Sun Java System Portal Server Secure Remote Access 7.2 管理ガイド

ネットレットの概要

Sun Java System Portal Server のユーザーが、一般的なアプリケーションや企業専用のアプリケーションをリモートデスクトップで安全に実行できると便利な場合があります。プラットフォームにネットレットを設定すると、このようなアプリケーションに安全にアクセスできるようになります。

ネットレットを使用することで、インターネットなどのセキュリティーの弱いネットワークで一般的な TCP/IP サービスを安全に実行できます。TCP/IP アプリケーション (Telnet や SMTP など)、HTTP アプリケーション、同じポートを使用するすべてのアプリケーションを実行できます。

アプリケーションが TCP/IP ベースであるか同じポートを使用する場合、ネットレットを介してアプリケーションを実行できます。


注 –

ダイナミックポートは、FTP を使用する場合にだけサポートされます。Microsoft Exchange を使用する場合は、OWA (Outlook Web Access) を使用します。

ネットレットアプレットを使用する場合は、ブラウザのポップアップブロッカを無効にするようにユーザーに通知してください。


ネットレットのコンポーネント

「ネットレットのコンポーネント」は、ネットレットで使用される各種コンポーネントを示しています。

図 6–1 ネットレットのコンポーネント

ネットレットのコンポーネント

localhost の待機ポート

これはネットレットアプレットが待機するクライアントマシン上のポートです。クライアントマシンは localhost です。

ネットレットアプレット

ネットレットアプレットは、リモートクライアントマシンと、Telnet、Graphon、Citrix などのイントラネットアプリケーションの間で、暗号化された TCP/IP トンネルの設定を担当します。アプレットはパケットを暗号化してゲートウェイに送信し、ゲートウェイからの応答パケットを解読してローカルアプリケーションに送信します。

スタティックルールの場合、ネットレットアプレットは、ユーザーがポータルにログインすると自動的にダウンロードされます。ダイナミックルールの場合、ダイナミックルールに対応するリンクをユーザーがクリックしたときにアプレットがダウンロードされます。スタティックルールとダイナミックルールの詳細については、「ルールのタイプ」を参照してください。

Sun Ray 環境でのネットレットの実行については、「Sun Ray 環境でのネットレットの実行」を参照してください。

ネットレットルール

ネットレットルールでは、クライアントマシンで実行する必要のあるアプリケーションが、対応する接続先ホストにマッピングされます。つまりネットレットは、ネットレットルールに定義されたポートに送信されたパケットに対してだけ動作します。これにより、セキュリティーが向上します。

管理者はネットレットの機能に対して特定のルールを設定する必要があります。これらのルールによって、使用される暗号化方式や、呼び出す URL、ダウンロードするアプレット、接続先ポート、接続先ホストなどの詳細が指定されます。クライアントマシン上のユーザーがネットレットを通じて要求を行う場合、これらのルールに基づいて接続の確立方法がすみやかに決定されます。詳細については、「ネットレットルールの定義」を参照してください。

ネットレットプロバイダ

これはネットレットの UI コンポーネントです。プロバイダを使用することで、Portal Server のデスクトップから必要なアプリケーションを設定できます。プロバイダにリンクが作成され、ユーザーはこのリンクをクリックして必要なアプリケーションを実行します。また、デスクトップネットレットプロバイダで、ダイナミックルールの接続先ホストを指定できます。「ネットレットルールの定義」を参照してください。

ネットレットプロキシ (オプション)

ゲートウェイは、リモートクライアントマシンとゲートウェイ間のセキュリティー保護されたトンネルを保証します。ネットレットプロキシの使用は任意です。インストール時にこのプロキシをインストールしない選択も可能です。ネットレットプロキシについては、「ネットレットプロキシの使用」を参照してください。

ネットレットの使用例

ネットレット使用時には、次の一連のイベントが行われます。

  1. リモートユーザーが Portal Server デスクトップにログインします。

  2. ユーザー、ロール、または組織にスタティックネットレットルールが定義されている場合は、リモートクライアントにネットレットアプレットが自動的にダウンロードされます。

    ユーザー、ロール、または組織にダイナミックルールが定義されている場合は、ネットレットプロバイダに必要なアプリケーションを手動で設定する必要があります。ネットレットアプレットは、ユーザーがネットレットプロバイダのアプリケーションリンクをクリックしたときにダウンロードされます。スタティックルールとダイナミックルールの詳細については、「ネットレットルールの定義」を参照してください。

  3. ネットレットはネットレットルールで定義されたローカルポートで待機します。

  4. ネットレットはリモートクライアントとホストの間で、ネットレットルールで指定されたポートを使用するチャネルを確立します。

ネットレットの操作

ネットレットが異なる組織間のさまざまなユーザーの要求に合わせて機能するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. ユーザー要件に基づいて、スタティックルールとダイナミックルールのどちらを作成するかを決定します。「ルールのタイプ」を参照してください。

  2. Portal Server 管理コンソールから、ネットレットサービスのオプションを設定します。ネットレットの設定については、第 11 章「ネットレットの設定」を参照してください。

  3. ルールの基準を組織、ロール、ユーザーから選択し、各レベルで必要に応じて修正します。組織、ロール、およびユーザーの詳細については、『Portal Server 管理ガイド』を参照してください。


    注 –

    srapNetletServlet.properties ファイルのフレームセットパラメータの値に、英語以外の言語は使用しないでください。