データエクスポータは、Identity Manager で管理または処理されたデータを、追加処理できるように DBMS テーブルのセットに定期的にエクスポートする機能を提供します。エクスポート処理はカスタマイズ可能で、一部の処理では適切な動作のために手動の操作が必要です。データエクスポータに関する Identity Manager の設定オブジェクトは、適切に保存および更新されます。ただし、Web アプリケーション内のファイルに対して行われる一部のエクスポータのカスタマイズでは、特別な処理が必要です。
アップグレード処理中に、Identity Manager は $WSHOME および $WSHOME/exporter ディレクトリにある、変更されていないすべてのデータエクスポータファイルを上書きします。データエクスポータファイルに変更を行なっている場合、アップグレード処理は変更されたバージョンのファイルをそのまま残し、新しいバージョンのファイルを $WSHOME/patches/Identity_Manager_8_1_0_0_ Date/filesNotInstalled にインストールします。新しい機能をカスタマイズに組み込む場合は、手動で行う必要があります。
$WSHOME にある次のファイルはカスタマイズされていることが多いので注意してください。
model-export.dtd model-export.xml model-export.xsl exporter/exporter.jar exporter/create_warehouse.* exporter/drop_warehouse.* exporter/hbm/*.hbm.xml
必要なアップグレード手順は、8.0 でデータエクスポータをカスタマイズしたかどうか、および 8.1 でのデータエクスポータの使用計画によって異なります。
8.0 でデータエクスポータをカスタマイズしていて、8.1 の機能を実装する場合は、次の手順に従います。
ウェアハウススキーマを削除します。
Identity Manager をアップグレードします。
$WSHOME/exporter ディレクトリの新しい DDL で、スキーマを作成し直します。
データを維持したままスキーマを変更できるスキーマアップグレードスクリプトはありません。したがって、データを保存する必要がある場合は、データをエクスポートしたあとでインポートする必要があります。8.1 のウェアハウススキーマは、以前のバージョンとテーブルとフィールドの互換性が維持されています。ただし 8.1 では、新しいテーブルと、既存のテーブルに新しいフィールドが追加されました。フィールドの順序も変更されました。したがって、エクスポート操作では DDL とデータのエクスポートではなく、データのみのエクスポートが必要となります。
カスタマイズを新しい 8.1 エクスポータファイルに組み込みます。model-export.xml をカスタマイズしている場合は、exporter.jar ファイルを再構築します。
新しいウェアハウススキーマを読み込みます。
8.0 でデータエクスポータをカスタマイズしていて、8.1 の機能を実装しない場合は、次の手順に従います。
追加の手順を必要とせずに、8.1 にアップグレードできます。ただし、8.1 のエクスポータにアップグレードして、ウェアハウス DDL をアップグレードしない場合は、EXT_ADMINGROUP テーブルがないことを示すエラーメッセージが「ウェアハウスの設定」ページに表示されます。これは、新しい 8.1 オブジェクトが存在しているのに、古い 8.0 ウェアハウス DDL が読み込まれていることを示しています。
8.0 でデータエクスポータをカスタマイズしていなくて、8.1 の機能を実装しない場合は、次の手順に従います。
ウェアハウススキーマを削除します。
Identity Manager をアップグレードします。
新しいウェアハウススキーマを読み込みます。
ウェアハウスのデータはそのまま残ります。model-export.xml をカスタマイズしている場合は、DDL を変更する必要はありません。model-export.xml をカスタマイズしていない場合は、新しい DDL を読み込む必要があります。
8.1 をインストールしたあと、8.1 バージョンの model-export.xml が存在する場合は、http://server:port/idm/model-export.xml のスキーマファイルで、新しいデータ型と属性を確認することができます。新しいデータ型と属性には、8.1 のリリース番号でフラグが設定されます。