重大なエラー状態が発生した場合に、問題の特定に十分な情報がエラー記録機構によって生成されないことがあります。このため、Grid Engine システムには、ほぼすべての補助プログラムとデーモンをデバッグモードで実行する機能が用意されています。デバッグのレベルは、提供される情報の量および深さに応じて異なります。デバッグのレベルは、0 から10 の範囲で、10 はもっとも詳細な情報を提供するレベル、0 はデバッグ無効です。
デバッグレベルを設定するため、Grid Engine システムの配布には、ユーザーの .cshrc または .profile リソースファイルに対する拡張が用意されています。csh または tcsh のユーザーには、ファイル sge-root/util/dl.csh が含まれています。sh または ksh のユーザーに対応するファイルの名前は sge-root/ util/dl.sh です。標準のリソースファイルに、これらのファイルを取り込む必要があります。csh または tcsh のユーザーの場合は、.cshrc ファイルに次の行を含めます。
source sge-root/util/dl.csh |
sh または ksh のユーザーの場合は、.profile ファイルに次の行を含めます。
. sge-root/util/dl.sh |
いったんログアウトして、ログインし直すと、次のコマンドを使用してデバッグレベルの level を設定できるようになります。
% dl level |
level が 0 より大きい場合、Grid Engine システムのコマンドを開始すると、トレース出力が STDOUT に書き込むようコマンドに強制します。このトレース出力には、警告メッセージ、ステータスメッセージ、エラーメッセージばかりでなく、内部的に呼び出されたプログラムモジュール名が含まれます。メッセージには、ユーザーが指定するデバッグレベルに応じて、エラーの報告に役立つ行番号情報も含まれます。
デバッグトレースを監視するには、大きなサイズのスクロール行バッファーを持つウィンドウを使用する必要があります。たとえば、1000 行のスクロール行バッファーを使用します。
ウィンドウが xterm の場合、 xterm のログ記録機構を使用してあとでトレース出力を調べることができます。
デバッグモードで Grid Engine システムデーモンの 1 つを実行すると、デーモンが端末接続を維持して、トレース出力を書き出します。こうした端末接続は、使用している端末エミュレーションの割り込み文字を入力することによって打ち切ることができます。たとえば、Control-C などを使用します。
デバッグモードを無効にするには、デバッグレベルを 0 に戻します。
sgedbwriter スクリプトは、dbwriter プログラムを開始します。このスクリプトの位置は、sge_root /dbwriter/bin/sgedbwriter です。sgedbwriter スクリプトは、dbwriter の構成ファイルである dbwriter.conf を読み取ります。この構成ファイルの位置は、sge_root/cell /common/dbwriter.conf です。この構成ファイルは、dbwriter のデバッグレベルを設定します。たとえば、次のように指定します。
# # Debug level # Valid values: WARNING、INFO、CONFIG、FINE、FINER、FINEST、ALL # DBWRITER_DEBUG=INFO |
dbwriter コマンドの –debug オプションを使用すると、dbwriter により作成されるメッセージの数を変更できます。通常は、デフォルトのデバッグレベル info を使用する必要があります。より詳細なデバッグレベルを使用する場合は、dbwriter により出力されるデータ量を大幅に増やします。
次のデバッグレベルを指定できます。
重大なエラーと警告のみが表示されます。
情報メッセージの数が追加されます。info はデフォルトのデバッグレベルです。
たとえば規則の処理に関する、dbwriter 構成に関連する追加の情報が得られます。
さらに多くの情報が作成されます。このデバッグレベルを選択すると、dbwriter により実行されるすべての SQL 文が出力されます。
デバッグ用に使用します。
デバッグ用に使用します。
すべてのレベルの情報を表示します。デバッグ用に使用します。