プロジェクトは、複数のユーザーの共同計算タスクをまとめる手段となります。またプロジェクトは、そのようなプロジェクトに属するすべてのジョブに対してリソース使用ポリシーを定義します。
プロジェクトは、次の 3 つのスケジューリングポリシーの領域で使用されます。
共有ベース – プロジェクトに配分が割り当てられます (「共有ベースポリシーの構成」を参照)
機能 – プロジェクトは一定の割合の機能チケットを受け取ります (「機能ポリシーの構成」 を参照)
優先 – 管理者によってプロジェクトに優先チケットが付与されます (「優先ポリシーの構成」 を参照)
これらの 3 つのポリシーでプロジェクトを使用するには、前もってプロジェクトを宣言する必要があります。
Grid Engine システムの管理者は、プロジェクトに名前を付け、いくつかの属性を設定することによってプロジェクトを定義します。Grid Engine のユーザーは、ジョブの発行時に、ジョブをプロジェクトに関連付けることができます。共有ベース、機能、優先チケットのプロジェクトの配分に応じて、プロジェクトへのジョブの関連付けは、ジョブの振り分けに影響します。
Grid Engine システムの管理者は、「Project Configuration」ダイアログボックスを使用して、プロジェクトを定義し、定義を更新することができます。
プロジェクトを定義するには、「QMON Main Control」ウィンドウで「Project Configuration」ボタンをクリックします。 「Project Configuration」ダイアログボックスが表示されます。
現在定義されているプロジェクトは、「Projects」リストに表示されます。
選択したプロジェクトのプロジェクト定義が「Configuration」の下に表示されます。
プロジェクトをただちに削除するには、プロジェクトを選択してから「Delete」をクリックします。
新しいプロジェクトを追加するには「Add」をクリックします。プロジェクトを変更するには、プロジェクトを選択してから「Modify」をクリックします。「Add」または「Modify」をクリックすると、「Add/Modify Project」ダイアログボックスが開きます。
選択したプロジェクトの名前が「Name」フィールドに表示されます。プロジェクトにより、プロジェクトへのアクセスが許可または拒否されているユーザーのアクセスリストが定義されます。
「User Lists」の下のアクセスリストに含まれているユーザーは、プロジェクトにアクセスするアクセス権を持っています。「Xuser Lists」の下のアクセスリストに含まれているユーザーは、プロジェクトへのアクセスを拒否されます。詳細については「ユーザーの構成」を参照してください。
両方のリストが空である場合、すべてのユーザーがプロジェクトにアクセスできます。「User Lists」と「Xuser Lists」の両方に関連付けられている、異なるアクセスリストに含まれるユーザーは、プロジェクトへのアクセスを拒否されます。
「User Lists」または「Xuser Lists」にアクセスリストを追加したり、いずれかのリストからアクセスリストを削除することができます。このためには、「User Lists」または「Xuser Lists」の右側のボタンをクリックします。
「Select Access Lists」ダイアログボックスが表示されます。
「Select Access Lists」ダイアログボックスには、「Available Access Lists」の下で現在定義されているすべてのアクセスリストが表示されます。ダイアログボックスの「Chosen Access Lists」の下には、関連付けられているリストが表示されます。一方のリストでアクセスリストを選択できます。赤い矢印を使用すると、一方のリストからもう一方のリストにアクセスリストを起動できます。
変更を保存するには「OK」をクリックし、ダイアログ ボックスを閉じます。変更を保存せずにダイアログボックスを閉じるには、「Cancel」をクリックします。
コマンド行からプロジェクトを構成するには、適切なオプションを使用して、次のコマンドを入力します。
# qconf オプション |
次のオプションを使用できます。
-aprj オプション (プロジェクトの追加) を使用すると、エディタでテンプレートプロジェクト構成が開かれます。project(5) のマニュアルページを参照してください。このエディタは、デフォルトの vi エディタか、EDITOR 環境変数により指定されたエディタのいずれかです。 変更を保存してエディタを終了すると、変更は sge_qmaster に登録されます。
-Aprj オプション (ファイルからのプロジェクトの追加) を使用すると、指定したファイルが解析され、新しいプロジェクト構成が追加されます。このファイルは、プロジェクト構成テンプレートの形式を有する必要があります。
qconf -dprj project-name[,...]
-dprj オプション (プロジェクトの削除) を使用すると、1 つ以上のプロジェクトが削除されます。
-mprj オプション (プロジェクトの変更) を使用すると、既存のユーザーエントリを変更できます。このオプションにより、プロジェクト構成がエディタに読み込まれます。このエディタは、デフォルトの vi エディタか、EDITOR 環境変数により指定されたエディタのいずれかです。 変更を保存してエディタを終了すると、変更は sge_qmaster に登録されます。
-Mprj オプション (ファイルからのプロジェクトの変更) を使用すると、指定したファイルが解析され、既存のプロジェクト構成が変更されます。このファイルは、プロジェクト構成テンプレートの形式を有する必要があります。
-sprj オプション (プロジェクトの表示) を使用すると、特定のプロジェクトの構成が表示されます。
-sprjl オプション (プロジェクトリストの表示) を使用すると、現在定義されているすべてのプロジェクトのリストが表示されます。