Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

エージェントレイヤーのリソース

高度な管理および 監視機能を確立するには、ネットワーク内のすべての管理対象ノードに Sun Management Center 4.0 エージェントをインストールする必要があります。Sun Management Center エージェントは、Solaris 8、Solaris 9、または Solaris 10 オペレーティングシステムが動作するすべてのSPARC プラットフォームワークステーションおよびサーバーでサポートされます。Sun Management Center エージェントはまた、Solaris オペレーティングシステム (Solaris 9 または Solaris 10) の x86 プラットフォーム版もあり、Linux でも使用できます。

x86 エージェントの制限事項


注 –

Linux エージェントにも、同じ制限が適用されます。


X86 構成リーダーを除く x86 エージェントは、特定のハードウェア専用のアドオンをサポートしません。x86 エージェントのホストの「詳細」ウィンドウの「モジュールブラウザ」タブには、「オペレーティングシステム」、「ローカルアプリケーション」、および「リモートシステム」カテゴリがあります。x86 プラットフォームでは、物理表示、論理表示、ハードウェア診断モジュール、および構成リーダーモジュールは利用できません。

Java コンソールウィンドウでは、すべての x86 プラットフォームが同じ x86 アイコンになります。たとえば、Sun Cobalt LX50 と Sun Fire V60x という異なる 2 つの x86 プラットフォームでもアイコンは同じです。

検出機能、ジョブの管理機能、または PRM アドオンを使用すると、フィルタでプラットフォームの種類を選別することができます。x86 プラットフォームで選別するには、プラットフォームオプションとして x86 を選択します。

Performance Reporting Manager (PRM) アドオンの場合、システムレポートとハードウェア構成レポートは利用できません。

CPU リソース

Sun Management Center エージェントがホストシステムに与える演算負荷は、最低限のものです。演算負荷は、定期的なデータ収集、アラーム規則の処理、アラーム予告、アラームアクションの実行、クライアント要求の処理といった通常の管理オペレーションによって引き起こされます。

負荷の量は、データの収集の頻度、収集されるデータ量、検出されるアラームの数、ユーザー要求の数などに比例します。したがって、消費される CPU リソースの割合は、システムに読み込まれるモジュールの数と種類、これらのモジュールの構成、およびホストシステムの演算能力によって決まります。

総合的なモジュールセットが読み込まれた、管理処理の多いローエンドマシンの場合でも、エージェントは CPU リソースのごく一部しか消費しません。

軽い構成は、次のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

次の表に、軽い構成でのエージェントのCPU とRAMの概算使用量を示します。

表 C–1 SPARC の場合のエージェントの CPU と RAM の概算使用量 (軽い構成)

マシン 

メモリー (M バイト) 

CPU (%) 

常駐セットサイズ (M バイト) 

仮想メモリー (M バイト) 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

小 

0.4 

0.4 

0.4 

0.3 

0.3 

0.3 

7.46 

7.46 

7.46 

9.17 

9.17 

9.17 

中 

0.2 

0.2 

0.2 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

7.38 

7.43 

7.43 

9.12 

9.17 

9.17 

大 

0.1 

0.1 

0.1 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

7.62 

7.68 

7.68 

9.34 

9.40 

9.40 

超大 

0.1 

0.1 

0.1 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

7.82 

8.08 

8.12 

9.40 

9.59 

9.62 

CMT (T2000) 

0.1 

0.1 

0.1 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

8.44 

8.44 

8.44 

9.43 

9.43 

9.43 

表 C–2 x86 の場合のエージェントの CPU と RAM の概算使用量 (軽い構成)

マシン 

メモリー (M バイト) 

CPU (%) 

常駐セットサイズ (M バイト) 

仮想メモリー (M バイト) 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

小 

0.6 

0.6 

0.6 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

6.10 

6.21 

6.22 

7.69 

7.76 

7.76 

中 

0.2 

0.2 

0.2 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

6.25 

6.25 

6.25 

7.80 

7.80 

7.80 

大 

0.2 

0.2 

0.2 

< 0.1 

< 0.1 

< 0.1 

6.19 

6.29 

6.29 

7.76 

7.82 

7.82 

重い構成は、次のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

  • エージェント統計情報

  • データロギングレジストリ

  • 状態モニター

  • カーネルリーダー

  • MIB-II 計測

  • MIB-II プロキシ監視

  • Solaris プロセス詳細

  • 構成リーダー

  • ディレクトリサイズ監視

  • ファイルスキャン

  • スクリプト起動用ウィンドウ

  • スクリプトリポジトリ

  • サービス管理機能

構成が重いサーバーは、必要以上の規模となる可能性があります。マシンのサイズが大きいほど一般にプロセッサとディスクが増え、ハードウェア構成が大きくなります。これらの構成では、大規模マシンで動作するエージェントのメモリー消費量が多大なものとなります。重い構成には、さまざまなユーザー定義のカスタムモジュールを含めることができます。

次の表に、重い構成でのエージェントの CPU と RAM の概算使用量をシステム別に示します。

表 C–3 SPARC の場合のエージェントの CPU と RAM の概算使用量 (重い構成)

マシン 

メモリー (M バイト) 

CPU (%) 

常駐セットサイズ (M バイト) 

仮想メモリー (M バイト) 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

小 

1.0 

1.0 

1.0 

1.2 

1.24 

1.4 

19.15 

19.15 

19.15 

21.68 

21.68 

21.68 

中 

0.5 

0.5 

0.6 

< 0.1 

0.66 

1.3 

20.93 

20.95 

20.96 

23.60 

23.61 

23.61 

大 

0.2 

0.2 

0.2 

0.1 

0.12 

0.2 

19.13 

19.16 

19.20 

21.88 

21.88 

21.88 

超大 

0.1 

0.1 

0.1 

0.1 

0.1 

0.1 

23.97 

23.99 

24.00 

26.38 

26.38 

26.38 

CMT (T2000) 

0.3 

90.35 

0.4 

0.1 

0.19 

0.3 

22.42 

24.41 

26.53 

23.69 

25.74 

27.79 

表 C–4 x86 の場合のエージェントの CPU と RAM の概算使用量 (重い構成)

マシン 

メモリー (M バイト) 

CPU (%) 

常駐セットサイズ (M バイト) 

仮想メモリー (M バイト) 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

最小値 

平均値 

最大値 

小 

1.3 

1.4 

1.4 

0.1 

0.1 

0.1 

13.40 

13.76 

13.79 

16.60 

16.96 

17.00 

中 

0.4 

0.4 

0.4 

0.1 

0.2 

0.3 

14.25 

14.43 

14.45 

17.33 

17.50 

17.52 

大 

0.4 

0.4 

0.4 

< 0.1 

0.06 

0.1 

13.97 

14.81 

14.89 

17.00 

17.82 

17.90 

仮想メモリー要件

エージェントが使用する仮想メモリーは、いくつかの要因によって決まります。とりわけ重要なのは、読み込まれる管理モジュールの数と、それらのモジュールによって監視される情報の量です。1 つのエージェントに多数のモジュールを読み込む場合は、必要となるメモリーが増えます。同様に、大規模ディスクアレイを始めとする拡張性の高い資産を抱えるホストを管理するエージェントの場合、より多くの仮想メモリーを必要とします。これは、エージェントを通して渡される管理情報の量が増えるためです。

一般に、デフォルトの管理モジュールセットが読み込まれたベースエージェントはサイズが 10M バイト未満であり、物理メモリー内に常駐させる必要があるのは、10M バイトのうちのわずか 50 から 60% です。

ハードウェア固有モジュールの可用性

Sun Management Center 管理モジュールのほとんどは、Sun Management Center エージェントを使用したあらゆる SPARC プラットフォームシステム間で移植できます。しかし、ハードウェア固有の高度な Sun Management Center モジュールの中には一部の Sun ハードウェアでサポートされていないものがあります。たとえば、プラットフォームに付属の構成リーダーモジュールや動的再構成 (DR) モジュールはそのハードウェアプラットフォームを管理する高度な機能を提供しますが、それらのモジュールの機能が Sun 製品ファミリ内のあらゆるハードウェアシステムに適用できるとはかぎりません。

次の表に、各ハードウェア プラットフォームにおける Sun Management Center 管理モジュールの可用性を簡単に示します。

表 C–5 ハードウェア固有モジュールの可用性

ハードウェア 

構成リーダーモジュール 

動的再構成 (DR) モジュール 

その他のすべての Sun Management Center モジュール 

SPARCStation 1/2/5/10/20 

不可 

不可 

可能 

Sun Ultra 1/450 

可能 

不可 

可能 

Sun Enterprise 5/10/150、Sun Fire 280R、Sun Fire V480 

可能 

不可 

可能 

SPARCserver 1000/1000E 

可能 

不可 

可能 

SPARCcenter 2000/2000E 

可能 

不可 

可能 

Netra T1120 〜 1125/T1400 〜 T1405 

可能 

不可 

可能 

Sun Blade 100/1000/1500/2500 

可能 

不可 

可能 

Sun Fire 3800/4800/4810/6800/V210/ V240/V250/V440/V880/E25K/E20K/E6900/E4900 

可能 

可能 

可能 

管理モジュールのリソース

管理モジュールのリソース要件は、次の要因によって決まります。

次の表に、Sun Management Center 管理モジュールのリソース影響について概要を示します。

表 C–6 Sun Management Center 管理モジュールのシステムに対する影響

モジュール 

影響 

エージェント統計情報

フットプリントと CPU 負荷にわずかな増大を引き起こす 

構成リーダー

管理対象ノードのハードウェア構成の複雑さに応じて CPU とメモリーを使用する 

データロギングレジストリ

ログ化されるデータ値の量に応じて、フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

ディレクトリサイズ監視

監視対象のディレクトリの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視対象となるディレクトリの数とそれらのディレクトリ内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

動的再構成 (DR) 

フットプリントに対する影響がわずかであり、再構成処理を実施する場合のみ CPU を利用する 

ファイル監視

監視対象となるファイルの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視されるファイルの数とそれらのファイル内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

ファイルスキャン (システムログ)

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

状態モニター

リソースに対する影響が比較的小さい 

HP JetDirect

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

IPv6 計測

ネットワークインタフェースの数に応じ、CPU 負荷のわずかな増大と、 低から中程度のフットプリント増大を引き起こす 

カーネルリーダー

管理対象であるファイルシステムや CPU などのシステムリソースの数と、この情報の更新頻度に応じ、CPU とメモリーに影響を与える。Simple Kernel Reader よりも多くのリソースを消費する 

カーネルリーダー (簡易) 

CPU とメモリーにわずかな影響を与える 

MIB-II 計測

ネットワークインタフェースの数、経路テーブル、ARP テーブル、および関連するシステムテーブルのサイズに応じ、わずかな CPU 負荷と低から中程度のフットプリント増大を引き起こす 

MIB-II プロキシ監視 

プロキシで監視された SNMP エージェントの MIB サイズに応じ、中程度のフットプリント増大を引き起こす。プロキシで監視された SNMP エージェント内の管理対象オブジェクトの数に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

MIB-II システム (簡易)

CPU 負荷はほとんど起きず、フットプリントはシステムインタフェース、IP 転送、および IP アドレステーブルのサイズに応じてごくわずか増大する 

NFS ファイルシステム

ホストマシンにマウントされているネットワークファイルシステムの数に応じてフットプリントのわずかな増大を引き起こす。CPU 負荷はわずかである 

NFS 統計情報

フットプリントのわずかな増大と低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

印刷スプーラ

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

Solaris プロセス監視

監視対象のプロセスの数に応じ、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視対象のプロセスの数とプロセスの開始と停止の頻度に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす