この節では、N1TM Service Provisioning System (N1 SPS) と N1 System Manager (N1 SM) の両方を同じシステムにインストールする場合の問題の回避策について説明します。
N1 SPS マスターサーバーと N1 SM 管理サーバーのデフォルトのインストールスクリプトを使用して両方のアプリケーションを同じシステムにインストールすることはできません。
両方のアプリケーションを同じシステムにインストールするには、N1 SPS マスターサーバーを別のルートディレクトリにインストールするように、マスターサーバーのインストールスクリプトを変更します。この回避策を使用するには、次の手順に従います。
N1SM 管理サーバーと N1 SPS マスターサーバーの両方をホストするシステムに、N1 SPS OS プロビジョニングプラグインをインストールしないでください。
N1 SM 管理サーバーをインストールします。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 インストールおよび構成ガイド』を参照してください。
N1 SM 管理サーバーシステムにスーパーユーザーとしてログインします。
N1 SPS マスターサーバーの適切なインストールスクリプトをシステムにコピーします。
N1 SPS のディストリビューションから cr_ms_solaris_x86_pkg_5.2.sh または cr_ms_solaris_sparc_pkg_5.2.sh のいずれかをコピーします。
必要な場合は、Korn シェルのセッションを開始します。
# ksh |
次の内容の aliases.sh というシェルスクリプトファイルを作成します。
#!/bin/ksh alias -x pkgadd='pkgadd -R $NEW_PKG_ROOT' alias -x pkginfo='pkginfo -R $NEW_PKG_ROOT' alias -x pkgparam='pkgparam -R $NEW_PKG_ROOT'
N1 Service Provisioning System のインストール用に新しいルートディレクトリを作成します。
# mkdir -p alternate-root-path |
N1 SPS のインストールスクリプトで使用するルートディレクトリの値をエクスポートします。
# export NEW_PKG_ROOT=alternate-root-path |
前の手順で、alternate-root-path には、N1 SPS マスターサーバーをインストールするルートディレクトリを指定します (たとえば root1)。このルートディレクトリには N1 SPS マスターサーバーのパッケージ用の新しいパッケージリポジトリが配置されます。
opt ディレクトリから、新しいルートディレクトリ内の opt ディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。
# ln -s /opt alternate-root-path/opt |
N1 SPS マスターサーバーのデフォルトのインストールスクリプトの前に aliases.sh スクリプトを付加することで新しいインストールスクリプトを作成します。次に例を示します。
# cat aliases.sh cr_ms_solaris_x86_pkg_5.2.sh > new_ms_installer.sh |
新しいインストールスクリプトを実行して N1 SPS マスターサーバーをインストールします。
# ./new_ms_installer.sh |
インストーラの質問に回答します。
インストール時には、次の制限事項を考慮してください。
マスターサーバーのインストールディレクトリを指定するよう求められたら、/opt 以下の新しいサブディレクトリを入力します。N1 SM によってインストールされるマスターサーバーの上書きを防ぐには、この新しいサブディレクトリには、N1 SM によってインストールされるマスターサーバーのインストールディレクトリとは異なるディレクトリを指定する必要があります。たとえば、手順 7 で /opt から /root1/opt へのシンボリックリンクを作成した場合、インストール時に /opt/ms1 をインストールディレクトリとして指定すると、新しい N1 SPS マスターサーバーが /root1/opt/ms1 にインストールされます。
マスターサーバーで使用するポートを選択するときは、N1 SM のマスターサーバーで使用されるポートとは異なるポートを指定する必要があります。
N1 SPS のインストール方法については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』を参照してください。
インストールが完了したら、N1 SPS マスターサーバーのスクリプトがあるディレクトリに移動します。次に例を示します。
# cd /root1/opt/ms1/N1_Service_Provisioning_System_5.2/server/bin |
N1 SPS マスターサーバーのアンインストールスクリプトのバックアップコピーを作成します。
# cp cr_uninstall_ms.sh cr_uninstall_ms.sh.backup |
cr_uninstall_ms.sh.backup スクリプトを編集して、新しいルートディレクトリに対してパッケージ操作を行うようにします。スクリプトの変更は、次のように sed コマンドを使用して行うことができます。
# /usr/bin/sed -e 's!pkginfo!& -R '${NEW_PKG_ROOT}'!g' \ -e 's!pkgrm!& -R '${NEW_PKG_ROOT}'!g' \ -e 's!pkgparam!& -R '${NEW_PKG_ROOT}'!g' \ cr_uninstall_ms.sh.backup > cr_uninstall_ms.sh |
アンインストールスクリプトのバックアップコピーを削除します。
# rm cr_uninstall_ms.sh.backup |
N1 SPS マスターサーバーをアンインストールするには、この、変更した cr_uninstall_ms.sh スクリプトを使用します。
新しいルートディレクトリは削除しないでください。このディレクトリは、N1 SPS マスターサーバーをアンインストールするときに必要です。