Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

付録 B コマンド行によるアンインストール、インストール、およびセットアップ

この付録では、コマンド行インタフェースを使用して Sun Management Center のアンインストール、インストール、およびセットアップを行う方法について説明します。

この付録の内容は次のとおりです。

Sun Management Center のアンインストール

この節では、es-uninst のオプションの概要と、es-uninst コマンド行スクリプトを使用して Solaris システムから Sun Management Center をアンインストールする方法について説明します。

es-uninst のオプション

es-uninst コマンドの構文は次のとおりです。

es-uninst [ -f | -F | -X | -h | -v ]

次の表に、es-uninst コマンドのパラメータを示します。

表 B–1 es-uninst のオプション

オプション 

説明 

-F

ユーザーに確認を求めることなく、実行中の Sun Management Center プロセスを停止せずに、インストールされている Sun Management Center をすべてアンインストールします。 

このオプションは、Sun Management Center プロセスを停止する間に呼び出される実行プログラムが想定されている場所に存在しない場合だけ使用してください。 

たとえば、Sun Management Center がインストールされたあとでオペレーティング環境を Solaris 8 リリースから Solaris 9 リリースにアップグレードした場合、動的に生成されるパスの一部が不正確になります。この場合、このオプションはアンインストールの処理時にエラーを表示しません。 

-f

ユーザーに確認を求めることなく、インストールされている Sun Management Center をすべてアンインストールします。 

-h

es-uninst のオプションを表示します。

-v

冗長モードを使用してアンインストールを実施します。 

-X

ユーザーとの対話なしで Sun Management Center をアンインストールします。すべてのプロセスが停止され、続いてインストールされている Sun Management Center コンポーネントのすべて (データベースおよびアドオンを含む) が削除されます。構成データの保存はできません。 

Sun Management Center Versions 3.6.x のアンインストール

インストールされている Sun Management Center 3.6.x 全体をアンインストールするには、そのバージョンに付属している es-uninst コマンドを使用します。Sun Management Center 3.6.xes-uninst コマンドには、Sun Management Center の構成データをバックアップするためのオプションも用意されています。構成データをバックアップするよう選択した場合、Sun Management Center 4.0 インストールプロセスによってバックアップデータが検出され、そのデータを新しいインストールに適用するかどうかの問い合わせがあります。

次に説明するように、Sun Management Center 3.6.x は、es-uninst コマンド行スクリプトを使用してアンインストールできます。


注 –

Sun Management Center 3.6.x がインストールされている場合、Sun Management Center 4.0 のインストールプロセスは、es-uninst アンインストールスクリプトを自動的に実行します。Sun Management Center 3.6.xes-uninst アンインストールスクリプトは、新バージョンの Sun Management Center 4.0 インストールで使用できるように、旧バージョンの構成データをバックアップするかどうかを問い合わせます。



注意 – 注意 –

(Solaris 10 のみ) 大域ゾーンから Sun Management Center 4.0 をアンインストールすると、疎ルートゾーン内のエージェントデータが失われます。


Procedure es-uninst を使用して Sun Management Center 3.6.x をアンインストールする

次の手順では、Sun Management Center がデフォルトのディレクトリ /opt にインストールされていることを選定にしています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。

  1. Sun Management Center 3.6.x サーバーがインストールされているマシンに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center 3.6.x をアンインストールするには、次のコマンドを入力します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-uninst
    
    • Sun Management Center 3.6.x のアンインストールの場合、ユーザーデータと構成データを保存するかを確認するメッセージが表示されます。手順 6 に進みます。

    • Sun Management Center 4.0 のアンインストールの場合は、既存の製品の一覧が表示されます。

  3. アンインストールする Sun Management Center 4.0 製品を選択します。

    • 製品とすべてのアドオンをアンインストールする場合は、y を入力します。

      すべての Sun Management Center 製品がアンインストールされることが通知され、選択を変更するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます。

    • 1 つ以上のアドオンをアンインストールする場合は、n と入力します。

  4. アンインストールする Sun Management Center 4.0 アドオン製品を選択します。

    システムにインストールされているアドオンごとに、そのアドオンをアンインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。

    インストールされているアドオンをアンインストールする場合は y、残す場合は n を入力します。

    選択を終了したところで、アンインストールの対象として選択した製品の一覧が表示され、選択内容を変更するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  5. 必要に応じ選択内容を変更します。

    • 選択を変更する場合は y を入力します。インストールされている製品の一覧が再度表示され、アンインストールの選択処理が繰り返されます。

    • アンインストール処理を継続する場合は n を入力します。ユーザーデータと構成データを保存するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  6. 必要に応じて、Sun Management Center のユーザーデータと構成データを保存します。


    注意 – 注意 –

    n を入力すると、現在の Sun Management Center のユーザーデータと構成データ (データベースを含む) が削除されます。また、セキュリティーキーが上書きされるため、すべてのエージェントを正しく稼働させるためには、それらのエージェントをすべてセットアップし直す必要があります。


    • 以降のインストールまたはアップグレード用に管理ドメイン構成と /var/opt/SUNWsymon 内の独自のアラーム設定を残す場合は、y を入力します。

    • 既存のデータベースを破棄する場合は、n を入力します。

    アンインストールを継続するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  7. インストールプロセスを実行します。

    • 選択した製品をアンインストールする場合は、y を入力します。

      選択した製品がアンインストールされます。es-uninst の処理が完了すると、コマンドプロンプトに戻ります。

    • 選択した製品をアンインストールしない場合は、n を入力します。

      es-uninst スクリプトが終了して、コマンドプロンプトに戻ります。

es-inst による Sun Management Center のインストール

この節では、es-inst スクリプトを使用して Solaris または Linux システムに製品をインストールする方法を説明します。インストールでは、コンソールレイヤー、サーバーレイヤー、およびエージェントレイヤーを個別にインストールすることも、まとめてインストールすることもできます。また、インストールする機能固有のアドオン製品を選択することもできます。インストールプロセスが完了すると、ベースコンポーネントとアドオンコンポーネントのセットアップを行えるセットアップスクリプト es-setup が実行されます。


注 –

Linux には、エージェントおよびコンソールレイヤーをインストールできます。es-inst を使用した遠隔インストールはできません。


es-inst のオプション

es-inst コマンドの構文は次のとおりです。

es-inst [-S dir][-T dir][-R dir][-C file][-A file][avh]

次の表に、es-inst のパラメータを示します。

表 B–2 es-inst のオプション

オプション 

パラメータ 

説明 

-A

filename

指定された構成ファイル filename を使用して自動インストールを実行します。—C と同時に指定された場合、このオプションは無視されます。

-C

filename

インストール時とセットアップ時に入力する構成データを保存するファイルを指定します。このファイルは、引き続いて行われる自動インストールで使用されます。 

-R

/path/remote-machine

ローカルマシンの root ログインアカウントから NFS 読み書きが可能な遠隔マシンに Sun Management Center をインストールします。

「遠隔マシンへのインストール」を参照してください。

-S

directory

ソースディレクトリを指定します。 

-T

directory

ターゲットディレクトリを指定します。 

-a

 

エージェントのみの製品インストールを実行します。agent-update.bin を使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新する」を参照してください。

-h

 

es-inst のオプション一覧を表示します。

-v

 

詳細ログを使用した冗長モードでインストールを実行します。 

ハンズフリーインストール

Sun Management Center 4.0 は、自動 (ブーム) インストールをサポートしています。ハンズフリーインストールでは、製品のインストール時に何の入力も求められません。es-inst -B コマンドを使用して、サーバーコンポーネントとエージェントコンポーネントの両方をインストールできます。2 つの応答ファイル default-agent-install.ascii default-server-install.ascii に、ハンズフリーインストールに必要なデフォルトのパラメータ値が含まれます。default-agent-install.ascii ファイルにはエージェントインストール用のデフォルト値、default-server-install.ascii ファイルにはサーバーインストール用のデフォルト値がそれぞれ含まれます。

ネットワーク上のメディアイメージディレクトリから Sun Management Center をインストールする場合、応答ファイルは /net/ machine/disk1/sbin ディレクトリにあるとみなされます。必要に応じて、応答ファイルのコピーを作成し、パラメータ値を変更できます。ハンズフリーインストールを実行するには、次の手順を行います。

  1. root としてログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。

    es-inst -B filename

次に、各引数について説明します。

たとえば、es-inst -B default-agent-install.ascii のように指定します。


注 –

ハンズフリーインストールは、Solaris プラットフォームでのみ行うことができます。


ローカルマシンへのインストール

このインストール作業は、ネットワーク上のイメージディレクトリから Sun Management Center をインストールすることを前提にしています。詳細は、「DVD インストールイメージの作成」を参照してください。この手順ではまた、es-inst パラメータは 1 つも指定しません。

Procedurees-inst スクリプトを使用してインストールする

  1. Sun Management Center をインストールするマシンに root としてログインします。

  2. /etc/nsswitch.conf ファイル内の group エントリの最初のトークンが files であることを確認します。


    group: files nis
  3. Sun Management Center installation disk 1 の sbin ディレクトリに移動します。

    • ディスクからのインストールの場合は、/DiskMountDir/sbin ディレクトリに移動します。

      選択した内容によっては、インストールの作業中にディスクを入れ替えるように求めるメッセージが表示される場合があります。

    • イメージからのインストールの場合は、/image-dir/disk1/sbin ディレクトリに移動します。ここで、image-dir は、インストールイメージをコピーしたディレクトリ、または Web からインストールイメージをダウンロードして展開したディレクトリです。

  4. es-inst インストールスクリプトを実行します。


    #./es-inst
    
    • システムに旧バージョンの Sun Management Center がインストールされていない場合は、ターゲットディレクトリの入力を求めるメッセージが表示されます。手順 7 に進みます。

    • システムに旧バージョンの Sun Management Center がインストールされている場合は、そのバージョンの Sun Management Center をアンインストールするかどうかの問い合わせがあります。

  5. 旧バージョンをアンインストールします。

    旧バージョンをアンインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。旧バージョンをアンインストールしないと、Sun Management Center 4.0 のインストールは行えません。

    • 旧バージョンをアンインストールしない場合は、n または q を入力します。システムプロンプトに戻ります。

    • 旧バージョンをアンインストールする場合は、y を入力します。

      以前にインストールされている Sun Management Center のデータを移行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  6. 旧バージョンのデータを移行します。

    以前にインストールした Sun Management Center の管理ドメインの構成データ、独自のアラーム設定、およびスクリプトを保存して、新しくインストールする Sun Management Center 4.0 に適用できます。このデータは、/var/opt/SUNWsymon に保存されます。

    • 旧バージョンの Sun Management Center のデータを保存して移行する場合は、y を入力します。

      インストールプロセスによって、動作中のすべての Sun Management Center プロセスが停止されます。データが /var/opt/SUNWsymon.bak に保存されます。

    • 旧バージョンの Sun Management Center のデータをすべて廃棄する場合は、n を入力します。

      保存する独自のスクリプトがある場合は、すべて移動するよう注意が促されます。


      注意 – 注意 –

      Sun Management Center 4.0 で使用する独自のスクリプトが /var/opt/SUNWsymon 下のディレクトリにある場合は、別にそれらの場所を移動してから、手順 5 に進みます。


    インストールプロセスは旧バージョンの Sun Management Center の es-uninst スクリプトを実行して、旧バージョンの Sun Management Center をアンインストールします。


    注 –

    インストール処理にかかる時間は、旧バージョンでインストールされている製品とアドオンに応じて異なります (数分〜 30 分)。

    アンインストールプロセス中、パッケージの削除が失敗したことを示すメッセージが表示されることがあります。これらのメッセージは無視してかまいません。当初は削除されなかったパッケージが存在していたとしても、アンインストールプロセスによってあとで削除されます。


    アンインストールプロセスが完了すると、Sun Management Center をインストールするディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。

  7. Sun Management Center をインストールするディレクトリの名前を入力します。

    デフォルトの場所は /opt です。

    Sun Management Center ソフトウェアは、必要となる最小のディスク容量が確保できれば、システム上の任意の場所にインストールできます。デフォルトの場所の /opt を使用する場合は、Return キーを押します。/opt 以外のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリ名を入力します。


    ヒント –

    マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量は、コマンド df -ak で表示できます。


  8. インストールする Sun Management Center コンポーネントレイヤーを選択します。

    レイヤーごとに、y または n を入力するよう求められます。次に例を示します。


        インストールする Sun Management Center 4.0 のコンポーネントを選択してください:
        3 つのコンポーネントが選択可能です:
        Server コンポーネントをインストールしますか (y|n|q)  y 
            注: エージェントコンポーネントは自動的にインストールされます。
        Console コンポーネントをインストールしますか (y|n|q)  y 
      
    

    注 –

    「サーバー」を選択すると、「エージェント」が自動的に選択されます。


    • 「サーバー」を選択するか、あるいは「サーバー」、「エージェント」、および「コンソール」を選択すると、サーバーレイヤーのバイナリコードライセンスが表示されます。手順 9 に進みます。

    • 「コンソール」を選択するか、あるいは「エージェント」と「コンソール」を選択すると、「言語サポートを選択」メッセージが表示されます。 手順 10 に進みます。

    • 「エージェント」だけを選択すると、「アドオン製品を選択」メッセージが表示されます。手順 11 に進みます。

  9. サーバーレイヤーのバイナリコードライセンスに目を通します。

    ライセンス条項の内容をよくお読みください。インストールを継続するには、ライセンス条項に同意する必要があります。

    ライセンス条項に同意して継続する場合は y、インストールを中止する場合は n を入力します。

    • 有効なバージョンの JDK がインストールされていない場合は、必要なバージョンを知らせるメッセージが表示されます。インストールプロセスを終了して、システムプロンプトに戻ります。インストールプロセスが終了して、システムプロンプトが表示されます。

    • ライセンス条項に同意すると、有効なバージョンの JDK の有無がチェックされます。有効な JDK バージョンがインストールされている場合は、追加言語サポートを選択するように求めるメッセージが表示されます。


    注 –

    サーバーレイヤーのインストールを選択した場合は、Sun Management Center Web サーバーとオンラインヘルプもインストールされます。


  10. 追加の言語で製品をインストールする場合は、その追加言語を選択します。

    • ほかの言語サポートをインストールする場合は、y を入力します。

      言語ごとに、y または n を入力するよう求められます。

    • ほかの言語サポートをインストールしない場合は、n を入力します。

    言語の選択が完了すると、インストールプロセスによってアドオン製品がチェックされます。

  11. Sun Management Center アドオン製品を選択します。

    各アドオン製品の名前が表示され、その製品をインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。その製品をインストールする場合は y、インストールしない場合は n を入力します。

    • 一部のアドオンは プラットフォームに固有です。各アドオンについては、Sun Management Center リリースキットに付属しているプラットフォーム別の追補マニュアル、および Sun Management Center の Web サイト (http://www.sun.com/solaris/sunmanagementcenter/) を参照してください。

    • 一部アドオンには、オプションのコンポーネントがあります。利用できるオプションのアドオンコンポーネントが存在する場合は、それらのコンポーネントが 1 つずつ示されます。そのオプションコンポーネントをインストールする場合は y、インストールしない場合は n と入力します。

    アドオン製品を 1 つも選択しなかった場合は、継続するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y を入力して操作を続けます。ディスク容量がチェックされます。手順 14 に進みます。

    アドオンを選択した場合は、その選択内容が表示されます。

  12. 選択した内容を確認します。

    継続する場合は y、選択を繰り返す場合は n を入力します。

    • コンポーネントの選択でエージェントだけ (つまり、エージェントとコンソール) 選択し、かつ、任意のアドオン製品を選択した場合は、ディスク容量がチェックされます。手順 14 に進みます。

    • コンポーネントを選択するときにサーバーを選択し、かつ、次に示すアドオンのどれかを選択した場合は、アドオン製品のバイナリコードライセンスが表示されま す。手順 13 に進みます。

      • Advanced System Monitoring

      • Performance Reporting Manager

      • Service Availability Manager

      • Solaris Container Manager

      • System Reliability Manager

    • 上記のアドオン製品をどれも選択せずにほかのアドオン製品を選択した場合は、ディスク容量がチェックされます。手順 14 に進みます。

  13. アドオン製品のバイナリコードライセンスを確認します。

    アドオン製品のバイナリコードライセンスをよく読んでください。インストールを継続するには、ライセンス条項に同意する必要があります。

    ライセンスに同意する場合は y、インストールを終了する場合は n と入力します。

    y と入力してライセンスに同意し、追加アドオンコンポーネントを選択しなかった場合は、ディスク容量のチェックが行われます。

  14. ディスク容量を確認します。

    選択された製品のインストールに必要なディスク容量があるかチェックされます。

    • 十分なディスク容量がある場合は、選択した製品がインストールされます。


      注 –

      インストールは、選択された製品に応じて数分から 30 分、またはそれ以上かかる可能性があります。


      インストールが完了すると、インストールされた製品の一覧が表示され、Sun Management Center コンポーネントをセットアップするかどうかの問い合わせがあります。手順 16 に進みます。

    • ディスク容量が十分でない場合は、代わりのファイルシステムを指定するように求められます。空き容量と必要となる容量が表示されます。

  15. 十分なディスク容量のある別のファイルシステムの名前を指定します。

    別のファイルシステムの入力を求めるプロンプトで、空き領域を十分に確保できるファイルシステムとディレクトリの名前を入力します。


    ヒント –

    マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量を表示するには、Sun Management Center をインストールするマシンの端末ウィンドウで、df -ak と入力してください。


    ディスク容量が再度チェックされます。十分なディスク容量がある場合は、選択した製品がインストールされます。


    注 –

    インストールは、選択された製品に応じて数分から 30 分、またはそれ以上かかる可能性があります。


    インストールが完了すると、インストールされた製品の一覧が表示され、Sun Management Center コンポーネントをセットアップするかどうかの問い合わせがあります。

  16. インストールされた製品のセットアップを行うかどうかを決定します。

    Sun Management Center と選択したアドオン製品をセットアップする場合は y、いったん終了してセットアップ作業をあとで行う場合は n と入力します。


    注意 – 注意 –

    es-inst コマンドを使用して、アドオン製品だけインストールした場合は、n を入力して、インストールおよびセットアッププロセスを終了します。この場合は、es-setup を使用してアドオン製品をセットアップする」の手順に従ってアドオン製品のセットアップを行なってください。この作業を怠るとセキュリティーキーが上書きされるため、すべてのマシンのすべてのエージェントを正しく稼働させるためには、それらのエージェントの再セットアップが必要になります。


遠隔マシンへのインストール

ここでは、 es-inst コマンドを使用して、Sun Management Center 4.0 を Network File System アクセス可能な (NFS マウントされた) 遠隔マシンにインストールする手順について説明します。この手順では、ネットワーク上のイメージディレクトリから Sun Management Center をインストールすることを前提にしています。詳細は、「DVD インストールイメージの作成」を参照してください。

遠隔マシンに Sun Management Center をインストールするには、ソフトウェアをインストールする前に、その遠隔マシンの準備作業を行う必要があります。また、ローカルマシンが Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合は、パッチをインストールする必要があります (pkgadd のパッチをインストールする」を参照)。

ここで説明する作業では、例として次のマシン名が使用されています。


注 –

遠隔マシンが Solaris 10 マシンである場合は、遠隔インストールはできません。


Procedurepkgadd のパッチをインストールする

ローカルマシンが Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合は、OS バージョン専用の pkgadd パッチがローカルにインストールされている必要があります。このパッチをあらかじめインストールしてから、ローカルマシンを使用して遠隔マシンに Sun Management Center 4.0 をインストールする必要があります。

ローカルマシンが Solaris 9 リリースを使用している場合、パッチのインストールは必要ありません。「遠隔マシンを準備する」に進みます。

  1. ローカルマシンに root としてログインします。

  2. OS のパッチレベルが最新であるかどうかを確認します。

    パッチがすでにインストールされているかどうかを確認するには、コマンド showrev -p | grep patchnum を使用します。patchnum には、必要な OS パッチを次のように指定します。

    • Solaris 8 リリース: 110934

    たとえば、ローカルマシンが Solaris 8 リリースを使用している場合は次のように入力します。


    admin-host# showrev -p | grep 110934
    admin-host# 

    上記の例では、パッチはインストールされません。パッチのダウンロードとインストールは、 手順 3 に示す方法で行う必要があります。

    パッチがインストールされていると、次のような一覧が表示されます。


    admin-host# showrev -p | grep 110934
    Patch: 110934-13 Obsoletes: Requires: Incompatibles: 
    Packages: pkgtrans, pkgadd, pkgchk

    ローカルマシンで動作している Solaris に必要なパッチがすでにインストールされている場合は、「遠隔マシンを準備する」に進みます。

  3. 必要に応じ OS パッチをインストールします。

    1. http://www.sunsolve.sun.com から必要なパッチをダウンロードします。

    2. ダウンロードした tar 形式のパッチアーカイブファイルを展開し、zip ファイルをさらに展開します。

    3. patchadd コマンドを使用してパッチをインストールします。

Procedure遠隔マシンを準備する

  1. 遠隔マシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center データベースアクセスグループとユーザーアカウントを作成します。

    1. groupadd コマンドを使用し、アクセスグループ smcdbg を作成します。


      remote# /usr/sbin/groupadd smcdbg
      
    2. /var/opt/SUNWsymon ディレクトリを作成します。

      このディレクトリは、データベースユーザーアカウントが置かれる場所です。


      remote# mkdir -p /var/opt/SUNWsymon
      
    3. useradd コマンドを使用してデータベースユーザーアカウント smcdbu を作成し、続いてこのユーザーアカウントをグループ smcdbg に追加します。


      remote# /usr/sbin/useradd \
      ...-d /var/opt/SUNWsymon/smcdbu \
         -m -g smcdbg -s /bin/sh smcdbu
      
  3. NFS デーモン mountd を停止します。


    remote# /etc/init.d/nfs.server stop
    
  4. 遠隔ホスト上の /etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。

    次の行を追加します。

    share —F nfs —o rw=admin-host,root=admin-host /

    admin-host は、遠隔ホストに対して Sun Management Center をインストールするマシンの名前です。

    たとえば、遠隔ホスト名が remote-server で、この遠隔ホストに Sun Management Center をインストールするために使用するマシンの名前が adminserver の場合、remote-server 上の /etc/dfs/dfstab ファイルのエントリは次のようになります。

    share —F nfs —o rw=adminserver,root=adminserver

    遠隔マシンの dfstab ファイル内のこのエントリは、マシン adminserver にログインしたルートユーザーアカウントにだけ遠隔の読み取り権限および書き込み権限を与えます。

  5. /etc/dfs/dfstab を保存して閉じます。

  6. NFS デーモン mountd を起動します。


    remote# /etc/init.d/nfs.server start
    
  7. 遠隔マシンで稼働している Solaris のバージョンを確認します。


    remote# /usr/bin/uname -r
    

    遠隔ホストへの Sun Management Center のインストールの場合、es-inst スクリプトによって遠隔ホストで稼働している Solaris のバージョンの入力を求められます。

  8. 遠隔ホストマシンのタイプを確認します。

    遠隔ホストへの Sun Management Center のインストールの場合、es-inst スクリプトによって遠隔マシンタイプの入力を求められます。

    遠隔ホストマシンの es-inst が必要とするこの情報は、次のコマンドで生成できます。


    remote# /usr/platform/platform/sbin/prtdiag | /usr/bin/head -1 \
          | /usr/bin/cut -f2 -d:
    

    platform は、コマンド uname -i の出力です。

    次に例を示します。


    remote# /usr/bin/uname -i
    SUNW,Ultra
    remote# /usr/platform/SUNW,Ultra/sbin/prtdiag 
      | /usr/bin/head -1 | /usr/bin/cut -f2 -d:
    Sun Microsystems  sun4u Sun Ultra UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333 MHz)

    ヒント –

    遠隔ホストマシンタイプの情報をローカルホスト上の一時ファイルにコピーしてください。コピーしておくことで、es-inst が遠隔ホストマシンタイプの入力を求める際にその情報をペーストできます。


  9. 遠隔マシンからログオフします。

    以上の操作が終わると、次に示された方法で遠隔ホストに Sun Management Center をインストールできるようになります。

Procedure遠隔マシンに Sun Management Center をインストールする

  1. ローカルマシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center installation disk 1 sbin ディレクトリに移動します。

    • ディスクからのインストールの場合は、/cDiskMountDir/sbin ディレクトリに移動します。

      選択した内容によっては、インストールの作業中にディスクを入れ替えるように求めるメッセージが表示される場合があります。

    • イメージからのインストールの場合は、/ image-dir/disk1/sbin ディレクトリに移動します。ここで、image-dir は、インストールイメージをコピーしたディレクトリ、または Web からインストールイメージをダウンロードして展開したディレクトリです。

  3. -R path/remote パラメータで遠隔ホストマシンを指定して es-inst インストールスクリプトを実行します。


    #./es-inst -R path/remote
    

    path/remote には、遠隔マシンのフルパスを指定してください。たとえば、遠隔ホストのパスと名前が /net/remote-server の場合は、次のように入力します。


    local-machine# ./es-inst -R /net/remote-server
    

    遠隔マシン上で稼働している Solaris のバージョンの入力を求めるメッセージが表示されます。

  4. 遠隔マシンで稼働している Solaris バージョンを入力します。

    「遠隔マシンを準備する」手順 7 を参照してください。

    遠隔ホストマシンのタイプを入力するように求めるメッセージが表示されます。

  5. 遠隔ホストマシンのタイプを入力します。

    「遠隔マシンを準備する」手順 8 で生成したマシンタイプの文字列を入力します。あるいは、生成したテキストをローカルホスト上のファイルにコピーしてある場合は、プロンプトに答えてそのマシンタイプ文字列をペーストできます。


    注 –

    遠隔ホストに対して Sun Management Center インストールを行うために必要な作業は、デフォルトの Sun Management Center インストールに必要な作業と同じです。


  6. インストールが完了します。


    注 –

    Solaris 10 システムへの遠隔インストールは、別の Solaris 10 システムからのみ行うことができます。


es-setup による Sun Management Center のセットアップ

この節では、es-setup スクリプトを使用して、Solaris プラットフォームに製品をインストールする方法を説明します。インストールでは、コンソールレイヤー、サーバーレイヤー、およびエージェントレイヤーを個別にインストールすることも、まとめてインストールすることもできます。また、インストールする機能固有のアドオン製品を選択することもできます。インストールプロセスが完了すると、ベースコンポーネントとアドオンコンポーネントのセットアップを行えるセットアップスクリプト es-setup が実行されます。

セットアップを行うタイミング

次のような場合にはセットアッププロセスを実行する必要があります。

es-setup のオプション

es-setup コマンドの構文は次のとおりです。

es-setup [ -A file ] [ -C file ] [ -p directory ] [ -Fhrvw ] [ -z Zone

次の表は、es-setup のパラメータを示します。

表 B–3 es-setup のオプション

オプション 

パラメータ 

説明 

-A

filename

指定された応答セットアップファイル filename を使用して自動セットアップを実施します。


注 –

-C と同時に指定された場合、このオプションは無視されます。


-C

filename

セットアップ時に入力するセットアップ応答を保存するファイルを指定してください。セットアップ応答ファイルは後続の自動セットアップに使用できます。 

このオプションは、-A オプションに優先します。

-F

 

Sun Management Center インストール全体 (インストール済みの基本製品、データベース、アドオンを含む) を再セットアップします。 

このオプションは、インストール全体をインストール直後の状態 (セットアップ前の状態) にリセットするのと同じです。 

-h

 

es-setup のオプションを表示します。

-k

 

セキュリティーキーを生成せずにセットアップを行います。 

-p

directory

単一のアドオンをセットアップします。directory はアドオンのディレクトリ名です。たとえば、storage アドオンのディレクトリ名は /opt/SUNWsymon/addons/storage です。 es-setup を使用して storage アドオンをセットアップするには、es-setup -p storage と入力します。

このオプションは、指定されたアドオンをインストール直後の状態 (セットアップ前の状態) にリセットして、そのあと単一のアドオンのセットアップを行うのと同じです。 

-r

 

データベースを再作成します。ほかのセットアップ作業は行われません。 

-v

 

冗長モードでセットアップを行います。 

-w

 

データベースの再セットアップを省略します。このオプションは、-F オプションと併用される場合に有効となります。

-z

 

ゾーンで実行するようにエージェントをセットアップします。 

es-setup による Sun Management Center 4.0 のセットアップ

この節では、 Sun Management Center をセットアップする方法について説明します。次の作業は、es-setup パラメータがまったく指定されていないという状況を想定しています。

Procedure es-setup スクリプトを使用して Sun Management Center をセットアップする

  1. Sun Management Center をインストールしたマシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center の sbin ディレクトリに移動します。次に例を示します。


     # cd /opt/SUNWsymon/sbin
    

    /opt 以外のディレクトリに Sun Management Center をインストールした場合は、その /installdir/SUNWsymon/sbin に移動します。installdir はインストール時に指定したディレクトリです。

  3. es-setup スクリプトを実行します。


    # ./es-setup
    
    • Sun Management Center コンソールだけインストールされている場合は、そのコンソールをセットアップしてから、選択されたアドオンのセットアップが実行されます。手順 16 に進みます。

    • エージェントだけ、あるいはエージェントとコンソールがインストールされている場合は、セキュリティーキーを生成するためのパスワードを求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます

    • Sun Management Center サーバーがインストールされている場合は、DB リスナーポートの衝突がないかチェックされます。

      • DB リスナーポートが使用されておらず、システムに十分なメモリーがある場合は、セキュリティーキーを生成するためのパスワードを求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進んでください。

      • DB リスナーポートが使用されていないが、システムに十分なメモリーがない場合は、利用できるメモリー容量と必要なメモリー容量が表示されます。セットアップが中断し、システムプロンプトに戻ります。メモリーを十分に確保し、そのあとセットアップ作業をもう一度行なってください。

      • DB リスナーポートが使用されている場合は、使用されていないポートを割り当てるように求めるメッセージが表示されます。

  4. DB リスナーポートの衝突を解決します。

    Return キーを押して、デフォルトの代替ポート 2522 をそのまま使用するか、別の使用されていないポート番号を入力します。特定のポートが使用されているかどうかを確認する方法については、「特定のポートが使用中であるかどうかを確認する」を参照してください。es-config コマンドを使用して Sun Management Center のポート割り当てを変更する方法については、「Sun Management Center ポートの再構成」を参照してください。

    セットアッププロセスは利用可能なメモリーをチェックします。

    • システムに十分なメモリーがある場合は、セキュリティーキーを生成するためのパスワードを指定するように求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます

    • システムに十分なメモリーがない場合は、使用できるメモリー容量と必要なメモリー容量が表示されます。セットアップが中断し、システムプロンプトに戻ります。メモリーを十分に確保し、そのあとセットアップ作業をもう一度行なってください。

  5. Sun Management Center のセキュリティーキーを生成します。

    Sun Management Center プロセス同士の通信には、暗号化されたセキュリティキーが必要です。このキーは、ユーザーが指定するパスワード (空白文字を含まない 1 〜 8 文字) にもとづいて生成されます。8 文字を超えるエントリは 8 文字に切り捨てられます。


    注 –

    あとで特定のマシンのキーを再生成しなければならない場合に備え、セキュリティーキーの生成に使用したパスワードの記録を安全な場所に保管してください。必要に応じて、あとでセキュリティーキーを変更することもできます (「セキュリティーキーの再生成」を参照)。


    1. セキュリティーキーを生成するためにシードのパスワードを入力します。

    2. パスワードをもう一度入力します。

    SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

  6. SNMPv1 コミュニティーセキュリティー文字列を指定します。

    コミュニティー文字列は SNMP セキュリティーに使用されるもので、デフォルトでは public が設定されます。

    SNMP セキュリティーを高めるには、コミュニティー文字列を publicprivate 以外に設定してください。


    注意 – 注意 –

    SNMP コミュニティー文字列は、Sun Management Center 4.0 をインストールするすべてのマシンで同一のものを使用する必要があります。マシンごとに異なるコミュニティー文字列を使用すると、マシンと Sun Management Center コンポーネント間の SNMP 通信が機能しません。あとで再び必要になる場合に備えて、使用したコミュニティー文字列の記録は安全な場所に保管しておいてください。


    • コミュニティー文字列のデフォルト値 public を受け入れる場合は、SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を指示されたところで Return キーを押してください。

    • カスタムコミュニティー文字列を使用する場合は、その文字列を入力してください。コミュニティー文字列の長さは最大 255 文字で、空白文字 (ブランク) を含むことはできません。

      確認のため SNMPv1 コミュニティー文字列をもう一度入力するように指示されます。同じ文字列を入力してください。次に例を示します。


      SNMPv1 コミュニティー文字列はセキュリティーのために必要であり、デフォルトでは
      「public」に設定されます。セキュリティーを強化するには、独自の文字列を指定します。
      SunManagement Center 4.0 がインストールされているすべてのマシン上で同じ SNMPv1 コミュニティー
      文字列を使用する必要があります。RETURN キーを押すと、デフォルト値に設定されます。
      SNMPv1 コミュニティー文字列を入力してください:

    セットアッププロセスは、ベースコンポーネントがインストールされているかどうかをチェックします。

    • エージェントだけ、またはエージェントとコンソールをインストールした場合は、Sun Management Center サーバーのホスト名の入力が求められます。手順 9 に進みます。

    • サーバーがインストールされている場合は、Sun Management Center の esadm グループと esdomadm グループに有効な UNIX 管理者アカウント名が存在するかどうかがチェックされます。グループについては、「ユーザー、グループ、および役割の概要」を参照してください。

      • 有効な UNIX 管理者アカウント名が存在する場合は、サーバーのポートの衝突の有無がチェックされます。手順 8 に進みます。

      • 有効な UNIX 管理者アカウント名が存在しない場合は、UNIX 管理者アカウント名の入力を求めるメッセージが表示されます。

  7. UNIX 管理者アカウントとして有効な Solaris/Linux ユーザー名を入力します。

    Sun Management Center の管理には、有効な Solaris/Linux ユーザー名が必要です。有効な Solaris/Linux ユーザー名を入力します。

    セットアッププロセスにより、サーバーのポートの衝突がないかチェックされます。

  8. サーバーのポートの衝突を解決します。

    Sun Management Center サーバーに必要なポートがチェックされ、それらのポートが使用されていないか確認されます。使用中のポートがある場合は、未使用のポートを割り当てる必要があります。特定のポートが使用されているかどうかを確認する方法については、「特定のポートが使用中であるかどうかを確認する」を参照してください。es-config コマンドを使用して Sun Management Center のポート割り当てを変更する方法については、「Sun Management Center ポートの再構成」を参照してください。

    ポートは次の順序でチェックされます。つまり、トポロジサービス、構成サービス、イベントサービス、CST サービス、トラップサービス、メタデータサービス、ルックアップサービスの順です。

    • それらのポートがどれも使用されておらず、Sun Management Center サーバーをすでにインストールしてある場合は、Web サーバーセキュリティーキーの生成に必要な情報を入力するように求めるメッセージが表示されます。手順 10 に進みます。

    • どのポートも使用されていないが、Sun Management Center サーバーがまだインストールされていない場合は、Sun Management Center サーバーのホスト名の入力を求めるメッセージが表示されます。手順 7 に進みます。

    • 使用中のポートがある場合は、ポートを構成し直すか、ポートを使用しているプロセスを停止するように求めるメッセージが表示されます。

      • ポートを構成し直すには、使用されていないポート番号を入力します。

      • デフォルトのポートを使用する場合は、Return キーを押します。


        注意 – 注意 –

        デフォルトのポートを使用する場合は、Sun Management Center を起動する前に、手動で /etc/rcN ファイルと /etc/rcN.d ファイルを調べて、このポートを使用しているファイルを特定し、ファイルの名前を変更する必要があります。さらに、このポートを使用しているプロセスを手動で停止する必要があります。


      すべてのポートの衝突を解決すると、セットアッププロセスはサーバーがインストールされているかどうかをチェックします。

      • Sun Management Center サーバーがインストールされている場合は、Web サーバーセキュリティーキーの生成に必要な情報を入力するように求めるメッセージが表示されます。手順 10 に進みます。

      • Sun Management Center サーバーがインストールされていない場合は、Sun Management Center サーバーのホスト名の入力を求めるメッセージが表示されます。

  9. Sun Management Center サーバーのホスト名を指定します。

    Sun Management Center サーバーがインストールされているマシン名を入力します。

    セットアッププロセスによって、SNMP ポートが使用中でないかどうか検査されます。手順 12 に進みます。

  10. Web サーバーのセキュリティーキーを指定します。

    Sun Management Center Web サーバーには暗号化されたセキュリティーキーが必要です。このキーは、組織名と場所名にもとづいて生成されます。指定する名前には空白文字 (ブランク) を含めることはできません。

    たとえば、組織名に administration、場所名に headquarters と入力できます。


    注 –

    あとで特定のマシンのキーを再生成しなければならない場合に備え、セキュリティーキーの生成に使用した入力記録を安全な場所に保管してください。


    プロンプトに対し、組織名を入力してください。次に例を示します。


    Sun Management Center の Web サーバーには暗号化されたセキュリティーキーが必要です。
    このキーは、ユーザーが指定した組織と場所の情報に基づいて生成されます。
    組織名を入力してください : administration
    

    地理的な場所を求めるメッセージが表示されます。プロンプトに対して地理的な場所を入力します。次に例を示します。


    このホストの地理的な場所を入力してください : headquarters
    

    セットアッププロセスによって、Web サーバーのポートが使用されていないかどうかがチェックされます。

    • Web サーバーのポートとセキュアポートが使用されていない場合、SNMP ポート 161 が使用されているかどうかがチェックされます。手順 12 に進みます。

    • Web サーバーのデフォルトポートまたはセキュアポートのいずれかが使用されている場合は、使用されていないポートを割り当てるように求めるメッセージが表示されます。

  11. Web サーバーのポートの衝突を解決します。

    Return キーを押して、表示されたデフォルトポートを使用するか、別の使用されていないポート番号を入力します。


    注意 – 注意 –

    Web サーバーのデフォルトポートまたはセキュアポートを使用する場合は、Sun Management Center を起動する前に、手動で /etc/rcN ファイルと /etc/rcN.d ファイルを調べて、このポートを使用しているファイルを特定し、ファイルの名前を変更する必要があります。


    セットアッププロセスによって、SNMP ポートが使用中でないかどうか検査されます。

    • SNMP ポート 161 が使用されていない場合は、旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されているかどうかがチェックされます。旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されている場合は、データを復元するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 14 に進みます。

      旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されていないか、あるいは、そのマシンに初めてインストールされた Sun Management Center のセットアップの場合は、選択された基本製品のセットアップ状態の一覧が表示されます。手順 15 に進みます。

    • SNMP ポート 161 が使用されている場合は、SNMP ポート番号を指定するように求めるメッセージが表示されます。

  12. SNMP ポートの衝突を解決します。

    ポート 161 がほかのプロセスで使用されていることが知らされます。ほとんどの場合、SNMP デーモンに割り当てられてこのデーモンで使用されるポートはポート 161 です。ただし、ほかのプロセスまたはデーモンがこのポート 161 を使用していることがあります。Sun 以外からも SNMP デーモンの代替または機能強化プログラムが提供されており、システムにインストールされていることもあります。Sun Management Center エージェントはそのようなデーモンの 1 つです。

    ポート 161 を使用することも、別のポート番号を割り当てることもできます。


    注意 – 注意 –

    旧バージョンの Sun Management Center の構成データを復元する選択をした場合は、エージェントとサーバーのアップグレードの両方で、旧バージョンの Sun Management Center インストールで使用したのと同じポート番号を使用する必要があります。


    1. 別のポート番号を割り当てる場合は、未使用のポート番号を入力してください。

      次に例を示します。


      agent.snmpPort 161 はすでに使用されているようです。
      Sun Management Center 4.0 エージェントはこの衝突のために実行できない可能性があります。
      この衝突を解決する方法は次の 2 通りあります:
      1. Sun Management Center 4.0 が使用するポートを再構成する。
      2. そのポートを使用しているプロセスを停止する。
      RETURN キーを押すとデフォルトポートに設定されます。
      使用するポートを入力してください [ 1100 to 65535 ]: 1161
      新しいポート番号で /var/opt/SUNWsymon/cfg/domain-config.x を更新しています。

      注 –

      この代替ポート番号の記録を控えておいてください。あとで JumpStart ソフトウェアを使用してエージェントをインストールしたり、あるいはエージェント更新イメージツールを使用して Sun Management Center エージェントを更新する場合に、この番号が必要になります。詳細は、「JumpStart によるエージェントのインストール」および 「エージェントのインストールおよび更新イメージの作成」を参照してください。


      旧バージョンの構成データが保存されていないか、そのマシンに初めてインストールされた Sun Management Center のセットアップの場合は、選択された基本製品のセットアップ状態の一覧が表示されます。手順 15 に進みます。

    2. ポート 161 を使用する場合は Return キーを押してください。

      Sun Management Center がポート 161 を使用することと、システムのリブート時に自動的に再起動するように SNMP デーモンが設定されている可能性があることを知らせるメッセージが表示されます。

      SNMPDX デーモンを停止して無効にするかどうかを確認するメッセージが表示されます。

  13. SNMP デーモンを停止して無効にします。

    • y と入力して SNMP デーモンを停止し、無効にします。


      注意 – 注意 –

      SNMP デーモンを停止、無効にしても、ポート 161 を使用しているプロセスが必ず停止されているとはかぎりません。セットアップのあとで Sun Management Center を起動できない場合は、ほかのプロセスまたはデーモンがポート 161 を使用している可能性があります。その場合は、手順 12 で注記しているように、/etc/rcN ファイルと /etc/rcN.d を調べて、このポートを使用しているファイルを特定し、ファイルの名前を変更して、ポートの衝突を解決する必要があります。


    • SNMP デーモンの停止と無効化を希望しない場合は、n と入力してください。


      注意 – 注意 –

      Sun Management Center を起動する前に、ポート 161 を使用するすべてのプロセスを停止する必要があります。


    セットアッププロセスは、旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されているかどうかをチェックします。

    • 旧バージョンの構成データが保存されていないか、そのマシンに初めてインストールされた Sun Management Center のセットアップの場合は、選択された基本製品のセットアップ状態の一覧が表示されます。手順 15 に進みます。

    • 旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されている場合は、データを復元するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  14. 旧バージョンの Sun Management Center の構成データを復元します。

    この構成データには、Sun Management Center コンソールに表示されるグラフ、トポロジオブジェクト、アラームなどの情報が含まれます。


    注意 – 注意 –

    以前の Sun Management Center の構成データを復元しない場合は、情報を手動で作成し直す必要があります。


    • 構成データを復元する場合は、y を入力して、Return キーを押します。旧バージョンの Sun Management Center の構成データが復元されます。

    • 構成データを廃棄する場合は、n を入力して、Return キーを押します。旧バージョンの Sun Management Center の構成データが削除されます。

    セットアッププロセスにより、基本製品のセットアップステータスが示されます。

  15. 基本製品のセットアッププロセスの最終段階に進みます。

    • 基本製品のセットアップに失敗した場合は、その失敗を知らせるメッセージが表示されます。ログファイルで詳細の確認を求める指示が表示されます。詳細は、このログファイルを参照してください。セットアップが中断し、システムプロンプトに戻ります。

      ログファイルを見て、セットアップの失敗原因を確認してください。

    • 基本製品 (コンソール、エージェントまたはサーバーか、3 つすべて) だけを選択していて、そのセットアップに成功した場合は、Sun Management Center コンポーネントを起動するかを確認するメッセージが表示されます。手順 17 に進みます。

    • アドオン製品を選択していて、基本製品のセットアップに成功した場合は、選択されたアドオン製品ごとにセットアップスクリプトが実行されます。

  16. アドオン製品をセットアップします。

    一部のアドオン製品は、Sun Management Center 4.0 インストールイメージに含まれています。それらのアドオンは、es-inst スクリプトを使用してインストールする」手順 11 に記載されています。各アドオンをセットアップするには、インストールキットに含まれているそれぞれの Sun Management Center 補足資料を参照してください。各追補マニュアルには、それぞれのアドオンのセットアップ手順が記載されています。このため、ここではアドオンのセットアップ手順の説明を省きます。

    アドオンセットアップが完了すると、アドオン製品のセットアップステータスが表示されます。

    • アドオン製品のセットアップが失敗した場合は、その失敗を知らせるメッセージと、ログファイルで詳細の確認を求める指示が表示されます。詳細は、このログファイルを参照してください。セットアップが中断し、システムプロンプトに戻ります。

      ログファイルを見て、セットアップの失敗原因を確認してください。

    • アドオンのセットアップに成功すると、Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  17. Sun Management Center 4.0 を起動します。


    注意 – 注意 –

    ネットワークがネットワークアドレス変換 (NAT) を使用している場合は、Sun Management Center を起動せずにセットアップを終了するように n と入力してください。Sun Management Center を起動する前に、「NAT サポートを有効にする」で説明している es-config コマンド行ユーティリティーを使用して、NAT 用にマシンを構成します。


    • この時点で Sun Management Center を起動する場合は、y と入力します。

      セットアップスクリプトが、es-start -A を使用して Sun Management Center を起動します。es-start コマンドについては、es-start によるコンポーネントの起動」を参照してください。

      Sun Management Center コンソールの起動方法については、「コンソールの起動」を参照してください。

    • Sun Management Center をあとで起動する場合は、n を入力します。このマシンで Sun Management Center エージェントを起動する準備ができたら、第 8 章「Sun Management Center の起動と停止」を参照してください。