Sun N1 Grid Engine 6.1 管理ガイド

優先チケットの共有

管理者は、優先カテゴリのさまざまなメンバー、つまり個別ユーザー、プロジェクト、部署、またはジョブにチケットを割り当てます。その結果、カテゴリメンバーに割り当てられたチケットの数が、そのカテゴリメンバーの下でジョブに割り当てられるチケットの数を決定します。たとえば、ユーザー A に割り当てられたチケットの数は、ユーザー A のすべてのジョブに割り当てられるチケットの数を決定します。


注 –

ジョブカテゴリに割り当てられたチケットの数は、そのカテゴリのジョブに割り当てられるチケットの数を決定しません。


sched_conf(5) の share_override_tickets パラメータを設定するには、「Share Override Tickets」チェックボックスを使用します。このパラメータは、カテゴリメンバーのチケット値からどのようにジョブチケット値が得られるかを制御します。「Share Override Tickets」チェックボックスを選択すると、カテゴリメンバーのチケットは、このメンバーの下でジョブに均等に分配されます。「Share Override Tickets」チェックボックスをクリアすると、各ジョブは、カテゴリメンバーに対して定義されているチケット量を継承します。すなわち、カテゴリメンバーのチケットが、そのジョブのすべてのジョブに繰り返されます。

優先ポリシーにより分配される合計チケット量を制御するには、「Share Override Tickets」チェックボックスを選択します。この設定を使用すると、多くのジョブが 1 つのカテゴリメンバーの支配下にある場合、ジョブに割り当てられるチケットの量は無視できるほど少なくなります。たとえば、多くのジョブがユーザーカテゴリの 1 メンバーに属する場合、チケット量は減少する場合があります。

そのほかのポリシーと優先カテゴリに使用可能なチケットプールを基準とした各ジョブの重要性を制御するには、「Share Override Tickets」チェックボックスをクリアします。この設定を使用すると、カテゴリメンバーの支配下にあるジョブの数は重要ではなくなります。そのジョブは常に同じ数のチケットを取得します。ただし、優先チケットを受け取る権利を持つジョブの数が大きくなるにつれ、システム内の優先チケットの合計数は大きくなります。このような場合、そのほかのポリシーは 重要性を喪失することがあります。