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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Desktopユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E51908-01
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A 計算の例

この付録の項目は次のとおりです。

A.1 詳細情報の参照先

分析関数およびOracleの関数全般の詳細は、次のマニュアルを参照してください。

A.2 この付録で紹介する例の概要

次の項に示す例では、Discoverer Desktopサンプル・データを使用します。

A.3 追加のフォーマット

この付録の例では、次のフォーマットを使用しています。

A.4 単純な計算の例

この項では、計算の作成に役立つ次の例を紹介します。

A.4.1 クエリーから戻される行数の計算

この例では、クエリー結果件数を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region、City
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000 AND Region = Central

計算名 Rows returned
計算 ROWCOUNT
注意 ROWCOUNTでは、NULL値を数えません。NULL値を含めてクエリーから戻される行数を計算するには、まず一時的なアイテム、One record,(Calculation='1')を作成します。次に、One record,(SUM(Video Sales Analysis.One record))の出現回数をカウントする計算、Rows returnedを作成します。
表示されるデータ simple2.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.4.2 売上高の25%増の計算

この例では、売上高の25%増を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region、City
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000 AND Region = Central

計算名 25% Increase
計算 Sales SUM * 1.25
表示されるデータ simple1.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.4.3 テキストの大文字への変換

Discoverer Desktopでは、幅広い算術関数に加えて、数値やテキストをフォーマットする関数も使用できます。この例では、計算を使用してCityのテキスト・データを大文字にフォーマットしなおします。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000 AND Region = Central

計算名 City(Upper Case)
計算 UPPER(City)
表示されるデータ simple3.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5 分析関数の例

Oracle Business Intelligence Discovererでは、Oracleデータベースに含まれる分析関数をサポートしています。また、分析関数をネストできることで、標準SQLの機能性が拡張されます。これらの高度な機能を使用して、洗練されたデータ分析を実行できます。

この項は、次の項目で構成されています。

A.5.1 分析関数のカテゴリ

分析関数は、次のカテゴリに分類されます。

  • ランキング: 「地域別の売上が上位10位および下位10位までの営業担当者は?」のようなビジネス上の質問を処理します。

  • バンディング: 「売上の25%を占めているブランドは?」のようなビジネス上の質問を処理します。

  • ウィンドウ集計: 「13週間の移動平均株価は?」または「地域別の累積売上高は?」のようなビジネス上の質問を処理します。

  • 集計レポート: クエリーの処理後に、生成された行の数や、一連の行における1列の合計などの値を集計します。「製品グループの売上高における各製品の売上比率は?」のようなビジネス上の質問を処理します。

  • LAG/LEAD: 「1998年の売上増加率が、対1997年比で20%を超えている地域は?」や、「1997年度の売上高と1996年度の売上高との差は?」のようなビジネス上の質問を処理します。

  • 統計: Business Intelligence OLAPやスプレッドシート・アプリケーションを使用して統計分析を実行します。たとえば、共分散関数や線形回帰関数などです。

A.5.2 計算およびデータのドリル・インとドリル・アウト

分析関数を使用する場合、分析関数は厳密な定義を持っており、結果セットをドリル、ピボットまたはソートしてもこれらの定義は変化しない、という点に注意してください。たとえば、RANK関数を使用して、四半期別の売上高にランクを割り当てる場合、月レベルにドリルダウンしても、ランクが適用されるのは四半期レベルのみです。

A.5.3 分析関数テンプレートについて

Discoverer Desktopで分析関数を作成する場合、作成する関数を「計算」ダイアログ・ボックスに直接入力したり、貼り付けたり、関数リストから選択できます。

関数リストから分析関数を選択すると、汎用の分析関数テンプレートが表示され、ユーザー側からの指定が必要な情報が指示されるので、関数の定義が容易になります。テンプレートはあくまでも参考として使用してください。テンプレートは、多くの使用目的に適合するように設計されているため、必ずしもそのすべてを使用する必要はありません。

たとえば、新規のRANK分析関数を「計算」ボックスに貼り付けると、次のテンプレートが提示されます。

OVER (PARTITION BY expr1 ORDER BY expr2)

2つの式(expr1とexpr2)を使用した複雑な関数の定義もできますが、通常は、ORDER BY式のみを使用して、次の例のような単純な関数を定義できます。

RANK()OVER(ORDER BY 'Sales')

この例では、売上高(「Sales」アイテムで定義済)をランク付けしています。

注意: デフォルトでは、結果データは昇順(ASC)でソートされ、NULL値が先頭に(NULLS FIRST)なります。

分析関数テンプレートで使用する式の詳細は、「分析関数テンプレートの詳細」を参照してください。

A.5.4 ランキング関数の例

A.5.4.1 ランキングについて

ランキング関数では、順序付きリスト内のアイテムの、相対ランクが表示されます。

A.5.4.2 売上高へのランクの割当て

この例では、一連の売上高にランクを付けています。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000 AND Region = Central

計算名 Rank
計算 RANK() OVER(ORDER BY Sales SUM DESC)
注意 デフォルトでは、ランクが割り当てられた結果データは昇順(ASC)でソートされ、NULL値が最初に(NULLS FIRST)なります。DESCパラメータを追加すると、結果データは降順でソートされ、最高値にランク1が割り当てられます。
表示されるデータ rank.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.4.3 地域内の売上高へのランクの割当て

この例では、年度別・地域別に一連の売上高にランクを割り当てます。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000

計算名 Rank Top
計算 RANK() OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Sales SUM DESC)
表示されるデータ rsubg.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.4.4 売上の多い上位3都市を地域別に表示

この例では、一連の売上高にランクを割り当てて、地域別の売上高の上位3都市を表示します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000

Rank Top <= 3

計算名 Rank Top
計算 RANK() OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Sales SUM DESC)
ヒント リストをフィルタ処理して、上位1、2または3位の都市をすばやく表示するには、「Rank Top」アイテムをページ軸にピボットします(「テーブル上のデータのピボット」も参照)。
表示されるデータ rank_top.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.4.5 売上の多い上位3都市と売上の少ない下位3都市を地域別に表示

この例では、一連の売上高にランクを割り当てて、地域別の上位3都市および下位3都市を表示します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000

Rank Top <= 3 OR Rank Bottom <= 3

計算名 Rank Top
計算 RANK() OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Sales SUM DESC)
その他の必須の計算 Rank Bottom = RANK() OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Sales SUM ASC)
注意 この分析には次の3つの手順が必要です。

1: 「City」の「Sales SUM」に、「Rank Top」として降順のランクを割り当てます。

2: 「City」の「Sales SUM」に、「Rank Bottom」として昇順のランクを割り当てます。

3: 「Rank Top」のみを表示し、条件を使用してデータにフィルタを適用し、上位3つと下位3つの「Brand」のみを戻します。

次の例に示す「Central」地域では、上位3都市にランク1、2および3が割り当てられ、下位3都市にランク5、6および7が割り当てられています。「East」地域では、上位3都市にランク1、2および3が割り当てられ、下位3都市にランク6、7および8が割り当てられています。

表示されるデータ rtb3.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.5 バンディング関数の例

A.5.5.1 バンディングについて

バンディングは、ランキングの一種であり、パーティション内の値リストを、バンド(またはバケット)と呼ばれる指定数のグループに分割し、それぞれの値をバンドに割り当てます。

一般的なバンディングには、次の2つのタイプがあります。

  • 値によるバンディング: 値が、その自体に従ってグループに分割されます(等幅バンドとも呼ばれます)。

    ここでは、通常は関数によって、最大値から最小値が減算され、その結果が必要なバンド数で除算されます。この値によって、各バンドの範囲が定義されます。

    その後、値は、該当する範囲に応じて各バンドに割り当てられます。したがって、各バンドに含まれる値の数は、それぞれ異なる場合があります。たとえば、100個の値を4つの等幅バンドに分割した場合、各バンドに含まれる値の数は異なる可能性があります。

appendi7.gifについてはこの前後の文章で説明します

に基づいた等幅バンドを生成するには、GREATEST関数またはCASE関数を使用します。

  • ランクに基づくバンディング: 値が、値自体のランクに従ってグループに分割されます(等高バンドとも呼ばれます)。

    ここでは、関数によって区分内の値の数がバンド数で除算され、各バンドに入る値の数が算出されます。

    その後、各バンドには等しい数の値が配分されます。たとえば、100個の値を4つの等高バンドに分割すると、各バンドに含まれる値の数は25になります。

append5a.gifについてはこの前後の文章で説明します

ランクに基づいた等高バンドを生成するには、NTILE関数を使用します。

A.5.5.2 等幅バンドの生成(1)

この例では、売上高を、その売上高のに従ってバンドに分割します(等幅バンドとも呼ばれます)。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000、Region = Central

計算名 Sales Bands
計算 GREATEST(1,4-FLOOR((Sales SUM-Min Sales for Region)/GREATEST(1,FLOOR((Max Sales for Region-Min Sales for Region+1)/4))))
その他の必須の計算 Max Sales for Region = MAX(Sales SUM) OVER(PARTITION BY Region,Year)

Min Sales for Region = MIN(Sales SUM) OVER(PARTITION BY Region,Year)

注意 「Central Region」と「Year 2000」を例として使用するこの関数は、最大値(45,758)から最小値(7,749)を減算し、さらに4で除算して((45,758-7,749)/4)、値9,502.25を持つ4つの等しいバンドを算出しています。これによって、4つのバンドの範囲は次のようになります。
  • バンド1: 36,255.75から45,758

  • バンド2: 26,753.5から36,255.75

  • バンド3: 17,251.25から26,753.5

  • バンド4: 7,749から17,251.25

それぞれの値は、「Sales SUM」の値が該当する範囲に従って、4つのバンドのいずれかに割り当てられます。

表示されるデータ beqw.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.5.3 等幅バンドの生成(2)

この例では、「等幅バンドの生成(1)」の例と同じ結果が作成されますが、GREATEST関数ではなくCASE文を使用します。また、この例では、CASE関数を使用し、売上高をそのに従って各バンドに分割します(「等幅バンドの生成(1)」も参照)。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000、Region = Central

計算名 Sales Bands 2
計算 CASE WHEN Sales SUM < Q1 THEN 4 WHEN Sales SUM < Q2 THEN 3 WHEN Sales SUM < Q3 THEN 2 WHEN Sales SUM >= Q3 THEN 1 END
その他の必須の計算 MAX Sales = MAX(Sales SUM) OVER(PARTITION BY Year)

MIN Sales = MIN(Sales SUM) OVER(PARTITION BY Year)

Range = (MAX Sales - MIN Sales)/4

Q1 = MIN Sales + Range

Q2 = MIN Sales + (Range*2)

Q3 = MAX Sales ? Range

注意 この関数は、CASE関数の形式で一連のIF文を使用し、売上高をバンドに割り当てます(次の「バンドの範囲」を参照)。

append14.gifについてはこの前後の文章で説明します

表示されるデータ beqw2.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.5.4 等高バンドの生成

この例では、一連の売上高を2つの等高バンドに割り当てます。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000、Region = Central

計算名 Sales Bands 3
計算 NTILE(2) OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Sales SUM DESC)
注意 「Central Region」と「Year 2000」を例として使用するこの関数は、値の数(6)を求めて、その数を2で除算し、各バンドに値を3個ずつ割り当てています。次に「Sales SUM」順の値リストを作成し、値1、2および3をバンド1に割り当て、値4、5および6をバンド2に割り当てます。
表示されるデータ beqh.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.6 ウィンドウ集計関数の例

A.5.6.1 ウィンドウ集計について

ウィンドウ集計関数は、他の行の値を使用して、累積集計、移動集計およびセンター集計などを行うため使用します。

一般的なウィンドウ集計には、次の2つのタイプがあります。

  • 論理オフセットを使用したウィンドウ集計: このオフセットは、既存の値に対する相対値(ある日付の値より前の3か月間など)に基づいています。

    たとえば、月次売上高のリストがある場合、論理ウィンドウ集計では、前の3か月(現在の月を含む)の移動平均を計算できます。

append19.gifについてはこの前後の文章で説明します

この平均を計算する場合、リストにない月はNULL値とみなされます。この例の11月の3か月移動平均の計算では、リストにない9月と10月は、NULL値とみなされます。

  • 物理オフセットを使用したウィンドウ集計: このオフセットは、既存の値から指定した行数の値(現行のアイテムから3行分など)に基づいています。

    たとえば、月次売上高のリストがある場合、物理ウィンドウ集計では、リストにない月は無視して前の3行の移動平均を計算できます。

append20.gifについてはこの前後の文章で説明します

この平均を計算する場合、リストにない月は無視されます。この例の11月の3か月移動平均の計算では、6月、7月および11月が使用されます。

A.5.6.2 売上の3か月移動平均の計算

この例では、論理ウィンドウ集計を使用して、3か月の売上高の移動平均を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000、Region = Central

計算名 Sales Bands 3
計算 NTILE(2) OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Sales SUM DESC)
注意 「Central Region」と「Year 2000」を例として使用するこの関数は、値の数(6)を求めて、その数を2で除算し、各バンドに値を3個ずつ割り当てています。次に「Sales SUM」順の値リストを作成し、値1、2および3をバンド1に割り当て、値4、5および6をバンド2に割り当てます。
表示されるデータ beqh.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.6.3 売上の累積値の表示

この例では、物理ウィンドウ集計を使用して、累積売上高を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000、Region = Central

計算名 Cumulative Total
計算 SUM(Sales SUM) OVER(ORDER BY Sales SUM DESC ROWS UNBOUNDED PRECEDING)
表示されるデータ cump2.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.7 集計レポート関数の例

A.5.7.1 集計レポート関数について

集計レポート関数は、集計を行うために使用します。

A.5.7.2 年度別年間売上の計算

この例では、年度別年間売上高を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000

計算名 Annual Sales
計算 SUM(Sales SUM) OVER()
表示されるデータ reportin.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.7.3 地域別年間売上高の計算

この例では、年度別および地域別の年間総売上高を計算しています。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000

計算名 Annual Sales by Region
計算 SUM(Sales SUM) OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Year, Region)
表示されるデータ reportia.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.7.4 地域別年間売上比率の計算

この例では、都市ごとに年度別・地域別の年間売上比率を計算しています。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region、% of Annual Sales
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000

計算名 % of Annual Sales
計算 Sales SUM*100/Annual Sales by Region
その他の必須の計算 Annual Sales by Region= SUM(Sales SUM) OVER(PARTITION BY Year, Region ORDER BY Year, Region)
表示されるデータ reportib.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.7.5 総売上高に占める売上比率の計算

この例では、総売上高に占める売上比率を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year(Calendar Year)、Region、City、Sales SUM
ソート順序 Year、Region、% of total Sales
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Year = 2000、Region = Central

計算名 % of total Sales
計算 RATIO_TO_REPORT(Sales SUM) OVER()*100
表示されるデータ reportic.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.8 LAG/LEAD関数の例

A.5.8.1 LAG/LEAD関数について

LAG関数とLEAD関数は、通常、異なる期間中の値を比較するために使用します。たとえば、2000年の売上高と2001年の売上高を比較します。

  • LAG: テーブルの複数行に内部結合なしで同時にアクセスできます。

  • LEAD: 現在の位置からのオフセットを指定して別の行にアクセスできます。

A.5.8.2 期間別売上高の比較

この例では、期間別の売上高を比較します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year (Calendar Year), Sales SUM
ソート順序 Year
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Region = Central

計算名 Previous Year
計算 LAG(Sales SUM,1) OVER(ORDER BY Year)
注意 1998年には比較する値がないため、1998年に対する「Previous Year」の値は空白です。
表示されるデータ laglead1.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.8.3 期間別の売上成長率の計算

この例では、A.5.8.2の例からの売上高比較を使用して、期間別の売上成長率を計算します。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year (Calendar Year), Sales SUM
ソート順序 Year
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Region = Central

計算名 Growth
計算 (Sales SUM-Previous Year)*100/Previous Year
その他の必須の計算 Previous Year = LAG(Sales SUM,1) OVER(ORDER BY Year)
注意 1998年には比較する値がないため、1998年に対する「Previous Year」の値は空白です。
表示されるデータ laglead2.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.8.4 売上成長率のランク付け

この例では、A.5.8.2およびA.5.8.3の例で使用した売上高比較を使用して、年度別の売上成長率ランクを割り当てます。

ワークブックのオプション 詳細
アイテムの選択 Video Analysis Information: Year (Calendar Year), Sales SUM
ソート順序 Year
条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

Region = Central

計算名 Rank Growth
計算 RANK() OVER(ORDER BY Growth DESC)
その他の必須の計算 Previous Year = LAG(Sales SUM,1) OVER(PARTITION BY 'Year' ORDER BY 'Year' )

Growth = (Sales SUM-Previous Year)*100/Previous Year

注意 1998年には比較する値がないため、1998年に対する「Previous Year」「Growth」の値は空白になり、「Rank Growth」の計算結果は1となります。
表示されるデータ laglead4.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.5.9 統計関数の例

A.5.9.1 統計関数について

統計関数は、共分散、相関関係および線形回帰の統計を計算するために使用します。各関数は、順序付けのないセットとして動作します。これらの関数は、ウィンドウ集計関数および集計レポート関数としても使用できます。

A.5.9.2 線形回帰の計算

この例では、「Month」別の「Profit SUM」を「Sales SUM」の一次関数として表す微分最小2乗法で、回帰直線を計算しています。使用される関数は次のとおりです。

  • SLOPE: 回帰直線の解傾き

  • INTERCEPT: 回帰直線の解切片

  • REGR_R2: 回帰直線の解係数

  • REGR_COUNT: アイテム数

  • REGR_AVGX: 平均給与

  • REGR_AVGY: 平均賞与

    ワークブックのオプション 詳細
    アイテムの選択 Video Analysis Information: Year (Calendar Year), Month (Calendar Month), Sales SUM, Profit SUM
    ソート順序 Year
    条件 Department = Video Sale OR Department = Video Rental

    Year = 2000

    計算 Slope = REGR_SLOPE(Profit SUM,Sales SUM) OVER(ORDER BY Profit SUM)

    Intercept = REGR_INTERCEPT(Profit SUM,Sales SUM) OVER(ORDER BY Profit SUM)

    Coefficient = REGR_R2(Profit SUM,Sales SUM) OVER(ORDER BY Profit SUM)

    Count = REGR_COUNT(Profit SUM,Sales SUM) OVER(ORDER BY Profit SUM)

    Average = REGR_AVGX(Profit SUM,Sales SUM) OVER(ORDER BY Profit SUM)

    Average 2 = REGR_AVGY(Profit SUM,Sales SUM) OVER(ORDER BY Profit SUM)

    表示されるデータ stats1.gifについてはこの前後の文章で説明します

A.6 分析関数テンプレートの詳細

新規の分析関数を「計算」ボックスに貼り付けると、次の汎用テンプレートが提示されます。

OVER (PARTITION BY expr1 ORDER BY expr2)

これらの式の使用方法は次のとおりです。

Oracleの式の詳細は、「詳細情報の参照先」を参照してください。

A.7 分析関数と順序付け

条件に分析関数を使用する場合、分析関数以外との組合せ方法は、クエリーから戻されるデータに影響を与えます。次の順序付け規則が適用されます。

order1.gifについてはこの前後の文章で説明します

この例では、最初に「Region = 'Central'」の条件が適用された後で「Rank」が計算され、次に「'Rank <= 3'」の条件(分析関数を含む条件)が適用されます。

order3.gifについてはこの前後の文章で説明します

この例では、最初に「Rank」が評価された後で、「Rank <= 3」の条件が適用され、次に「Region = 'Central'」の条件が適用されます。

次の2つの例を使用して、関数の処理順序がクエリー結果のデータに与える影響を示します。

append29.gifについてはこの前後の文章で説明します

前述の最初の使用例では、2つの単純な条件を適用します。条件は、「Region = 'Central'」および「Rank <= 3」(「Rank」は分析関数)です。最初に「Region = 'Central'」の条件が適用されてから、「Rank <= 3」の条件が適用されます。したがって、「Central」地域の売上高のうち、ランクが3以下の値のみが結果セットに格納されます。

append30.gifについてはこの前後の文章で説明します

前述の2番目の使用例では、高度な条件を1つ適用します。条件は、「Region = 'Central' AND Rank <= 3」(「Rank」は分析関数)です。最初に「Rank <= 3」の条件が適用されてから、「Region = 'Central'」の条件が適用されます。したがって、Central地域の売上高のうち、全体のランクが3以下の値のみが結果セットに格納されます。