カスタムハートビートプラグインを作成し、このプラグインを使用するように既存のデフォルトのハートビートや新しいカスタムハートビートを構成することができます。
カスタムハートビートは特殊な用途向けであり、構成時には注意が必要です。使用中のシステムでカスタムハートビートを使用する必要がある場合は、Sun の技術担当者に問い合わせてください。
カスタムハートビートを構成するときは、そのカスタムハートビートの名前がパートナークラスタ上のカスタムハートビートの名前と重複しないようにしてください。
カスタムハートビートが存在する場合、パートナーシップを作成している間、デフォルトのハートビートは使用されません。パートナーシップでデフォルトのハートビートを使用するには、geops create コマンドの実行前にカスタムハートビートを削除する必要があります。
ハートビートを作成すると、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアにより、カスタムハートビートプラグインに次の引数が渡されます。
Query-interval プロパティーの値。ハートビート状態要求に失敗したことが宣言されるまでの時間を秒数で指定します。
プラグイン起動時のモード。Normal または Emergency のいずれかです。
ハートビートプラグインに設定されている Plugin-properties プロパティーの値。
設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
カスタムハートビートプラグインは、二次クラスタ上でハートビートを検査し、次に示す終了値のいずれかを返します。
成功した場合はゼロ。二次クラスタが有効であることを示す
失敗した場合はゼロ以外の値。二次クラスタがハートビート検査に応答しなかったことを示す
主クラスタ上のノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
デフォルトのハートビートにカスタムハートビートプラグインを追加します。
# geohb add-plugin -p propertysetting [-p...] \ pluginname hb_localclustername-remoteclustername |
name=statement のペアを使用してハートビートプラグインのプロパティーを指定します。
Query_cmd プロパティーを使用して、カスタムハートビートプラグインのパスを指定します。
設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
カスタムハートビートプラグインの名前を指定します。
カスタムハートビートプラグインを追加するデフォルトのハートビートの名前を指定します。
変更が正しく行われたことを確認します。
# geoadm status |
二次クラスタの任意のノード上で、これまでの手順を繰り返します。
この例では、カスタムハートビートプラグイン command1 をデフォルトのハートビート hb_cluster-paris~cluster-newyork に追加する方法を示します。
# geohb add-plugin -p query_cmd=/usr/bin/hb command1 \ hb_cluster-paris~cluster-newyork # geoadm status |
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
新しいカスタムハートビートを作成します。
# geohb create -r remoteclustername \ [-p propertysetting [-p...]] heartbeatname |
リモートパートナーである二次クラスタの名前を指定します
ハートビートのデフォルトのプロパティーを指定します。
ハートビートプロパティーに値を割り当てるには、name=statement のペアを使用します。
設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
ハートビート設定の識別子を指定します
同一のパートナーシップに参加している各クラス タ上のカスタムハートビート名には、異なる名前を付ける必要があります。この名前は、ハートビートを一意に識別するものを選択してください。たとえば、クラスタ cluster-paris では paris-to-newyork、クラスタ cluster-newyork では newyork-to-paris のような名前を指定できます。
geohb コマンドについては、geohb(1M) のマニュアルページを参照してください。
ハートビートにカスタムハートビートプラグインを追加します。
# geohb add-plugin -p propertysetting [-p...] \ pluginname heartbeatname |
name=statement のペアを使用してハートビートプラグインのプロパティーを指定します。
Query_cmd プロパティーを使用して、カスタムハートビートプラグインのパスを指定します。
設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
カスタムハートビートプラグインの名前を指定します。
ハートビートの識別子を指定します。
前の手順で作成したハートビートを使用するパートナーシップを作成します。
# geops create -c remoteclustername -h heartbeatname \ [-p propertysetting [-p...]] partnershipname |
パートナーシップに参加するリモートクラスタの名前を指定します。
この名前は、リモートクラスタ上の Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーで使用されている論理ホスト名と一致します。
パートナークラスタの可用性を監視するためにパートナーシップ内で使用するカスタムハートビートを指定します。
文字列 name=value のように対をなす文で、パートナーシップのプロパティー値を設定します。
設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
パートナーシップの名前を指定します。
geops create コマンドを使用してパートナーシップを作成する方法については、「パートナーシップを作成する方法」を参照してください。
変更が正しく行われたことを確認します。
# geoadm status |
この例では、ハートビート paris-to-newyork を作成する方法を示します。このハートビートは、カスタムハートビートプラグインを使用し、このハートビートを新しいパートナーシップに関連付けます。
# geohb create -r cluster-newyork paris-to-newyork # geohb add-plugin -p query_cmd=/usr/bin/hb/ command1 paris-to-newyork # geops create -c cluster-newyork -h paris-to-newyork paris-newyork-ps # geoadm status |