この章では、EMC Symmetrix Remote Data Facility ソフトウェアを使用して、データ複製を構成する手順と管理する手順を示します。この章では、次の節について説明します。
保護グループを作成する前に、次の中から最適な方法を検討してください。
アプリケーションがオンラインの間に保護グループを作成する
この方法では、アプリケーションを停止せずに保護グループを作成できますが、複数のコマンドを実行する必要があります。
アプリケーションをオフラインにしてから、保護グループを作成する
これ以降の節では、各方法の手順について説明します。
アプリケーションリソースグループがオフラインの間に保護グループを作成するには、次の手順を実行します。
一方のクラスタのノードの 1 つで、保護グループを作成します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを作成して構成する方法」を参照してください。
この保護グループにデータ複製デバイスグループを追加します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループにデータ複製デバイスグループを追加する方法」を参照してください。
アプリケーションリソースグループをオフラインにします。
保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する方法」を参照してください。
他方のクラスタで、保護グループ構成を取得します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループ構成をパートナークラスタに複製する方法」を参照してください。
どちらか一方のクラスタから、保護グループ をグローバルに起動します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを有効にする方法」を参照してください。
アプリケーションをオフラインにすることなく新しい保護グループに既存のアプリケーションリソースグループを追加するには、アプリケーションリソースグループがオンライン状態にあるクラスタで次の手順を実行します。
クラスタノードから保護グループを作成します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを作成して構成する方法」を参照してください。
この保護グループにデータ複製デバイスグループを追加します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループにデータ複製デバイスグループを追加する方法」を参照してください。
保護グループをローカルに起動します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを有効にする方法」を参照してください。
保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する方法」を参照してください。
他方のクラスタで、次の手順を実行します。
保護グループ構成を検出します。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループ構成をパートナークラスタに複製する方法」を参照してください。
保護グループをローカルに有効にします。
詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを有効にする方法」を参照してください。
この例では、アプリケーションをオフラインにせずに保護グループを作成します。
この例では、cluster-paris クラスタ上で apprg1 リソースグループがオンライン状態にあります。
cluster-paris 上に保護グループを作成します。
phys-paris-1# geopg create -d srdf -p Nodelist=phys-paris-1,phys-paris-2 \ -o Primary -s paris-newyork-ps srdfpg Protection group "srdfpg" has been successfully created |
デバイスグループ (devgroup1) を保護グループに追加します。
phys-paris-1# geopg add-device-group devgroup1 -p CG_or_DG=DG srdfpg |
保護グループをローカルに有効にします。
phys-paris-1# geopg start -e local srdfpg Processing operation.... this may take a while... Protection group "srdfpg" successfully started. |
すでにオンライン状態になっているアプリケーションリソースグループを保護グループに追加します。
phys-paris-1# geopg add-resource-group apprg1 srdfpg Following resource groups were successfully inserted: "apprg1" |
アプリケーションリソースグループが正常に追加されたことを確認します。
phys-paris-1# geoadm status Cluster: cluster-paris Partnership "paris-newyork-ps" : OK Partner clusters : newyork Synchronization : OK ICRM Connection : OK Heartbeat "hb_cluster-paris~cluster-newyork" monitoring \ "paris-newyork-ps" OK Plug-in "ping-plugin" : Inactive Plug-in "tcp_udp_plugin" : OK Protection group "srdfpg" : Degraded Partnership : paris-newyork-ps Synchronization : OK Cluster cluster-paris : Degraded Role : Primary Configuration : OK Data replication : Degraded Resource groups : OK Cluster cluster-newyork : Unknown Role : Unknown Configuration : Unknown Data Replication : Unknown Resource Groups : Unknown |
パートナークラスタのノードの 1 つで保護グループを取得します。
phys-newyork-1# geopg get -s paris-newyork-ps srdfpg Protection group "srdfpg" has been successfully created. |
パートナークラスタで、保護グループをローカルに有効にします。
phys-newyork-1# geopg start -e local srdfpg Processing operation.... this may take a while... Protection group "srdfpg" successfully started. |
保護グループが正常に作成され有効になっていることを確認します。
cluster-paris で geoadm status コマンドを実行すると、次のように出力されます。
phys-paris-1# geoadm status Cluster: cluster-paris Partnership "paris-newyork-ps" : OK Partner clusters : newyork Synchronization : OK ICRM Connection : OK Heartbeat "hb_cluster-paris~cluster-newyork" monitoring \ "paris-newyork-ps": OK Plug-in "ping-plugin" : Inactive Plug-in "tcp_udp_plugin" : OK Protection group "srdfpg" : Degraded Partnership : paris-newyork-ps Synchronization : OK Cluster cluster-paris : Degraded Role : Primary Configuration : OK Data replication : Degraded Resource groups : OK Cluster cluster-newyork : Degraded Role : Secondary Configuration : OK Data Replication : Degraded Resource Groups : OK |
この節では、次の作業の手順について説明します。
データ複製を使用しない保護グループも作成できます。データ複製サブシステムを使用しない保護グループを作成するには、geopg コマンドを使用するときに、-d datareplicationtype オプションを省略します。geoadm status コマンドを実行すると、こうした保護グループの状態は「Degraded」と表示されます。
詳細は、「データ複製を必要としない保護グループを作成する」を参照してください。
保護グループを作成するには、次の条件が満たされているかをまず確認する必要があります。
ローカルクラスタがパートナーシップのメンバーである。
既存の保護グループとこれから作成する保護グループが重複しない。
保護グループ名は Sun Cluster Geographic Edition のグローバルネームスペース内で一意です。同じシステム上にパートナーシップが 2 つ存在する場合、これらに同じ保護グループ名を付けることはできません。
保護グループの既存の構成は、リモートクラスタからローカルクラスタに複製することもできます。詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループの構成をパートナークラスタに複製する」 を参照してください。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
geopg create コマンドを使用して、SRDF 複製を使用する新しい保護グループを作成します。
このコマンドを実行すると、ローカルクラスタのすべてのノードに、保護グループが 1 つずつ作成されます。
# geopg create -s partnershipname -o localrole -d srdf [-p property [-p...]] \ protectiongroupname |
パートナーシップの名前を指定します。
この保護グループのローカルクラスタでの役割を指定します (primary または secondary)。
EMC Symmetrix Remote Data Facility を使用して保護グループのデータを複製するように指定します。
保護グループのプロパティーを指定します。
次のプロパティーを指定できます。
Description – 保護グループについて説明する。
Timeout – 保護グループのタイムアウト間隔を秒単位で指定する。
Nodelist – 複製サブシステムの主クラスタになりえるマシンのホスト名を表示する。
Cluster_dgs – データが書き込まれるデバイスグループを表示する。
設定できるプロパティーについては、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
保護グループの名前を指定します。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。
geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
この例では、cluster-paris 上に主クラスタとして設定される EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを作成します。
# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d srdf \ -p Nodelist=phys-paris-1,phys-paris-2 srdfpg |
この例では、現在 cluster-newyork でオンラインになっているアプリケーションリソースグループ resourcegroup1 に EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループ srdfpg を作成します。
アプリケーションリソースグループを持たない保護グループを作成します。
# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d srdf \ -p nodelist=phys-paris-1,phys-paris-2 srdfpg |
保護グループを有効にします。
# geopg start -e local srdfpg |
アプリケーションリソースグループを追加します。
# geopg add-resource-group resourcegroup1 srdfpg |
Sun Cluster Geographic Edition データ複製層は、EMC Symmetrix Remote Data Facility の RDF1 および RDF2 デバイスの構成に照らして、保護グループの複製の役割を検証します。構成が一致しない場合、この検証でエラーが返されます。
Cluster_dgs プロパティーが指定されている場合、データ複製層は、指定されたデバイスグループが有効な Sun Cluster デバイスグループであるかどうかを確認します。データ複製層はまた、そのデバイスグループが有効な種類であるかどうかも確認します。
Cluster_dgs プロパティーに指定されたデバイスグループへの書き込みは、保護グループに属するアプリケーションだけに限定する必要があります。このプロパティーには、保護グループ外のアプリケーションから情報を受信するデバイスグループを指定しないでください。
Sun Cluster 複製リソースグループは、保護グループの作成時に自動的に作成されます。
このように自動的に作成される複製リソースグループは、Sun Cluster Geographic Edition 内部実装専用です。Sun Cluster コマンドを使用してこれらのリソースグループを変更する場合は注意してください。
保護グループの構成を変更する前に、変更する保護グループがローカルに存在していることを確認します。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループの構成を変更します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の全ノードの保護グループのプロパティーを変更します。パートナークラスタ上に同じ名前の保護グループが含まれている場合、このコマンドは、パートナークラスタにも新しい構成情報を伝達します。
# geopg set-prop -p property [-p...] \ protectiongroupname |
保護グループのプロパティーを指定します。
設定できるプロパティーについての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
保護グループの名前を指定します。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。
geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
この例では、例 2–2 で作成した保護グループの Timeout プロパティーを変更します。
# geopg set-prop -p Timeout=2700 srdfpg |
保護グループの検証中、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアの EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製層は次のことを検証します。
SYMCLI が Nodelist プロパティーの少なくとも 1 つのノードにインストールされています。
指定されたデバイスグループは、有効な Sun Cluster デバイスグループです。Cluster_dgs プロパティーが指定されている場合、データ複製層は scstat -D コマンドを使用します。データ複製層はまた、そのデバイスグループが有効な種類であるかどうかも確認します。
プロパティーは、保護グループに追加された各 EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループに対して有効です。
geoadm status の出力で保護グループの Configuration 状態が Error と表示された場合、geopg validate コマンドを使用して構成を検証できます。このコマンドは、保護グループとそのエンティティーの現在の状態を検査します。
保護グループとそのエンティティーが有効であれば、保護グループの Configuration 状態は OK に設定されます。構成ファイル内にエラーが見つかると、geopg validate コマンドはそのエラーについてのメッセージを表示し、構成はエラー状態にとどまります。この場合、ユーザーは構成内のエラーを修正し、geopg validate コマンドをもう一度実行できます。
検証する保護グループがローカルにあり、パートナーシップの両方のクラスタのすべてのノードで共通エージェントコンテナがオンラインであることを確認します。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループの構成を検証します。
このコマンドで検証されるのは、ローカルクラスタ上の保護グループの構成だけです。パートナークラスタ上の保護グループ構成を検証するには、次のコマンドをパートナークラスタでもう一度実行します。
# geopg validate protectiongroupname |
単一の保護グループを識別する一意の名前を指定します
This ex
この例では、保護グループを検証します。
# 6 |
保護グループをすべての場所から削除する場合、保護グループが存在する各クラスタで、geopg delete コマンドを実行する必要があります。
保護グループを削除するには、次の条件が満たされているかをまず確認する必要があります。
削除する保護グループがローカルに存在する。
パートナーシップの両方のクラスタで保護グループがオフライン状態である。
保護グループの削除中にアプリケーションリソースグループをオンライン状態に保持するには、保護グループからアプリケーションリソースグループを除去する必要があります。この手順の例については、例 2–10を参照してください。
主クラスタ (cluster-paris) のノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループを削除します。
このコマンドは、ローカルクラスタから保護グループの構成を削除します。このコマンドはまた、保護グループの各 EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの複製リソースグループも除去します。このコマンドは、EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループのペアの状態は変更しません。
# geopg delete protectiongroupname |
保護グループの名前を指定します
二次クラスタ上の保護グループも削除する場合は、手順 1 と手順 2 を cluster-newyork で繰り返します。
この例では、両方のパートナークラスタから保護グループを削除します。両方のパートナークラスタ上で保護グループがオフラインになっています。
この例では、cluster-paris が主クラスタです。クラスタ構成の例を確認するには、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition クラスタ構成の例」を参照してください。
# rlogin phys-paris-1 -l root phys-paris-1# geopg delete srdfpg # rlogin phys-newyork-1 -l root phys-newyork-1# geopg delete srdfpg |
この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1 と apprg2 をオンラインにしたまま、それらの保護グループ srdfpg を両方のパートナークラスタから削除します。保護グループからアプリケーションリソースグループを除去し、続いて保護グループを削除します。
phys-paris-1# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 srdfpg phys-paris-1# geopg stop -e global srdfpg phys-paris-1# geopg delete srdfpg phys-newyork-1# geopg delete srdfpg |
次の条件が満たされているか確認します。
ローカルクラスタがパートナーシップのメンバーである。
保護グループがまだ存在していない。
保護グループ名は Sun Cluster Geographic Edition のグローバルネームスペース内で一意です。同じシステム上にパートナーシップが 2 つ存在する場合、これらに同じ保護グループ名を付けることはできません。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
geopg create コマンドを実行して新しい保護グループを作成します。
このコマンドを実行すると、ローカルクラスタのすべてのノードに、保護グループが 1 つずつ作成されます。
# geopg create -s partnershipname -o localrole \ [-p property [-p...]] \ protectiongroupname |
パートナーシップの名前を指定します。
この保護グループのローカルクラスタでの役割を指定します (Primary または Secondary)。
保護グループのプロパティーを指定します。
次のプロパティーを設定できます。
Description – 保護グループについて説明する。
Timeout – 保護グループのタイムアウト間隔を秒単位で指定する。
Nodelist – 複製サブシステムの主クラスタになりえるマシンのホスト名を表示する。
Cluster_dgs – データが書き込まれるデバイスグループを表示する。
設定できるプロパティーについての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
保護グループの名前を指定します。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。
geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
この例では、複製されない保護グループを作成します。
# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary example-pg |
リソースグループを保護グループに追加する方法については、「EMC Symmetrix Remote Data Facility アプリケーションリソースグループの管理」を参照してください。
アプリケーションを高可用化するには、そのアプリケーションをアプリケーションリソースグループ内でリソースとして管理する必要があります。
主クラスタ上のアプリケーションリソースグループに構成するエンティティー (リソース、リソースグループ、アプリケーションリソースグループなど) は、すべて二次クラスタにも複製する必要があります。リソースグループ名は、両方のクラスタで同じにする必要があります。また、アプリケーションリソースが使用するデータは、二次クラスタに複製する必要があります。
この節では、次の作業について説明します。
「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する方法」
「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループからアプリケーションリソースグループを削除する方法」
既存のリソースグループは、保護グループのアプリケーションリソースグループのリストに追加できます。保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する前に、次の条件が満たされていることを確認してください。
保護グループが定義されている。
追加するリソースグループが両方のクラスタで存在しており、適切な状態である。
リソースグループの Auto_start_on_new_cluster プロパティーが False に設定されている。このプロパティーは、scrgadm コマンドを使用して表示できます。
# scrgadm -pvv -g apprg | grep Auto_start_on_new_cluster |
Auto_start_on_new_cluster プロパティーを False に設定することにより、Sun Cluster リソースグループマネージャーが自動的に保護グループ内のリソースグループを起動しないようにします。このため、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは再起動したあとリモートクラスタと通信して、リモートクラスタが動作し、リモートクラスタがリソースグループの二次クラスタになるようにします。Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、主クラスタのリソースグループを自動的には起動しません。
保護グループが起動している場合、アプリケーションリソースグループは主クラスタでのみオンラインにするようにしてください。
次のように、Auto_start_on_new_cluster プロパティーを False に設定します。
# scrgadm -c -g apprg1 -y Auto_start_on_new_cluster=False |
アプリケーションリソースグループは、この保護グループ外のリソースグループおよびリソースと依存関係があってはいけません。依存関係を共有する複数のアプリケーションリソースグループを追加するには、それらのアプリケーションリソースグループを単一の操作で保護グループに追加する必要があります。アプリケーションリソースグループを個別に追加した場合、その処理は失敗します。
保護グループは有効でも無効でもかまいません。また、リソースグループは Online または Offline のどちらでもかまいません。
保護グループの構成が変更されたあと、リソースグループが Offline で保護グループが Active の場合、保護グループのローカル状態は Degraded になります。
追加するリソースグループが Online で保護グループが無効である場合、要求は拒否されます。有効なリソースグループを追加する前に、保護グループを有効にする必要があります。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成情報をパートナークラスタに伝達します。
# geopg add-resource-group resourcegrouplist protectiongroup |
アプリケーションリソースグループの名前を指定します。
リソースグループは、コンマで区切って複数指定できます。
保護グループの名前を指定します。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。
ローカルクラスタで追加操作が失敗した場合、保護グループの構成は変更されません。成功した場合、Configuration 状態はローカルクラスタで OK に設定されます。
ローカルクラスタ上で Configuration 状態が OK になっていても、パートナークラスタ上で追加操作に失敗した場合、パートナークラスタ上の Configuration 状態が Error に設定されます。
保護グループに追加されたアプリケーションリソースグループは、保護グループのエンティティーとして管理されます。この結果、このアプリケーションリソースグループは、保護グループの起動、停止、スイッチオーバー、テイクオーバーなどの操作の影響を受けます。
この例では、2 つのアプリケーショングループ apprg1 と apprg2 を srdfpg に追加します。
# geopg add-resource-group apprg1,apprg2 srdfpg |
アプリケーションリソースグループの状態や内容を変えずに、アプリケーションリソースグループを保護グループから削除できます。
次の条件が満たされているか確認します。
保護グループがローカルクラスタで定義されている。
削除するリソースグループは、保護グループのアプリケーションリソースグループの一部である。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、パートナークラスタ上の保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。
# geopg remove-resource-group resourcegrouplist protectiongroup |
アプリケーションリソースグループの名前を指定します。
リソースグループは、コンマで区切って複数指定できます。
保護グループの名前を指定します。
ローカルクラスタで除去操作が失敗した場合、保護グループの構成は変更されません。成功した場合、Configuration 状態はローカルクラスタで OK に設定されます。
ローカルクラスタ上で Configuration 状態が OK になっていても、パートナークラスタ上で除去操作に失敗した場合、パートナークラスタ上の Configuration 状態が Error に設定されます。
この例では、2 つのアプリケーショングループ apprg1 と apprg2 を srdfpg から削除します。
# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 srdfpg |
この節では、EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製デバイスグループを管理する方法について説明します。内容は次のとおりです。
「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループにデータ複製デバイスグループを追加する方法」
「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループからデータ複製デバイスグループを削除する方法」
EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製保護グループについての詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを作成して構成する方法」 を参照してください。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループ内にデータ複製デバイスグループを作成します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループにデバイスグループを追加します。そして、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、その新しい構成をパートナークラスタに伝達します。
# geopg add-device-group -p property [-p...] devicegroupname protectiongroupname |
データ複製デバイスグループのプロパティーを指定します。
次の EMC Symmetrix Remote Data Facility プロパティーを指定できます。
DG_or_CG – Specifies that the device group is an EMC Symmetrix Remote Data Facility device group.
このプロパティーは DG に設定します。
R1SID – Specifies the primary (RDF1) EMC Symmetrix ID of the EMC Symmetrix devices.
データ複製層が、自動的にこのプロパティーの値を設定します。EMC Symmetrix ホストの設定を変更する場合、EMC Symmetrix デバイスの一次 (RDF1) EMC Symmetrix ID を指定するようにしてください。
R2SID – EMC Symmetrix デバイスの二次 (RDF2) EMC Symmetrix ID を指定します。
データ複製層が、自動的にこのプロパティーの値を設定します。EMC Symmetrix ホストの設定を変更する場合、EMC Symmetrix デバイスの一次 (RDF1) EMC Symmetrix ID を指定するようにしてください。
新しいデータ複製デバイスグループの名前を指定します。
新しいデータ複製デバイスグループを追加する保護グループの名前を指定します。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。
geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
|
この例では、EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製デバイスグループを srdfpg 保護グループに追加します。
# geopg add-device-group devgroup1 srdfpg |
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが保護グループに追加されると、データ複製層が次のことを検証します。
指定されたデバイスグループ名が EMC Symmetrix Remote Data Facility 構成に存在する。
複製の役割が EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループの役割に一致する。
EMC Symmetrix ソース (R1SID) および EMC Symmetrix ターゲット ( R2SID) にアクセスできる。
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが保護グループに追加されるとき、このコマンドによって、Sun Cluster データ複製リソースが自動的に作成されます。このリソースはデータ複製状態を監視します。リソースの名前は、sc_ggeo_dr-SRDF protectiongroupname- devicegroupname です。このリソースは、対応する Sun Cluster リソースグループに置かれます。このリソースグループの名前は、sc_geo_dr-SRDFprotectiongroupname です。
これらの複製リソースを Sun Cluster コマンドで変更する場合は注意する必要があります。これらのリソースは内部実装専用です。
検証のため、Sun Cluster Geographic Edition は各 EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループに、そのペアの現在の状態に従った状態を与えます。この状態は、symrdf -g dgname query コマンドにより返されます。
この節の残りの部分では、個々のデバイスグループ状態と、保護グループのローカルな役割に照らしてこれらの状態を検証する方法について説明します。
個々の EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループは、次に示す状態のいずれかになります。
Synchronized
SynInProg
Failedover
R1 Updated
R1 UpdInProg
Split
Suspended
Partitioned
Invalid
保護グループに EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループ 1 つだけが含まれている場合、全体的なデバイスグループ状態は個々のデバイスグループ状態と同じです。
次の表に、保護グループに複数の EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが含まれているときに、全体的なデバイスグループ状態を取得する方法を示します。
表 2–1 全体的なデバイスグループ状態を判断する条件
条件 |
全体的なデバイスグループ状態 |
---|---|
個々のデバイスグループの状態が Invalid の場合。 |
Invalid |
個別のデバイスグループのいずれかの状態が Partitioned で、状態が Invalid の個別のデバイスグループがない場合。 |
Partitioned |
1 つまたは複数の個別のデバイスグループの状態が Suspended で、状態が Invalid または Partitioned の個別のデバイスグループがない場合。 |
Suspended |
1 つまたは複数の個別のデバイスグループの状態が Split で、状態が Invalid、Partitioned または Suspended の個別のデバイスグループがない場合。 |
Split |
1 つまたは複数の個別のデバイスグループの状態が R1 UpdInProg で、状態が Invalid、Partitioned、Suspended または Split の個別のデバイスグループがない場合。 |
R1 UpdInProg |
1 つまたは複数の個別のデバイスグループの状態が R1 Update で、状態が Invalid、Partitioned、Suspended、Split または R1 UpdInProg の個別のデバイスグループがない場合。 |
R1 Updated |
1 つまたは複数の個別のデバイスグループの状態が Failedover で、状態が Invalid、Partitioned、Suspended、Split、R1 UpdInProg または R1 Updated の個別のデバイスグループがない場合。 |
Failedover |
1 つまたは複数の個別のデバイスグループの状態が SynInProg で、状態が Invalid、Partitioned、Suspended、Split、R1 UpdInProg、R1 Updated または Failedover の個別のデバイスグループがない場合。 |
SynInProg |
個々のデバイスグループの状態がすべて Synchronized の場合。 |
Synchronized |
リソースの状態メッセージは、RDF ペアの役割と状態を反映しています。たとえば、RDF ペアが Split 状態にある場合、リソースの状態および Faulted Split という状態メッセージが報告されます。
RDF ペアの状態は、次の表に示す関連したリソースの状態に割り当てられます。
表 2–2 RDF ペアの状態からリソースの状態への割り当て
条件 |
リソースの状態 |
状態メッセージ |
---|---|---|
RDF ペアの状態が Invalid で、ペアの状態が Incorrect Role でない場合。 |
Faulted |
Invalid state |
RDF ペアの状態が Partitioned で、ペアの状態が Incorrect Role、または Invalid でない場合。 |
Faulted |
Partitioned |
RDF ペアの状態が Suspended で、ペアの状態が Incorrect Role、Invalid、または Partitioned でない場合。 |
Faulted |
Suspended |
RDF ペアの状態が SyncInProg で、ペアの状態が Incorrect Role、Invalid、Partitioned 、または Suspended でない場合。 |
Degraded |
SyncInProg |
RDF ペアの状態が R1 UpdInProg でペアの状態が Incorrect Role、Invalid、Partitioned 、Suspended、または SyncInProg でない場合。 |
Faulted |
R1 UpdInProg |
RDF ペアの状態が Split でペアの状態が Incorrect Role、Invalid、Partitioned 、Suspended、SyncInProg、または R1 UpdInProg の場合。 |
Faulted |
Split |
RDF ペアの状態が Failed over でペアの状態が Incorrect Role、Invalid、Partitioned 、Suspended、SyncInProg、 R1 UpdInProg、または Split でない場合。 |
Faulted |
Failed over |
RDF ペアの状態が R1 Updated で、ペアの状態が Incorrect Role、Invalid、Partitioned 、Suspended、SyncInProg、 R1 UpdInProg、Split、または Failed over でない場合。 |
Faulted |
Replicating with role change |
RDF ペアの状態が Synchronized の場合。 |
Online |
Replicating |
RDF ペアの状態により、パートナーシップ内のデータ一貫性に関する可用性が決まります。主クラスタまたは二次クラスタの RDF リソースの状態が Degraded または Faulted の場合、アプリケーションがまだデータを主ボリュームから二次ボリュームに書き込みできる場合でもデータボリュームが同期されない場合があります。RDF ペアは、Partitioned 状態になり、データが主ボリュームに書き込まれると、無効なエントリがログに記録されます。エラーを解決して、データを再同期化するには、手動復旧操作が必要です。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
デバイスグループを変更します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループに存在するデバイスグループのプロパティーを変更します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成をパートナークラスタに伝達します。
# geopg modify-device-group -p property [-p...] \ srdfdevicegroupname protectiongroupname |
データ複製デバイスグループのプロパティーを指定します。
設定できるプロパティーについての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。
新しいデータ複製デバイスグループの名前を指定します。
新しいデータ複製デバイスグループを追加する保護グループの名前を指定します。
この例では、EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループの一部であるデータ複製デバイスグループの R1SID プロパティーを変更します。
# geopg modify-device-group -p R1SID=215 srdfdg srdfpg |
保護グループにデータ複製デバイスグループを追加した場合、保護グループからそのデータ複製デバイスグループを削除することがあります。通常、ディスクセットに書き込むようにアプリケーションを構成したあとでそのディスクを変更することはありません。
データ複製デバイスグループを削除しても、複製は停止せず、またデータ複製デバイスグループの複製状態は変更されません。
保護グループの削除についての詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを削除する方法」を参照してください。保護グループからのアプリケーションリソースグループの削除についての詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループからアプリケーションリソースグループを削除する方法」 を参照してください。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
デバイスグループを除去します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループからデバイスグループを除去します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成をパートナークラスタに伝達します。
# geopg remove-device-group devicegroupname protectiongroupname |
データ複製デバイスグループの名前を指定します
保護グループの名前を指定します
EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループからデバイスグループが削除されるとき、対応する Sun Cluster リソース sc_geo_dr-SRDF- protectiongroupname-devicegroupname が複製リソースグループから除去されます。結果として、それ以降、削除されたデバイスグループは監視されません。複製リソースグループは、保護グループが削除されるときに除去されます。
この例では、EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製デバイスグループ srdfdg を srdfpg 保護グループから削除します。
# geopg remove-device-group srdfdg srdfpg |
主クラスタと二次クラスタでデータ複製、リソースグループ、およびリソースを構成し、それらのエンティティーの主クラスタを構成したあと、保護グループの構成を二次クラスタに複製できます。
EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループの構成をパートナークラスタに複製する前に、次の条件が満たされていることを確認します。
保護グループが (ローカルクラスタ上ではなく) リモートクラスタで定義されている。
リモートクラスタ上の保護グループ内に存在するデバイスグループがローカルクラスタに存在している。
アプリケーションに対してシステムファイルが更新されている。
リモートクラスタ上の保護グループ内に存在するアプリケーションリソースグループがローカルクラスタに存在している。
アプリケーションリソースグループの Auto_start_on_new_cluster プロパティーが False に設定されている。このプロパティーは、scrgadm コマンドを使用して表示できます。
# scrgadm -pvv -g apprg1 | grep Auto_start_on_new_cluster |
Auto_start_on_new_cluster プロパティーを False に設定することにより、Sun Cluster リソースグループマネージャーが自動的に保護グループ内のリソースグループを起動しないようにします。このため、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは再起動したあとリモートクラスタと通信して、リモートクラスタが動作し、リモートクラスタがリソースグループの二次クラスタになるようにします。Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、主クラスタのリソースグループを自動的には起動しません。
保護グループが起動している場合、アプリケーションリソースグループは主クラスタでのみオンラインにするようにしてください。
次のように、Auto_start_on_new_cluster プロパティーを False に設定します。
# scrgadm -c -g apprg1 -y Auto_start_on_new_cluster=False |
phys-newyork-1 にログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
phys-newyork-1 は、二次クラスタ上のノードです。どのノードが phys-newyork-1 かを確認するために、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition クラスタ構成の例」を参照してください。
geopg get コマンドを使用して、保護グループの構成をパートナークラスタに複製します。
このコマンドは、リモートクラスタから保護グループの構成情報を取得して、その保護グループをローカルクラスタ上に作成します。
phys-newyork-1# geopg get -s partnershipname protectiongroup |
保護グループ構成情報を取得するべきパートナーシップの名前と、保護グループをローカルに作成するパートナーシップの名前を指定します。
保護グループの名前を指定します。
保護グループを指定しないと、リモートパートナー上の指定されたパートナーシップ内に存在するすべての保護グループがローカルクラスタ上に作成されます。
geopg get コマンドは、Sun Cluster Geographic Edition に関連するエンティティーを複製します。Sun Cluster エンティティーを複製する方法については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースグループ、リソースタイプ、およびリソースの構成データを複製およびアップグレードする」を参照してください。
この例では、srdfpg の構成を cluster-paris から cluster-newyork に複製します。
# rlogin phys-newyork-1 -l root phys-newyork-1# geopg get -s paris-newyork-ps srdfpg |
保護グループを有効にすると、その保護グループは構成時に割り当てられた役割を引き受けます。保護グループは、次のレベルで有効にできます。
グローバル – 保護グループが構成されている両方のクラスタで保護グループを有効にします
主クラスタ上だけを有効にする – 二次クラスタは無効なままです
二次クラスタ上だけを有効にする – 主クラスタは無効なままです
一方のクラスタで EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを有効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。
保護グループのデータ複製構成が検証されます。検証中、保護グループの現在のローカルの役割が EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの構成と比較されます。
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが Failedover 状態にない場合、保護グループのローカルの役割は EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの役割と一致するはずです。
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループが Failedover 状態の場合、保護グループのローカルの役割は secondary になり、EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの役割は primary のままです。
保護グループに構成されているデータ複製デバイスグループ上で、データ複製が開始されます。主クラスタと二次クラスタのどちらで保護グループを有効にしたのかは関係ありません。データは必ず保護グループのローカルの役割が primary であるクラスタから保護グループのローカルの役割が secondary であるクラスタに複製されます。
アプリケーションの処理が行われるのは、データ複製が正常に開始されたあとだけです。
保護グループを有効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。
主クラスタで保護グループが有効になった場合、保護グループに構成されているアプリケーションリソースグループも起動されます。リソースグループをオンラインにするには、主クラスタ上で次の Sun Cluster コマンドを使用します。
# scswitch -Z -g rglist |
二次クラスタで保護グループが有効になった場合、アプリケーションリソースグループは起動されません。リソースグループは、管理されない状態に置かれます。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループを有効にします。
保護グループを有効にすると、そのアプリケーションリソースグループもオンラインになります。
# geopg start -e scope [-n] protectiongroupname |
コマンドの範囲を指定します。
範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。
Global や Local などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。
保護グループを有効にしたときにデータ複製を開始しないようにします。
このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムは保護グループと同時に起動されます。
保護グループの名前を指定します。
geopg start コマンドは、scswitch -Z -g resourcegroups コマンドを使用して、リソースグループとリソースをオンラインにします。このコマンドの使用についての詳細は、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この例では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアがどのようにデータ複製の開始に使用する EMC Symmetrix Remote Data Facility コマンドを 決定するかを示します。
まず、EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを作成します。
phys-paris-1# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d srdf srdfpg |
デバイスグループ devgroup1 を保護グループに追加します。
phys-paris-1# geopg add-device-group devgroup1 srdfpg |
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループ (devgroup1) の現在の RDF ペアの状態が symrdf query コマンドの出力に次のように返されます。
phys-paris-1# symrdf -g devgroup1 query Device Group (DG) Name : devgroup1 DG's Type : RDF1 DG's Symmetrix ID : 000187401215 Source (R1) View Target (R2) View MODES -------------------------------- ------------------------ ----- ------------ ST LI ST Standard A N A Logical T R1 Inv R2 Inv K T R1 Inv R2 Inv RDF Pair Device Dev E Tracks Tracks S Dev E Tracks Tracks MDA STATE -------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------ DEV001 00E4 RW 0 36 NR 00E4 RW 36 0 S.. Split DEV002 00E5 RW 0 36 NR 00E5 RW 36 0 S.. Split DEV003 00E6 RW 0 36 NR 00E6 RW 36 0 S.. Split |
全体的なデバイスグループ状態は Split です。
次に、geopg start コマンドを使用して、保護グループ srdfpgを有効にします。
phys-paris-1# geopg start -e local srdfpg |
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは symrdf -g devgroup1 establish コマンドをデータ複製レベルで実行します。このコマンドが正常に完了した場合、symrdf query コマンドの出力に devgroup1 が次のように返されます。
phys-paris-1# symrdf -g devgroup1 query Device Group (DG) Name : devgroup1 DG's Type : RDF1 DG's Symmetrix ID : 000187401215 Source (R1) View Target (R2) View MODES -------------------------------- ------------------------ ----- ------------ ST LI ST Standard A N A Logical T R1 Inv R2 Inv K T R1 Inv R2 Inv RDF Pair Device Dev E Tracks Tracks S Dev E Tracks Tracks MDA STATE -------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------ DEV001 00E4 RW 0 0 RW 00E4 WD 0 0 S.. Synchronized DEV002 00E5 RW 0 0 RW 00E5 WD 0 0 S.. Synchronized DEV003 00E6 RW 0 0 RW 00E6 WD 0 0 S.. Synchronized DEV004 00E7 RW 0 0 RW 00E7 WD 0 0 S.. Synchronized DEV005 00E8 RW 0 0 RW 00E8 WD 0 0 S.. Synchronized DEV006 00E9 RW 0 0 RW 00E9 WD 0 0 S.. Synchronized |
この例では、保護グループをグローバルに有効化します。
# geopg start -e global srdfpg |
保護グループ srdfpg は、保護グループが構成されている両方のクラスタで有効になります。
この例では、保護グループをローカルのクラスタでのみ有効化します。このローカルクラスタは、その役割に応じ、主クラスタの場合も二次クラスタの場合もあります。
# geopg start -e local srdfpg |
保護グループは、次のレベルでアクティブ化を解除できます。
グローバル – 保護グループが構成されている両方のクラスタで保護グループを無効にします。
主クラスタ上だけを無効にする – 二次クラスタは有効なままです。
二次クラスタ上だけを無効にする – 主クラスタでは有効なままです。
一方のクラスタで EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループを無効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。
保護グループのデータ複製構成が検証されます。検証中、保護グループの現在のローカルの役割が、デバイスグループの全体的な状態と比較されます。検証が成功した場合、データ複製が停止されます。
データ複製が停止されるのは、保護グループに構成されているデータ複製デバイスグループです。主クラスタと二次クラスタのどちらで無効にしたのかは関係ありません。
保護グループを無効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。
主クラスタで保護グループが無効になった場合、保護グループに構成されているすべてのアプリケーションリソースグループが停止され、管理の対象から外されます。
二次クラスタで保護グループが無効になった場合、二次クラスタのリソースグループは影響を受けません。保護グループに構成されているアプリケーションリソースグループは、主クラスタの有効状態によって、主クラスタで有効なままである場合もあります。
データの複製を停止する EMC Symmetrix Remote Data Facility コマンドは、EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループの RDF 状態によって異なります。
次の表に、これらの要因の考えられる組み合わせごとに、データ複製の開始に使用する EMC Symmetrix Remote Data Facility コマンドを示します。
表 2–3 EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製の停止に使用するコマンド
全体的なデバイスグループ状態 |
保護グループの有効なローカルな役割 |
EMC Symmetrix Remote Data Facility コマンド |
---|---|---|
Split、Suspended、Partitioned、 または Failover |
primary または secondary |
複製されるデータがないため、コマンドは実行されません。 |
Synchronized または R1Updated |
primary または secondary |
symrdf split コマンドが実行されます。 |
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループを無効にします。
主クラスタ上の保護グループを無効にすると、そのアプリケーションリソースグループもオフラインになります。
# geopg stop -e scope [-D] protectiongroupname |
コマンドの範囲を指定します。
範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。この範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。
Global や Local などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。
データ複製だけを停止して保護グループをオンラインにしたままにすることを指定します。
このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムと保護グループは両方とも停止されます。
保護グループの名前を指定します。
この例では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアがどのようにデータ複製の停止に使用する EMC Symmetrix Remote Data Facility コマンドを 決定するかを示します。
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループ (devgroup1) の現在の状態が symrdf query コマンドの出力に次のように返されます。
phys-paris-1# symrdf -g devgroup1 query Device Group (DG) Name : devgroup1 DG's Type : RDF1 DG's Symmetrix ID : 000187401215 Source (R1) View Target (R2) View MODES -------------------------------- ------------------------ ----- ------------ ST LI ST Standard A N A Logical T R1 Inv R2 Inv K T R1 Inv R2 Inv RDF Pair Device Dev E Tracks Tracks S Dev E Tracks Tracks MDA STATE -------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------ DEV001 00E4 RW 0 0 RW 00E4 WD 0 0 S.. Synchronized DEV002 00E5 RW 0 0 RW 00E5 WD 0 0 S.. Synchronized DEV003 00E6 RW 0 0 RW 00E6 WD 0 0 S.. Synchronized DEV004 00E7 RW 0 0 RW 00E7 WD 0 0 S.. Synchronized DEV005 00E8 RW 0 0 RW 00E8 WD 0 0 S.. Synchronized DEV006 00E9 RW 0 0 RW 00E9 WD 0 0 S.. Synchronized |
デバイスグループ devgroup1 を保護グループに追加します。
phys-paris-1# geopg add-device-group -p DG_or_CG=DG devgroup1 srdfpg |
次に、geopg stop コマンドを使用して、保護グループ srdfpを無効にします。
phys-paris-1# geopg stop -s local srdfpg |
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは symrdf -g devgroup1 split コマンドをデータ複製レベルで実行します。
このコマンドが成功した場合、symrdf query コマンドの出力に devgroup1 の状態が次のように表示されます。
phys-paris-1# symrdf -g devgroup1 query Device Group (DG) Name : devgroup1 DG's Type : RDF1 DG's Symmetrix ID : 000187401215 Source (R1) View Target (R2) View MODES -------------------------------- ------------------------ ----- ------------ ST LI ST Standard A N A Logical T R1 Inv R2 Inv K T R1 Inv R2 Inv RDF Pair Device Dev E Tracks Tracks S Dev E Tracks Tracks MDA STATE -------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------ DEV001 00E4 RW 0 0 NR 00E4 RW 0 0 S.. Split DEV002 00E5 RW 0 0 NR 00E5 RW 0 0 S.. Split DEV003 00E6 RW 0 0 NR 00E6 RW 0 0 S.. Split DEV004 00E7 RW 0 0 NR 00E7 RW 0 0 S.. Split DEV005 00E8 RW 0 0 NR 00E8 RW 0 0 S.. Split DEV006 00E9 RW 0 0 NR 00E9 RW 0 0 S.. Split |
この例では、保護グループを全クラスタで無効化します。
# geopg stop -e global srdfpg |
この例では、保護グループをローカルのクラスタで無効化します。
# geopg stop -e local srdfpg |
この例では、両方のパートナークラスタのデータ複製のみを停止します。
# geopg stop -e local -D srdfpg |
このコマンドを実行したあと、保護グループとその基盤であるデータ複製サブシステムの両方を無効にすることを管理者が決定した場合、-D オプションを指定せずにこのコマンドをもう一度実行できます。
# geopg stop -e local srdfpg |
この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1 と apprg2 をオンラインにしたまま、それらの保護グループ srdfpg を両方のクラスタで無効にします。
保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。
# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 srdfpg |
保護グループを無効にします。
# geopg stop -e global srdfpg |
ローカル保護グループの構成情報は、パートナークラスタから取得した構成情報と再同期させることができます。保護グループを再同期させる必要があるのは、geoadm status コマンドを実行した結果、保護グループの Synchronization 状態が Error になっている場合です。
たとえば、クラスタの起動後に保護グループの再同期が必要となることがあります。詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「クラスタの起動」を参照してください。
保護グループを再同期させると、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアに関連するエンティティーだけが更新されます。Sun Cluster のエンティティーを更新する方法については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースグループ、リソースタイプ、およびリソースの構成データを複製およびアップグレードする」を参照してください。
geopg update コマンドを実行するクラスタでは、保護グループを無効にする必要があります。保護グループの無効化についての詳細は、「EMC Symmetrix Remote Data Facility 保護グループの無効化」を参照してください。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループを再同期させます。
このコマンドにより、ローカルクラスタ上のローカルの Sun Cluster Geographic Edition 構成情報がパートナークラスタから取得される構成情報と同期化されます。
# geopg update protectiongroupname |
保護グループの名前を指定します
この例では、保護グループを同期化します。
# geopg update srdfpg |
複製の状態は、全体的な状態も、EMC Symmetrix Remote Data Facility 複製リソースグループの詳しい実行時状態も取得できます。この節では、各状態を検査する手順について説明します。
各 EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製リソースの状態は、特定のデバイスグループにおける複製の状態を示します。保護グループ内のすべてのリソースの状態は、複製状態としてまとめられます。この複製状態は、保護グループ状態の 2 つ目の構成要素です。保護グループの状態については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアの実行時状態の監視」を参照してください。
複製の全体的な状態を確認するには、次の手順で説明している方法で保護グループの状態を表示します。
保護グループが定義されているクラスタのノードの 1 つにアクセスします。
この手順を行うには、Basic Solaris User RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
複製の実行時状態を検査します。
# geoadm status |
複製情報の出力の保護グループセクションを参照してください。このコマンドで表示される情報は次のとおりです。
ローカルクラスタがパートナーシップに参加できるように有効になっているかどうか
ローカルクラスタがパートナーシップに参加しているかどうか
ハートビート構成の状態
定義されている保護グループの状態
現在進行しているトランザクションの状態
EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループごとに、データ複製の実行時状態を検査します。
# scstat -g | grep SRDF | grep pgname |
検査するデータ複製デバイスグループの Status フィールドと Status Message フィールドを参照してください。
これらのフィールドについては、表 2–4 を参照してください。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは内部的に、保護グループごとに複製リソースグループを 1 つ作成し、保持します。複製リソースグループの名前の書式は次のとおりです。
# sc_geo_dr-SRDF-protectiongroupname |
保護グループに EMC Symmetrix Remote Data Facility デバイスグループを追加する場合、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアはデバイスグループごとにリソースを 1 つ作成します。このリソースは、そのデバイスグループの複製の状態を監視します。各リソースの名前の書式は次のとおりです。
# sc_geo_dr-SRDFprotectiongroupname-srdfdevicegroupname |
このデバイスグループの複製の状態は、このリソースの Status と Status Message を表示することで監視できます。scstat -g コマンドを使用して、リソースの状態および状態メッセージを表示します。
次の表に、EMC Symmetrix Remote Data Facility 複製リソースグループの State が Online のときに scstat -g コマンドが返す Status と Status Message の値を示します。
表 2–4 EMC Symmetrix Remote Data Facility 複製リソースグループがオンラインになっているときの状態と状態メッセージ
状態 |
状態メッセージ |
---|---|
オンライン |
Replicating |
縮退 |
一時停止中 |
縮退 |
SyncInProg |
障害発生 |
Incorrect role |
障害発生 |
Invalid state |
障害発生 |
Partitioned |
障害発生 |
R1 UpdInProg |
障害発生 |
分割 |
障害発生 |
Failed over |
これらの値についての詳細は、EMC Symmetrix Remote Data Facility のマニュアルを参照してください。
scstat コマンドについては、 scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。