Sun N1 System Manager 1.3 Grid Engine プロビジョニングおよび監視マニュアル

スケジューリングポリシーの確認

「ジョブ」の「割り当て」タブには、ジョブが享受する振り分け優先度に寄与し、スケジューリングポリシーを構成している要素に関する情報が表示されます。この表示を使用して、優先度のポリシーが実際に効果があるかどうかを確認し、キュー内のジョブの全体的な優先順位を決定しているコンポーネントのトラブルシューティングを行うことができます。

ジョブの優先順位は次の 3 つのポリシーに基づいて決定されます。

計算式の最初の部分であるチケットは、設定されている権利指向型のスケジューリングポリシーを実装するためにスケジューラによって行われる計算を示します。チケットから、スケジューラ内部の論理的な処理がわかります。この機能によって、自分が望んでいるポリシーがどんなものであっても、実際にそれに従っていることを容易に確認できます。また、問題や予期しなかった動作の診断にも使用できます。

上位レベルからジョブに割り当てられたチケット数は、ジョブの権利に正比例します。数が多いほど権利が多くなります。権利が多いジョブは通常は優先度が高いですが、総合的な優先順位はほかの 2 つの要素の影響も受けます。ただし、緊急度ポリシーとカスタムポリシーを意図的に無効にした場合は、権利付与 (チケット) ポリシーだけが有効になります。

優先順位の計算式の 2 つめの部分はカスタム (POSIX) 優先度です。管理者はこの値を使用して特定のジョブの優先度を自由に上げることができます。

優先順位の公式の 3 つめの部分である緊急度は、ジョブの所有者ではなく、ジョブの個々の特性だけから計算されます。緊急度の値は、次の 3 つの情報の合計から得られます。期限、待機時間、およびリソース要件です。

N1GE のスケジューリングポリシーおよび振り分け優先度の詳細は、sge_priority のマニュアルページと『Scheduler Policies for Job Prioritization in the Sun N1 Grid Engine 6 System』(www.sun.com/blueprints/1005/819-4325.html) を参照してください。

図 5–3 「ジョブ」の「割り当て」タブ

このタブには、ジョブに割り当てられているリソースが表示されます。

ジョブの「割り当て」ページには、次の情報が表示されます。


注 –

チケット、POSIX、および緊急度の標準化された値は「ジョブ」の「使用状況」タブで確認できます。


各列の意味については、qmon のマニュアルページを参照してください。