Sun N1 Grid Engine 6.1 インストールガイド

データベースサーバーとスプールホスト

Berkeley DB スプールデータベースには、マスターホストの構成と状態情報を格納できます。このスプールデータベースは、マスターサーバー上か、独立したホスト上に配置できます。マスターホストのローカルディレクトリに Berkeley DB をスプールすると、パフォーマンスが向上します。シャドウマスターホストを設定する場合は、独立した Berkeley DB スプールサーバー (ホスト) を使用する必要があります。この場合、RPC サービスが構成されたホストを選択してください。マスターホストは、RPC を介して Berkeley DB に接続します。

この構成では、高可用性 (HA) ソリューションは得られません。たとえば、保留中のジョブのスクリプトは BDB スプールサーバーでスプールされないので、シャドウマスターで利用できないためです。

SolarisTM 10 オペレーティングシステムでは NFS4 ソフトウェアが採用されたため、ネットワークファイルシステム (NFS) で Berkeley DB スプールを使用できます。以前のバージョンの NFS では Berkeley DB スプールを使用できませんでした。このことから、追加の Berkeley DB スプールサーバーを用意しなくても、シャドウホストを Berkeley DB にスプールすることができます。


注 –

シャドウマスターホストは信頼性の面で優れていますが、独立した Berkeley DB スプールホストを使用するので、潜在的なセキュリティホールが存在します。Berkeley DB による RPC 通信は、外部からの脅威に対して脆弱です。ユーザーのサイトが安全で、ユーザーが Berkeley DB スプールホストに TCP/IP 経由でアクセスできる信頼されたユーザーである場合以外は、この方法を選択するべきではありません。


Berkeley DB スプール方式をシャドウマスターなしで利用する場合、別途スプールサーバーを用意する必要はありません。また、Berkeley DB 以外のスプール方式を使用する場合は、別のスプールサーバーを用意せずにシャドウマスターホストを設定できます。

独立したスプールサーバーが必要かどうかを決定したら、スプールディレクトリの場所も決定する必要があります。スプールサーバーに対してローカルなスプールディレクトリを指定してください。スプールディレクトリのデフォルトの場所は、インストール時に推奨値として表示されます。ただし、ファイルサーバーがマスターホストと異なる場合、このデフォルトの値は適切ではありません。

次に、Berkeley DB スプールホストの要件を示します。この要件は、マスターホストの要件とよく似ています。