
参照

変更した OS プロファイルのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

ProcedureSun Fire V20z サーバー (K2.0 マザーボード) 用に Solaris 9 OS プロファイルを変更する

ここでは、スクリプトを作成して Solaris OS プロファイルに追加する方法を説明します。このスクリプトは、K2.0 マザーボードを持つ Sun Fire V20z サーバー上の Ethernet インタフェースを Solaris 9 x86 で認識するために必要な、Broadcom 5704 NIC ドライバをインストールします。Sun Fire V20z サーバーの初期バージョンでは、K1.0 マザーボードが使用されています。最近のバージョンでは、K2.0 マザーボードが使用されています。


注 –

このパッチは、K2.0 マザーボードに必要なものですが、K1.0 マザーボードに対して使用しても悪影響はありません。


  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    % /opt/sun/n1gc/bin/n1sh show os
    

    使用可能な OS ディストリビューションの一覧が表示されます。

  3. Solaris 9 ディストリビューションの ID を書き留めておきます。

    次のステップで、この ID (実際には DISTRO_ID) を使用します。

  4. 次のコマンドを入力します。


    # mkdir /js/DISTRO_ID/patch
    

    ここで、distro_id は前のステップで書き留めた ID です。Solaris 9 ディストリビューション用にパッチディレクトリが作成されます。

  5. http://sunsolve.sun.com から /js/DISTRO_ID/patch ディレクトリにパッチ 116666-04 をダウンロードします。

  6. /js/DISTRO_ID/patch ディレクトリに移動します。


    # cd /js/DISTRO_ID/patch
    
  7. パッチファイルを展開します。


    # unzip 116666-04.zip
    
  8. 次のコマンドを入力します。


    # mkdir /js/scripts
    
  9. /js/scripts ディレクトリに、次の 3 行を含む patch_sol9_k2.sh という名前のスクリプトを作成します。


    #!/bin/sh
    echo "Adding patch for bge devices."
    patchadd -R /a -M /cdrom/patch 116666-04

    注 –

    スクリプトが実行可能ファイルであることを確認します。chmod 775 patch_sol9_k2.sh コマンドを使用します。


  10. Solaris 9 OS プロファイルにスクリプトを追加します。


    N1-ok> add osprofile osprofile script /js/scripts/patch_sol9_k2.sh type post 
    

例 2–10 Solaris OS プロファイルへのスクリプトの追加

この例は、OS プロファイルにスクリプトを追加する方法を示しています。type 属性には、スクリプトをインストールのあとで実行することが指定されています。


N1-ok> add osprofile sol9K2 script /js/scripts/patch_sol9_k2.sh\ 
type post

次の手順

変更した Solaris OS プロファイルをロードするには、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

ProcedureOS プロファイルを削除する


注 –

配備中の OS プロファイルは削除できません。配備が終了してから OS プロファイルを削除してください。


  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> delete osprofile osprofile-name
    

    管理サーバーから OS プロファイルが削除されます。

  3. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> show osprofile all
    

    削除した OS プロファイルが表示されていないことを確認します。