Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

マルチ IP マシンにおけるサーバーとエージェントの構成

この節では、マルチ IP マシン上で Sun Management Center 4.0 のサーバーとエージェントを構成する方法について説明します。

サーバーの構成

複数の IP インタフェースを持つシステムにインストールする場合、デフォルトでは、Sun Management Center 4.0 サーバーは、すべての IP インタフェース上ですべてのエージェントをサポートするように構成されます。

esmultiip コマンドを使用すると、IP インタフェースを削除または追加したり、その一覧を表示したりできます。esmultiip コマンドの構文は次のとおりです。

esmultiip [-lh] | [ < -a | -d > Host-IP ]

次の表は、esmultiip コマンドのパラメータの説明です。

表 6–2 esmultiip のオプション

オプション 

パラメータ 

定義 

 

 

複数の IP インタフェースが存在する場合に、Sun Management Center サーバーでマルチ IP 機能を有効にします。 

-h

 

esmultiip のオプションの一覧を表示します。

-l

 

Sun Management Center サーバーのアクティブな IP インタフェースの全一覧を表示します。 

-a

Host-IP

IP アドレス Host-IP に対応するホスト名をサーバーのアクティブな IP インタフェースの一覧に追加します。

-d

Host_IP

IP アドレス Host-IP に対応するホスト名をサーバーのアクティブな IP インタフェースの一覧から削除します。


注 –

次の手順では、Sun Management Center サーバーがマルチ IP マシンのディレクトリ /opt にインストールされていると仮定しています。別のディレクトリにエージェントをインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


ProcedureSun Management Center サーバーに IP インタフェースを追加する

  1. マルチ IP のサーバーマシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center の現在アクティブな IP インタフェースの一覧を表示します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l コマンドを入力します。次に例を示します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l
    マルチ IP はアクティブなインタフェース "10.1.2.111" で構成されています。
  3. マシン上にあるすべての IP インタフェースの一覧を表示します。

    ifconfig -a コマンドを入力します。次に例を示します。


    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
    hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 10.1.2.111 netmask ffffff00 broadcast 10.1.2.255
            ether 8:0:20:a8:7a:c9 
    hme1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 129.1.2.222 netmask ffffff00 broadcast 129.199.199.255
            ether 8:0:20:a8:7a:c9 

    上記の例に示すように、Sun Management Center サーバーが使用するのは、IP アドレス 10.1.2.111hme0 だけです。

  4. IP インタフェースを追加します。

    ここでは、IP アドレス 129.1.2.222hme1 を追加すると仮定します。このためには、/opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -a 129.1.2.222 とコマンドを入力します。

    これで、この IP インタフェースが Sun Management Center サーバーのアクティブなインタフェースの一覧に追加されます。

ProcedureSun Management Center サーバーから IP インタフェースを削除する

  1. マルチ IP のサーバーマシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center の現在アクティブな IP インタフェースの一覧を表示します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l コマンドを入力します。次に例を示します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l
    マルチ IP はアクティブなインタフェース "10.1.2.111 129.1.2.222" で構成されています。
  3. IP インタフェースを削除します。

    ここでは、IP アドレス 129.1.2.222hme1 を削除すると仮定します。このためには、/opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -d 129.1.2.222 とコマンドを入力します。

    これで、この IP インタフェースが Sun Management Center サーバーのアクティブなインタフェースの一覧から削除されます。

エージェントの構成

マルチ IP マシンで、Sun Management Center 4.0 エージェントとサーバーが異なる IP インタフェースを使用するように構成されている場合、そのマルチ IP マシン上の Sun Management Center エージェントとサーバーは通信できません。

サーバーと同じ IP インタフェースを使用するようにエージェントの構成を変更する必要があります。


注 –

次の手順では、Sun Management Center エージェントだけがマルチ IP マシンのディレクトリ /opt にインストールされていると仮定しています。別のディレクトリにエージェントをインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


Procedureマルチ IP マシン上の Sun Management Center エージェントを構成する

  1. マルチ IP エージェントマシンに root としてログインします。

  2. エージェントが使用している IP アドレスを確認します。

    uname -n コマンドを入力して、マシン名を表示します。


    # uname -n
    u60-01

    エージェントは、uname -n で報告されたマシン名に割り当てられている IP アドレス上で動作するように構成されています。この例では、エージェントはマシン名 u60–01 に割り当てられている IP インタフェース上で動作するように構成されています。

  3. IP インタフェースのアドレスを確認します。

    cat /etc/hosts コマンドを入力して、各 IP アドレスに割り当てられているマシン名を表示します。

    次に例を示します。


    # uname -n
    u60-01
    # cat /etc/hosts
    127.0.0.1       localhost
    10.1.2.111      u60-01      loghost
    10.2.3.222      u60-01-ip2

    上記の例では、uname-n によって u60–01 が表示され、この u60–01 は IP インタフェース 10.1.2.111 に割り当てられています。

    Sun Management Center エージェントが別の IP インタフェースで動作するように構成する場合は、次の手順で説明するように、その IP インタフェースに使用するようにエージェントを割り当て直します。

  4. エージェントが動作している場合は、エージェントを停止します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -A コマンドを入力します。

    Sun Management Center のすべてのプロセスが停止します。

  5. マシン名を、適切なインタフェースに割り当てられている名前に変更します。

    ここでは、エージェントが現在使用している IP インタフェース 10.1.2.111 が、マシン名 u60–01 に割り当てられていると仮定します。マシン名 u60–01-ip2 に割り当てられている IP インタフェース 10.2.3.222 を使用するようにエージェントを割り当て直します。

    IP インタフェース10.2.3.222 を使用するようにエージェントの割り当てを変更するには、 uname -S u60–01–ip2. コマンドを入力します。

  6. エージェントをセットアップします。

    エージェントが新しい IP インタフェース割り当てを使用できるには、エージェントをもう一度セットアップする必要があります。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -F コマンドを入力します。

    セキュリティーキーシードの入力を求めるメッセージが表示されます。

    1. Sun Management Center のセキュリティーキーを指定します。

      「Sun Management Center のセットアップ」手順 b で Sun Management Center をセットアップしたときに指定したものと同じセキュリティーシードパスワードを入力します。もう一度パスワードを入力します。

      SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

    2. SNMPv1 コミュニティー文字列を指定します。

      「Sun Management Center のセットアップ」手順 c で Sun Management Center をセットアップしたときに指定したものと同じコミュニティー文字列を入力します。デフォルト値の public を使用した場合は、Return キーを押します。

      server-host-name が Sun Management Center サーバーとして構成されたことを示すメッセージが表示されます。 server-host-name は、サーバーがインストールされているマシンの名前です。

      • 表示されたサーバー名が正しい場合は、y を入力します。

      • 表示されたサーバー名が正しくない場合は、n を入力します。Sun Management Center ホスト名の指定を求めるメッセージが表示されます。

        サーバーがインストールされているマシンの名前を入力します。

      エージェントが新しい IP アドレスを使用するようにセットアップされます。


      注 –

      任意のアドオンエージェントコンポーネントをインストールしていた場合は、アドオンコンポーネントもセットアップするように求めるメッセージが表示されます。


    エージェントの構成が完了したら、エージェントを再起動できます。

  7. エージェントを再起動します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -A コマンドを入力します。