この節では、Solaris JumpStart サーバーを構成および使用して、大量のシステムに Sun Management Center 4.0 ベースエージェントと Solaris 8 または 9 オペレーティング環境をインストールおよびセットアップする方法について説明します。
JumpStart ソフトウェアを使用すると、Solaris オペレーティング環境を複数のシステムに自動的にインストールまたはアップグレードできます。さらに、インストール前後の作業も実行できるので、Sun Management Center などの追加のソフトウェアもインストールおよびセットアップできます。
Solaris JumpStart ソフトウェアはクライアントサーバーアプリケーションで、次のコンポーネントから構成されます。
ブートサーバー – Trivial File Transfer Protocol (TFTP) を使用して、Solaris オペレーティングシステムカーネルであるミニルートをインストールクライアントに提供します。カーネルはアーキテクチャーに依存せず、ブートサーバーが動作している各バージョンの Solaris がサポートするすべてのハードウェアにベースサービスを提供します。
インストールサーバー – 対象システム (インストールクライアントと呼ぶ) にインストールすべきソフトウェアパッケージ (Sun Management Center 4.0 ベースエージェントなど) を提供します。
インストールクライアント– Solaris および選択したソフトウェアパッケージ (Sun Management Center 4.0 ベースエージェントなど) のインストール先となる対象システムのことです。
プロファイル (または構成) サーバー – JumpStart のプロファイルを提供します。
JumpStart プロファイルはテキストファイルで、Solaris オペレーティング環境ソフトウェアをどのようにグループ内の各インストールクライアントにインストールするかを定義します。JumpStart プロファイルを使用すると、インストールするソフトウェアグループ、パーティションの指定、ディスク容量の割り当て、ソフトウェアのアップグレード中に使用するバックアップメディアなどを指定できます。
JumpStart プロファイルは、Solaris オペレーティング環境の新規インストール用と、Solaris オペレーティング環境のアップグレードインストール用というように複数作成できます。各 JumpStart プロファイルを 1 つまたは複数のインストールクライアントに割り当てるには、JumpStart のルールファイルを使用します。
JumpStart プロファイルの作成に関する詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』の「プロファイルの作成」を参照してください。
ルールファイル – インストールクライアントまたはインストールクライアントのグループに対して実行する作業を指定します。ルールファイル内の各ルールは、次の項目を指定します。
インストールクライアントまたはインストールクライアントのグループ。ルールのキーワードとその値、または一般的なシステム属性とその値から構成されます。
開始スクリプト (省略可能)。Solaris オペレーティング環境をインストールまたはアップグレードするまえに、いくつかの作業を実行します。
JumpStart プロファイル。各インストールクライアントまたはインストールクライアントのグループに適用されます。
終了スクリプト (省略可能)。Solaris オペレーティング環境をインストールまたはアップグレードしたあとにいくつかの作業を実行します。JumpStart ソフトウェアを使用して Sun Management Center ベースエージェントをインストールするには、終了スクリプトが必要です。
JumpStart ソフトウェアを使用して Sun Management Center ベースエージェントをインストールした場合、そのインストールクライアントの Sun Management Center 構成はすべて同じになります。Sun Management Center のルートディレクトリ、サーバーコンテキスト、セキュリティーシード、および SMNPv1 コミュニティー文字列は同じです。
また、プロトタイプマシンという別のマシンも必要になります。このマシンには、JumpStart 終了スクリプトに必要な Sun Management Center のインストールおよびセットアップ応答ファイルが生成されます。
JumpStart ソフトウェアの詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。
JumpStart ソフトウェアは次のシステムサービスを必要とします。
表 6–1 JumpStart ソフトウェアが必要とするシステムサービス
サービス面 |
目的 |
---|---|
ネットワークファイルシステム (NFS) デーモン mountd および nfsd |
Solaris オペレーティングシステムのイメージファイルの共有 |
rarp |
IP アドレスの検出 |
bootp |
共有ファイルシステムのホスト定義と場所 |
tftp |
ブートサーバーからインストールクライアントへの Solaris 初期ブートカーネルの転送 |
Sun Management Center 4.0 ベースエージェントの配備は、インストールクライアントで実行される JumpStart 終了スクリプトによって行われます。JumpStart が Solaris オペレーティング環境をインストールしたあと、JumpStart 終了スクリプトは Sun Management Center インストール応答ファイルの内容にもとづいて、ベースエージェントをインストールクライアントにインストールします。
終了スクリプトはまた、インストールクライアントがリブートしたあとに Sun Management Center セットアップ応答ファイルの内容にもとづいてベースエージェントをセットアップできるように、インストールクライアントを準備します。
Sun Management Center 応答ファイルは、Sun Management Center 4.0 コマンド行インストールおよびセットアッププロセス中、別の (つまり、プロトタイプの) システム上で生成されます。その後、応答ファイルは JumpStart プロファイルディレクトリにコピーされます。インストールおよびセットアップ応答ファイルは、必要に応じて、JumpStart プロファイルディレクトリに直接作成してもかまいません。
JumpStart はインストールクライアントのファイルシステムを /a パーティションにマウントします。次に、JumpStart 終了スクリプトは、Sun Management Center コマンド es-inst -R /a -T /a/target-directory を実行して、Sun Management Center ベースエージェントをインストールします。ここで、target-directory は、エージェントがインストールされるインストールクライアント上のディレクトリの名前です。es-inst コマンドとパラメータの詳細は、「es-inst のオプション」を参照してください。
終了スクリプトはまた、インストールクライアントがリブートしたあとに rc3.d ファイルを作成します。この rc3.d ファイルは、セットアップ応答ファイルを使用して、Sun Management Center ベースエージェントをセットアップします。ベースエージェントのセットアップが完了すると、rc3.d ファイルは削除されます。終了スクリプトからの出力は /var/sadm/system/logs/finish.log に保存されます。
Sun Management Center のセットアップ中、セキュリティーキーを生成するためのパスワードと SNMP コミュニティー文字列を指定します。セキュリティーを確保するため、セキュリティーキーとコミュニティー文字列は Sun Management Center のセットアップ応答ファイルに格納しないでください。
Sun Management Center ベースエージェントをインストールクライアントに正常にインストールおよびセットアップするには、「Sun Management Center のセットアップ」 の手順 b でセキュリティーキーを生成するときに使用したパスワードと同じパスワードを指定する必要があります。また、SNMP コミュニティー文字列も、「Sun Management Center のセットアップ」 の 手順 c で指定したものと同じものを指定する必要があります。これは、次のどちらの方法を使用しても、行うことができます。
パスワードシードとコミュニティー文字列を JumpStart 終了スクリプトにハードコードする。
この方法では、セキュリティーパスワードシードとコミュニティー文字列が終了スクリプト内で丸見えになり、セキュリティー上、危険性があります。終了スクリプトファイルのアクセス権を 400 に設定すると、セキュリティー上の危険性は下がりますが、完全ではありません。
JumpStart 終了スクリプトを使用し、ベースエージェントのセットアップ中にインストールクライアント上でパスワードシードとコミュニティー文字列を手作業で入力するようにする。
終了スクリプトは、インストールクライアント上でセキュリティーパスワードシードと SNMP コミュニティー文字列の入力をプロンプトで促すように構成することもできます。この応答は、一時的な終了スクリプトに変数として格納されます。インストールクライアントがリブートされると、rc3.d スクリプトは一時的な終了スクリプトを実行し、そのあとで本来の終了スクリプトを復元します。
この方法では、インストールクライアントごとに、セキュリティーパスワードシードとコミュニティー文字列を手動で入力する必要があります。
この方法では、パスワードシードまたはコミュニティー文字列の妥当性は検査されません。したがって、パスワードシードまたはコミュニティー文字列が間違っていた場合、エージェントとサーバー間の通信ができなくなります。インストールクライアントでベースエージェントのセットアップに失敗した場合、またはエージェントが Sun Management Center サーバーとの通信に失敗した場合は、インストールクライアントごとに es-setup -F を実行する必要があります。
上記 2 つの方法の JumpStart 終了スクリプトの例については、「JumpStart 終了スクリプトを作成する」を参照してください。
JumpStart ソフトウェアをセットアップして、Solaris オペレーティング環境および Sun Management Center ベースエージェントを 1 つまたは複数のインストールクライアントにインストールするために必要な主要手順を次に示します。
JumpStart のインストールサーバーとプロファイルサーバーを作成します。
Sun Management Center 4.0 ベースエージェントイメージを JumpStart インストールサーバーに作成します。
Sun Management Center 4.0 のインストール応答ファイルとセットアップ応答ファイルを生成します。
JumpStart プロファイルを作成します。
Sun Management Center 用の JumpStart 終了スクリプトを作成します。
JumpStart ルールファイルを作成します。
JumpStart ファイルの妥当性を検査します。
インストールクライアント情報を JumpStart サーバーに追加します。
上記手順がすべて完了すると、JumpStart サーバーを使用して、Solaris オペレーティング環境および Sun Management Center ベースエージェントを 1 つまたは複数のイン ストールクライアントに新規インストールできます。
この節の手順は、次のことを前提にしています。
マシン bootserver01 はブートサーバーとして構成済みで、このマシンを JumpStart のブートサーバー、インストールサーバー、およびプロファイルサーバーとして使用する。マシン bootserver01 はすでにブートサーバーとして構成されています。
すべての JumpStart ファイルのベースディレクトリとして /export/home を使用 する。
Solaris オペレーティング環境および Sun Management Center ベースエージェントのインストールイメージ用に十分な容量を持つ任意のファイルシステムを指定できます。ファイルシステムには少なくとも 500M バイトの空き容量が必要です。
JumpStart ベースディレクトリとしてほかのディレクトリを使用する場合は、次の手順中の /export/home の部分を、そのディレクトリ名に置き換えてください。
JumpStart によるインストール用に Solaris 8 をすでに選択している。
Solaris 9 を使用する場合は、次の節で、適宜、Solaris_8 を Solaris_9 に置き換えてください。
Sun Management Center ベースエージェントのインストール用にデフォルトの場所 /opt をすでに選択している。
JumpStart インストールサーバーと Solaris オペレーティング環境のイメージを作成します。
JumpStart インストールサーバーとして使用するマシンに root としてログインします。
Solaris installation CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。
CD-ROM の Tools ディレクトリに移動します。
# cd /DiskMountDir/Solaris_2.8/Tools |
Solaris オペレーティング環境のインストールイメージを作成します。
./setup_install_server /install-server-directory コマンドを入力します。ここで、install-server-directory はインストールイメージを提供するときに使用す るディレクトリです。次に例を示します。
# ./setup_install_server /export/home/JumpStart/Solaris_9 Verifying target directory... Calculating the required disk space for the Solaris_9 product Copying the CD image to disk... Install Server setup complete |
(省略可能) Solaris オペレーティング環境の補助製品を JumpStart インストールサーバーに追加します。
Solaris installation CD 2 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入し、CD-ROM の Tools ディレクトリに移動します。
./add_to_install_server /install-server-directory コマンドを入力します。ここで、install-server-directory はインストールイメージを提供するときに使用するディレクトリです。次に例を示します。
# cd /DiskMountDir/s0/Solaris_9/Tools # ./add_to_install_server /export/home/JumpStart/Solaris_9 |
JumpStart プロファイルディレクトリをサーバー上に作成します。
# mkdir /export/home/JumpStart/jumpstart |
Solaris installation CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。
CD-ROM のディレクトリ Solaris_2.8/Misc/jumpstart_sample から JumpStart プロファイルディレクトリの /export/home/JumpStart/jumpstart に JumpStart のサンプルをコピーします。次に例を示します。
# cd /DiskMountDir/s0/Solaris_2.8/Misc # cp -r jumpstart_sample/* /export/home/JumpStart/jumpstart |
NFS デーモン mountd を停止します。
# /etc/init.d/nfs.server stop |
JumpStart ディレクトリを NFS 共有にします。
インストールクライアントが JumpStart サーバー上のファイルにアクセスできるようにするには、JumpStart ディレクトリを NFS 共有にする必要があります。 /etc/dfs/dfstab ファイルに次の行を追加し、保存して閉じます。
share -F nfs -o ro,anon=0 /export/home/JumpStart
NFS デーモン mountd を起動します。
# /etc/init.d/nfs.server start |
JumpStart インストールサーバーを作成したマシンに root としてログインします。
DVD ドライブに Sun Management Center 4.0 DVD を挿入します。
/DiskMountDir/sbin ディレクトリに移動します。
./es-makeagent コマンドを入力して、Sun Management Center ベースエージェントイメージを作成します。
インストールファイルのソースディレクトリとエージェントイメージのターゲットディレクトリの入力を求めるメッセージが表示されます。
(SPARC) ソースディレクトリは /DiskMountDir/disk1/image/sunOS/sparc です。
(x86) ソースディレクトリは /DiskMountDir/disk1/image/sunOS/i386 です。
(Linux) ソースディレクトリは /DiskMountDir/disk1/image/Linux です。
ターゲットディレクトリは、JumpStart インストールサーバー上でエージェントイメージが作成されるディレクトリです (例: /export/home/JumpStart/AgentImage)。
指定されたターゲットディレクトリが存在しない場合、このディレクトリを作成するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y を入力して、ディレクトリを作成します。
次に例を示します。
# ./es-makeagent インストールファイルのソースディレクトリを入力してください: /DiskMountDir/image ターゲットディレクトリを入力してください: /export/home/JumpStart/AgentImage |
イメージ作成プロセスは、完了するまでに 30 分以上かかることがあります。
アドオンエージェントを除外します。
アドオンエージェントコンポーネントを含めない場合は、エージェントイメージの Addons ディレクトリの名前を変更します。
# cd /export/home/JumpStart/AgentImage/disk1/image # ls -p Addons/ PE/ Patches/ Webserver/ db/ # mv Addons Addons-temp |
Sun Management Center ベースエージェントをインストールおよびセットアップするマシンを選択して、root としてログインします。
このマシンはプロトタイプになります。
Sun Management Center がインストールされていないマシンを選択してください。このようなマシンがない場合は、プロトタイプマシンから Sun Management Center ソフトウェアをアンインストールします。アンインストールの方法については、Sun Management Center ソフトウェアのインストールマニュアルを参照してください。旧バージョンの Sun Management Center の構成データを保存しないでください。
DVD ドライブに Sun Management Center 4.0 DVD を挿入します。
/DiskMountDir/sbin ディレクトリに移動します。
Sun Management Center のインストール応答ファイルとセットアップ応答ファイルを格納するディレクトリをマシンに作成します。
たとえば、次のとおりです。
# mkdir /response-files |
Sun Management Center インストール応答ファイルを生成します。
インストール応答ファイルを生成するには、./es-inst -C /response-file-dir /install-response-file.cfg コマンドを使用して、ベースエージェントをインストールする必要があります。各表記の意味は次のとおりです。
response-file-dir は、応答ファイルを格納するディレクトリです。
install-response-file は、応答ファイルの名前です。
次に例を示します。
# ./es-inst -C /response-files/install.cfg |
Sun Management Center をインストールするディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center をインストールするディレクトリの名前を指定します。
ターゲットディレクトリの指定を求めるメッセージが表示されます。デフォルトの場所は /opt です。
Sun Management Center ソフトウェアは、必要となる最小のディスク容量が確保できれば、システム上の任意の場所にインストールできます。/opt 以外のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリ名を入力する必要があります。
マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量は、コマンド df -ak で表示できます。
インストールする Sun Management Center コンポーネントを選択するよう求められます。
エージェントコンポーネントだけを選択します。
サーバーコンポーネントをインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されたら、 n を入力します。
エージェントコンポーネントをインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されたら、 y を入力します。
コンソールコンポーネントをインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されたら、n を入力します。
3 つのコンポーネントが選択可能です: Server コンポーネントをインストールしますか (y|n|q) n Agent コンポーネントをインストールしますか (y|n|q) y Console コンポーネントをインストールしますか (y|n|q) n |
インストールプロセスによってアドオンコンポーネントがチェックされ、アドオン製品を選択することを求めるメッセージが表示されます。
アドオンコンポーネントを選択しないでください。
アドオンを選択するように求めるメッセージが表示されたら、すべてのアドオンについて、n を入力します。
Select the products you want to install: Advanced System Monitoring (y|n|q) n Service Availability Manager (y|n|q) n Performance Reporting Manager (y|n|q) n Sun Fire Platform Administration (y|n|q) n System Reliability Manager (y|n|q) n Workgroup Server (y|n|q) n |
継続するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y を入力して操作を続けます。
ディスク容量を確認します。
Sun Management Center ベースエージェントのインストールに必要なディスク容量があるかチェックされます。
十分な容量がある場合は、ベースエージェントがインストールされます。
ディスク容量が十分でない場合は、代わりのファイルシステムを指定するように求められます。空き容量と必要となる容量が表示されます。
マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量を表示するには、Sun Management Center エージェントをインストールするマシンの端末ウィンドウで、df -ak と入力します。
エージェントのインストールが完了すると、セットアップを実行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。
セットアップを実行しないでください。n を入力して、終了します。インストールプロセス内でセットアップを実行すると、JumpStart 終了スクリプトに必要な Sun Management Center セットアップ応答ファイルが作成されません。
/opt/SUNWsymon/sbin ディレクトリに移動します。
Sun Management Center を別のディレクトリにインストールした場合は、その /install-dir/SUNWsymon/sbin ディレクトリに移動します。install-dir は 手順 4 で指定したディレクトリです。
Sun Management Center 4.0 セットアップ応答ファイルを生成します。
Sun Management Center セットアップ応答ファイルを生成するには、./es-setup -C /response-file-dir /setup-response-file.cfg コマンドを使用して、ベースエージェントをセットアップする必要があります。
response-file-dir は、応答ファイルを格納するディレクトリです。
setup-response-file は、応答ファイルの名前です。
次に例を示します。
# ./es-setup -C /response-files/setup.cfg |
セキュリティーキーを生成するためのシードの入力を求めるメッセージが表示されます。
セキュリティーキーを生成します。
Sun Management Center プロセス間の通信には、暗号化されたセキュリティーキーが必要です。このセキュリティーキーは、ユーザーが指定したパスワードシードにもとづいて生成されます。このシードは、空白文字を含まない 1 文字〜 8 文字の長さである必要があります。8 文字を超えるエントリは 8 文字に切り捨てられます。
セキュリティーシードは、単一のサーバーコンテキストでインストールするすべてのマシンで同じものを使用する必要があります。
「Sun Management Center のセットアップ」の手順 b で Sun Management Center サーバーをセットアップしたときに指定したものと同じパスワードシードを入力します。
パスワードシードの入力を求められたら、再度入力します。
セキュリティーを確保するため、パスワードシードは Sun Management Center セットアップ応答ファイルには格納されません。パスワードシードを指定する方法としては、JumpStart 終了スクリプト内にハードコードする方法と、インストールクライアント上で終了スクリプトを実行したときにクライアントがパスワードシードの入力を求めるように終了スクリプトを構成する方法があります。どちらの方法も、「JumpStart 終了スクリプトを作成する」で説明しています。
SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。
SNMPv1 コミュニティーセキュリティー文字列を指定します。
SNMPv1 コミュニティー文字列はセキュリティーのために必要です。デフォルトでは、public に設定されています。セキュリティーを向上させるには、独自の文字列を指定します。
SNMPv1 コミュニティー文字列は、単一のサーバーコンテキストでインストールするすべてのマシンで同じものを使用する必要があります。
「Sun Management Center のセットアップ」の手順 c で Sun Management Center サーバーをセットアップしたときに指定したものと同じコミュニティー文字列を入力します。
デフォルトのコミュニティー文字列 public を使用した場合は、SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を促されたときに Return キーを押してください。
独自のコミュニティー文字列を指定した場合は、Sun Management Center サーバーをセットアップしたときに指定したものと同じコミュニティー文字列を指定し ます。
セキュリティーを確保するため、コミュニティー文字列は Sun Management Center セットアップ応答ファイルには格納されません。コミュニティー文字列を指定する方法としては、JumpStart 終了スクリプト内にハードコードする方法と、インストールクライアント上で終了スクリプトを実行したときにクライアントがコミュニティー文字列の入力を求めるように終了スクリプトを構成する方法があります。どちらの方法も、「JumpStart 終了スクリプトを作成する」で説明しています。
Sun Management Center サーバーのホスト名の入力を求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center サーバーのホスト名を指定します。
Sun Management Center サーバーがインストールされているマシン名を入力します。
セットアッププロセスによって、SNMP ポートが使用中でないかどうか検査されます。
SNMP ポート 161 が使用されていない場合は、Sun Management Center エージェントを起動するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 e に進みます。
SNMP ポート 161 が使用されている場合は、SNMP ポート番号を指定するように求めるメッセージが表示されます。
SNMP ポートの衝突を解決します。
「Sun Management Center のセットアップ」の手順 f で Sun Management Center サーバーをセットアップしたときに指定したものと同じポート番号を入力します。
Sun Management Center エージェントを起動します。
ネットワークがネットワークアドレス変換 (NAT) を使用している場合は、Sun Management Center を起動せずにセットアップを終了するように n と入力してください。Sun Management Center を起動する前に、「NAT サポートを有効にする」で説明している es-config コマンド行ユーティリティーを使用して、NAT 用にマシンを構成します。
この時点で Sun Management Center ベースエージェントを起動する場合は、y を入力します。
セットアップスクリプトが、es-start -A を使用してエージェントを起動します。es-start コマンドについては、「es-start によるコンポーネントの起動」を参照してください。
Sun Management Center コンソールの起動方法については、「コンソールの起動」を参照してください。
Sun Management Center をあとで起動する場合は、n を入力します。このマシンで Sun Management Center エージェントを起動する準備ができたら、第 8 章「Sun Management Center の起動と停止」を参照してください。
インストール応答ファイルとセットアップ応答ファイルを JumpStart プロファイルサーバーにコピーします。
以前の手順例では、Sun Management Center インストール応答ファイルの install.cfg をプロトタイプマシンのディレクトリ /response-files に作成しています。また、Sun Management Center セットアップ応答ファイルの setup.cfg も /response-files ディレクトリのプロトタイプマシン上に作成しています。
ここでは、JumpStart プロファイルサーバーの名前が bootserver01 で、マシン bootserver01 の JumpStart プロファイルディレクトリが /export/home/JumpStart/jumpstart であると仮定します。また、プロトタイプマシンからの JumpStart プロファイルディレクトリへの書き込みアクセスが有効になっていると仮定します。この条件で、プロトタイプマシンから Jumpstart マシンの JumpStart プロファイルディレクトリに応答ファイルをコピーします。次に例を示します。
# cd /response-files # cp install.cfg /net/bootserver01/export/home/JumpStart/jumpstart # cp setup.cfg /net/bootserver01/export/home/JumpStart/jumpstart |
JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンに root としてログインします。
「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」 の手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。
Sun Management Center インストール応答ファイルをエディタで開きます。
JumpStart が使用できるように、インストール応答ファイルを編集する必要があります。インストール応答ファイルは、手順 4 で指定した名前のファイルです。インストール応答ファイルに次の変更を加えます。
SOURCE_DIRECTORY の値を /a/mnt/disk1/image に変更します。/a/mnt/disk1/image は、JumpStart 終了スクリプトで指定した $MNTDIR 値に対応しています。
TARGET_DIRECTORY の値を /a/target_directory に変更します。ここで、target_directory は、Sun Management Center ベースエージェントがインストールされている各インストールクライアント上のディレクトリです。
SETUP_NOW パラメータの値をゼロに変更します。SETUP_NOW パラメータの値をゼロに設定すると、Sun Management Center ベースエージェントをインストールしたとき、各インストールクライアント上で Sun Management Center セットアップが自動的に実行されなくなります。
次の例は、編集を終了したあとの基本的な Sun Management Center インストール応答ファイルの例です。
SUNMC_VERSION=4.0 ENVIRONMENT=1 SOURCE_DIRECTORY=/a/mnt/disk1/image TARGET_DIRECTORY=/a/opt OSVERS=8 PRTOUT= Sun Microsystems sun4u PCI (UltraSPARC-II 450MHz) LAYER.SERVER=0 LAYER.AGENT=1 LAYER.CONSOLE=0 SETUP_NOW=0
ベースエージェントはプラットフォームに依存しないため、PRTOUT パラメータの値は重要ではありません。ただし、JumpStart には、このパラメータが存在している必要があります。PRTOUT パラメータを削除しないでください。
Sun Management Center セットアップ応答ファイルを編集します。
JumpStart が使用できるように、セットアップ応答ファイルを編集する必要があります。セットアップ応答ファイルは、手順 6 で指定した名前のファイルです。必要に応じて、セットアップ応答ファイルに変更を加えます。
SUNMC_SERVER パラメータに指定されているサーバー名が Sun Management Center 4.0 サーバーマシンの名前であることを確認します。
START_SUNMC パラメータの値が 1 に設定されていることを確認します。START_SUNMC パラメータの値を 1 に設定すると、ベースエージェントをセットアップしたあと、Sun Management Center ベースエージェントが起動するようになります。
agent_OPTIONAL_PORT パラメータが存在し、かつ、その値に有効なポート番号または文字列 DEFAULT が割り当てられていることを確認します。
次に示すサンプルのセットアップ応答ファイルのすべてのパラメータが存在することを確認します。
次の例は、JumpStart 編集前後の Sun Management Center セットアップ応答ファイルの例です。どちらの例でも、bootserver01 は Sun Management Center サーバーマシンの名前です。
SUNMC_SERVER=bootserver01 agent_OPTIONAL_PORT=1161 START_SUNMC=1
DISABLE_SNMPDX_DAEMON=1 STOP_SNMPDX=1 SUNMC_SERVER=bootserver01 agent_OPTIONAL_PORT=1161 START_SUNMC=1
この例の場合、行 DISABLE_SNMPDX_DAEMON=1 は SNMP デーモンを無効にします。行 STOP_SNMPDX=1 は、SNMP デーモンを停止します。行 SUNMC_SERVER=bootserver01 は、ベースエージェントの Sun Management Center サーバーホストが bootserver01 という名前のマシンであることを示します。行 agent_OPTIONAL_PORT=1161 は、エージェントにポート 1161 を割り当てます。行 START_SUNMC=1 は、ベースエージェントのセットアップが完了したときにベースエージェントを起動することを意味します。
JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンに root としてログインします。
「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」 の手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。
Sun Management Center ベースエージェントをインストールするインストールクライアントの種類ごとに JumpStart プロファイルを 1 つ作成します。
JumpStart プロファイルを作成するには、このディレクトリのサンプルから適切なサンプルのプロファイルをコピーするか、次の例をテンプレートとして使用します。 作成した各 JumpStart プロファイルを JumpStart プロファイルサーバーディレクトリに保存して、作成した各プロファイルの名前を記録します。
サンプルのプロファイルを実際のプロファイルとして使用しないでください。JumpStart の要件に適合するようにプロファイルを編集します。この詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』の「プロファイルの作成」を参照してください。
次の例は、JumpStart プロファイルの例です。1 番目の例は、Solaris オペレーティング環境の新規インストール用のプロファイルです。2 番目の例は、Solaris オペレーティング環境のアップグレード用のプロファイルです。
# # all_9000_t0+swap # install_type initial_install system_type standalone partitioning explicit # filesys c0t0d0s1 2024 swap filesys c0t0d0s0 6120 / filesys c0t0d0s7 free /export/home # cluster SUNWCall package SUNWabe delete cluster SUNWCapache delete cluster SUNWCdhcp delete cluster SUNWClux delete cluster SUNWCfct delete cluster SUNWCnet delete package NSCPcom delete
install_type upgrade
JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンに root としてログインします。
「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」 の手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。
JumpStart 終了スクリプトを作成します。
「終了スクリプトのセキュリティーについて」 に目を通します。実際のセキュリティー要件に応じて、次の終了スクリプト例のいずれかをガイドラインとして使用して、終了スクリプトを JumpStart プロファイルディレクトリに作成します。
1 番目の例は、パスワードシードとコミュニティー文字列をハードコードした終了スクリプトです。2 番目の例は、実行時にパスワードシードとコミュニティー文字列の入力を求める終了スクリプトです。
終了スクリプトは、base_agent_finish.sh のように sh 拡張子を付けて保存します。
#!/bin/sh # # Program type : Unix bourne shell script # Description : Standard finish script for installing and # setting up Sun Management Center core agent # # # ROOTDIR=${ROOTDIR:-/a} # Root directory for new OS MNTDIR=${ROOTDIR}/mnt LOGDIR=${ROOTDIR}/var/tmp/sunmcfinish SI_CONFIG_DIR=${SI_CONFIG_DIR:-/export/home/JumpStart/jumpstart} INSTALL_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/install.cfg SETUP_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/setup.cfg # # # Begin Main Program # # umask 022 mkdir -p $LOGDIR # # Copy the install and setup response file to target system # cp ${INSTALL_RESP} $LOGDIR cp ${SETUP_RESP} $LOGDIR # # mount Sun Management Center image # mount -F nfs bootserver01:/export/home/JumpStart/AgentImage $MNTDIR [ $? -ne 0 ] && exit 1 # # run es-inst with -a -R -T and -A options # skip the next line for Flash Archive based deployment # Do not use the -T option if you have specified the TARGET_DIRECTORY # tag in install.cfg # ${MNTDIR}/disk1/sbin/es-inst -a -R /a -T /a/opt -A ${LOGDIR}/install.cfg # # Clean up any rc script with the same name if present # test -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart && \ rm -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart rm -f /etc/init.d/SunMCJumpStart # # Place rc script in rc3.d and init.d to do setup # Remember to access es-setup based on the target directory location # echo "Creating rc script..." cat > ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart << EOF #!/sbin/sh # rm /etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart /etc/init.d/SunMCJumpStart SECURITY_SEED=abc123 SNMPV1_STRING=private export SECURITY_SEED SNMPV1_STRING /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -e -A /var/tmp/sunmcfinish/setup.cfg EOF cp ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart \ ${ROOTDIR}/etc/init.d/SunMCJumpStart exit 0
#!/bin/sh # # Program type : Unix bourne shell script # Description : Standard finish script for installing and # setting up Sun Management Center core agent # # # ROOTDIR=${ROOTDIR:-/a} # Root directory for new OS MNTDIR=${ROOTDIR}/mnt LOGDIR=${ROOTDIR}/var/tmp/sunmcfinish SI_CONFIG_DIR=${SI_CONFIG_DIR:-/export/home/JumpStart/jumpstart} INSTALL_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/install.cfg SETUP_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/setup.cfg # # # Begin Main Program # # umask 022 mkdir -p $LOGDIR # # Copy the install and setup response file to target system # cp ${INSTALL_RESP} $LOGDIR cp ${SETUP_RESP} $LOGDIR # # mount Sun Management Center image # mount -F nfs bootserver01:/export/home/JumpStart/AgentImage $MNTDIR [ $? -ne 0 ] && exit 1 # # Read secure inputs from user who invoked boot net - install # echo "Enter Security seed:" read SECURITY_SEED echo "Enter SNMP string:" read SNMPV1_STRING # # run es-inst with -a -R -T and -A options # skip the next line for Flash Archive based deployment # Do not use the -T option if you have specified the TARGET_DIRECTORY # tag in install.cfg # ${MNTDIR}/disk1/sbin/es-inst -a -R /a -T /a/opt -A ${LOGDIR}/install.cfg # # create a temporary es-setup script to use the secure information # read earlier # Remember to access es-setup based on the target directory location # FILE2=/a/opt/SUNWsymon/sbin/es-setup FILE=/a/opt/SUNWsymon/sbin/es-setup.jumpstart mv $FILE2 $FILE count=`wc -l $FILE` count=`echo $count | cut -d' ' -f1` ncount=$count count_enter=`expr $ncount - 3` while [ $ncount -gt 0 ] ; do k=`tail -$ncount $FILE | head -1` if [ $ncount -eq $count_enter ] then echo $k >> $FILE2 echo "SECURITY_SEED=$SECURITY_SEED" >> $FILE2 echo "SNMPV1_STRING=$SNMPV1_STRING" >> $FILE2 else echo $k >> $FILE2 fi ncount=`expr $ncount - 1` done chmod +x $FILE2 # # Clean up any rc script with the same name if present # test -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart && \ rm -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart \ rm -f /etc/init.d/SunMCJumpStart # # Place rc script in rc3.d and init.d to do setup and cleanup # Remember to access es-setup based on the target directory location # echo "Creating rc script..." cat > ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart << EOF #!/sbin/sh # rm /etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart /etc/init.d/SunMCJumpStart /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -e -A /var/tmp/sunmcfinish/setup.cfg mv /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup.jumpstart /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup EOF cp ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart \ ${ROOTDIR}/etc/init.d/SunMCJumpStart exit 0
JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンに root としてログインします。
「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」 の手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。
JumpStart ルールファイルを作成します。
次のサンプルのルールファイルをテンプレートとして使用して、JumpStart プロファイルディレクトリにルールファイルを作成します。
# # rule keywords and rule values begin script profile finish script # ------------------------------ ------------ ------- -------------- # This rule matches one system: # hostname bootserver01 - basic_prof base_agent_finish.sh # This is a complex rule: # network 192.43.34.0 && ! model \ SUNW,SPARCstation-20 - net_prof - # This rule applies to all # SUNW,SPARCstation-LX: # model SUNW,SPARCstation-LX - lx_prof complete.sh # Another complex rule: # network 193.144.2.0 && karch i86pc init.sh IA_prof done.sh # # You can use system attributes like RAM size and architecture to # classify targets: # memsize 16-32 && arch i386 - prog_prof - # rules are matched top-down. If nothing matches, this rule will apply: # any - - generic_prof -
JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンに root としてログインします。
「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」 の手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。
./check と入力して、JumpStart ファイルの妥当性を検査します。
# ./check Validating rules... Validating profile basic_prof... Validating profile net_prof... Validating profile lx_prof... Validating profile IA_prof... Validating profile prog_prof... Validating profile any_machine... The custom JumpStart configuration is ok. # cat rules.ok hostname bootserver01 - basic_prof base_agent_finish.sh network 192.43.34.0 && ! model \ SUNW,SPARCstation-20 - net_prof - model SUNW,SPARCstation-LX - lx_prof complete.sh network 193.144.2.0 && karch i86pc init.sh IA_prof done.sh memsize 16-32 && arch i386 - prog_prof - any - - generic_prof - |
JumpStart サーバーに root としてログインします。
Solaris installation CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。
CD-ROM の Tools ディレクトリに移動します。
# cd /DiskMountDir/s0/Solaris_2.8/Tools |
各インストールクライアントのシステム識別情報を確認します。
JumpStart サーバーは、各インストールクライアントに関する次の情報を必要とします。
名前
Ethernet アドレス
IP アドレス
アーキテクチャー
各インストールクライアントにログインし、次のように arp および uname コマンドを使用して、インストールクライアントの Ethernet アドレス、IP アドレス、名前、およびアーキテクチャーを表示します。
> arp clienthost clienthost (111.222.123.124) at 8:0:80:e4:23:eb permanent published > uname -a SunOS clienthost 5.9 Generic_112233-01 sun4u sparc SUNW |
上記の例では、clienthost がインストールクライアントで、その Ethernet アドレスが 8:0:80:e4:23:eb、IP アドレスが 111.222.123.124、アーキテクチャーが sun4u です。
各インストールクライアントのシステム識別情報を JumpStart サーバーに追加します。
インストールクライアント情報を JumpStart サーバーに追加するには、次のように add_install_client コマンドを使用します。
add_install_client \ -c JumpStart_profile_server:path_to_configuration_directory \ -s JumpStart_install_server:path_to_operating_environment_image \ -p JumpStart_profile_server:path_to_SYSIDCFG_file \ -e install_client_ethernet_address \ -i install_client_IP_address \ install_client_name install_client_architecture |
たとえば、システムが次のように構成されていると仮定します。
マシン bootserver01 は JumpStart ブートサーバー兼プロファイルサーバー兼インストールサーバー
マシン bootserver01 上の JumpStart 構成ディレクトリは /export/home/JumpStart/jumpstart
マシン bootserver01 上の JumpStart オペレーティング環境イメージディレクトリは /export/home/JumpStart/Solaris_9
システム識別構成ファイルの sysidcfg は JumpStart 構成ディレクトリの /export/home/JumpStart/jumpstart 内に存在
インストールクライアントの Ethernet アドレスは 8:0:80:e4:23:eb で、IP アドレスは 111.111.123.124
インストールクライアントの名前は clienthost で、そのアーキテクチャーは sun4u
このインストールクライアント clienthost を追加するには、次のように add_install_client コマンドを使用します。
# ./add_install_client -c bootserver01:/export/home/JumpStart/jumpstart \ -s bootserver01:/export/home/JumpStart/Solaris_8 \ -p bootserver01:/export/home/JumpStart/jumpstart \ -e 8:0:80:e4:23:eb -i 111.111.123.124 \ clienthost sun4u Adding Ethernet number for clienthost to /etc/ethers making /tftpboot enabling tftp in /etc/inetd.conf starting rarpd starting bootparamd updating /etc/bootparams copying inetboot to /tftpboot |
インストールクライアントのシステム情報を JumpStart サーバーに追加すると、次の手順で説明するように、JumpStart を使用して、Solaris オペレーティング環境と Sun Management Center ベースエージェントをインストールできます。
add_install_client コマンドとオプションの詳細は、add_install_client(1m) のマニュアルページを参照してください。
各インストールクライアントをブートします。
クライアントマシンにシングルユーザーモードで、root としてログインします。
ok プロンプトで、boot net - install コマンドを入力します。
次に例を示します。
{2} ok boot net - install |
JumpStart サーバーからクライアントシステムをブートします。JumpStart プロファイルの示す Solaris オペレーティング環境がインストールされます。このプロファイルは、ルールファイル内の該当するルールによって各インストールクライアントに割り当てられています。Solaris オペレーティング環境のインストールが完了すると、Sun Management Center 4.0 ベースエージェントがインストールされ、インストールクライアントがリブートします。
インストールクライアントのリブートが完了すると、JumpStart 終了スクリプトの指定にしたがって、Sun Management Center ベースエージェントがセットアップされます。 セキュリティーパスワードシードと SNMP コミュニティー文字列を終了スクリプトにハードコードしている場合は、ベースエージェントが自動的にセットアップされます。パスワードシードと SNMP コミュニティー文字列を終了スクリプトにハードコードしていない場合は、インストールクライアントごとにベースエージェントセットアッププロンプトに応答する必要があります。