ここでは、ハードウェア冗長性に関する基本的な情報について説明します。多くの刊行物が、高可用性を実現するためのハードウェア冗長性の使用に関する包括的な情報を提供しています。特に、John Wiley & Sons, Inc. によって発行された『Blueprints for High Availability』を参照してください。
ハードウェア SPOF は、次のように広範囲に分類できます。
ネットワーク障害
Directory Server または Directory Proxy Server が実行されている物理サーバーの障害
ロードバランサの障害
ストレージサブシステムの障害
電源装置の障害
ネットワークレベルでの障害は、冗長性のあるネットワークコンポーネントを配置することによって軽減できます。配備を設計する場合は、次の冗長性のあるコンポーネントを配置することを検討してください。
インターネット接続
ネットワークインタフェースカード
ネットワーク配線
ネットワークスイッチ
ゲートウェイとルーター
冗長性のあるロードバランサをアーキテクチャーに追加することによって、SPOF としてのロードバランサを軽減できます。
データベース破壊の発生については、可用性を確保するためのデータベースフェイルオーバー手法を確立するようにしてください。冗長性のあるサーバーコントローラを使用することにより、ストレージサブシステム内の SPOF を軽減できます。また、コントローラとストレージサブシステムの間の冗長性のある配線、冗長性のあるストレージサブシステムコントローラ、または RAID を使用することもできます。
電源装置が 1 つしかない場合は、この電源がなくなるとサービス全体が使用不可になる可能性があります。この状況を回避するには、ハードウェアへの冗長電源装置の供給 (可能な場合) や、電源の分散化を考慮してください。電源装置内の SPOF を軽減するためのその他の方法には、サージプロテクタ、複数の電源供給元、およびローカルバッテリバックアップの使用や、ローカルでの電源の生成などがあります。
データセンター全体の障害は、たとえば、自然災害が特定の地域を襲った場合に発生します。この場合は、適切に設計された複数データセンターレプリケーショントポロジにより、分散ディレクトリサービス全体が使用不可になることを回避できます。詳細については、「高可用性を実現するためのレプリケーションと冗長性の使用」を参照してください。