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Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B60984-01
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16 環境のバックアップ

この章では、Oracle Fusion Middlewareの推奨されるバックアップ計画およびその手順について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

16.1 環境のバックアップの概要

第15.3.2項で説明するように、Oracle Fusion Middleware環境のバックアップでは次の推奨される計画を使用する必要があります。

図16-1のフロー・チャートは、特定の状況に適したバックアップのタイプを判断する方法の概要を示しています。

図16-1 バックアップのタイプを判断するためのフロー・チャート

図16-1の説明は次にあります
「図16-1 バックアップのタイプを判断するためのフロー・チャート」の説明

16.2 データのバックアップに関する制限事項

次の点に注意してください。

16.3 バックアップの実行

実行できるバックアップのタイプは、次のとおりです。

16.3.1 全体オフライン・バックアップの実行

全体オフライン・バックアップを行うには、Oracle Fusion Middlewareのファイルが含まれているディレクトリをコピーします。

アーカイブ用のツールを使用して、ソースMiddlewareホームをアーカイブおよび圧縮します。使用しているツールが、ファイルの権限を保存することを確認してください。

Windowsでのオンライン・バックアップにはcopy、Windowsでのオフライン・バックアップにはcopy、xcopyまたはjarを使用します。

一部のバージョンのWindowsでは、ファイル名が256文字を超えていると失敗します。この問題が発生しないようにするには、次のスイッチを指定したxcopyコマンドを使用できます。

xcopy /s/e  "C:\Temp\*.*"  "C:\copy"

構文と制限の詳細は、xcopyのヘルプを参照してください。

Winzipは、長いファイル名や拡張子には対応していないため使用しないでください。

LinuxおよびUNIXの場合はtarを使用します。

UNIXでソースをアーカイブおよび圧縮する方法を、次の例で示します。

cd Source_Middleware_Home 
tar cf - * | gzip > mw_home_backup_032010.tar.gz

ファイルの中にsticky bitに設定されているものがある場合、tarユーティリティは警告を発する場合があります。この警告は無視してかまいません。

ファイル・システムのアーカイブおよび圧縮には、jarユーティリティを使用しないでください。これによって、ORACLE_HOME/jdkファイルなど、開いているファイルの圧縮に関する警告やエラーがzipツールから表示されなくなります。

次の手順に従います。

  1. Middlewareホームのプロセスをすべて停止します。たとえば、管理対象サーバー、管理サーバー、およびMiddlewareホームで実行されているOracleインスタンスを停止します。

  2. すべてのホスト上のMiddlewareホーム(MW_HOME)をバックアップします。次に例を示します。

    tar -cf mw_home_backup_032010.tar MW_HOME/*
    
  3. ドメインがMiddlewareホーム内に見つからない場合は、管理サーバーのドメインを個別にバックアップします。これによって、Oracle SOA SuiteやOracle WebCenterなどのJavaコンポーネントがバックアップされます。

    たとえば、次のように指定します。

    tar -cf domain_home_backup_032010.tar domain_name/*
    

    ほとんどの場合、管理対象サーバーのディレクトリを個別にバックアップする必要はありません。管理サーバーのドメインには管理対象サーバーに関する情報が格納されているためです。バックアップが必要なものの詳細は、第15.5項を参照してください。

  4. Oracleインスタンス・ホームがMiddlewareホーム内に見つからない場合は、Oracleインスタンス・ホームをバックアップします。Oracleインスタンス・ホームには、Oracle HTTP ServerやOracle Internet Directoryなどのシステム・コンポーネントに関する構成情報が含まれています(システム・コンポーネントの一覧は、第3.5.2項を参照)。

    たとえば、次のように指定します。

    tar -cf sc_home_backup_032010.tar ORACLE_INSTANCE/*
    
  5. 管理対象サーバーがドメイン内に見つからない場合は、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップします。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf mg1_home_backup_032010.tar server_name/*
    
  6. OraInventoryディレクトリをバックアップします。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf Inven_home_backup_032010.tar /scratch/oracle/OraInventory
    
  7. oraInst.locファイルおよびoratabファイルをバックアップします。これらのファイルは、次のディレクトリにあります。

    /etc
    
  8. Oracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、データベース・リポジトリをバックアップします。詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。次のリンクから入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    
  9. Windowsの場合は、次のレジストリ・キーをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\oracle
    

    また、Oracle Web Cacheなどのシステム・コンポーネント用に、次のWindowsレジストリキーをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services
    

    キーをエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

    regedit /E  FileName Key
    

    たとえば、次のように指定します。

    regedit /E C:\oracleregistry.reg HKEY_LOCAL_MACHINE/oracle 
    

    キーのエクスポートにはレジストリ・エディタを使用することもできます。詳細は、レジストリ・エディタのヘルプを参照してください。

  10. Oracle Fusion Middleware環境の記録を作成します。第16.4項を参照してください。

16.3.2 ランタイム・アーティファクトのオンライン・バックアップの実行

ランタイム・アーティファクトのバックアップは、定期的に、また第15.3.2項で説明している時点で実行する必要があります。

ランタイム・アーティファクトをバックアップする手順は次のとおりです。

  1. バックアップの矛盾を防ぐために、バックアップが完了するまでは、いずれの構成も変更しないでください。WebLogic Serverドメインで変更が行われないようにするには、第3.4.2項で説明しているようにWebLogic Serverの構成をロックします。

  2. 管理サーバーのドメイン・ディレクトリをバックアップします。これによって、Oracle SOA SuiteやOracle WebCenterなどのJavaコンポーネントがバックアップされます。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf domain_home_backup_032010.tar MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/*
    

    Oracle Portal、Oracle Reports、Oracle Forms ServicesおよびOracle Business Intelligence Discovererの場合は、管理サーバーのドメイン・ディレクトリ以外にも、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップする必要があります。

  3. Oracleインスタンス・ホームをバックアップします。これによって、Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントがバックアップされます。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf sc_home_backup_032010.tar ORACLE_INSTANCE/*
    
  4. Oracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、データベース・リポジトリをバックアップします。詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。次のリンクから入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    
  5. Oracle Fusion Middleware環境の記録を作成します。第16.4項を参照してください。

16.4 Oracle Fusion Middleware構成の記録の作成

Oracle Fusion Middleware環境のリストアおよびリカバリが必要な場合は、必要なすべての情報を入手し、対処することが重要です。これは、特にOracle Fusion Middleware環境全体(またはその一部)を新しいディスクまたはホストに再構成する必要があるような、ハードウェアの損失が発生した場合に当てはまります。

この項で説明されている情報を含む、Oracle Fusion Middleware環境の最新記録を維持管理する必要があります。この情報は、印刷物と電子形式の両方で保管してください。電子形式のデータは、Oracle Fusion Middleware環境とはまったく別のホストまたは電子メール・システム上に格納する必要があります。

Oracle Fusion Middlewareのハードウェアおよびソフトウェア構成の記録には、次のものが含まれます。