保護グループを有効にすると、その保護グループは構成時に割り当てられた役割を引き受けます。保護グループは、次のレベルで有効にできます。
グローバル – 保護グループが構成されている両方のクラスタで保護グループを有効にします
主クラスタ上だけを有効にする – 二次クラスタは無効なままです
二次クラスタ上だけを有効にする – 主クラスタは無効なままです
一方のクラスタで EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを有効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。
保護グループのデータ複製構成が検証されます。検証中、保護グループの現在のローカルの役割が EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの構成と比較されます。
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが Failedover 状態にない場合、保護グループのローカルの役割は EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの役割と一致するはずです。
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが Failedover 状態の場合、保護グループのローカルの役割は secondary になり、EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの役割は primary のままです。
保護グループに構成されているデータ複製デバイスグループ上で、データ複製が開始されます。主クラスタと二次クラスタのどちらで保護グループを有効にしたのかは関係ありません。データは必ず保護グループのローカルの役割が primary であるクラスタから保護グループのローカルの役割が secondary であるクラスタに複製されます。
アプリケーションの処理が行われるのは、データ複製が正常に開始されたあとだけです。
保護グループを有効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。
主クラスタで保護グループが有効になった場合、保護グループに構成されているアプリケーションリソースグループも起動されます。リソースグループをオンラインにするには、主クラスタ上で次の Sun Cluster コマンドを使用します。
# scswitch -Z -g rglist |
二次クラスタで保護グループが有効になった場合、アプリケーションリソースグループは起動されません。リソースグループは、管理されない状態に置かれます。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループを有効にします。
保護グループを有効にすると、そのアプリケーションリソースグループもオンラインになります。
# geopg start -e scope [-n] protectiongroupname |
コマンドの範囲を指定します。
範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。
Global や Local などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。
保護グループを有効にしたときにデータ複製を開始しないようにします。
このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムは保護グループと同時に起動されます。
保護グループの名前を指定します。
geopg start コマンドは、scswitch -Z -g resourcegroups コマンドを使用して、リソースグループとリソースをオンラインにします。このコマンドの使用についての詳細は、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この例では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアがどのようにデータ複製の開始に使用する EMC Symmetrix Remote Data Facility コマンドを 決定するかを示します。
まず、EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを作成します。
phys-paris-1# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d srdf srdfpg |
デバイスグループ devgroup1 を保護グループに追加します。
phys-paris-1# geopg add-device-group devgroup1 srdfpg |
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループ (devgroup1) の現在の RDF ペアの状態が symrdf query コマンドの出力に次のように返されます。
phys-paris-1# symrdf -g devgroup1 query Device Group (DG) Name : devgroup1 DG's Type : RDF1 DG's Symmetrix ID : 000187401215 Source (R1) View Target (R2) View MODES -------------------------------- ------------------------ ----- ------------ ST LI ST Standard A N A Logical T R1 Inv R2 Inv K T R1 Inv R2 Inv RDF Pair Device Dev E Tracks Tracks S Dev E Tracks Tracks MDA STATE -------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------ DEV001 00E4 RW 0 36 NR 00E4 RW 36 0 S.. Split DEV002 00E5 RW 0 36 NR 00E5 RW 36 0 S.. Split DEV003 00E6 RW 0 36 NR 00E6 RW 36 0 S.. Split |
全体的なデバイスグループ状態は Split です。
次に、geopg start コマンドを使用して、保護グループ srdfpgを有効にします。
phys-paris-1# geopg start -e local srdfpg |
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは symrdf -g devgroup1 establish コマンドをデータ複製レベルで実行します。このコマンドが正常に完了した場合、symrdf query コマンドの出力に devgroup1 が次のように返されます。
phys-paris-1# symrdf -g devgroup1 query Device Group (DG) Name : devgroup1 DG's Type : RDF1 DG's Symmetrix ID : 000187401215 Source (R1) View Target (R2) View MODES -------------------------------- ------------------------ ----- ------------ ST LI ST Standard A N A Logical T R1 Inv R2 Inv K T R1 Inv R2 Inv RDF Pair Device Dev E Tracks Tracks S Dev E Tracks Tracks MDA STATE -------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------ DEV001 00E4 RW 0 0 RW 00E4 WD 0 0 S.. Synchronized DEV002 00E5 RW 0 0 RW 00E5 WD 0 0 S.. Synchronized DEV003 00E6 RW 0 0 RW 00E6 WD 0 0 S.. Synchronized DEV004 00E7 RW 0 0 RW 00E7 WD 0 0 S.. Synchronized DEV005 00E8 RW 0 0 RW 00E8 WD 0 0 S.. Synchronized DEV006 00E9 RW 0 0 RW 00E9 WD 0 0 S.. Synchronized |
この例では、保護グループをグローバルに有効化します。
# geopg start -e global srdfpg |
保護グループ srdfpg は、保護グループが構成されている両方のクラスタで有効になります。
この例では、保護グループをローカルのクラスタでのみ有効化します。このローカルクラスタは、その役割に応じ、主クラスタの場合も二次クラスタの場合もあります。
# geopg start -e local srdfpg |