Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

第 4 章 Sun Management Center のアップグレードまたはインストールの準備

この章では、Sun Management Center 4.0 のインストールに先立って行う Solaris システムと Microsoft Windows システムの準備作業について説明します。

この章では、次の内容について説明します。

ほかのソフトウェアおよび同製品の以前のバージョンとの互換性

Sun Management Center 4.0 ソフトウェアは、次のソフトウェアと互換性があります。

Sun Management Center ソフトウェアには、次の機能はありません。

インストール前のチェックリスト

Sun Management Center 4.0 をインストールする前、またはインストールされている既存の Sun Management Center を Sun Management Center 4.0 にアップグレードする前に行う必要がある作業は次のとおりです。

必須パッケージ

Sun Management Center 4.0 サーバーレイヤーには、次の Solaris オペレーティング環境パッケージが必要です。これらのパッケージは Solaris 開発者環境の一部としてインストールされます。

4G バイトを超える RAM を持つ Solaris システム

RAM 容量が 4G バイトを超えるシステムでは、Sun Management Center 4.0 をインストールする前に 64 ビットソース互換パッケージ SUNWscpux をインストールする必要があります。このパッケージをインストールしないと、コマンド行によるインストールプロセスで次のメッセージが表示され、インストールに失敗します。


ps: read() on /proc/551/as: Value too large for defined data type
ps: read() on /proc/542/as: Value too large for defined data type

次に示す Solaris 環境のいずれかを選択した場合には、Solaris のインストールで SUNWscpux パッケージが自動的にインストールされます。

システム上にこのパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、端末ウィンドウにコマンド pkginfo SUNWscpux を入力してください。

Java 環境変数とパス

Solaris システムで Sun Management Center 4.0 インストールウィザード、セットアップウィザード、および Java コンソールを正しく稼働させるには、環境変数 JAVA_HOMEPATH を設定する必要があります。同様に、Sun Management Center の Java コンソールを Microsoft Windows で正しく稼働させるには、JDK ソフトウェアのパスを含むように Microsoft Windows の %PATH% を変更する必要があります。

環境変数とパスを正しく設定しないと、Sun Management Center 4.0 のインストールとセットアップは失敗します。

ProcedureSolaris プラットフォームで JAVA_HOMEPATH を設定する

システムのデフォルトの場所に JDK 1.5 ソフトウェアがインストールされている場合は、Solaris プラットフォームで JAVA_HOME および PATH 環境変数を設定する必要があります。

  1. su - root と入力することによって、root としてログインします。

  2. JAVA_HOME/usr/j2se を設定します。

    • C シェル環境の場合


      # setenv JAVA_HOME /usr/j2se
      
    • Bourne シェルまたは Korn シェル環境の場合


      # JAVA_HOME=/usr/j2se
      # export JAVA_HOME
      

    ヒント –

    .login または .cshrc ファイルに適切なステートメントを追加します。


  3. システムパスに /usr/j2se/bin を追加します。

  4. PATH/usr/bin の前に /usr/j2se/bin を入れます。

  5. PATH/usr/ucb の前に /usr/bin を挿入します。

ProcedureMicrosoft Windows 2000 で PATH を設定する

  1. 「スタート」、「設定」、「コントロールパネル」の順に選択します。

  2. 「システム」をダブルクリックします。

  3. 「詳細」タブ、「環境変数」の順に選択します。

    「環境変数」ウィンドウが表示されます。

  4. 「ユーザー環境変数」と「システム環境変数」で「Path」をクリックし、「編集」 をクリックします。

    「システム変数の編集」ウィンドウが表示されます。


    注 –

    「システム変数の編集」ウィンドウに、環境変数 %SystemRoot% を使用した Microsoft Windows ルートディレクトリが表示されます。


  5. PATH ステートメントに JDK bin ディレクトリの場所を追加します。

    たとえば、「システム変数の編集」ウィンドウに表示される PATH ステートメントが %SystemRoot%\system32;%SystemRoot% の場合、新しい PATH ステートメントは %SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;c:\j2 version-number\bin になります。ここで、version-number は JDK のバージョンです。

    次に例を示します。

    %SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;c:\j2sdk1.5\bin

    PATH ステートメント内の各ディレクトリは、このようにセミコロンで区切ってください。

  6. 「OK」をクリックして各ウィンドウを 1 つずつ閉じます。

ProcedureMicrosoft Windows XP で PATH を設定する

  1. 「スタート」、「設定」、「コントロールパネル」の順に選択します。

  2. 「システム」をダブルクリックします。

  3. 「詳細」タブ、「環境変数」の順に選択します。

    「環境変数」ウィンドウが表示されます。

  4. 「ユーザー環境変数」と「システム環境変数」で「Path」をクリックし、「編集」 をクリックします。

    「システム変数の編集」ウィンドウが表示されます。


    注 –

    「システム変数の編集」ウィンドウに、環境変数 %SystemRoot% を使用した Microsoft Windows ルートディレクトリが表示されます。


  5. PATH ステートメントに JDK bin ディレクトリの場所を追加します。

    たとえば、「システム変数の編集」ウィンドウに表示される PATH ステートメントが %SystemRoot%\system32;%SystemRoot% の場合、新しい PATH ステートメントは %SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;c:\j2 version-number\bin になります。ここで、version-number は JDK のバージョンです。

    次に例を示します。

    %SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;c:\j2sdk1.5\bin

    PATH ステートメント内の各ディレクトリは、このようにセミコロンで区切ってください。

  6. 「OK」をクリックして各ウィンドウを 1 つずつ閉じます。

ProcedureLinux で PATH を設定する

  1. ホームディレクトリに移動します。

    cd $HOME

  2. .bashrc ファイルを開きます。

  3. ファイルに次の行を追加します。JDK-directory の部分をJava インストールディレクトリに置き換えます。

    export PATH=/usr/java/JDK-directory/bin:$PATH

  4. ファイルを保存し、終了します。

    .bashrc ファイルを Linux に強制的に再度読み込ませるには、source コマンドを使用します。通常、このファイルはログインしたときにのみ読み込まれます。

    source .bashrc


    注 –

    すべてのユーザーに対して PATH を設定する場合は、bash シェルで root としてログインしてから、ホームディレクトリにある .bashrc ファイルではなく、etc ディレクトリにある .profile ファイルに対して前述の作業を行う必要があることに注意してください。


インストールソースの確認

Sun Management Center 4.0 のインストール、セットアップ、および構成は、Sun Management Center のインストール DVD、またはネットワーク上に配置された Sun Management Center インストールイメージを使用して行えます。DVD イメージを使用すると、マシンごとに DVD から Sun Management Center をインストールする必要がなくなります。

この節では、Sun Management Center インストールイメージを作成する手順を説明します。

インストールイメージを得る方法は 2 つあります。その 1 つは、Sun Management Center インストール DVD をネットワーク上の特定の場所にコピーする方法です。もう 1 つは、Sun Management Center Web サイトから Sun Management Center インストールイメージをダウンロードして展開する方法です。


注 –

インストール、セットアップ、および構成を行うには、Solaris にはスーパーユーザー (root) として、Microsoft Windows には管理者 (administrator) としてログインする必要があります。


DVD インストールイメージの作成

Sun Management Center の DVD イメージを作成するには、イメージを格納するディレクトリを作成し、各 DVD をコピーしたあと、ディレクトリを NFS マウントを使用して共有しま す。

ProcedureDVD イメージを作成する

  1. 端末ウィンドウから、root としてログインします (su -root と入力)。

  2. DVD のコピー先となるディレクトリを作成します。

    次に例を示します。


    # mkdir /SunManagementCenter
    
  3. DVD イメージ用に作成したディレクトリへ移動します。

    次に例を示します。


     # cd /SunManagementCenter
    
  4. DVD ごとに diskn ディレクトリを作成します (n はディスクの連続番号)。

    次に例を示します。


    /SunManagementCenter# mkdir disk1 disk2
    
  5. vold デーモンが動作していることを確認します。


    /SunManagementCenter# ps -eaf | grep vold
    root 19033 19000  0 08:37:55 pts/9    0:00 vold
    /SunManagementCenter#

    grep コマンドがシステムプロンプトだけを返した場合、vold デーモンは動作していません。したがって、次のように起動する必要があります。


    /SunManagementCenter# /usr/sbin/vold &
    
  6. DVD ドライブに Sun Management Center 4.0 DVD を挿入します。

  7. Sun Management Center 4.0 DVD の内容を一覧表示します。その内容を disk1 サブディレクトリにコピーします。

    コピーが完了したら、DVD とディレクトリの内容を表示して、ディスクイメージの内容を確認します。

    次に例を示します。


    /SunManagementCenter# cp -r /DiskMountDir/.* disk1
    /sunmanagementcenter > ls -acp /DiskMountDir/.*
    .          .CD        Copyright  image/      lib/
    ..         .CD01      classes/    install/    sbin/
    /sunmanagementcenter > ls -acp disk1
    .          .CD        Copyright  image/      lib/
    ..         .CD01      classes/    install/    sbin/

    注意 – 注意 –

    <DiskMountDir> はシンボリックリンクです。前述の例のように、Sun Management Center ディレクトリのみをコピーします。


  8. Sun Management Center 4.0 DVD イメージのディレクトリを NFS 共有にします。

    NFS を使用して DVD イメージディレクトリを共有すると、DVD から手動でインストールする代わりに、DVD インストールイメージを使用してほかのマシンから Sun Management Center 4.0 をインストールできます。

    1. NFS デーモン mountd を停止します。


      /SunManagementCenter# /etc/init.d/nfs.server stop
      
    2. /etc/dfs/dfstab ファイルに次の行を追加します。

      share -F nfs -o ro image-dir

      image-dir は、「Java 環境変数とパス」で作成した Sun Management Center 4.0 のイメージディレクトリです。

      次に例を示します。share -F nfs -o ro /SunManagementCenter

    3. /etc/dfs/dfstab を保存して閉じます。

    4. NFS デーモン mountd を起動します。


      /SunManagementCenter# /etc/init.d/nfs.server start
      

      以上の操作で、ほかのマシンから Sun Management Center 4.0 イメージディレクトリにアクセスできるようになります。

    これで、Sun Management Center の DVD イメージを使用して、Sun Management Center 4.0 をインストールしたり、以降の章で説明するように、旧バージョンの Sun Management Center をアップグレードしたりできます。

ダウンロードした tar ファイルからのイメージの作成

Web からネットワーク上の Solaris マシンに、圧縮された Sun Management Center Sun Management Center tar ファイルを ダウンロードします。続いて tar ファイルを展開し、イメージディレクトリに保存します。

Sun Management Center をダウンロードするには、Sun Web サイトユーザーとして Sun に登録し、登録したユーザー ID を使用してログインする必要があります。登録のためのリンクは、ダウンロードソフトウェアの Web ページに用意されています。


注意 – 注意 –

tar ファイルをダウンロードする前に、tar ファイルと、tar ファイルを圧縮解除して展開する場合に作成されるイメージファイル用として、1.6G バイト以上の空きディスク領域があることを確認してください。


ProcedureWeb サイトから Tar ファイルをダウンロードする

  1. 端末ウィンドウで、Sun Management Center のインストールイメージを作成するシステムに root としてログインします。

  2. Sun Management Center の Web サイト (http://www.sun.com/sunmanagementcenter/) に移動します。

  3. Get it Now」をクリックします。

    指示に従い、スーパーユーザーとしてアクセス可能な場所へ Sun Management Center 4.0 をダウンロードします。

  4. ダウンロードした tar ファイルがある場所に移動します。


    # cd /download-directory
    
  5. Sun Management Center パッケージを抽出します。


    # zcat downloaded-filename | tar xvf -
    

    サブディレクトリ disk1disk2 を含むイメージソースディレクトリが作成されます。

  6. Sun Management Center 4.0 イメージディレクトリを NFS 共有にします。

    NFS を使用して イメージディレクトリを共有すると、DVD から手動でインストールする代わりに 、インストールイメージを使用してほかのマシンから Sun Management Center 4.0 をインストールできます。

    たとえば、イメージを SunManagementCenter ディレクトリに抽出した場合、このディレクトリを次のように NFS 共有します。

    1. NFS デーモン mountd を停止します。


      /SunManagementCenter# /etc/init.d/nfs.server stop
      
    2. エディタで /etc/dfs/dfstab ファイルを開きます。

      次の行を追加します。

      share -F nfs -o ro image-dir

      image-dir は Sun Management Center 4.0 のイメージがあるディレクトリです。

      次に例を示します。share -F nfs -o ro /SunManagementCenter

    3. /etc/dfs/dfstab を保存して閉じます。

    4. NFS デーモン mountd を起動します。


      /SunManagementCenter# /etc/init.d/nfs.server start
      

      以上の操作で、ほかのマシンから Sun Management Center 4.0 イメージディレクトリにアクセスできるようになります。

    これで、Sun Management Center のイメージを使用して、Sun Management Center 4.0 をインストールしたり、以降の章で説明するように、旧バージョンの Sun Management Center をアップグレードしたりできます。