Sun Management Center ソフトウェアは、次の機能と特長を持つオープンで拡張性を持ったシステム管理ツールです。
遠隔構成
性能監視
ハードウェアおよびソフトウェアフォルトの特定
Sun Management Center 製品は 3 つのベースコンポーネントに分かれています。この節では、次の項目について説明します。
1 つのインストールコマンドで、アドオン製品を含むすべての Sun Management Center ソフトウェアをインストールおよびセットアップすることができます。これらの作業の概要は第 1 章「Sun Management Center 4.0 のインストール」、またその詳細は第 6 章「エージェントのインストールと更新、および Microsoft Windows へのインストール」でそれぞれ説明しています。
Sun Management Center ソフトウェア管理フレームワークは、Sun Management Center の中核機能を提供するコンソールコンポーネント、サーバーコンポーネント、およびエージェントコンポーネントから成る 3 層アーキテクチャーをベースとしています。
サーバーは管理作業を実施し、それら管理作業の実行要求を Sun Management Center エージェントに送信します。サーバーには、ネットワークハードウェアとソフトウェアの情報や、ネットワークと Sun Management Center の構成などがデータベースとして保存されます。Sun Management Center サーバーは、通常、専用のマシン 1 台にインストールされます。つまり、ネットワークあたり 1 つあればすみます。
エージェントは Sun Management Center サーバーの指令に応答し、ローカルマシン上の管理情報にアクセスして、アラームの判定情報を提供したり、ローカルリソースを監視したりします。エージェントは、自動的に Sun Management Center サーバーマシンにインストールされますが、監視するマシンには、個別にインストールする必要があります。
Java コンソールは、ネットワークの監視と管理に使用できるグラフィカルユーザーインタフェースです。
Web コンソールは Java コンソールの代わりに使用できるユーザーインタフェースで、機能的には、Java コンソールのサブセット版になっています。
Sun Management Center Web サーバーは、サーバーレイヤーと同じホストにサーバーレイヤーとともにインストールされます。
Web サーバーを使用すると、次のどちらかの Web ブラウザをサポートする任意のシステムから Sun Management Center の Web コンソールにアクセスできます
Internet Explorer 6.0
MozillaTM 1.7
Firefox 2.0
Sun Management Center は、各システムにインストールされた Sun Management Center エージェントに要求を送信することによって処理を開始します。エージェントは SNMP 技術にもとづいてサーバー要求を処理するほか、データをローカルに収集して処理するというように自発的な処理も行います。エージェントは、観察された条件に従って SNMP トラップ (ネットワークでエラーまたは特定のイベントが発生した場合に送信されるメッセージ) を送信したり、管理処理を行なったりできます。また、マネージャーとの接続が困難な場合でも、カスタマイズされたルールやしきい値にもとづいてアラームを生成したり特定の処理を開始したりもできます。SNMP の詳細は、「セキュリティーキーと SNMP コミュニティー文字列」 および 「SNMP デーモンとレガシーエージェント」を参照してください。
Sun Management Center エージェントの管理機能と監視機能は、読み込み可能なモジュールとして構成されます。柔軟性のあるこれらのエージェントモジュールを利用することで、システムごとに必要なだけの監視と管理を行えます。Sun Management Center コンソールから Sun Management Center エージェントにモジュールをさらに読み込む必要がある場合は、管理システムとエージェントシステムを妨害することなく動的に行えます。Sun Management Center のモジュールの詳細は、『Sun Management Center 3.6.1 ユーザーガイド』の付録 C「Sun Management Center ソフトウェアのモジュール」を参照してください。
Sun Management Center には 4 つのアドオンがあり、これらは Sun Management Center ディストリビューションの一部としてメディアまたは Web ダウンロードイメージで配布されます。
Advanced System Monitoring - 総合的なカーネルリーダー、Solaris の健全性監視、ファイルシステムの監視、ディレクトリサイズの監視、プロセスの監視、IPv6 プロトコルの監視、MIB-II 計測、ログ表示などの機能があります。
Service Availability Manager - ネットワークサービス (DNS/NIS ネーミングサービス、Web サーバー、ディレクトリ、LDAP、Telnet、FTP、メール、Solaris カレンダなど) の可用性のテストと測定を行います。
System Reliability Manager - 信頼性を高めます。サービスレベルの向上と管理コストの削減に役立ちます。
ベースアドオンおよび追加アドオン製品の詳細は、Sun Management Center Web サイト、http://www.sun.com/software/solaris/sunmanagementcenter/ を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアをインストールするハードウェアプラットフォームによっては、システムがプラットフォーム固有のアドオンを別途必要とする場合があります。これらのアドオン製品には、特定の Sun ハードウェアアーキテクチャーのサポート、Config Reader、新規エージェントの管理などの機能が含まれます。特定のハードウェアプラットフォームの詳細は、使用しているハードウェアプラットフォームについての Sun Management Center 追補マニュアルを参照してください。Sun Management Center の追加のアドオンについては、http://www.sun.com/software/solaris/sunmanagementcenter/ の Web サイトを参照してください。
個々のハードウェアプラットフォームに Sun Management Center ソフトウェアをインストールする場合は、事前にそのプラットフォームについての Sun Management Center 追補マニュアルに必ず目を通し、アーキテクチャー固有のインストール方法を確認してください。
アドオン製品は、次に示す2 つの方法でリリースされています。
Sun Management Center ディストリビューション (媒体または Web ダウンロードイメージ) の一部としてリリース
個別にリリース (アドオン製品のみ)
Sun Management Center ディストリビューションの一部としてリリースされるアドオン製品は、インストールプロセスでインストールされます。(ベースコンポーネントがまずインストールされ、続いてアドオン製品がインストールされる)。
アドオン製品の多くにはアーキテクチャー固有のサポートがあるため、インストールプログラムによってハードウェアのチェックが行われます。たとえば、アドオン製品がワークステーションシステムをサポートする場合には、ユーザーはワークステーションホストに Sun Management Center をインストールする時にワークステーション用アドオンをインストールするかどうかを選択できます。通常は、アドオン製品のインストール前に確認を求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center ディストリビューションとは別にアドオン製品がリリースされる場合には、そのアドオン製品に付属の追補マニュアルでその製品のインストール方法が説明されます。
Solaris プラットフォームでのインストールとセットアップに成功すると、表 2–1 に示すようなディレクトリが作成されます。
Microsoft Windows の場合は、C:\Program Files\SUNWsymon ディレクトリのみ作成されます。
表 2–1 Sun Management Center のデフォルトの Solaris ディレクトリ
ディレクトリ |
説明 |
---|---|
/opt/SUNWsymon |
Sun Management Center の基本ファイルとアプリケーションを含むルートディレクトリ |
/etc/opt/SUNWsymon |
Sun Management Center ソフトウェアアプリケーションの init スクリプトが含まれます |
/var/opt/SUNWsymon |
使用しているシステム用の Sun Management Center 構成ファイルとデータファイルが含まれます |
この節では、Sun Management Center のインストールによって変更されるシステムファイルについて説明するとともに、オペレーティングシステムのパッチの概要を述べます。
Sun Management Center ソフトウェアのインストールプログラムは、マシン上のローカルファイル /etc/group にグループ esadm、esdomadm、および esops を追加します。Sun Management Center サーバーがインストールされているマシンでは、/etc/group 内にデータベースグループ smcdbg 用のグループエントリが作成されます。
Sun Management Center のセットアップ時に管理者として指定されるユーザーは、esadm グループと esdomadm グループに追加されます。たとえば、スーパーユーザーアカウントを Sun Management Center 管理者として指定すると、インストールプログラムは /etc/group に次の行を追加します。
smcdbg::98194049: esadm::1000:root esdomadm::1001:root esops::1002:
Sun Management Center ソフトウェアのインストールでは、/etc/passwd ファイルにユーザー smcdbu が追加されます。ユーザーアカウント smcdbu は、Sun Management Center サーバーレイヤーのデータベースを実行するために必要なものです。
/var/opt/SUNWsymon/cfg/esusers ファイルは、権限を持つ Sun Management Center ユーザーを定義するために使用されます。詳細は、「ユーザー、グループ、および役割の概要」を参照してください。