Sun N1 Grid Engine 6.1 ユーザーズガイド

対話型ジョブの発行

ユーザーが直接入力を行い、ジョブの結果に影響を与える場合は、 バッチジョブの代わりに対話型ジョブを発行すると便利です。このような場面は、X ウィンドウアプリケーションや、さらに処理を進めるためにユーザーが結果をすぐに解釈しなければいけないタスクなどで一般的に見られます。

対話型ジョブは、次の 3 つの方法で作成できます。

対話型ジョブのデフォルト処理は、バッチジョブの処理とは異なります。発行時に実行できなかった場合、対話型ジョブはキューには入れられません。ジョブがキューに入れられないということは、ジョブの発行時に対話型ジョブを振り分ける適切なリソースが十分なかったということです。クラスタが現在ビジー状態になっている場合は、ユーザーに通知が行われます。

このデフォルト動作は、qsh qlogin、および qrsh-now no オプションで変更できます。このオプションを使用すると、対話型ジョブはバッチジョブのようにキューに入れられます。また、-now yes オプションを使用して、qsub で発行されたバッチジョブを対話型ジョブのように処理することもできます。この場合のバッチジョブはすぐに実行のために振り分けられるか、拒否されます。


注 –

対話型ジョブは、INTERACTIVE タイプのキュー内でのみ実行されます。詳細は、『Sun N1 Grid Engine 6.1 管理ガイド』「キューの構成」を参照してください。


次の節では、qlogin qsh 機能の使用方法について説明します。qrsh コマンドは、「透過的なリモート実行」のより広い文脈で説明します。

QMON による対話型ジョブの発行

QMON から発行できる対話型ジョブは、Grid Engine システムが選択したホストで xterm を発行するジョブだけです。

「Interactive」アイコンが表示されるまで、「Submit Job」ダイアログボックスの右側の「Submit」ボタンの上にあるボタンをクリックします。これにより、対話型ジョブを発行するための「Submit Job」ダイアログボックスの準備が整えられます。図 3–8図 3–9 を参照してください。

ダイアログボックスの選択オプションの意味と使用方法は、「バッチジョブの発行」のバッチジョブの説明と同じです。違いは、対話型ジョブには適用されない入力フィールドがグレー表示になっていることです。

図 3–8 「Interactive Submit Job」ダイアログボックス、「General」タブ

図 3–9 「Interactive Submit Job」ダイアログボックス、「Advanced」タブ

qsh による対話型ジョブの発行

qsh は、qsub と非常に似ています。qsh は、いくつかの qsub オプション、および呼び出される xterm の表示を指示する追加オプション -display をサポートしています。詳細は、 qsub(1) のマニュアルページを参照してください。

qsh で対話型ジョブを発行するには、次のようなコマンドを入力します。


% qsh -l arch=solaris64

このコマンドは、使用可能な任意の Sun Solaris 64 ビットオペレーティングシステムのホストで xterm を開始します。

qlogin による対話型ジョブの発行

端末または端末エミュレーションで qlogin コマンドを使用して、Grid Engine システムの制御下で対話セッションを開始します。

qlogin で対話型ジョブを発行するには、次のようなコマンドを入力します。


% qlogin -l star-cd=1,h_cpu=6:0:0

このコマンドは、負荷の少ないホストを特定します。ホストには、有効な Star-CD ライセンスがあります。また、ホストには、最低 6 時間のハード CPU 時間制限を持つキューが 1 つ以上あります。


注 –

Grid Engine システムによって使用されるように設定されているリモートログイン機能によっては、ログインプロンプトでユーザー名、パスワード、またはこの両方を入力しなければならない場合があります。