Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Application Adapter for Siebelユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.3.0) B61417-01 |
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Oracle WebLogic Serverは、Oracle Application Adapter for Siebelを介してSiebelシステムに接続します。Oracle Application Adapter for SiebelによってSiebelとの接続と対話が可能になります。この章の内容は、次のとおりです。
Oracle Application Adapter for Siebel は、Siebelシステムと他のアプリケーション、データベースまたは外部ビジネス・パートナ・システムとの間でリアルタイムにビジネス・データを交換する手段を提供します。アダプタによって、Siebelとのインバウンドおよびアウトバウンドの処理が外部アプリケーションで可能になります。
Oracle Application Adapter for Siebelは、J2EE Connector Architecture (J2CA)バージョン1.0リソース・アダプタとしてデプロイできます。このデプロイメントは、Oracle Adapter J2CAと呼ばれます。Webサービス・サーブレットとしてデプロイすることもでき、Oracle Adapter Business Services Engine (BSE)と呼ばれます。
Oracle Application Adapter for Siebelでは、XMLメッセージを使用して、非Siebelアプリケーションがサービスやイベントを使用してSiebelと通信したり、トランザクションを交換できるようにします。サービスおよびイベントは、次のように定義されます。
サービス(アウトバウンド処理とも呼ばれる): アプリケーションがSiebelビジネス・イベントを開始できるようにします。
イベント(インバウンド処理とも呼ばれる): Siebelビジネス・イベントの発生時にのみアプリケーションがSiebelデータにアクセスできるようにします。
イベント機能をサポートするため、チャネルがサポートされます。チャネルとは、バックエンドまたは他のタイプのシステムの特定インスタンスへの構成済の接続のことです。
チャネルは、EISアプリケーションからリアルタイムでイベントを受信するアダプタ・コンポーネントです。チャネル・コンポーネントは、ファイル・リーダー、HTTPリスナーまたはMQリスナーです。チャネルは、常にEISに固有です。アダプタでは、特定のEISに対して複数のチャネルがサポートされるため、ユーザーは、デプロイメント要件に基づいて最適なチャネル・コンポーネントを選択できます。
Oracle Application Adapter for Siebel:
Siebelビジネス・サービス、ビジネス・コンポーネントおよび統合オブジェクトに対する同期および非同期の双方向のメッセージ交換がサポートされます。
Siebelオブジェクト・マネージャを使用したSiebelメタデータの検索およびXMLスキーマまたはWebサービスの構築用のGUIツールであるOracle WebLogic Server Adapterアプリケーション・エクスプローラ(アプリケーション・エクスプローラ)が含まれます。
Siebelトランスポート(MQSeries、ファイルおよびHTTP)がサポートされます。MSMQメッセージングもサポートされます。
Oracle Adapter J2CA用XMLスキーマ。
BSE用Webサービス
Oracle Application Adapter for Siebelは、ビジネス・オブジェクト、ビジネス・コンポーネント、ビジネス・サービスおよび統合オブジェクトにより、23のすべてのSiebel Industry Applications (SIA)をサポートします。Siebel Industry Applicationsには、保険、先端技術、自動車、通信、メディア、金融サービス、生命科学、製造および消費財などの各種産業が含まれます。
Siebel Industry Applicationsは、ビジネス・オブジェクト、ビジネス・コンポーネント、ビジネス・サービスおよび統合オブジェクト形式の追加ビジネス・ロジックにより、特定のビジネス要件および特定産業のプロセスに合せて調整されます。Oracle Application Adapter for Siebelはメタデータを公開および生成し、これらの産業固有オブジェクトと対話します。
関連項目: Oracle Application Server Adapterコンセプト・ガイド |
Oracle Adapter Business Services Engine (BSE)のアーキテクチャ
図1-1に、パッケージされているアプリケーションのOracle Webサービス・アダプタ用の一般的なアーキテクチャを示します。アダプタは、J2EEアプリケーション・サーバーのWebコンテナにデプロイされ、BSEと連携します。BSEはアダプタのホストとして機能し、アダプタに対するWebサービス・リクエストを有効にします。
BSEとともにデプロイされるデザインタイム・ツールのアプリケーション・エクスプローラを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照およびサービスの構成を行います。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、BSEによりリポジトリ内に格納されます。
BSEは、クライアントからリクエストの受信、EISとの対話、EISからのレスポンスのクライアントへの返信にSOAPをプロトコルとして使用します。
図1-1 Oracle Adapter Business Services Engine (BSE)の一般的なアーキテクチャ
注意: BSE用のファイル・リポジトリは本番環境では使用しないでください。 |
Oracle Adapter J2CAの一般的なアーキテクチャ
図1-2に、パッケージされているアプリケーションのOracle Adapter J2CA用の一般的なアーキテクチャを示します。Oracle Adapter J2CAは標準のJ2CAコンテナにデプロイされ、アダプタのホスト・コンテナとして機能します。コネクタは、リポジトリで構成されます。
アプリケーション・エクスプローラは、コネクタとともに動作する設計ツールで、これを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照およびサービスの構成を行います。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、コネクタによりリポジトリに格納されます。リポジトリには、ファイル・システムまたはOracleデータベースを使用できます。RARファイルとしてデプロイされ、ra.xml
と呼ばれるデプロイメント記述子が関連付けられています。Oracle WebLogic Serverデプロイメント記述子ra.xml
を編集して、複数のコネクタ・ファクトリを作成できます。詳細は、第3章「Oracle WebLogic Serverのデプロイメントおよび統合」を参照してください。
図1-2 Oracle WebLogic Server Adapter J2CA汎用アーキテクチャ
Siebelエンタープライズ・アプリケーションは、基礎となるデータベースへの依存性を取り除くデータ抽象化レイヤーを定義します。 これは、データベース構造を表す中間のビジネス・コンポーネントとビジネス・オブジェクトを使用して実現されます。ビジネス・コンポーネントは通常データベース内の表を表します。ビジネス・オブジェクトは関連するビジネス・コンポーネントのグループです。
指定されたビジネス・コンポーネントから、そのコンポーネントに対して定義された別のコンポーネントとの関係をナビゲートできます。コンポーネントの関係をたどるために使用されるパスは、ナビゲーション・パスと呼ばれます。たとえば特定アカウントのアドレスをすべて取得する必要がある場合、アカウントとアドレス間の親/子関係をたどってアドレスを取得できます。ナビゲーション・パスを使用することで、Siebelシステム内に定義されたほぼすべてのビジネス・コンポーネントの関係をたどることができます。
Siebelでは統合オブジェクトはSiebelビジネス・コンポーネントと似ていますが、より複雑で階層的なデータ関係を表します。
Oracle Application Adapter for Siebelを使用して、アカウントの追加/更新などのSiebelビジネス・プロセスを開始したり、このアダプタを統合の一部として使用して、Siebelと非Siebelシステムを接続できます。Oracle Application Adapter for Siebelは双方向であり、Siebelが送出するSiebel XMLドキュメントを受信してSiebelからのイベントを検出できます。
Siebel XMLドキュメントを使用してSiebelと統合する場合、アダプタ・アプリケーションの開発者は既存のSiebel統合オブジェクトを使用するか、使用する新規のSiebel統合オブジェクトをSiebelワークフロー内に作成する必要があります。ワークフローはインバウンドまたはアウトバウンドのSiebel XMLを処理し、様々なトランスポート(MQSeries、ファイルおよびHTTPなど)を使用して外部システムとトランザクションを交換します。Siebelワークフローは、通常、Siebelの管理者または開発者によりSiebelワークフロー管理画面を使用して作成されます。
JavaデータBeanまたはCOMデータ・インタフェースを使用して直接Siebelと統合する場合、Oracle Application Adapter for SiebelにSiebel統合オブジェクトやSiebelワークフローは必要ありません。そのかわり、Siebelビジネス・サービスおよびSiebelビジネス・コンポーネントを直接実行します。
次の表に、Siebelのオブジェクトとプロセスを示します。
表1-1 Siebelのオブジェクトとプロセス
Siebelのオブジェクト | APIまたはトランスポート | プロセス |
---|---|---|
ビジネス・サービス |
JavaデータBean (Siebelバージョン6.3-8.0) Comデータ・インタフェース(Siebelバージョン6.01-6.2) |
サービス |
ビジネス・コンポーネント |
JavaデータBean (Siebelバージョン6.3-8.0) Comデータ・インタフェース(Siebelバージョン6.01-6.2) |
サービス |
統合オブジェクト |
ファイル |
イベント、サービス |
HTTP |
イベント、サービス |
|
MQSeries |
イベント、サービス |
|
MQ読取り |
サービス |
アプリケーション・エクスプローラは、エクスプローラ・メタファを使用してSiebelシステムのビジネス・サービス、ビジネス・オブジェクト、ビジネス・コンポーネントおよび統合オブジェクトを参照します。エクスプローラにより、関連オブジェクト用のXMLスキーマおよびWebサービスを作成できます。Oracle Application Adapter for Siebelを介してSiebelにアクセスする外部アプリケーションは、XMLスキーマまたはWebサービスを使用して外部アプリケーションとアダプタとの間のデータの受渡しを行います。
アプリケーション・エクスプローラは、Siebelにより提供されるインタフェースとSiebelアプリケーション・システムに関する詳細な情報を使用して、ビジネス・オブジェクト・メタデータにアクセスします。オブジェクトを選択した後、アプリケーション・エクスプローラはXMLスキーマまたはWebサービスを生成してOracle Application Adapter for Siebelとともに使用するオブジェクトを定義できます。
アプリケーション・エクスプローラの主な機能は次のとおりです。
様々なアプリケーション・システムに接続したり、探索する機能。
アプリケーション・システム・オブジェクト・メタデータへのアクセス。
XMLスキーマおよびWebサービスを生成するためのポイントアンドクリック処理。
関連項目:
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Oracle Application Adapter for SiebelをOracle SOA Suiteコンポーネント(BPEL、メディエータ、BPMまたはOSB)とともに使用する場合、次の点に注意してください。
Oracle Adapter J2CAデプロイメントのみ、Oracle SOA Suiteコンポーネントとのインバウンド統合(イベント通知)がサポートされます。
Oracle Adapter J2CA and BSEデプロイメントでは、Oracle SOA Suiteとのアウトバウンド統合(リクエスト/レスポンス型サービス)がサポートされます。
BSEとOracle Adapter J2CAのデプロイメント間の差異には、次の2つの要素があります。これらの要素を理解することは、デプロイメント・オプションの選択に役立ちます。
BSEには次の利点があります。
Oracle WebLogic Serverの個別のインスタンスでデプロイできます。
優れた負荷分散を提供します。
アプリケーションの構築について、Service Oriented Architecture (SOA)モデルにより厳密に準拠します。
Oracle Adapter J2CAの方がBSEよりもわずかに高いパフォーマンスが得られます。